フリージアの調べ   作:雑煮

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別のサイトに上げてたものを加筆修正してこちらに流してみた。
根流しすっぺ。
(タイトルと内容に関係は)ないです。


はじまり

今日もまた殴られて蹴られる。

 

物心ついた頃にはもうすでに家庭内暴力の嵐だった。

母は庇ってくれていたが庇う度に酷い青アザを作っていたので、小学1年になる頃には見ていられずに自ら進んで糞親父の拳を受けるようにしていた。

 

 

「あん?なんだその目は?そんな目で俺を見るんじゃねぇクソガキが!!」

 

 

アンタに似たんだよなぁと思いつつ、口には決して出さずに黙って殴られていた。

あと何年殴られれば良いのだろう、そろそろ我慢の限界かもしれんと考えていた頃。

 

 

「いい聞いて…アイツは下手打って組の連中に殺されたわ。

もうすぐここにも奴等が来るだろうからあなただけでも逃げて」

 

 

呆気なくアイツは死んだ。いや、そんな事よりも逃げろだって?

 

 

「母さんは…?」

 

「私はここで時間を稼ぐからあなただけでも逃げてちょうだい」

 

「でもどこに…」

 

「ここ…ここに逃げ込みなさい。話は通してあるからすぐ匿ってくれるわ。」

 

 

母がそう言いながら渡してくれた紙には、ある施設の地図が書かれていた。

 

 

「お金と通帳も渡すから、ね?

…あなたは昔から賢い子だわ。あなた1人でも絶対辿り着ける。」

 

 

母の顔は酷く優しくて尚更離れ難かった。

 

 

「母さんも一緒に…」

 

「…私も一緒に行きたかったわ。でもそれじゃあすぐ奴等に追い付かれちゃうの。

大丈夫よ。私も上手いこと逃げ出すから。ね?お願い…

 

………1人でここに向かいなさい。」

 

「…分かったよ母さん」

 

 

俺は悟った。もう二度と母には会えないだろうと。

 

 

 

 

 

 

"今日未明○○県○○市にて、△△アパートが全焼する火災が発生しました。警察によりますと焼け跡から身元不明の1人の遺体が発見され、事故と事件の両面で捜査を……"

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________________________________________________

 

 

 

「りゅーうーやーくーん!あーそーぼー」

 

「隆也くんあそぼあそぼ」

 

「ねむい…」

 

「あ゙ーぞーぼ!!!!!」

 

「あそんであそんで!!!!!!」

 

「うるせぇ!!!!!!!」

 

 

俺が施設に入って1年が経つ。

自分で言うのも何だが、愛想が無いはずなのに何故かちびっ子連中に懐かれる。

あっ、俺もちびっ子か。

 

 

「あらぁ〜隆也くんは相変わらず大人気ね〜」

 

 

俺もうやだ。疲れる。働きたくない。

 

 

「働きたくない」

 

「え…り、隆也くん?」

 

「何でもないです」

 

 

俺もとい、山田隆也は施設に入ってから度々変な思考に支配される時がある。

言葉の意味が分からんし、何より気色が悪いので何とかして欲しいところ。

 

 

「りゅうやくんあそんでよ」

 

「やきゅうしよやきゅう!」

 

 

やきうかぁしょうがねぇなぁ。

 

 

「人数は揃ってんのか?」

 

「んーとね…ぼくたちいれて…5にん?」

 

 

ん?それ野球出来なくねぇか?

 

 

「そんな人数じゃ野球出来ねぇぞ…しょうがねぇ俺がボール打ってやるから取れよ」

 

「え〜そんなのつまんないじゃん」

 

「馬鹿言え立派な練習だよ、練習!」

 

 

母さんが居ない中、この先どうなるか心配していた。

が、この孤児院思いの外快適で結構気に入っている。

 

ただここ、オーナーがヤクザっぽいんだよなぁ…

明らかに組長っぽい渋メンがサンタの格好して来た時には笑っちまったけど怖いなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日はみんなに新しいお友達を紹介します!」

 

 

へぇ〜新しい奴来るんだ。それは良いんだけど大丈夫?

ここすげぇペースで入居者増えてるんだけど大丈夫?

孤児ってそんなホイホイ増えるもんなん?

