2周目スズカさんがトレーナーを手に入れるまで   作:subcul

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友人にアカウントがバレましたが、屈せずに♡マーク多めになりました。

清楚なスズカさんはウチにはいません。何が言いたいかというとキャラ崩壊が加速していきます。


スズカさん、出走する

~♪♪♪♪

 

 

「んぅっ...朝...?」

 

 

アラームに設定しているファンファーレで目を覚ました。今日は何時にもなく目覚めが良い。よく眠れたような気がする。

 

 

あれ?と首を傾げる。

 

 

「昨日トレーナーさんに抱きついた後の記憶がない...?」

 

 

浮かれていて忘れている。なんてことはないはず。15年ぶりに会えたトレーナーさんの一挙手一投足を忘れるはずないもの...

 

 

一気に冷や汗が吹き出てくる。

 

 

【もしかして、都合のいい夢を見ていたのかもしれない】

 

 

「いや...嫌っ!」

 

 

夢なんかじゃない!考えても考えても嫌な現実が頭を過ぎる。毛布を被り枕に顔を埋めた。

 

 

瞬間、

 

 

「まじゅい♡♡♡ですっ♡♡♡わらひ♡♡♡こわれちゃ♡♡♡」

 

 

枕元にあった【劇毒】に気が付かなかった。【劇毒】それは、トレーナーさんが身につけていたワイシャツ。

 

 

「なんれぇ♡♡♡トレーナーしゃんの♡♡♡」

 

 

枕に顔を埋めるように、勢いよくダイブしたものだから、私の顔は今トレーナーさんに包まれていた。早く離れないと

 

 

「こわしゃれる♡♡♡トレーナーしゃんにこわしゃれちゃうっ♡♡♡」

 

 

どうにかして離れようとしても...

 

 

「だめっ♡♡♡細胞が離したくないって♡♡♡離れられない♡♡♡」

 

 

思えば、離れるだなんて到底無理だったんだ。ずっと会いたくて、愛していたトレーナーさん。やっと手が届いたのにそれを離そうだなんて、出来るはずなかった。

 

 

...身体中の水分が抜けていくのを感じる。

 

 

...離れることは絶対に出来ない。

 

 

...そのまま1時間が過ぎてしまった。

 

 


 

 

「やっちゃったわ...私...」

 

 

幸いにも朝練をする前提でアラームをセットしていたので、時間にはまだ余裕があった。そこで私は、火照った身体を沈めるためのシャワーで1人反省会をしていた。

 

 

「自分でも抑えきれないなんて...それにトレーナーさんのワイシャツ...きっと掴んでそのまま...」

 

 

ウマ娘(わたし)のことを第1に考えているトレーナーさんのことだ。きっと眠ってしまった私を運んでくれたのだと思う。

 

 

「変なウマ娘と思われたらどうしよう...」

 

 

彼からすれば私は泣きながら飛びついてきて、挙句の果てに眠って運ばされることになったウマ娘。普通ならなるべく離れたいと思うかも。

 

 

...でも、まだ挽回はできる。ワイシャツを返しに行ってトレーナーになってもらうようにお願いすれば...

 

 

走るのは好きだし自信もある。前世では速さの先の景色も垣間見た。私の走りさえ見てもらえればスカウトしてくれるはず...

 

 

「早くワイシャツを返しに行かないと」

 

 

返さないと何も始まらない。返さないと...

 

 

トレーナーさんの匂いが染み付いたワイシャツを...

 

 

「その前にもう少しだけ...」

 

 

...結局授業には遅れてしまった

 

 


 

 

授業が終わり時は放課後。重いのか軽いのか分からない脚でトレーナー室へ向かう。ランドリーで洗濯をする時は手が震え、心臓が張り裂けそうになりながらも洗濯できた。

 

 

でも、今後のことを想像する。走るのが速い(魅力的な)ウマ娘の私を見たトレーナーさんは

 

 

「なんて素敵なんだ!サイレンススズカ、君をスカウトさせて欲しい!」

 

 

「俺が絶対に君に【先頭の景色を見せてやる】」

 

 

「俺を君のトレーナー(伴侶)にしてくれ!」

 

 

