どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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エタるわけがなかろうて!!

あ、クスィー買えましたー。(^ω^)

そしてサイコザク買えませんでした〜。( ;∀;)

しかも目の前で買われた…

大切にしてもらうんじゃよ…。


第69話

ジャスレイは人目を気にした様子のナナオと別室で二人きりになる。

真っ白天井にはシンプルな照明が等間隔で並び、窓の外には先ほどの工廠が見える。

無機質なまでにモノが無いその空間は人によってはかなり居心地が悪いだろう。

せいぜい中央に置かれたガラス製のテーブルと、それを挟むように向かい合うソファが二つあるだけだ。

無論、万が一のために扉や窓といった部屋の出入り口には『JPTトラスト』の護衛が張り付いているが。

 

情報屋が顧客と直接会って話し合いを望むのは理由がある。

盗聴を恐れてのことであったり、プライベートな付き合いであったり、或いは、顧客との関係解消のためであったり。

ともあれ、ナナオは今回その形をとり、ジャスレイはそれに了承した。

 

「お前さんの望んだ通り、必要最低限だけの部屋に二人きりだ。この部屋なら盗撮盗聴の心配もねぇ。防音だって完備さ。思う存分言いてぇこと言いな」

 

いつもの通りに余裕のある様子のジャスレイ。

 

「まずはおめでとう…と言うべきかしら。鉄華団が勝ったわよ。カルタ・イシューの部隊を退けて、そう遠くない内にエドモントンに入るらしいわ」

 

それを聞くなり機嫌良くジャスレイは言う。

 

「おう。そりゃあ景気がいいなぁ。だが…」

 

意味ありげに間を置くと

 

「本題はそれじゃあねぇんだろう?」

 

ソファに腰掛けながらもお見通しと言わんばかりの眼差し…。

ナナオは意味ありげに口角を少し上げる。

そうして、別の話題を切り出す。

 

「…随分と、新フレームの開発が早まったようね」

「おう。『夜明け』の連中への備えでなぁ」

 

ジャスレイはすんなりと答える。

その声色からして、それもまた嘘では無いだろう。

しかし、それがジャスレイの知る真実の全てでは無いのは明白。

 

「それで?いったいどこまであなたの掌の上なのかしら」

 

ナナオは少し身を乗り出し、試すような口調でそう問いかける。

 

「藪から棒に…一体どうした?」

「今回の貴方の動き…まだ火星のハーフメタル利権が確定していない段階での新フレームの開発支援…まるで鉄華団がカルタ・イシューの部隊を退け、仕事を完遂することをはじめから見越していたみたいじゃあないの?」

 

そうで無いならばあまりに迂闊だろうと、そう言外に含める。

『夜明けの地平線団』への警告くらいならば、それこそ現行の百錬、百里でも充分なはず。

無理をおしてまで新型を開発するメリットは正直薄い。

モビルスーツの動力源に用いられる半永久機関、エイハブリアクターとて、製造方法を独占しているギャラルホルンの機体からの鹵獲や、その横流しで賄うのがやっとなのだから。

ナナオはメガネ越しに目を細めて、返答を待つ。

とはいえ、さまざまな情報をすり合わせ吟味することで、ある程度先の未来を予見する位なら、それなり以上の慣れと才能さえあれば出来ないことではない。

尤も、それは確実な情報と、その提供者への絶大な信頼ありきなところもあるし、時勢や資源、組織や勢力間の確執や融和などなど、パッとあげただけでもその全ての把握が難しいだろうことは想像に難く無い。

ましてや情報は生もの、と言われるくらいに刻一刻とその姿を変えるものだ。

だからこそ、信頼できる筋の情報には相場以上の価値がつくわけだが。

 

なにより、それほどの情報源があるのならナナオとしても出来ることなら、あわよくば一枚噛みたいという思惑もあった。

 

「いや?オレとしては鉄華団連中なら出来ると踏んでたってだけの話さ。阿頼耶識とガンダムフレーム…この二つを有している時点で大抵の戦闘はこなせる」

 

なるほど。それもあながち間違いでは無い。

 