 

 

「桐生…一馬です。」

 

 

"カズマです…"

 

何故だか知らんがこいつがゴツイ顔でポケサーやらホストやってシャンパンわっしょいしてるビジョンが見えた。

 

はて…ポケサー?ホスト?シャンパン?なにそれ?

それにしても……

 

 

「うっすい顔だな。」

 

「隆也くん!?」

 

「えっ!うすい????」

 

 

いかん…つい謎の思考に支配されて変な事を。

 

 

「いえ、何でもないです。」

 

「?????????」

 

 

いやホントすまんて。桐生くんもそんなクッソ困惑した顔しなくていいから流して。

 

 

「え、ええと…一馬くん、この子は隆也くん。

同い年で優しい子だからすぐに仲良くなれると思うわ。」

 

「うす、山田隆也です。よろしく桐生くん。」

 

「う、うん。よろしく山田くん。」

 

 

やったね!同い年のお友達が出来たよ!!

何故か謎の思考は焦りまくってるけど何でだ?

 

 

「てか将来はヤーさんになる的な?」

 

「え?」

 

「り、隆也くん!!!!」

 

 

この思考にも困ったものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は新しいお友達を紹介します!」

 

 

今年新しいお友達多いなおい。経営大丈夫か?

いや、ヤクザオーナーだからOKか。

 

 

「にしても新しいお友達増え過ぎだろ。新しいお友達のバーゲンセールか?」

 

「隆也…」

 

 

あーまた口から勝手に…

 

 

「バーゲンセールってなんだ?」

 

「一馬のそういう所好きだぞ。」

 

「え?えへへ」

 

「まだ顔うっすいから可愛いなおい。」

 

 

ゴリラ顔でえへへ言われたら引くけど。

 

ん?一馬、ゴリラ顔になるの?いやだなぁ…

 

 

「またうすいって…」

 

「一馬静かにしろよ、新しいお友達来るぞ?」

 

「ちょっとイラッときたぜ。」

 

「新しいお友達の錦山彰くんと錦山優子ちゃんです!

さっ、2人とも挨拶して。」

 

「錦山彰…です。」

 

「妹の優子です…。」

 

 

△ 山 中 置 き 去 り の 極 み

 

何だこの強烈な既視感!?

会ったことないのに知ってるぞこの顔!?

妹さん若くして死ぬぞ?え?

そのお兄ちゃんも若くして死ぬやん?え?

 

 

「ミレニアムタワー爆発してyeahしそう。」

 

「え?隆也なんだって?」

 

 

俺も自分に聞きたい。

なんだよ自動翻訳って…挨拶が出来ても建設なんて出来るわけないだろ…?誰だよあの派手な服装のオッサン…

 

情報が一気に押し寄せて来てて猛烈に頭が痛い。

 

 

「…ところでこの孤児院のオーナー誰だっけ?」

 

「誰って、風間の親っさんだろ?急にどうしたんだよ。」

 

 

あっ、これ龍が如くやんけ。

 

あーなるほどね、そりゃ前世の俺(謎の思考)も焦りまくる訳だわ。

だって一馬と一緒に居たら死ぬ確率跳ね上がるもん。

歩く死亡フラグだもん。

身内&舎弟絶対殺されるマンだもん。

いやもう無理無理の無理。

 

 

「一馬わりぃ、俺ちょっと富士の樹海行ってくるわ。」

 

「ちょっと隆也くん!どこに行くの!?」

 

「ちょ、まっ、隆也!?」

 

 

俺ぁ死にたくねぇぞ全く、やってられっか!

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後

 

「へ?なんだって?もっかい言って?」

 

「いやだから俺と桐生は中学卒業したら極道なるからお前もならねぇかって。」

 

「あ?あんだって?」

 

「いやだーかーらー!」

 

「錦…何言っても無駄だと思うぜ。ギャグモードになってる。」

 

「おい桐生、なんだよそのモード…。」

 

 

僕、隆也くん中学生。

今、極道にならねぇかって迫られてて笑えるの。

 

 

ふざけんな!!!!

こちとら高校進学する気満々だわ、たわけが!

一応お友達?な奴をヤベェ道に勧誘すんな!部活じゃねぇんだぞ!

ドタマかち割って東京湾に沈めんぞコ゛ラ゛ァ゛!!!!!

