どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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お久しぶりにこっそり投下…。

ギャラルホルン視点ですはい。


第102話

圏外圏へと向かい進むギャラルホルンの月外縁軌道統制統合艦隊…通称アリアンロッドの旗艦にて、一人の男が粛々と準備を進めていた。

 

「ふむ…」

 

司令室ながら比較的シンプルな船室にて、部下に出した指示が終了するのを待っているのはこの艦隊の提督であるラスタル・エリオン。

周囲には同じくセブンスターズであるイオク・クジャンと、それぞれの側近たる兵士が数名いるくらいか。

 

「ラスタル様。ご指示の通り、航行中に我らの準備の程は終わりましたが…」

 

やってきた部下の報告に、ラスタルはひとつ頷く。

 

「うむ。では…先遣隊を待たせすぎるのも良くはないな…速度を上げよ。彼がファリド公の所にいるとは言え、それでも念には念を入れなくてはな…」

「ラスタル様、その…彼というのは…?」

 

部下がおずおずと質問をする。

それを無視するのは簡単だが…かと言って変に誤解や勝手な憶測を招かないためにも、ラスタルは律儀に答える。

それに、別に隠すほどのことでも無い、というのも大きいか。

 

「シクラーゼ・マイアー…あの男が拾い上げ、私が手ずから育て上げた兵士だ。先日、地上部隊からファリド公が引き抜いたらしくてな。まぁちょうどいい機会だ。多少血の気は多いが…まぁ、あの男なら問題無かろう」

 

あの男…それがジャスレイのことを指していることにイオクが気づくと、彼は心中に思った言葉を投げかける。

 

「やはりエリオン公は叔父上のことを、その…心配されて?」

「心配?ハン!!冗談では無いわ!!」

 

ラスタルはその発言に思うところがあったのか、それとも単純に我慢ならなかったのか…くわっと目を見開いて、抗議するかのように言葉を荒げ、立ち上がる。

 

「あの男は昔からそうだ。自由人がすぎると言うか何というか…!!こっちが家督を継いだばかりで重責を背負う立場になったばかりの時でさえ、我が物顔でクジャン邸に遊びに来ては茶を飲んで書類に潰されそうになる私をわざわざからかいに来おって…!!その度にヤツについて行きたいなどと馬鹿を抜かす部下を嗜めるのにどれだけ苦労したとっ…先代の言葉と差し入れの肉がなかったら十や二十は殴り倒していたところ…」

 

いつもの落ち着きのあるラスタルとは異なる様子に、伝令の兵士が唖然としている。

それを見たラスタルはハッとなった様子で、我に帰り、軽く咳払いをする。

 

「んっんん!!ともあれ…私はただ、世界の治安を乱す者を排除するだけだ。そこには私情などないし、あっていいはずもない」

 

ラスタルがいつもの真剣な表情に戻ったことに周囲は安堵する。

 

「相手をただの宇宙海賊と侮るな。とある財界人との黒い繋がりも噂されるほどの連中だ。構成員は可能な限り捕えるように。それと…」

 

「テイワズもそうだが…『JPTトラスト』にはまだまだ利用価値がある。奴の上役とも関係が拗れると後々面倒だからな。奴らのナワバリでは、出来うる限り勝手な行動は許さんと伝えよ」

「はっ!!」

 

そうして出発して、いざ艦隊が戦闘域に入ろうと言うところで…その報告は入った。

 

「ほ…報告致します!!」

「ん?どうした?まさかファリド公の部隊がやられたか?」

 

冗談めかしつつ、しかし仮にそうだった場合も鑑みた問いを投げかける。

ジャスレイがチンピラ集団にやられるとは微塵も思っていないのが見て取れる。

それに、伝令の兵士はいえ…と濁すように返しつつも、その顔から焦りは消えていない。

 

「それが……」

 

そして、その報告を聞いたラスタルは驚きに目を見開き…気がつけば一も二も無くジャスレイへと連絡を入れていたのだった。




短めですはい。

その分次は割と早めに投稿できるかもです。
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