「ふふっ♡トレーナーさんったら♡」

 

 

*このウマ娘、掛かり気味である。待ち望んでいた会合を果たし、ワイシャツで1度脳を破壊されたウマ娘は止まらない。

 

 

「今行きますね♡トレーナーさん♡」

 

 

ワイシャツへの未練を断ち切り、私はトレーナー室へ軽い脚取りで向かった。

 

 


 

【トレーナーside】

 

 

「担当どうするかなぁー」

 

 

*掛かり気味の蒸気機関車のようなウマ娘が向かっているのを知る由もなく、この男は【ウマ娘指導要領書】を読んでいた。

 

 

「やっぱり最初は王道の【先行脚質】が指導しやすいのか?講義も先行を前提の講義が多かったし」

 

 

そもそも新人の俺がいきなり担当を持つと言うのも酷な話じゃないか?幾らトレーナー不足とはいえ研修くらいはあってもいいだろうに。やはり大手のチームを持つ先輩に指導を頼むのが良いのだろうか。

 

 

「だが、俺にも夢がある。そのためには1つでも多く経験を積み、一刻も早くスターを見出すんだ」

 

 

【大逃げが出来るスターを】

 

 

彼女と約束した。勉強は嫌いだが足掻くしかない。幼少期の約束とも言えぬ約束。笑いたいヤツは笑えばいい。

 

 

「それでも研修くらいは寄越せよ畜生!」

 

 

辞めだ辞めだ!感傷に浸るのはガラじゃない!

 

 

「そうと決まれば教えを乞いに行かねぇと」

 

 

丁度放課後だ。見学だけでもさせて貰えると良いが。

 

 

「薬、飲まないとな」

 

 

不愉快な硬さを水で流し込んだ。

 

 

トントン

 

 

「どうぞ〜」

 

 

たづなさんだろうか?書類ミスだと申し訳ないな...ドアの先にいたのは

 

 

「あの...先日はありがとうございました」

 

ゲッと声が出そうになった。今の今まで忘れていた【ラノベウマ娘】

 

 

「ワイシャツを返しに来ました。本当にごめんなさい...」

 

 


 

【スズカside】

 

 

「あー。そうだったな。わざわざありがとう」

 

 

流石にトレーナーさんは私に難色を示した。予想が出来ていても愛する人に冷たくあしらわれた事実は変わらない。思わず涙が出そうになった。

 

 

「ランドリーで洗濯はしてあります」

 

 

そう言って差し出されたトレーナーさんの手を軽く握って受け渡す。

 

 

「あ、ああ。ありがとう?」

 

 

困惑しているトレーナーさんも可愛い♡思わず抱きつきたくなるけどなんとか我慢する。

 

 

トレーナーさんの机を見るとやっぱり担当は決まってないみたい。

 

 

「チャンスだわ...」

 

 

「ん?どうしたんだ?」

 

 

「いえ、なんでもないです♡」

 

 

ここで切り出すのよ私...走りを見て欲しいって!

 

 

「あの、トレーナーさん!」

 

 

「今度はどうかした?」

 

 

「私のトレーナー(伴侶)になってください!」

 

 

「えぇ...?」

 

 

嘘でしょ...!口が勝手に...!

 

 

急いで訂正しないと...!

 

 

「えっと、選抜レースには出るんだよな?」

 

 

あれ?意外と手応えが...!

 

 

「はい!もちろんです!」

 

 

「そっか。ならそこで見るよ。実は俺も君のことが気になってたんだ。夜のトレーニングを見てさ」

 

 

「んっ...///」

 

 

多幸感で震えてしまいそうになる...トレーナーさん♡

 

 

「じゃあ俺は用事があるから部屋閉めるぞ」

 

 

「はい♡楽しみにしててくださいね♡」

 

 

ふふっ♡もう少し...♡

 

 


 

 

*選抜レース当日

 

 

「選手出揃いました!まもなくスタートです!」

 

 

「スズカさーん!頑張ってくださーい!」

 

 

「スズカ〜ファイトデース!」

 

 

2人の歓声を受けながらグッと気を沈める。トレーナーさんが見ているんだから頑張らないと...

