聖闘士星矢~クリスタルエレジー~Final Edition   作:水晶◆

25 / 34
注意!
基本的にかなり頭の悪い馬鹿話です。
コミックスの巻末とか、カバー裏に描かれるような、メタな話や、世界観ぶち壊しな話です。


第XX話 カバー裏の馬鹿話シリーズ「天才麻森博士の華麗なる憂鬱・鋼鉄聖闘士誕生秘話?」

 ああ、あの写真ですか?

 当時の私ですね。ハハッ、白髪も無ければ皴もなく若々しいでしょう?

 ほんの……十数年前なんですよねぇ、あれ。

 今では髪も真っ白で、眼鏡の度数も増しました。最近は健康診断の結果も……いや、止めましょうか。

 

 ええ、今でもハッキリと思い出せます。

 あれは、雪の降る夜の事でした。

 今から十数年前、ギリシア旅行から戻られた光政翁が、私に次のような指示を出されたのです。

 

 ――――――――

 ―――――

 ――…

 

麻森(あさもり)博士、あなたの全ての英知を傾けて――聖衣(クロス)を作って欲しいのだ」

 

「……クロス(十字架)クロス()?」

 

 こんな夜中に人を呼び出して、いきなり何を言い出すんだこの爺。

 そもそも、機械工学専門の私に――まあ、私は天才なのでやろうと思えば何でもできるのだが――布製の十字架作らせてどうする気なのだ?

 とうとう呆けたのか?

 そう言えば先日、息子もいないのに「孫娘の沙織が可愛くて仕方がない!」とか言い出していたな。

 噂では、百人近い隠し子がいるとかいないとかもあるが……まあ、私には関係の無いことだが。

 ……百人近い女性と、この爺が?

 ……この爺と?

 

 ……滅ぼそうかな、この世界。

 あの研究(次元連○システム)が進めば――

 

「予算は幾ら掛かっても構わん」

 

 おっと、私としたことが。

 科学者たるもの、常に頭は冷静に、だ。

 山田君とアン○ニオ猪木対モ○メドアリの世紀の一戦を夜通し語り合っていた影響かな。

 しかし、世間一般でのあの試合の評価は厳しいものがあるが、私は評価する!

 

「ただし十年以内に完成して欲しい」

 

 十年以内とは……布製の十字架ではないのか。

 

「理事長、クロスとはいったい何なんです?」

 

 クロス、くろす、クロース。いや、まさか……黒い酢――黒酢なのか!?

 たしかに、安全性や効能の検証、国内外への流通やブランド化などの先々まで見据えれば……その為の十年か!?

 この爺、ついに食の世界にまで影響力を持とうとしているのか!!

 

「……麻森博士? 麻森君? 大丈夫? ねぇ、儂の話ちゃんと聞いてる!?」

 

 

 ―――

 ―――――…

 

 そう私が聞くと、光政翁は机の引き出しから一つの資料を出されたのです。

 分厚い資料でした。

 そこに書かれていたのは、鋼鉄聖衣の原案ともいえる物でした。

 驚きましたよ。

 てっきり、予算の色々と誤魔化していたアレやこれらがバレてしまったのかと……いや、何でもありません。

 

 ――――――――

 ―――――

 ――…

 

「ゴホン。儂も詳しくは分からんが、聖闘士(セイント)という者の肉体をガードするプロテクターと言ったらよいのか……」

 

「セイントの肉体をガードするプロテクター?」

 

 セイント?

 聞いたことも無いが、何かの略か?

 

「そうだ。まだ、内密にしてほしいのだが、儂は今から人類の平和と正義を陰ながら守る聖闘士と呼ばれる少年を養成する。

 聖闘士とは、この世に邪悪がはびこる時、必ずや現れると言われる希望の闘士。その拳は空を裂き、その蹴りは大地を割ったとされる。

 儂が送り出す少年たち、彼らは青銅聖衣と呼ばれる物を授けられるはず。

 そのあかつきに、彼らを陰から支援するアシスト役として、メカニカルな聖衣を身に纏って戦う鋼鉄聖闘士(スチールセイント)が必要なのだ」

 

 ふむ。

 つまり、空を裂き大地を割る程の力を持つセイントと呼ばれる少年たちのアシスト役として、科学の力で戦うスチールセイント(仮称)を作れと。

 

 面白いじゃないですか!!

