どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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久しぶりにこっそり投稿…。


第107話

『黄金のジャスレイ号』船内。

そこにある全ての視線が突き刺さるこの状況はラスタル・エリオンにとって完全にアウェー、なんなら針の筵と言ってもいい。

とは言え、それも当たり前だ。

彼のしたことは言ってみればわざわざ目の前の勝利に水を差す行為。

油揚げを掻っ攫おうとした鳶が歓迎されなくてもそれは当然というものだろう。

 

それでも最低限の護衛もつけずに敢えて一人でやってきたのは打算も込みとは言え、ラスタルなりの誠意だった。

 

何よりこの戦いは多くの組織が動向を見守っており、その組織の中にはタービンズや鉄華団をはじめとして、かつてジャスレイが金銭面で世話をした連中は裏表のどちらの社会を見渡しても決して少なくない。

 

何よりここは圏外圏の、さらに歳星付近の宙域であり当然テイワズとしての武闘派連中の率いる艦隊はまだまだピンピンしている。

 

その一方でアリアンロッドもまた、無傷でこの場に出揃っているためこちらも油断ならない。

ともすれば全面戦争になりそうなこの局面でなお、ラスタルは縮こまるどころか堂々としている。

 

それだけで彼が並の胆力で無いのがわかる。

ギャラルホルン最大最強を誇るアリアンロッドのトップは伊達では無いのだ。

 

「敢えて言うが、我らはお前達と事を構えるために来たのではない」

「だろうな」

 

早速投げかけられた疑わしい言葉に、しかしジャスレイは即座に応じた。

 

「何かしら裏があるのではと疑わないのか?」

 

拍子抜けしたように問うラスタルに、ジャスレイは返す。

 

「何年の付き合いだと思ってやがる?オレの知る限り、テメェは堅物バカだがアホじゃあねえ。あえて水を差しに来たんなら相応の理由があるはずだ」

 

その返答にラスタルは我が意を得たりとニヤと笑う。

 

「我らが要求するのは圏外圏を荒らして回る海賊『夜明けの地平線団』団長、ロイターの身柄だ」

「そりゃあ、オレらがヤツに落とし前をつけさせるよりも前にってことか?」

「当然だろう。これだけの艦隊を動かした以上、こちらとしても手ぶらで帰るわけにはいかん。お前は善良な市民の血税を無為にするつもりか?」

 

なるほど。権威主義のギャラルホルンらしい主張だ。

だが、それが全てではあるまいとジャスレイは勘づく。

 

「そりゃああくまで建前だろ?テメェの本心を言えや」

 

相変わらずだなと内心を見透かされたラスタルはため息をひとつつくと、ジャスレイに向き直る。

 

「あいも変わらずの単刀直入だな」

「テメェは昔っから豪放磊落ぶってるがやり口が汚ねぇからな」

 

そもそも本当に捕虜の引き渡しだけが目的ならば、それこそ部下数名を派遣してくれば良いだけのことだ。

 

その上でわざわざ護衛もつけずここにやってきたのは何もジャスレイの意表をつく以外にも意味はあるはず。

 

それこそ、この男の瞬きひとつ仕草ひとつでその砲身が『JPTトラスト』の艦隊に向くこともありうる。

 

何より、先述の通りアリアンロッドの本隊は遅れてやって来たために未だ無傷。

返答次第で全面戦争もあり得る構えだ。

 

一方、距離的には歳星に近いため、テイワズの側にも元気いっぱいな構成員たちがいる。

ましてや、ジャスレイに何かあればこちらもマクマードの号令ひとつで動き出すだろう。

今はまだジャスレイの面子を守るため自粛しているに過ぎない。

 

だが『JPTトラスト』の側にも算段はあった。

そもそもジャスレイ自身何度と無く修羅場を潜り抜けて来た猛者なのだ。

 

何より、武器はちらつかせることにこそ一番の意味がある。それを一番よく理解しているのは他でも無い彼らなのだから。

 

しかし、続くラスタルの言葉は意外なものであった。

 

「…ギャラルホルンを変える。いや、変えねばならん。そのための手助けが外から欲しいのだ」

「それがオレらって訳か?随分と高く買われたもんだな?」

 

その問に、ラスタルはそうだとひとつ頷く。

 

「何より我々は他のセブンスターズの家からも犬猿の仲と思われている。というか実際その通りな訳だが…だからこそ、隠れ蓑としても丁度いい」

 

そう言うなり、ラスタルはジャスレイの方へといっそ仰々しく手を伸ばし…

 

()()に一計がある。今なら老人どもの邪魔だても入らん。どうだ?昔のようにひとつ組まないか?」

 

勝ち誇った笑みを浮かべ、迷わずそう言ってのけた。

 

□□□□□□□

 

えぇ〜…ラスタルさぁ…手を組まねぇかって?

な〜に言ってやがるんですかねコイツは。

それにコイツと組んで碌なことになった覚えが無いんですけど?

毎度毎度美味しいとこはほとんど持って行きやがるからねコイツ。

 

「ついては、二人で話したいのだが…」

 

オイ、部下のみんながピリピリしてるんですけど!?

新手の嫌がらせか?絶対嫌がらせだよなぁ!?

しかも空気的に一旦持ち帰って相談とかもナシって感じだし?

 

ま、まあ話を聞くだけなら大丈夫だろう。

…大丈夫だよね?

 

「必要ねェよ」

「ほう…自分の部下を信用するのは勝手だが、それでこちらの計画が無為になったら…」

「オレと組むってのはそういうことだと、オメェなら分かってるはずだぜ?ラスよ」

 

何考えてるか分からない奴はまず釘を刺すに限る。

これだけの証人の前で、後から知らぬ存ぜぬはさせねぇからなぁ?

 

「ご自慢の一計とやらを聞かせろ。組む組まねェはまずそれからだ」

「…………分かった。まずは…」

 

……………………………

 

ああ、なるほどなぁ…。

ラスタルの野郎は気に食わねェけど、確かにその策が上手くいけば……

 

「面白れェ…」

 

一石二鳥どころか三鳥…もしかしたらそれ以上の妙案だ。

 

「うっわ、オジサンわっるい顔してるぅ〜♪」

 

えっ、そんな顔に出てた?




齟齬があったらごめん。
それと、今までサボっててすみませんでした…orz。
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