どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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まち○ドまぞく闇堕ち桃かわいい。

ステッキの桃が反転してハートになるとか言ってたひとマジ天才だと思う。


第42話

連れられた男は見た目30〜40代、細めの体躯だが、それとは別の理由があるのか、かなりやつれた様子だ。

 

しばらくするとジャスレイの部下達がその男へ尋問を始めた。

 

「テメェが黒幕か!!」

 

ジャスレイの部下の一人が、いきなり男の胸ぐらを掴み上げるが

 

「ち、違う…」

 

と、男は否定する。

 

「あん?じゃあなんであの女は…」

「落ち着け…これからロザーリオに引き合わせる以上、ここでそんな嘘をついても意味はねぇ」 

 

ジャスレイが言うと、部下は頭を冷やしたのか男を一度床に下ろす。

 

「オヤジ…じゃあなんで…」

「まぁ待て…オメェ…黒幕が誰か知ってんのか?」

 

ジャスレイは部下を一度静止すると、静かに問いかける。

 

「し…知ってる!!喋る!!喋るから…命だけは…」

 

この男、必要以上に恐れすぎている気もする。

 

「分かった分かった。オメェが話したことがロザーリオにも確認して事実なら考えてやるよ。そんで?黒幕の名前は?」

「ヴィ…ヴィル・クラーセンだ!!ただ、どんな野郎だったかは今日呼び出されたヤツの隠れ家で初めて知ったんだ!!本当だ!!」

「ほぉ…ソイツとはどこで知り合った?」

「安酒場で、職を失ったことをメソメソしてたら隣に座ってきて…割のいい仕事があるからって…番号を渡されて…」

「仕事を受けたのは今回が初めてか?」

「いや…前にも何度か…」

「業務内容は?」

「ふ…封筒をポストに入れたり…見るからにヤベェ真っ赤な袋を運ぶ仕事とか…明らかにマトモな内容じゃあ無かった…で、でも生きてくためだったんだ!!仕方ねぇだろ!!」

「なるほど…」

 

要するに、クラーセンなる男は赤の他人にカネで汚れ役をさせていたわけだ。

 

「今回呼び出された理由は?」

「し…しらねぇ!!そもそも呼ばれたのだってはじめてで、ただ…確かに身入りは良いけど危ねぇ仕事ばっかだし、今回を最後の仕事にするって言ってたら、こう…後ろからガツン!!と…」

「何だそりゃあ…」

「…あぁ、なるほど」

 

そう言うや、ジャスレイは合点の言ったような顔をする。

 

「えっと…どう言うことですかい?オヤジ」

「要するに、クラーセンって野郎はコイツを口封じついでに影武者に仕立てようって魂胆だったんだろうさ」

「っ…じゃあ本物は今頃…」

 

部下達が慌てふためき出しそうになったその時

 

「い、いや…それはねぇよ。断言できる」

 

そう、影武者は言う。

 

「なんでそう言い切れる?」

「い、いや…だって…」

 

男はなにやら言い淀む。

 

「言いにくいことか?」

「言いにくいっつーか…トラウマに…」

「いいから話せや!!オヤジの手を煩わすんじゃあねぇ!!」

「ひぃ!!」

 

声を荒げるジャスレイの部下にたじろぐ男。

 

「ありがとよ。だが落ち着け」

「何でそう言い切れるのか…教えてくれるか?」

「こ…殺されたからだよ。オレの目の前で…あの眼鏡の女に洗いざらい吐かされて…」 

 

そして、震える手で渡される証拠のディスク。

恐らくナナオ側もデータのコピーはしてあることだろう。

一同はそれを聞くために一度部屋を移動する。

 

「…なるほどなぁ。それでロザーリオを…」

 

録音された声の男が言うには、ロザーリオとは以前より面識があり、利があって今回の件の手引きしたとのこと。

 

今回のこと以外でも、叩けばいくらでも埃が出てきそうな男だが、ここからはギャラルホルンの領分。

ジャスレイがああだこうだ言うと要らぬ軋轢を生んでしまいかねないだろう。

影武者の男は死んだと言っていたが、ジャスレイにはどうにも腑に落ちない。

 

黒い仕事の後処理に他人を使って…話す時はいつも電話越し…。

そこまでする男が何故名を明かす?

いや、それは相手を信用させるためだとしても、明らかにきな臭い。

何かを見落としているような…もしかしたら、クラーセンとやらが関わっているのは…。

だがジャスレイは今回はまず、ロザーリオの件だ。と頭を切り替える。

 

「…とりあえずこのディスクはロザーリオ尋問の後、信用できるスジに預けることにする。異論は?」

 

□□□□□□□□

 

ナナオちゃん…結構バイオレンスなとこあるのね…。

まぁ、欲しかった情報は入手できたし、取り敢えずは良しとするかねぇ。

 

「だが、なんだろうなぁ…」

 

この…間違い探しで最後の一個がず〜っと見つからない時みたいなモヤモヤ感は…。

どっかで…。

いや、そもそも今回渡された情報だけが全部って決めつけるには…。

じゃあ仮に残りの情報があったとして…。

それを高く買い付けそうな奴なんて…ゆするネタが欲しいヤツか、さもなきゃあその情報が広まって困りそうなヤツ…!?

 

「まさか…」

「オヤジ?」

「お前らが向かった時、クラーセンの野郎の死体は!?」

「い、いえ…あの情報屋が片付けたのか、コイツ以外ホントにもぬけの殻で…」

 

あんにゃろう…。

 

その時思い浮かぶのは蛇の家紋の頑固バカだった。




あんにゃろう…いったい誰のことなんだ…?

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