 

 

 

「あのさぁ…俺もう高校進学の手続きしちゃってんだよね。」

 

「う…でもお前がいりゃ百人力だし。」

 

 

なんの百人力だよ。桐生いりゃ十分やんけ。

やめやめろ、その道真っ黒"敗北s……

 

お願いだから俺を誘わないで♥

 

 

「それに俺、ヤクザ嫌いだしさ。

親っさんと柏木さんは別だけど。」

 

「…錦、無理強いは良くないぜ。行こう。」

 

「錦、桐生…ごめんな。」

 

「いや俺の方こそしつこく聞いて悪い…。」

 

 

嫌だからね!

いくら何でもヤーさんになるのだけは嫌だかんね!!

死にたくないし痛いの嫌だわ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「隆也は将来、何になるか決めているのかい?」

 

「いや特に…普通に進学して普通に就職ですかね。」

 

「ふむ、そうか。」

 

 

この親父、実に嬉しそうである。

ここ(ヒマワリ)にはあんまり居ないだろうしね、普通に進学して就職だなんて。

 

 

「一馬と彰の事は」

 

「もちろん知ってますよ。ヤクザになるんですよね?」

 

「あぁ…」

 

「…ちなみにどこの組に?」

 

「堂島組という所だ。それがどうかしたかい?」

 

 

どうかしたかい?じゃねぇわい!

 

 

「え?親っさんのとこじゃないんです?」

 

「私の所に入れたら甘くしてしまうだろうからね。

堂島組に入れて少しでも厳しく…」

 

「どうせなら風間組に入れてあげましょうよ。

アイツら親っさんに憧れてこんな修羅の道進もうとしてるんですよ?。

なのに別の組に入れちゃうだなんて可哀想じゃないですか。」

 

「いやしかしだね…あの世界において甘くしてしまうのは些か問題が」

 

「大丈夫でしょう、あの2人賢いですし。

親っさんが心配するような事には絶対なりませんよ。」

 

 

実際堂島組に放置されても仁義の心は失わなかったし。

というか、あの小物パンチパーマが渡世の親になるとかそれ何て罰ゲーム?

 

 

「むう…だが…」

 

「親っさんの漢気と態度があの2人を引き込んだようなもんなんですから責任取りましょうよ。」

 

「…そうだな、分かった。私の組に入れよう。」

 

 

俺が言うのもなんだが、親っさん甘々過ぎない?本当にそれでいいの?そこはもっと粘ろうよ?心配になってきちゃったよ?

 

まぁ2人が幸せになるんならええかぁ。

もう二度と会えねぇかもしれないが、俺は俺で地方で働いて幸せになるから頑張れよ!!

某神室町には絶っっっっっ対近付かないからな!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に数年後

 

「君、明日から神室町支店勤務ね。」

 

「え?」

 

「頼んだよ。」

 

 

ポンッと俺の肩を叩き上司はその場を去っていった。

山田隆也、19歳。

入社1年にしてこの急な転勤。

前世の仕事力を全力投球してしまった結果がこれである。

 

 

「OhhhhhhhhhhhhhNoooooooooooooo」

 

 

社内に響き渡る悲鳴はしばらく話のネタになったとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神室町天下一通り…」

 

 

みんな大好き神室町。

右手にはお馴染みの風堂会館と左手にはお馴染みのセレナがあるよ!

セレナに向かえ(予定調和)

 

向かわねぇよ。

 

 

「……いやまぁ会社に出勤するだけだし街で遊ばねぇしアイツらも仕事してるだろうし」

 

 

通りの向こうに黒いゴリラと紅いロン毛が見えるが気のせいか。

 

 

「俺もうね、逃げる」

 

 

しかし ゴリラに 回り込まれた!

 

 

「げっ」

 

「おいおい逃げようとしなくてもいいだろ隆也」

 

「やっぱり隆也じゃねぇか!3年ぶりか?」

 

 

え、やだ怖い。彰くんはそうでもないけど一馬くんめちゃ怖い。

中学までのカワイイ顔はどこいったの?

なにあのゴリラ?マジでゴリラじゃん?服の色も相まって完全に

 

 

「ゴリラじゃねぇか!」

 

 

錦の腹筋が崩壊した。桐生がすげぇ怖い顔してる。

 

 

「え?ちょっと待って?命だけは取らないで?頼むから」

 

「取らねぇよ!全く相変わらずだなぁ隆也は」

 

 

錦さっきからゲラゲラ爆笑しててうるさい。転がしたい。

 

 

「あのさぁ、1つ聞いていい?」

 

「ん?なんだ?」

 

「なんでたった3年で顔面ヤクザゴリラになるわけ?

