どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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つづきできました〜。

遅くなって申し訳ない…。orz


第88話

「ホ〜ラ、オジサンあ〜ん♪」

 

突如として社長室にやってきたユハナが、スプーンを持つ手をジャスレイの口元に近づける。

ドロリ…としたシチューのようなものがポタポタと器に垂れている。

 

「なんだぁ?わざわざ用意して持ってきてくれたのか。ったく…自分で食うから大丈夫だよ」

 

そう言うなりジャスレイはもう一つのスプーンを手に持ち、目の前の黒コゲ料理を口に含む。

 

「も〜、こ〜んな若くって可愛いコが食べさせたげるってんだから、遠慮しちゃダメ〜♪」

 

グイグイと露骨な態度をする妹にサンポは釘を刺す。

 

「ユハナ、あまりジャスレイさんに迷惑は…」

「え〜?別にそんなことないでしょ〜?ね〜?オジサ〜ン♪」

 

ユハナは分かりやすく甘えた声を出す。

 

「ったく…今日は何だってそんな急に距離が近けぇんだ?」

「え〜?だって孤児院のオバサンが…」

「あん?イングリッドがどうかしたのか?」

「……ううん。何でも〜♪」

 

 

時を遡ること数日前。

ユハナは例の孤児院に電話をしていた。

 

「そんなわけで〜、オジサンの好きな食べ物とか知ってたら教えて欲しいなぁ〜…って」

「何でそれを、わざわざアタシに聞くんだい?」

 

イングリッドは医務室で念のため横になっているため今出来る仕事は無い。

…まぁとは言っても、それはほとんど建前であり、実際は普段働きすぎるほどに働いているイングリッドを心配した若いシスター達が彼女を気遣ってのこと。

イングリッドもそれを分かっているから、それを無碍にすまいと思って多少甘えているのだ。

 

「え〜?だって結構付き合い長いみたいだし〜…参考にできるかなぁって…」

「フンッ!!大方アイツにアピールしようって魂胆なんだろう?だが、残念だったね。アイツの鈍さは筋金入りだからね…若い頃のアタシがわざわざ夜中にひとりで送り迎えしてもらったり、ちょっと勇気を出して夜遅くに雨の中傘忘れて泊めてもらおうとしたら本当に何事もなかったり、自信作の手料理を持ってったりしたけどねぇ…」

 

徐々に声が震えているのを見て、あぁ怒ってるんだなぁと察するユハナ。

多分ジャスレイも相手が聖職者で、普段子どもらの相手をしていたということで遠慮していたところもあったんだろうが、それはそれ。

女心はいつの時代も複雑怪奇なのだ。

 

「はぁ…まぁ良いさね。レシピは教えたげるから、アイツの胃袋を掴んでごらんよ」

「やた♪」

 

 

そうして数日間にわたる練習の末、味見役をサンポに任せて、なんとか人の食べ物にはなった。

 

「まぁとにかく食べて食べて〜♪」

「ユハナ…こんな時に…」

「こんな時だから、でしょ〜?オジサンは打てるだけの手を打って、これからその確認をしようってんでしょ〜?ならさ、それを支えるのが未来の奥さんの役目でしょ〜♪」

「だぁれが誰の奥さんだって?」

「も〜、言わなくっても分かるでしょ〜?」

 

□□□□□□□□

 

…何でこの子こんなに距離感が近いんですかね。

 

「……にしても、ユハナ…お前さん、料理出来たのか」

「え〜?そんなに意外〜?」

「まぁな」

 

オレはシチュー?らしきモノを乗せたスプーンを口に運ぶ。

う〜ん、これはちょっと焦げてる…。

けど、別に食べられないレベルでひどいわけじゃあない。

それとなく視界に入った手の絆創膏を見る限り、結構頑張ったのは本当だろうし。

何より厚意で持ってきてもらった以上、残すのもなんだかなぁ…。

 

「いや、あの…ホントに無理はしなくて大丈夫ですから…」

 

サンポくんは優しいなぁ…。

 

「いやせっかくだ。別に量自体はそれほど多いわけでもねぇし、ありがたくもらうさ」

 

幸い半分はもう胃の中だ。

残しそうになったらコーヒーで流し込めばなんとか…。

 

「そう言えばオヤジ、そろそろお見えになる頃かと…」

「うん?誰が見えるって?」

「無論…あの方々がですよ」

 

いやまぁ、うん…このタイミングでやって来るって言えば、大方分かってるけども…。

でも、そうだよなぁ〜…非常事態だし、招集かければ文字通りみんな飛んでくる…というか、今現在来てる最中だろうけど…暑苦しくなるんだよなぁ〜…。

いやでも、不用心って怒られるのもなんだかなぁ…。

実際めっちゃ優秀だし、すごくいい子達なんだけどさ…。

ただちょっと…ほんのちょっとばかり、忠誠心が熱烈?っていうか?強烈?っていうか…?

一緒にいると常時気を遣われまくって、却って疲れるって言うか…。

 

みんなオレが直接盃を交わした相手ってだけあって、それを誇ってくれるのは嬉しいんだけど…それ込みでも重いっていうか…。

 

「そうだな…それじゃあ、これ食い終わったら、準備にでも取りかかるとしようか」

「んん〜?誰か来るの〜?」

 

あ、そうか。ユハナちゃん達はまだ会ってなかったっけ。

 

「あぁ…ウチの幹部連中が来るからな。それに備えねぇとって話さ」

 

まぁでも、そこまで心配はしなくていいかなぁ…ギャラルホルンに目をつけられないように、戦力としても最低限で来てくれるはず…。

 

「オヤジ!!幹部の皆さんが艦隊を組んでやって来てくれるそうですぜ!!」

「しばらくはオヤジの周りを警護するって息巻いてまさぁ!!」

 

………………………………マジで?

 

 




次の更新は…たぶんもうちょい早い…はず…。
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