第八次報告
二X〇〇年 九月十四日、午後二時四十八分。「聖女カーレ・ド・ニア」の死亡を確認。鑑定の結果、「聖女カーレ・ド・ニア」本人と断定。
監視カメラの映像から、「元・世界教アルトラス特別恩寵少年騎士団団長ナルツ・イース」と「同騎士団団長補佐ビリア・ブーゲン」の戦闘に巻き込まれ、世界教アルトラス大聖堂三 階特別礼拝堂の東に位置する大開きの窓より落下。転落死と思われる。監視映像から、「ビリア・ブーゲン」も同時に落下したと思われるが遺体は発見されておらず、現在行方不明。
後日、元・騎士団長の口から「ユリアノス・プテリドピュタ」含む、聖女関連の一切の事件の真相が語られる。新設された国際連合はこの事実を秘匿し、世界教を管理下に置く。
後日、「聖女カーレ・ド・ニア」、「団長補佐ビリア・ブーゲン」、「作戦参謀ウィン・ベリー」は虐殺神父事件調査中にあえなく落命と公式に発表。少年騎士団は解体される。
同時に、世界教アルトラス大聖堂地下より、人体複製施設が発見。加えて大量の聖女カーレ・ド・ニアのクローン体が発見されるも、いずれも知能指数が著しく低く、五歳児程度の知性しか見受けられず、複製時の欠陥品とみられる。人体複製のプロセスは目下、解析中。解析後はさらなる人口増加計画へ導入される予定。
新・国際連合は聖女の複製体を保護。連合の管理観察の元、大幅に減った人口の足しにする目算。
それによって新設国連は、残された各コロニーを統括、管理。国連主体のもと、一律国家の実現を目指す。
第十四次報告
二X〇二年 五月三十日。「元・少年騎士団団長ナルツ・イース」が国連反逆の容疑で指名手配。
新たに就任した国連事務局長は、保護した聖女のクローン体の中で特に知能指数の低かった個体を引き取り養子に。
「一人の人間があれほどの負の感情を見せたのだ。我々はそれに対し、同様の負の感情で返すのではなく、どれほど大きな愛でもって返すのかがこれからの世界には重要だ。憎しみに対して憎しみで返す負の連鎖は私が断ち切る」
聖女カーレ・ド・ニアを心底憎む元・団長は、聖女の粗悪品や教団の残党を処分しない新国連に対し業を煮やし、国連が保護する複製体を抹殺しようと画策するも二度に渡って失敗。 現在逃亡中。
最後に行方が観測されたのは、旧タヒチ島。同島にて職業訓練中だった聖女の複製体を二名殺害。同時に観察管理のため派遣されていた国連職員も同様に殺害されている。
以降、元・少年騎士団団長ナルツ・イースは【虐殺騎士】と呼称。全世界指名手配犯に認定。
第三九次報告
二X〇七九月十四日。オセアニア西方付近の無人島にて、ビリア・ブーゲンと思わしき人物を目撃したとされる情報が入る。
また近年、その付近では世界教残党信者による謎の集会が度々報告されており、拘束した信者から「カーレ・ド・ニア様が復活なされた」という証言が得られている。
追加報告。
同年十月、「ビリア・ブーゲン」が目撃されたとされる群島近辺で「虐殺騎士ナルツ・イース」を目撃したとの情報が寄せられた。
調査隊を派遣。
〈全世界同時バイオテロ事件に関連する旧オセアニア地区大量虐殺事件の逐次報告〉より抜粋