 

 

スタートを決める為に全神経を集中させる。

 

 

今っ!

 

 

「一斉にスタートしました!先頭は1番サイレンススズカ!」

 

 

スタートは完璧...!あとは

 

 

「サイレンススズカいきなり突き放しにかかった!他のウマ娘も必死に食らいついています!」

 

 

駆け抜けるだけ...!

 

 

久しぶりのレースでどんどん気分が高揚していく。

 

 

「第2コーナーを回って順位の確認です!先頭は依然としてサイレンススズカ!2番手とは5バ身差!後方のウマ娘は差し返せるか!?」

 

 

もっと...もっと速く...!

 

 

「逃げる!逃げる!サイレンススズカ!」

 

ギュルルンギュルルン。エンジンが温まっていくみたいに、私の身体もゆっくりと熱を帯びていく。

 

 

「第4コーナーにさし掛かろうとしているがこれはセーフティリードか!?」

 

 

次第に周りの音が消えて見えてくる。私だけの、ううん。【私とトレーナーさんがいる景色】が。

 

「やああああああ!!!」

 

 

手は絶対に抜かない。これは序章だから。

 

 

「サイレンススズカ大差をつけて今ゴールインです!」

 

 

私の、トレーナーさんの輝かしい未来への。

 

 


 

 

【トレーナーside】

 

 

「ははっ...はははは!!」

 

 

「あっはははははは!!!」

 

 

なんて、なんて綺麗なんだ!!!

 

 

トゥインクルシリーズ前であの圧倒的な大差!ゴールしても息切れすらしていないスタミナ!何よりも圧倒的なのはやはりスピード!

 

 

素質あるウマ娘が集まる中央トレセンでも頭1つ、いや。かの皇帝シンボリルドルフ以上かもしれない!

 

 

それに、あの表情。第4コーナーに差し掛かった時のあの表情。

 

 

なにか強い意志を感じた。レースに勝つというだけでは無い。もっと何かデカいことをしようとするような表情だった。

 

 

「間違いねぇ!アイツは次世代のスターだ!」

 

 

「最も綺麗で速い!次世代のスターだ!」

 

 

今まで運命なんて信じていなかったが

 

 

【これは紛れもない運命だ】

 

 

そう、思った。

 

 


 

 

【スズカside】

 

 

レースが終わって直ぐにトレーナーさんの元に歩いていく。

 

 

「サイレンススズカ!是非ウチのチームに来てくれ!」

 

 

「いいや、私のチームよ!」

 

 

「バ鹿野郎!俺が1番彼女を輝けさせる!」

 

 

「私の所に来なさいサイレンススズカ。私なら貴方をもっと速くできるわ」

 

 

ダメ。私のトレーナーさんはあの人だけ。

 

 

...いた。彼は地面に片膝を着いて手で顔を覆っている。

 

 

「あの、トレーナーさん...?私の走り...」

 

 

言葉が最後まで紡がれることは無かった。

 

 

「サイレンススズカ!」

 

 

「え?えぇっ!?」

 

 

急に立ち上がったトレーナーさんが私を抱きしめたから。

 

 

「俺は、君ほど速く綺麗なウマ娘を見たことが無い!」

 

 

「ずっと君の隣にいさせてくれ!」

 

 

ずっと...隣に...?

 

 

それって…もう♡

 

 

「そんなこと言って良いんですか♡もう私以外のウマ娘を見れなくなっちゃうんですよ♡一生私以外見れなくなるんです♡」

 

 

「ああ!俺は君と同じ景色を見ていたい!」

 

 

あ♡もう、ダメ♡♡♡そんな口説き文句言われたら♡♡♡

 

 

「トレーナーさん♡♡」

 

 

元から逃がすつもりなんて無かったのに♡♡♡

 

 

「末永く♡♡よろしくお願いします♡♡」

 

 

絶対に離してあげませんから♡♡




やってしまった。後悔は無い。

R18は多分回避していると思われ。

このシリーズは天皇賞・秋を走って、その後なんやかんやあって、ハッピーエンドで完結にしたいと考えています。(まだ書いていないので変わる可能性はありますが)

完結は多分まだまだ先です。先が見えません。
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