あのうっすい顔どこ行った?」

 

 

錦こわれる 笑い方がガハハハですげぇオヤジ臭い。

 

 

「顔面ヤクザゴリラ…」

 

「いやごめん殺すのだけはよして」

 

「だからやらねぇって。

…ったく、隆也お前なんで神室町にいるんだ?確か地方に就職したはずだよな?」

 

「あーそれね、早速転勤でね、こんなところに飛ばされた。」

 

「ガハハハハ…ハハ……はぁ、いやお前それ出世じゃねぇか?

地方の田舎から神室町だなんてよ。」

 

「いやここ治安悪すぎて今すぐにでも仕事辞めたいわ。」

 

「え?そんなに?」

 

「現に真昼間からすげぇ怖いヤクザ2人組に絡まれてるし。」

 

「………。」

 

「………。」

 

「………。」

 

「いや、その…悪かった。」

 

 

場の空気が悪くなってしまった。

俺は悪くねぇ。

 

 

「冗談よ…冗談。

友人だから良いけどさ、正直最初はビビったわ。」

 

「くくく 桐生に追いかけられたら誰だってビビるっての」

 

「おい錦」

 

「怒んなって桐生。で?隆也はこんな昼間から何してんだ?」

 

「引越し早く終わったから下見しようかと思ってね。

しなけりゃ良かった。」

 

 

いやホントしなけりゃ良かった。

ガチでこえぇし周りの視線も刺さりまくってて嫌だ。

 

 

「おっもうこっちに引越したのか!どこ住みだ?教えろよ。」

 

「錦なら教えたるよ。」

 

「え?俺は?」

 

「怖いからやだ。」

 

「………。」

 

「………。」

 

 

いやそんな捨てられた犬のようなしょんぼり顔されたら…

 

 

「…教えるよ。」

 

「本当か隆也!」

 

 

顔は可愛くなくなったけど可愛い。

何言ってんのか分かんねぇと思うが俺もよく分からん。

処遇ギャップ萌えというやつだろうか?

 

 

ガチムチ成人ゴリラに萌えを感じるとか俺もう駄目かもしれん。

 

 

「さて昼食ってないしどっか店探すかな。」

 

「だったら牛丼食いに行こうぜ!色々話してぇしよ!」

 

「え?奢ってくれるって?」

 

「言ってねぇよ!大体お前の方が金持ってんだろ…」

 

 

新卒だしそんな持ってるわけねぇだろ!いい加減にしろ!

 

 

「先にお金貰える立場になってんのに奢りもなしかよぉ、シケてんなぁ」

 

「俺らは下っ端だぜ?未だに安いアパートでカップラーメン暮らしだ。」

 

「俺はそこそこ良い所に住んでるけどな。」

 

「へぇだよね、そんな気はしてた。

つかそれ錦なら余裕で奢れるって事だよなぁ?

奢ってくれよパイセン?」

 

「俺の分も頼むぜ錦。」

 

「んなっ!?お前ら何勝手に!!」

 

 

その後20歳になって、なんやかんや神室町で仕事して、なんやかんやセレナに連行されて、なんやかんやヤクザ(友人)と飲みに行くようになった。

 

んまぁ別に悪くはないね、うん。

錦の話は酒の肴として丁度良いし、桐生は微妙だけど…

 

半年くらいは平和に過ごせてたが、そうもいかないのがこのトンチキ喧嘩ワールド。当然問題が発生する訳で。

 

 

「どういう意味だっけこの数字の羅列は…

至急この番号にかけろ、だっけ?

早くガラケー出てくんないかなぁ…

 

麗奈さん悪いけど電話借りられる?」

 

「ええ、いいわよ。錦山くんから?」

 

「うん、そう。絶対厄介事だぜ?嫌だなぁ。」

 

 

セレナのママである麗奈さんに愚痴りつつ受話器を取る。

 

 

「あら?そんな事言いつつすぐ電話するなんて…

やっぱり仲が良いわね、あなた達は。」

 

「一応親友だしねぇ。

俺一般人だから、あんましそちらさんの厄介事に巻き込んで欲しくないんだけど。」

 

 

向こうが親友と思ってくれてるかは置いといて…

俺は、延々と文句を垂れ流しながら指定された番号を押す。

時期的にあの件だろうなぁ。

 