「だとしても妙よね?だって彼らは本当にごく最近立ち上げたばかりの言ってしまえば下っ端も下っ端の火星の零細組織よ?テイワズの傘下に加わったのもギャラルホルンから身を守るためって言う、言ってしまえば半端な理由…正直彼らの相手をしたのが子どもに甘い名瀬・タービンじゃあなければまず間違いなく潰されていたでしょうね。そんな組織の構成員に教育を施したうえ、中古の船一隻と試作兵装をポンとあげるなんて、俄かには信じられないじゃあないの。それならまだブルワーズの方が可能性があるんじゃあ無くって?」

 

確かに、ジャスレイが提示した条件ならばブルワーズの方がまだマシだ。

 

「いや、連中じゃあダメさ」

 

ジャスレイは思いのほかあっさりと返す。

 

「あら、それはどうして?」

「そりゃあなぁ…連中は根本からして弱者を虐げ強者に媚びるタチだからな。子どもらに教育を施して力にしようってよりは、ヘンに知恵をつけられると自分らの立場を脅かすって考えるだろ。そんな連中に未来はねぇよ」

 

だからダメなのさ。と答える。

確かにブルワーズは以前より評判が良かったとは言えない。

それなり以上に規模があり、ガンダムフレームの力もあって他の中小規模の組織に睨みが効いていたというくらいがせいぜいだ。

現に鉄華団に敗北し、エースパイロットとガンダムフレームを失った後は他の組織から助けの声もかけられなかったと言う。

 

「だがな。鉄華団…少なくともチャドとライドの二人は、ちょっと教えれば自分に何が足りねぇのか、それを真剣に考えられるようになった。テイワズの将来を思えばこそ、そんくれぇの投資は安いってモンだろうよ。まぁ、ライドは面倒くさがってたが、まぁそれは年齢的なこともあるんだろうがな。ま、それはそれで健全だろうさ」

「そう…」

 

若手の育成に戦力の拡大、それがナナオが考えているよりも、更に先を見据えてのことならば、考えられるのは…。

 

「…貴方、ギャラルホルンとでも矛を交えるつもりなの?」

 

まさか、と思いつつ浮かび上がった疑念を口にするナナオ。

たらり…と嫌な汗が頬を伝う。

そして、ジャスレイからの返答は……。

 

「さてな。少なくとも今それをすんのは無謀ってやつだろうさ」

 

こちらが含みを持たせたことへの意趣返しか、曖昧に答えてニヤリと笑うジャスレイ。

 

食えないが面白い男。

その評価に間違いが無かったことに、ナナオは安心するのだった。

 

□□□□□□□□

 

いやぁ〜、流石になぁんかちょっとヒヤッとしたなぁ〜。

まあ、鉄華団が勝ち抜くのはアニメ一期で見た通りだし、オレの過去の出来事からしてちょっとくらい外れても大抵歴史の修正力的なアレでなんとかイケると思ったんだけども…。

でもそれを言うのも何言ってんの?って言われてまともに取り合っちゃあもらえないだろうし…。

でも現にこうして鉄華団は勝ってるわけで。

少なくとも原作を無視していいわけでは無いだろうしなぁ…。

むしろ、乗れる勝ち馬には乗りたいじゃん?みたいな感じで色々と先行投資してたわけで。

 

「それにしても…」

「うん?」

「相変わらずからかい甲斐がないわねぇ〜」

 

ナナオちゃんは若干呆れた様子だ。

でもそうかなぁ?

 

「そこまで堅物なつもりもねぇんだが…」

「そういう意味じゃあ…まぁ、良いわ。それでこれが本当の本題」

 

そう言うなり、ナナオちゃんは封筒を差し出す。

蜜蝋に紋は無く、全体的に質素というか、簡素な感じだ。

 

差出人は…書いてない。

 

「…誰からの依頼だ?」

「それは開けてからのお楽しみ」

「引き受けた理由は?」

 

そう言うや、ナナオちゃんは薄く笑う。

怖いんですけど。

 

「私の個人的な興味…って言ったら信じるかしら」

 

えぇ…なにそれぇ…。




お待ちくださった方々には感謝しかないです。

それと、齟齬があったら申し訳ない。
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