どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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待っててくださった方、投稿遅れて申し訳ありません。

中古で何となしに買ったパワ○ケが面白くて…。

ナオっち超可愛い。



第77話

「ねぇ〜、オジサンまだ時間かかるの〜?」

「ユハナ、文句を言うな」

「ま、あとちょっとだからよ。我慢してくれや」

 

ある日の夕暮れ時のこと。

『JPTトラスト』のナワバリにあるとあるコロニー、そこに護衛たちと共に歩くジャスレイの姿があった。

それと言うのもジャスレイは部下たちと、そしてしばらく滞在すると言うタントテンポの客人二人と共に、そこにある施設を訪れていたからだ。

 

「おぉ〜い、イングリッド〜〜!!」

 

ジャスレイが施設前で箒がけをしている女性に対して親しげに手を振りながら声をかける。

修道服に身を包んだ小太りの中年女性は一瞬驚いた顔をし、何かを察したようにため息を一つ。

 

「ジャス…あんた、まぁた来たんかい?」

 

少々呆れ気味な口調ではあるが、そこに拒絶の色はない。

若干口も悪いが、それも早い話が昔馴染みとの挨拶みたいなものだ。

 

「オジサン、この人は?」

 

親しげに歩み寄るジャスレイに、ユハナは純粋な疑念を投げかける。

 

「おう、紹介するぜ、コイツは人呼んでマザー・イングリッド。こう見えても、この辺じゃあ評判のいい修道女なんだぜ?」

 

ここは『JPTトラスト』が資金援助をしているいくつかの孤児院のひとつ。

主に大人に慣れていなかったり、かつてのトラウマから立ち直ったものの、ある程度の社交性を学ぶ必要があるような子ども達を預かってもらっていると言う。

何故ジャスレイが会社のカネを使ってまでわざわざそんなことをするのかといえば早い話、孤児院と言うのはかつてと比べて減りこそしたものの、未だにヒューマンデブリで商売する連中の隠れ蓑にされていることが多いからだ。

十数年前、ジャスレイは自身のナワバリからそう言った悪徳孤児院を一掃し、信頼できるイングリッドなどの数名の人物に、孤児院の管理や子どもらの世話を任せている。

子ども達が心身共に健全に育つにはそれなりの出費は不可欠であり、ここを卒業する年齢になれば、より専門的なことを学ぶために学校へ行くなり、少しでも稼ぐために就職を決めるなり各々好きな道を行くことを決める。

その斡旋まで含めて『JPTトラスト』の仕事だ。

 

「生憎、子どもらはさっき寝たばっかだし、アタシもアタシでまだ仕事が残ってるからね。茶も出せやしないよ」

 

ぶっきらぼうにそう言うイングリッドだが、ジャスレイもそれにひとつ頷く。

 

「おう。別にかまいやしねぇさ。それに起きてたら起きてたでアイツら群がって来るからなぁ…その分オメェの負担も増えんだろう?この時間に来たのも、一応こっちなりに気遣ったつもりだったんだがなぁ…」

「ふん…今更気を遣ったって何にも出やしないよ」

 

そう言うと、イングリッドはおもむろに彼の引き連れた部下達を見遣る。

 

「にしてもアンタ、この子らにちゃんとメシは食わしてるんだろうね!?アタシが世話した子らを飢えさせたりなんかしてたら承知しないよ!!」

「イングリッド先生…ご無沙汰です」

「オレらのことは気にしねぇでくだせぇ」

 

苦笑するジャスレイの部下達に、イングリッドは優しく微笑む。

 

「全くこの子たちは…コイツに気をつかうこたぁ無いんだよ?」

 

そう言うなりチラリ、とジャスレイの方を向くイングリッド。

その反応にジャスレイは「相変わらずだな」と微笑む。

 

「おうおう。口酸っぱくしてまでオレの部下達を気にかけてくれてありがとうよ。肝に銘じておくさ」

「ふん。アンタのためじゃあないさね。アンタら?嫌になったらいつでも来ていいんだからね?人手はいくらあっても足りないしね」

「あはは…」

「えぇ…その時があれば、よろしくお願いします」

 

元気な子どもの相手をするのは、大人の方にもそれなりに体力がいるものだ。

それをイングリッド含め数名でやりくりしているのだから、彼女が経営者として、また教育者として相当にやり手なのが分かる。

 

「それで?要件は何だい。資金の方はまだ足りてるし、必要以上は要らないよ」

「なぁに、新しい仕事の関係でこの辺に立ち寄る用事があったからついでにな。挨拶は大事だろ?」

 

それを聞くなり納得し、また呆れ返ったと言った風に眉間に皺を寄せ、ため息をつくイングリッド。

 

「また仕事増やして…体壊しても労ってなんかやんないからね」

「ははは…相変わらずだなぁ」

 

それにイングリッドはふん、と鼻を鳴らし

 

「気に入らないかい?恨むんならアタシにここの管理を任した自分を恨みな」

「恨む?それこそ筋違いだろうさ。むしろ、良かったとすら思ってんだ。そうやって誰が相手でも折れないし曲げない、強い信念を持った女だからこそ、子どもらを任せられるんだからよ」

「はいはい、おべっかはいいよ」

「はは…相変わらずだねぇ…」

 

ピピピピピ…ピピピピピ…

 

その後も二、三話していると、ジャスレイの持つ携帯端末から着信音が鳴った。

 

□□□□□□□□

 

「港の外れに怪しい小船が?オウ分かった。すぐ向かう」

 

はぁ〜…やぁっと挨拶済んだと思ったらコレかぁ…。

いやまぁ、トラブルそれ自体は慣れっこなんだけどもさ…。

にしてもなぁ〜…。

 

「そんじゃあ、邪魔ぁしたな」

「はいはい…ったく、次来る時は先に連絡くらい寄越しなよ」

 

うんまぁ…そこは、ゴメン。

 

「ねぇねぇ、オジサンオジサン」

 

孤児院に背を向け、心の中でため息をつくオレに話しかけながら、ツンツンと肩をつつくユハナちゃん。

 

「うん?どうした、ユハナ」

「オジサンとあのオバサンって、けっこう仲良さそうだったけど〜、もしかして…」

 

なにやらキラキラと期待の眼差しを向けられる。

アレか、恋バナってやつか。好きだねぇ。

 

「いや、生憎とそんな仲じゃあねぇよ。そもそも曲がりなりにもアイツは聖職者だろ」

 

いやまぁ確かに昔はここらで評判になるくらいには美人だったし、疲れた時は相談に乗ってくれたりなんかしてくれてたこともあって、まったく期待してなかったって言えば嘘になるけどもさぁ…。

出会った当初はちょうどハニトラ引っかかって傷心してた頃で軽く女性恐怖症みたくなってて、何より色々な後処理のゴタゴタやらドタバタで忙しすぎてこっちから何かすることも、オレ自身のイメージ的な意味でも誤解を招くようなことをするのも嫌だったし…。

ぶっちゃけヘタレたね、うん。

 

「曲がりなりにもは余計だよ!!」

「おう悪りぃ悪りぃ。そんじゃあまたなぁ」

 

うへぇ〜、地獄耳ぃ……。

思わず帽子落としそうになっちゃったよ。

さて、連絡にあった港の方に向かいますかねぇ〜。




パワポ○…新作でないかなぁ…。
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