 

「もしもし、俺だ。」

 

『隆也か、ちと厄介な事になった。今大丈夫か?』

 

「厄介事なんてお前らにゃ日常茶飯事じゃねぇか。

今、丁度セレナで飲んでた所だ。どこに向かえばいい?」

 

『ああ、だったらそのまま風堂会館に来てくれ。』

 

「あ?一般人が入っちゃっていいのか?」

 

『それに関しては大丈夫だ、遠慮無く来てくれ。

…頼むお前の知恵を貸してくれ。俺達じゃ良い考えが思い浮かばねぇんだ。』

 

 

いや何それは…(困惑)

俺の知恵って言われても。

どうせ親っさんが根回ししてるんだし、余計なことしない方が良いのではなかろうか。

 

 

「はぁ、良く分かんねぇけど風堂会館に行きゃいいんだな?」

 

『ああ!待ってるぜ。』

 

 

…このまま首を突っ込んで良いものか。最悪死ぬ案件やぞこれ。

取り敢えず風堂会館に行ってみるか。

 

 

「山田くん、今日の分は私の奢りにしとくわ。」

 

「え?いいのか麗奈さん」

 

「いつも贔屓にしてくれてるもの。さ、早く行ってあげて」

 

「助かる。今度またゆっくり飲みに来るから」

 

 

セレナと風堂会館は目と鼻の先なのだが、セレナ出てすぐヤクザに囲まれた。

出待ちを止めろ(半ギレ)

 

 

「テメェが桐生とつるんでるって奴か?」

 

 

あの代紋は久瀬の所だったっけ?非常に面倒臭いぞ…

と、取り敢えず冷静に…

 

ナメられないようガン付けて返さなきゃ(使命感)

 

 

「んまぁそっすけど何か?」

 

「親父がお呼びだ 大人しく来るってんなら何もしないぜ?」

 

 

は?あのクソ怖顔面凶器どこでもエンコセットさんが?なんで?

 

 

「なんであんたらの組長さんが?」

 

「オメェを組に連れてけば桐生の野郎も大人しく堂島組事務所に来るって寸法よ。」

 

 

あ?それ教えちゃっていいわけ?

馬鹿なの?阿呆なの?死ぬの?エンコして♥

それ知っちゃったら尚更行く気失せるんやが。

 

 

「俺を桐生釣る餌にしたいって事か。どうすっかなぁ 」

 

「あ?テメェに選択肢なんてあるわけねぇだろ?」

 

「抵抗すればそれなりに痛めつけちまうぜ?」

 

 

え?俺カタギですぜ?カタギに手を出すのはアカンやろ。

どこでもエンコセット案件不可避やぞ。

 

にしても、これもうやり合うしかないよね?

うん!面倒くせぇボコっちゃおう!

 

 

「しょうがないなぁ…

大人しく付いてくわけないだろ!あほんだら!!!」

 

「ぐぼぉあ!!」

 

 

俺は近くに置いてあった看板を持ってぶん回した。

1人はぶっ飛ばしたが、もう1人は避けられてしまった。

 

 

「て、テメェふざけやがって!!!」

 

 

避けた男がナイフ片手に襲いかかって来た。

幸い、看板持って攻撃してきたカタギに動揺しまくっていたらしく、男の一撃を簡単に避けることが出来た。

 

勢い余った男が体勢を崩した隙に看板でぶん殴り転倒させ、そのまま看板を思い切り叩き付けフィニッシュ。

一般人だって極み技モドキは使えるんやで(ヤケクソ)

 

どっからどう見ても死ぬムーヴだが、この街の人間はやたら頑丈なので何も問題はなかった。

 

 

 

「つ、つえぇ…バケモンかよ…」

 

「テメェどこの組のもんだ……」

 

「ただのカタギです。」

 

 

ほら、他のカタギ主人公だって看板くらい平気で叩き付けてるしカタギよカタギ。カタギだってば。逸般人もちゃうで。

 

この騒ぎを聞きつけたのか、柏木さんと錦と桐生が来た。

 

 

「こいつら久瀬拳王会か」

 

「あっ柏木さんどうも。先週の冷麺の会ぶりですね。」

 

「相変わらず緊張感ねぇなお前…」

 

「いやぁそれほどでも」

 

「褒めてねぇよ」

 

 

