どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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百錬のHG買いました。

ホントカッコいい。

箱の脇に書いてある設定って呼んでるとかなりワクワクしますね。


第23話

「貴方が頭目になる気が無いなら、私が幹部会に行って次期頭目になるわ!!」

 

ジャンマルコの自室で、そう決意の言葉を口にするのは、リアリナ・モルガトン。

先日、何者かに暗殺されて亡くなったタントテンポの先代頭目、テッド・モルガトンの実の娘だ。

 

「へぇ〜…オメェがねぇ〜…」

 

が、その言葉を聞いたジャンマルコは苦笑する。

それを馬鹿にされたと感じたのか、リアリナはムッとするが、実際それは無理もないことだ。

 

「まぁ、落ち着け。そもそも幹部連中が想定しているのは、すでに立場を確立している頭目候補何人かの内、誰がつくかということと、そいつらの動向なんだよ」

 

更に言えばその下、つまりは部下達としても自派閥の代表者や、その被推薦者を頭目に据えようと躍起になっているのが現状。

ロザーリオもそうだし、ジャンマルコ自身も、まぁ本人は不本意だろうが一応はそうだ。

 

「…各自がかなり好き放題しているのね」

「そんだけ、頭目の不在ってのは組織にとって一大事なのさ。特にデケェ組織であればあるほど、先代が有能であればあるほど、その時の混乱はデケェモンになっちまう」

 

だからと言って、何も先代の血縁者に魅力がないという訳ではないが、正直言ってそれを差し引いてもズブの素人に自分達のトップを任せたいか、と言う話だ。

例えば、元々先代が自身の後継者として前もって幹部一同の前で「娘をよろしく」と説明しつつ釘を刺していたり、或いは彼女自身が昔から現場を知っていたのならともかく、そうでは無い以上、側からみればぽっと出の、それも世間知らずのお嬢様でしか無いのだから。

特に一部の幹部達には、娘を危険な目に合わせたく無い、と言う先代の意向が伝わっているのも手伝って、それ故になかなか積極的に協力するわけにもいかない、と言うのもあると言えばある。

彼らとしても、どうにかこうにか中立を保つのがやっとと言ったところだが。

しかし、その態度を取っていられるのも時間の問題だろう。

担ぎ上げるにしても、こうしてジャンマルコが話してみただけで分かるこの我の強さは面倒でしか無いだろう。

 

「にしても、まさか一旦月に行ってるたぁ、大した度胸と言うか、無謀が過ぎると言うか…」

「うっ、うるさいわねぇ!?」

 

思うところがあったのか、リアリナは何やら赤面しつつ取り乱す。

年相応のその言動に、ジャンマルコのは微笑ましいものを感じていた。

 

「だが、まぁ…まずは無事なら何よりさ」

「…それはどうも」

 

調子が狂うのか、リアリナは何やらブツクサ言っている。

元々、リアリナを保護するつもりでサンポとユハナの二人を差し向けたジャンマルコだが、何やら途中で誤解を招いたらしく、逃げられた挙句にロザーリオに身柄を狙われると言う事態にまで発展。

 

彼女自身は先代の遺命により、娘を託された側近ヴォルコ・ウォーレンと、命を助けられたことで受けた恩義によってついた護衛のアルジ・ミラージの二人のお供を連れてはいたものの、戦力になりそうなのは悪魔の名を冠する厄祭戦の遺産たるガンダムフレーム…アスタロト一機くらいなもので、二人のうち一人は頭脳労働担当。

パイロットの代えもきかないという、派閥としては勢力以前の問題だ。

このままでは、誰かの支援を受けない限り自然消滅してしまうだろう。

この三人は現在、はっきり言って手詰まりの状況と言える。

 

「オレを説得してみせな。ただのお嬢じゃあねぇって、それだけふかすってんならな…」 

「……分かったわ」

 

ここさえ乗り切れないならお前らのバックに着く価値は無いと、そう言われたのを理解したが故に。

 

□□□□□□□□

 

「ねぇねぇオジサンって独身なんだって?」

 

ぐはぁっ…。

ユハナちゃん?言葉って凶器なのよ?分かってる?

 

「うん?まぁそうだが」

 

まぁ、この子結構マイペースなとこあるみたいだし、多分気まぐれに聞いてきただけかなぁ〜…。

 

「じゃあ、あたしお嫁さんに立候補する〜」

 

ほへ?いきなり何を言うのだねこの子は…。

 

「ユハナ!?いきなり何を…」

 

あっ、サンポくんがオタオタしてる。珍しいモン見たなぁ〜。

 

じゃあねえわい。

 

「えぇ〜!?このまま雇われで傭兵続けるより養ってもらった方が良くない?サンポもあたしをヨメに〜っていっつも言ってたし、ちょうど良いじゃん」

「いやそれは…」

 

すげぇや下心をまっったく隠そうともしてねぇ。

ここまで来るともはや清々しくて関心するわ。

お兄ちゃんたるサンポくんも、タジタジといった様子だし…。

 

「まぁまぁ、落ち着け。どうせ冗談だろうよ」

「えぇ〜?あたし結構本気だけど〜?」

 

えぇ〜…最近の若い子ってみんなこうなの?違うよねぇ?

 

「それに、こないだ言ったばっかだろう?お前さんらにゃジャン坊をよろしくってな」

「なら、結婚してからもモビルスーツ乗りは続ければいいじゃん?オジサンの弟の名瀬・タービンって人の奥さんも結婚してからも戦ってるんでしょ?」

 

うん。まぁ前例としてはあるけどもねぇ。

 

「ハァ…若ぇ女は若ぇ野郎とくっつくのが一番いいのさ。特に、お前さんみてぇないい女はな」

 

何とか相手を落とさないよう褒めつつ、話題を逸らそうとするも…。

 

「えぇ〜?いい女ならいいじゃ〜ん、モノにするチャンスよ〜?色々と高くはつくけど〜?」

 

めっちゃ食い下がってくるんですけど〜?

 

…けっこうどの子も、今の言葉で身をひいてくれたんだけどなぁ…。

 

 




ちょっと時系列飛んだかなぁ?

まぁ、月でのアレコレは一部除き、だいたい漫画版通りって解釈でオッケーです。

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