どの道○される男   作:ガラクタ山のヌシ

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久々の二日連投〜。



第96話

挑発の意図があるのか、悠々とこちらを見下ろすガンダムフレームを睨んで、ジャスレイは思案する。

とは言え、コレほどの威力…ジャスレイには聞いた覚えがあった。

 

「たしか…ダインスレイヴ…だったか?」

 

いつだったか、生前の老クジャン公から聞いた話に、そんな名前が出てきた。

尤も、その当時はあくまでも談笑のネタのひとつに過ぎなかったが…。

 

その圧倒的な破壊力ゆえに、ギャラルホルンによって禁じられたそれを、使おうなどと…。

 

到底正気の沙汰とは思えない。

そして、それと同時に確信もした。

間違いない…『夜明け』は…サンドバル・ロイターは後先なんて考えちゃあいないと。

 

「ハッハァ!!正解だ!!」

 

未だ繋がっていた通信で、嬉しそうにそう答えるロイター。

それにジャスレイは声を荒げる。

 

「テメェ…バカか!?こんなモン使うなんぞ、ギャラルホルンが黙っちゃあいねぇだろうが!!わざわざ逮捕してくださいって言ってるようなモンだぞ!!」

「うるせぇ!!ギャラルホルンが怖くて、テメェと喧嘩が出来るかよ!?」

 

吠えるジャスレイに、更にロイターが喰らいつく。

 

「見ただろ!?わかっただろ!?理解しただろ!?コレが!!オレの覚悟だよ!!オメェとの、このただ一度の喧嘩のためなら…オレは…オレ達は!!全てを失ったってかまいやしねぇのさ!!」

「テメェ…」

 

ジャスレイが反論を返そうとすると、もう一度ダインスレイヴの発射音が聞こえてくる。

どうやらもう一隻やられたようだ。

しかしこんなもの、分かっていてもどうしようも無い。

 

「これ以上撃ち込まれたくなけりゃあ、フラウロスを止めて見せなぁ!!」

 

ロイターが言いたい放題言うなり、ブツンと回線は切れる。

幸い、歴戦ゆえか精鋭達が浮き足立つことはない。

それと言うのもティアンユはじめ、『JPTトラスト』の指揮官が展開して来た敵モビルスーツ部隊の対応を適切にしてくれているためだろう。

 

とは言え、開けられた風穴は決して小さなものでは無い。

 

フラウロスへの対応も含め、ジャスレイも必死に各方面への指揮を行なっていたその時だった。

 

「オジサン!!アタシがアイツを止めに行くよ!!」

「いや、待てユハナ!!」

 

ジャスレイが呼び止める暇も無く、ガンダム・ウヴァルユハナを駆るユハナは飛び出す。

それに釣られるように、サンポがその後に続く。

 

この宇宙では常識として、モビルスーツに対抗できるのはモビルスーツのみ。

同じように、ガンダムフレームに対抗できるのは、同じくガンダムフレームのみとされている。

 

その理屈から言って、ユハナの判断は決して間違いではない。

 

だが、同時に嫌な汗がジャスレイの頬を伝う。

 

「サンポ!!絶対にユハナの側を離れるんじゃあねえぞ!!」

「すみません!!ジャスレイさん!!」

 

サンポは通信越しにジャスレイに一言謝意を告げると、そのままユハナの所へと向かった。

 

「コイツを叩けば!!」

「ユハナ!!先行しすぎだ!!」

 

ガンダムフレームの加速力のおかげか、ユハナはフラウロスを射程内に収めることは出来た。しかし…フラウロスのパイロットはその追撃を読んでいたかのように背後を向けると、護衛のユーゴーと共にさっさと逃げを打つ。

 

「逃げた!?そうか…あの弾頭はいちいち装填しなくっちゃあならないのか。なら、尚更今叩かなくっちゃ…」

 

そうして、ガンダム・ウヴァルユハナがフラウロスに近寄ると、ジャスレイにはデブリの影からユーゴーが近寄るのが見える。

 

「サンポ!!そのままユハナを突っ込ませるな!!」

「はっ、はい!!ユハナ!!下がれぇ!!」

 

ジャスレイからの通信に、サンポはユハナに向かって警句を放つ。

 

「だけどサンポ!!このチャンスを逃したら、また船が沈むんだよ!?オジサンの味方の船が!!」

 

そう言って、視線を脇にそらしたその時だった。

 

「ユハナ!!前だ!!」

「え?きゃっ!?」

 

正面には先ほどまでデブリの陰に隠れていたのだろう複数のユーゴーが展開している。

 

「ようこそォ。お前らの死地へ!!」

「何のためにオレらがデブリ帯なんつぅ、ややこしいところに布陣したのか分かってねぇのかぁ!?」

「ユハナ!!マズイ…」

 

如何にガンダムフレームとは言えども、数的不利に真正面から突っ込んで無事に済む訳も無い。

 

「このぉっ…妹から離れろォォ!!」

 

サンポのその言葉も空しく、ワイヤークローがユーゴーから伸びて、サンポのモビルスーツまでも絡め取られ、その動きを封じられる。

 

「こんなの…腕のチェーンソーで…ッ!!」

 

無論、ユハナとてそのままじっとしているわけもない。

しかしワイヤーが頑丈なのか、それとも締め付けがキツすぎて武装を展開出来ないのか、なかなかチェーンソーが起動してくれない。

 

「くそっ…こんなとこで、終われないってのに…」

 

焦りと苛立ちから顔を上げ、索敵を行おうとする。

このままフラウロスをフリーにしてしまう危険性を分かっているからこそレーダーを念入りに確かめる。

 

しかし、意外なことにその反応はごく近くであり…。

ハッとなって顔を上げたユハナには、既に弾頭を装填してあるガンダム・フラウロスが、自身のウヴァルに狙いをつけているのが見えたのだった。

 

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