柏木さんとテンプレお遊び楽しいです。

顔は鬼そのものだけど、一々ツッコミ入れてくれる柏木さん好きやで。

それはそれとして、週7冷麺はキメ過ぎだと思うの。

 

 

「にしてもお前…派手にやったなぁ」

 

「錦、錦。桐生よりかはマシだよ。」

 

 

全てを破壊するMAP兵器に比べたら遥かにマシ。

俺、看板壊しただけやし。

 

 

「……そうだな。」

 

「んなこたぁねぇだろ、普通だ。」

 

「ホテル街んとこのチャリ毎回全部壊ししてる癖になにを」

 

「あ、あれは偶々だ!」

 

 

たまたまねぇ、ふーん。天災かな?(すっとぼけ)

ゴリラをジト目で見てやると目をそらしやがった。

 

 

「で、セレナ出てすぐ襲われたし明らかに張られてたと思うんだけど何があったん?」

 

「ここで話すのはマズい、事務所に行こう。」

 

「…ホントに事務所行っちゃうんすね柏木さん。」

 

「安心しろって隆也!

お前どっからどう見ても極道モンにしか見えねぇからな!」

 

 

は?誰が極道モンじゃい!

どっからどう見ても一般ピーにしか見えねぇだろ!

某ゴリラホストみてぇな事言いやがって!!

 

錦に腹パンをかましておく。あっ錦転がった。

 

 

「ぐぉぉぉぉぉ」

 

「に、錦」

 

「全く…遊んでねぇで行くぞ。」

 

「うす」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

流石二次の組事務所、お高いお菓子が出るわ出るわ。

なんか知らんけどムカつく。

 

 

「隆也ズルズル 錦山から聞いてると思うがズルズル 桐生が面倒な事にズルズル 巻き込まれたズルズルズルズルズズゥ」

 

 

なんでこの人冷麺食いながら話してるの?

シリアスなのかシリアルなのかハッキリしてくれ。

 

 

「柏木さん柏木さん、食べ終わってからでいいすよ。ズルズルズルズルうるさいですし」

 

「お前よく柏木さん相手にハッキリ言えんな…」

 

 

腹を擦りながら錦が言う。

 

 

「柏木さん怖いより冷麺うるさいの方が勝ったわ。」

 

「あっそう…」

 

 

15分後、冷麺を食べ終わった柏木さんが改めて話をした。

 

 

「ふぅ…すまんな隆也。

お前を呼んだ訳だが、桐生が面倒な事に巻き込まれてな。」

 

「それいつもの事では?あっスンマセンユルシテ…

それで具体的にはどんな?」

 

「…お前、ニュース見てねぇのか?」

 

「すんません、ずっとセレナで飲んでたんで」

 

 

そうか…と言った柏木さんは「カラの一坪」で起きた殺人事件について教えてくれた。

予想はしていたけどやっぱりね。

 

 

「桐生、お前昔っから面倒事に巻き込まれてたけど今回の神がかってねぇか?不運過ぎてある意味凄くない?」

 

「お前は俺が殺したと思ってないのか?」

 

「絶対に無いでしょ。

お前意外とへたれだし殺しなんて無理無理。」

 

 

少し笑いながらヒラヒラと手を振ってやる。

 

極み技で何人か葬ってそうな顔してるけど、シラフでマジな殺人は絶対無理でしょ。

誓って殺しはやってません!(チャカ乱射)

 

 

「へ、へたれじゃねぇ…」

 

「分かった分かった。

それで俺にどうして欲しいんです?

一般人の俺が出来る事なんて高が知れてますよ?」

 

「…桐生は組を破門される事で問題を解決しようとしてるんだが」

 

 

あの桐生だし破門ルート考えちゃうよねぇ。

このまま放置すれば親っさんの狙い通り、破門されて立華不動産に拾われると。

 

あれぇ?でもこれだと立華さんが……アカンなこのルート。

抗争に巻き込まれるのはすこぶる嫌なんだが、どうにか出来ないものか。

 

 

………こうなりゃヤケや。漢なら度胸。もうどうにでもな~れ。

 

 

「……根本的な解決にはならないですよねそれ。

ハメた奴を徹底的に叩きのめさないと更に厄介な事になっちゃいますよ。」

 

「だ、そうだ桐生」

 

「でも!俺、親っさんや組の連中に迷惑はかけたくねぇ!」

 

