部下たちからの報告を待つ間、『JPTトラスト』本社にいるジャスレイは久方ぶりにあった部下たちと旧交を温めていた。
そして、その中にはわざわざ鉄華団から出張ってくれたふたりの姿もあった。
「オジキ、久しぶりだね〜!!」
「オウオウ、久しぶりだなぁ」
ジャスレイはソファに腰掛けながら、駆け寄って来るライドを軽く受け止め頭を撫でる。
なお、チャドはその様子をなにやらハラハラした様子で見守っている。
「ごめんね。ホントは団長とか三日月さんが来られたら良かったんだけど、地球支部を作るのに時間がかかってるみたいで…」
「いやなに。気持ちだけでもありがてぇってなモンさ。それによ、今まで何の縁もなかったところに組織の地盤を作るってぇのは一筋縄じゃあいかねぇしな。まずは基礎の勉強から、焦ったって綻びがデカくなるだけさ」
申し訳なさそうにしょんぼりした様子のライドを、そういって慰めるジャスレイ。
「ほれ、オメェらはカンノーリでも食って落ち着け」
ジャスレイは明るくそう告げる。
なんて事のない日常の一ページのように。
なお、生憎とアミダやラフタ、名瀬と言ったタービンズの面々はビル周辺の警護にまわっているため近くにはいない。
少なくとも歳星に於ける網はタントテンポで狙撃をされた時の比ではない。
しかし…話に花を咲かせていたところに部下の一人が飛び込んでくる。
「はぁ…はぁ…オヤジィィ!!大変でさァ!!」
息を切らして駆け込んでくるのは彼の部下のひとりだ。
「オウ、一体どうしたい?」
その様子からただ事でないのを理解したジャスレイは先程より顔を引き締め、ソファから立ち上がる。
「ご歓談中申し訳ねぇです!!しかし、ご報告が!!」
ライドはその緊迫感に固唾を飲む。
チャドは何も言わずに、硬い表情を浮かべている。
「巡回船からの定期連絡が途絶えました!!」
その言葉に、ジャスレイは慌てるでもなく部下に状況の確認をとる。
「…船の乗組員は無事か?」
「え、えぇ…こんな時なので備えがあったのが生きまして、ほぼ全員の生存は確認済みです」
「ほぼ…か。そうかい、それならよしだ」
その言葉に頷くとジャスレイはおもむろに席を立ち、周囲の部下達に指示を出す。
いよいよ本格的に売られたケンカ。
買わなければそれこそ侮られる。
故にジャスレイとしては、どうしても受けねばならない。
「各員、戦闘配備につけ。オレも出るぞ」
突然の事態にも、あくまで冷静に判断を下すジャスレイ。
その言葉に、側に控えるティアンユが手を挙げ具申する。
「それでしたら…出来ればオヤジには後方にて…」
「おう。だが、部下ばっか危険にゃあ晒せねぇよ。戦うなら…一緒にだろ?」
不敵に笑うジャスレイに、幹部達は意気揚々と頷く。
「ハッ…そこまでおっしゃるのであれば、このティアンユ止めは致しません…ですが、せめて護衛はおつけください」
その返事が分かっていたかのように、頷くティアンユ。
「オウ、昔っからオレのワガママを聞き入れてくれてありがとうよ。やっぱオメェらは頼れるなぁ」
それから続々と歳星付近の宙域に艦船が集結、展開し、その中心には当然と言うべきか…見る者の目を惹く黄金の船の姿があった。
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「各員、指示は追って伝える!!各々奮起せよ!!」
流石はティアンユ。
オレのやりたいと思ったことを、オレが指揮するより早く伝達してる…。
「こちら護衛団!!いつでも行けますぜ!!」
ゲパードも凄まじい速度で漆黒のモビルスーツ部隊を展開してるし…。
「オヤジに危害を加えるヤツ…ぶっ潰す…」
「おおぉぉぉ!!」
レオパルドは部下ともども、なんかブチギレてるし…。
「……………」
オールソは当たり前のようにオレの背後に控えてるし…。
やっぱ、みんな優秀なんだよなぁ〜。
あれ?これオレいる?