今回もそんなに進まない…申し訳ないです…orz
その日、歳星の港に集まる船団を一目見ようと、住民達の人だかりが出来ていた。
その熱気といい、興奮具合といい、まるでお祭り騒ぎの様相だ。
「スゲェ…まるで大行軍じゃあねぇかよ…」
「オレも長げぇことここで暮らしてるが…こんなことは滅多にねぇぞ」
その日、歳星は活気とざわめきに満ち満ちていた。
船から降り、神妙な表情の彼らの向かう先にはひとつのビルが聳えている。
そのビル…『JPTトラスト』本社に向かう人の群れはいずれも歴戦の名だたる漢たち。
普段は各々その手腕を買われ、それぞれに支部を任されている正しくジャスレイの信任厚い実力者達だ。
「ここの空気も何やら久方ぶりですね…」
そう言うのは黒髪を肩あたりで纏め、軍服然とした服を身にまとい、整えられた口髭を指で撫でながら歩く男。
痩身であるがその足取りはちゃきちゃきとしており「コイツがいれば事務は安泰だな」とジャスレイに言わしめた『大参謀長』ティアンユ。
「オヤジ、会えるの久しぶりだな…」
スキンヘッドの大柄で暴れん坊だが、ジャスレイの前では従順で、聞かん坊も鳴りを潜める『愛すべきバーサーカー』レオパルド。
「そこ、点検もちゃんと済ませとけよ」
持って生まれた豪運故にか、抗争の耐えなかった頃から常に最前線で指揮を取り続けて、一度も負傷したことがないというテイワズ屈指のエースパイロットである『黒羽根』ゲパード。
「……………」
小柄ながらも若き日には傷だらけになりながらも常にジャスレイの側に付き従い、鋭い眼光を放ちながら、立ちはだかる敵を蹴散らしたという『寡黙なる』オールソ。
その他にも様々な圏外圏の実力者達が集まっていた。
それは言わずと知れたテイワズの牙、その鋭さは依然として衰えてはいないことの証左でもあった。
そして、その中には…。
「オジキびっくりするかなぁ〜?」
「ライド、またオジキに会えて嬉しいからってお偉方の前で粗相はするなよ?」
「分かってるよ〜!!」
鉄華団よりわくわくした様子のライド・マッス、及び彼を咎めるチャド・チャダーンが再び派遣されて来ていた。
「あの子らも元気なのは良いけど、やらかさなきゃあいいけどね…」
「まぁ、良いんじゃあねぇの?堅っ苦しいのは息が詰まんだろ?兄貴だってそう言うさ」
「そう言うアンタもソワソワしてんじゃあないかい?ったく…」
そして、それを見守るのは彼らの兄貴分である名瀬・タービンとその妻のひとりで、彼のハーレムのまとめ役、アミダ・アルカだ。
「まぁ、兄貴はああ言う子どもの失敗くれぇは笑って許してくれるさ」
「そう言う問題じゃあ…にしても、ウチの旦那はなぁんで兄貴関係だとちょっとユルくなるのかねぇ…」
『JPTトラスト』及び、その傘下の組織は基本…子どもに甘い。
それと言うのも彼らのほぼ全員が元々孤児だったことから、苦労がわかると言うのもあるし何よりジャスレイの方針的に「子どもに罪はねぇだろうよ」とのことで、明らかな悪意を持っていたり、度がすぎる悪戯をした時でもなければ基本親戚の子供に接するような対応なのだ。
何より今は…。
「やっと久しぶりにオヤジに会える絶好の大義名分を得られた……」
と、内心喜んでいるのがほとんどなのだから…。
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社長室の窓から入り口の辺りを見ると、そこには見慣れた顔がちらほら見える。
ついでに船なんかも遠目に見えたんだけど…。
「にしても、やっぱ派手な登場だなアイツら」
「まぁ、そんだけオヤジに喜んで欲しいんじゃあねぇですかい?」
「別に…元気にやってくれてりゃあオレはそれだけで良いんだがねぇ」
やっべーやっべー。
どーしよどーしよ。
もうガチやん。
ガチガチのガチやん。
あの船!!あの武装!!あのモビルスーツ!!
やっべーよ。オメーら戦争する気かってギャラルホルンに見咎められたらもう何にも言い返せねーよ。
かと言ってせっかく来てくれた手前、今更帰れなんて言えないし…。
オレはチラリと、手渡された名簿に目を通す。
「お、鉄華団のふたりも来てんのか」
しかも何で名瀬ニキまで…って、まぁそうですよねぇ〜兄貴分に恩を売る絶好の機会ですもんね〜。そりゃあ来ますわ。オレでも来ますわ。
って、そんな子じゃあ無いってことはまぁ分かってんだけどさぁ…オレ、自分でもわかるくらいにテンパってるわ。
いやぁ〜にしても、新進気鋭の甥っ子分まで連れてくるとか…。
まぁ、彼らに恩を売りたいがための新事業でもあるし…ポイント稼ぎ的な意味でもちょうど良い機会なのかねぇ…。
「ついでに皆さん手土産もあるそうでさぁ!!」
「何でも大型船三隻分の資材だとか!!」
「新事業に充てて欲しいとのことで…」
えぇ……。
ジャスおじの胃に、ダイレクトアタック!!