「多分桐生をハメた奴らの本当の狙いは親っさんだ。」

 

「え?」

 

 

頑張れ俺。知恵を絞れ俺。適当に話を盛るんや俺。

何とか桐生を言い包m…説得して破門から目を逸らさせねぇと。

 

 

「いいか、親っさんの影響力は一般人の俺でも分かるくらいにはデケェ。

これは俺の想像なんだが、下っ端のお前ハメて芋づる式に親っさんの地位を落とそうとしたんだろうさ。

自慢の子分が厄介な事件起こしておいて、テメェは責任取らねぇのかって感じでよ。

 

それにお前が破門出来たとしても、なんやかんや文句付けて親っさん陥れるに違いないぜ?」

 

 

実際そうだったから破門止めよ?ね?良い子だから!

 

 

 

「なるほどな…クソ!誰だよ桐生ハメたって奴は!」

 

「隆也は知っているのか?」

 

「そこまで俺が知ってるわけないだろ…

柏木さん、心当たりはあります?」

 

 

お話の顛末まで詳しく知ってるけど言えるわけがない。

 

 

「そうだな…堂島組若頭補佐の3人が怪しいか。」

 

「若頭補佐?誰です?」

 

 

エンコセット、うまチョコミルク、渋澤の話を聞いた。

全員顔怖いから極力会いたくねぇな…

 

"エ゛ン゛コ゛詰゛め゛と゛け゛や゛…"

"ジタバタすんじゃねぇや!"

"(無言のタクちゃん射殺)"

 

無理無理無理無理。即刻漏らす自信あるわ。

 

 

「…俺その人たちの事全く知らないんですけど、ヤバいんです?」

 

「どいつもこいつも曲者揃いだ、目的を成すのに手段は選ばねぇだろうな。」

 

「かなりデカイ組の補佐連中ですもんねぇ…」

 

「何か良い手はねぇか?俺たちじゃ万策尽きててな。」

 

 

だからって一般人に頼むか普通。

 

 

ここで余計なことをしなければ、俺が知っている話の通りに終わるだろう。

俺も介入しなければ、ほぼ平和に過ごして終われるはず。

 

だがこのルートだと立華さんが死ぬ可能性が高い。ならば…

 

 

「だったら逆転のチャンスが来るまでうちで働いてみます?」

 

 

俺にタゲ集中すりゃええのよ!(ヤケクソ)

天才か俺?

大丈夫大丈夫。

俺に持病とか透析受けてるとかそういうデバフ一切無いんで大丈夫大丈夫。

喧嘩は好きなときに出来てしかも(桐生が)勝つ!

 

 

 

「「え?」」

 

「それは…どういう事だ?」

 

 

困惑した顔で俺を見てくる強面3人衆。

ごめんねぇこんな案しか思いつかなかったの。許 し て

 

 

「破門しないにしても、そのまんまうろちょろ外回って犯人探しするのもマズいでしょう?

だったら、変装して俺の部下になってこっそり情報収集しちゃうのが得策かと思いまして。」

 

 

お前の計画ガバガバ過ぎね?。

俺バカじゃねぇの?エンコ詰めろ。

 

ちょっと煩いよ冷静な俺!

どうせ立華不動産に居ても早い段階で襲われてたし、俺の所で情報収集して襲われてもええやん。(ヤケっぱち)

そも情報収集なんて要らんし。

全部まとめて向こうから勝手に来るからねぇ!!!

 

 

「だが、それだとお前に迷惑が…」

 

「なんか神室町に転勤した時点でこうなるのも目に見えてたっていうか。」

 

 

桐生の顔が暗くなる。

何でヤーさんやってるのか分かんないレベルで優しいもんね君。

 

 

「危ない目には合いたくないって昔から思ってたけど一応俺、お前の親友やってるしこれくらい軽い軽い。」

 

 

ハハッ!俺の命も軽い軽い!

茶化さないとやってらんないわ!

 

 

「隆也…」

 

 

友情シーンで場の雰囲気が和やかに…

多分ここムービー流れてんなハハッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それはそれとして全部終わったら高級フレンチフルコースくらい奢ってくれよな一馬くん」

 

「隆也…」

 

「相変わらず容赦無ぇよなお前…」

 

 

…なんかこのまま良い雰囲気でムービー終わったら、死亡フラグが建つような気がしたんや。堪忍したってや桐生チャン。

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