どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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ついに明日…ガンダムアスタロトリナシメント再販ですね。


第31話

「おい…見てみろよあれ…」

 

アバランチコロニー、その中心であるアバランチ1にて、衆目を集める()()が道を通る。 

 

「うん?うわっ…スゲェ量のトラック…」

「どこの企業…って、JPTトラスト!?」

「来たって言うのか…?あの木星圏の核弾頭『買収屋』ドノミコルスが?やっぱあの噂はホントだったってのか!?」

「噂?なんだよそれ?」

「知らねぇのか!?そりゃあお前…」

 

ざわつく周囲に、ジャスレイの隣に座る護衛であるユハナはふふん、と鼻を鳴らす。

 

「さっすが、あたしの旦那様!!有名人〜♪」

「だぁれがオメェの旦那だ、誰が」

「えぇ〜?でも、おヨメさんがいないとさぁ〜後継者問題とかぁ〜、遅かれ早かれ出てくるでしょ〜?」

「そうだとしてもお前さんにゃあ関係ねぇことさ」

「も〜相変わらずツレない…」

「ユハナ…仕事中だぞ」

 

サンポが釘を刺すように、静かにそう言う。

流石にその意味をわからないほど、ユハナは素人でもわがままっ子でも無い。

仕事の内容それ自体は同じでも、危険度はジャンマルコの本拠にいた頃よりも、今のほうが上なのだから。

 

「ちぇ〜、は〜い」

「すまんな、サンポ」

「いえ…」

「あたしには〜?」

 

アピールするように、ユハナがひょいと若干不満げに顔を覗かせる。

 

「おう。緊張する場を和ませようとしてくれたんだろ?ありがとよ」

「いえいえ〜、お礼は誠意で見せてくれればいいからさ〜?」

 

そう言うなり、ユハナは笑顔で例の書類の数々を取り出す。

 

「ま、そうだな。報酬は弾むさ」

「ふふ〜ん、期待してるかんね〜?」

「ったく…今の雇用主の前でする話かねぇ?」

 

ジャンマルコは呆れながらそう言う。

よく栄えた大通りをしばらく進んで行くと、タントテンポの本社ビルが目の前に見えて来る。

案内された駐車場を借りてジャスレイとジャンマルコ、そしてその護衛が車内から降りる。

続いて、リアリナが護衛のアルジとヴォルコを引き連れる形で車から降りる。

結果として移動中にスナイパーやらの刺客が狙ってくることは無かった。

やがて、ビルの中から部下数名を引き連れて杖をついた男が現れ、やって来た一行を見るなり深く頭を下げる。

 

「お待ちしておりました。ジャスレイさん」

「おう。久しぶりだなぁブブリオ。半年ぶりくらいか?元気そうで何よりだ」

「待たせたわね、ブブリオ」

「ええ、お嬢様もご無事で何よりです」 

 

ジャスレイはブブリオの対応に訝しむ。

普通、こう言う場合はリアリナの方に先に挨拶するものだ。

何故なら、六幹部の一人の支持に加え、先代との付き合いもある特大の取引先の代表の信任を得ている現状、リアリナがタントテンポの新たな主人に一番近い存在なのだから。

ただこれは考えようによってはジャスレイとの、ひいてはテイワズとの昵懇ぶりを周囲にアピールする意味合いも多分に含まれているのだろう。とジャスレイは己の内で納得もする。

それと言うのも、タントテンポは元々ダディ・テッドのカリスマによってほぼ一枚岩と言っていいほどに結束していた組織である。

だからこそ、今回のこの混乱を招いてしまったわけでもあるのだし、ロザーリオもそこに付け込もうと暗躍していたわけだが。

 

「木星圏よりのご足労感謝いたします」

「おう。ただオレぁダチの娘を応援しに来たってだけさ。別に気にしなくてもかまわねぇよ?」

「そう言うわけには…客人としてお呼びしておいて粗雑に扱うなど、ダディ・テッドに叱られてしまいます」

「ハッハッハ!!そりゃあおっかねぇや!!」

「ふふふ…ええ、本当に…」

 

互いに腹の探り合い。

わざわざ木星圏から呼びつけておいて本当に何も他意がないなどそれこそ嘘だ。

老獪。

貼り付けた笑顔の下、確かに二人は戦いを繰り広げていたのだった。

 

□□□□□□□□

 

も〜怖いんですけどこの人〜!?

なんだろ?すっげー針の筵って言うか…。

でも、ここを乗りきらねぇとウチの利益が無視できないレベルでヤバいし…。

いやまぁ、すぐに傾くってレベルじゃあないけどもさ。

放置したらしたで、後から絶対じわじわくるのは目に見えてるし…。

それに地球へのルートはやっぱ、確保しときたいし…。

じゃあ手を打つのはなるたけ早い方がいいじゃん?

クジャン家を頼ろうにも、イオクくんにあんま負担かけたくないのよなぁ〜。

若い子には絶対その辺の利権とか複雑すぎるだろうし。

少なくとも、あの若さでやらせる内容では絶対無いし…。

かと言ってラスタルのクソ野郎には絶対借り作りたく無いし…。

そこらあたりのこと考えると、結局タントテンポが最適解なんだよなぁ〜…。

オレはタントテンポの本社ビルを見上げながらそんなことを考える。

立派だなぁ〜こんちくしょー。

 

「ジャスレイさん?」

「テッドの…大馬鹿野郎がよ…」

「!!」

 

ちくしょー、こんなメンドーな事案遺しやがってよ〜!!

もっと生きろバカ!!おたんこなす!!

 

「オジキ…」

「おじ様…」

「遺すんならよ…もっと…他にあったろうがよ…!!」

 

思わず帽子で顔を覆う。

恐らくオレは今、悔しさに肩を震わせているところだろう。

恥ずかしいなぁもう…。

 

「それを…」

「ジャスレイさん」

 

んぉ?やべ、そろそろ中入る頃合いか。

護衛連中にも迷惑だよなぁ…。反省反省。

 

「すまねぇなぁ…ちぃっとばかし、昔を思い出しちまってよ…」

 

主にテッドのあれやこれやに振り回された記憶を…。

 

「やはり…貴方をお呼びしてよかった…」

 

え?なに?この人、さっきとは比べモンにならねぇくらい穏やかな顔なんですけど?

 




最近、まち○ドまぞくにハマってしまいました。

ごせんぞかわいい。

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