 つまり、財団の予算を好き勝手に使って、正義のために戦うスチールセイント(スーパーロボット)を作って良いってことですね!!

 ヤッター!!

 

 

 

 そうして、私はスチールセイント(スーパーロボット)の作成に挑んだ。

 

「出来ましたよ理事長!」

 

「おお、早いな!? まだ一年も経っておらんぞ?」

 

「ハハハッ。いや、アイデアだけは沢山ありましてね。日本のフィクション、アニメは偉大だという事です!」

 

「おお、そうかそうか。……アニメ?」

 

「はい、これです! 

 サポートとのことでしたが、やはり正義を守るためならば、要求されるスペックは主役を張れるだけのものは必要であろうと考えました。

 全長十八メートル、重量は二十トン。様々な内蔵火器を搭載し、その戦闘能力はあの国の第七艦隊にも匹敵します!

 ゼットの主力兵装は空を引き裂くロケットパンチとアイアンカッター、グレートは大腿部にブレードを収納し、ニーインパルスキックやバックスピンキックは大地を砕く程の威力があります!!」

 

「いや、これマジ○ガーZとグレートマ○ンガー……」

 

「さずがにフィクションですから、装甲材に用いられるジャパニウムやそれを基にした動力である光子力は再現出来ませんでした。

 またセイント(パイロット)の負担もそれなりに掛かってしまいますが、その辺は専用スーツにより解消できる見込みです。

 この二体、ゼットとグレートは外装や一部兵装こそ異なりますが、ほぼ共通の仕様です。動力は試作型の次元連――ゴホン、クリーンな代替えシステムを……」

 

「待ちたまえ麻森君! いや、凄いことは認める。実際凄い。正直儂も驚いた。じゃが、さすがにこれは……世に出してはイカンと思うし、儂が思っている物とも違うのじゃよ?

 こう、重火器といった近代兵器でどうこうするのではなく、拳や蹴りと言った技を用いてじゃな……」

 

「……そうでしたか。分かりました。では、次のスチールセイント(スーパーロボット)計画を進めます。……爺の好みはダイナミック系ではなかったか」

 

「何か言ったかな、麻森博士?」

 

「いえ、別に?」

 

 

 

 だが、硬度、強度、更には軽さなど。

 幾つもの条件を満たす物は中々完成出来なかった。

 

 

 

「出来ましたよ理事長!」

 

「おお、今度も早いな!? あれからまだ一年も経っておらんぞ?」

 

「ハハハッ。ゼットのノウハウがありますからね。さあ、研究所に行きましょう」

 

「ああ、分かった。……ゼットのノウハウ?」

 

「はい、これです!

 やはり正義を守るためならば、迅速に現場に駆け付ける移動力や、被害に遭った民間人への支援も必要と考え、トレーラーへの変形機構を搭載しました。

 有事の際には移動拠点としても活用できる仕様です。その反面、ゼットに比べて大型化し、重量も増していますが、先に挙げました平時での運用の事を考えれば許容範囲でしょう。

 全長は四十五メートル、重量は百五十トン。動力源はダイモライト、装甲材質はダイモニウム……と言いたいところですが。

 惑星間航行技術が未発達な現在では、惑星探査によってダイモライトを入手する事が出来ませんので、試作三型となる次元連結――クリーンな動力を用いております。

 なお、兵装につきましてはゼットと異なり内蔵火器はかなり厳選し最小限としています。その分、内部のペイロードには十分な余裕を設けており高い拡張性があります。

 戦闘は主に四肢を用いた格闘戦を想定しており、駆動系や装甲材も一新し、セイント(パイロット)の動作、思考を認識する独自の操縦システムにより――」

 

「いや、これダ○モスじゃろ? 儂知ってる」

 

「おお、さすがは理事長! ご存じでしたか。

 いや、私はロボット系なら何でもいけますが、理事長はダイナミック系が好みでは無いようでしたので――長浜ロボです」

 

「まあ、確かに、徒手空拳……と言うにはそこそこ武器も使っておるが……。烈風正拳突きも、聖闘士の技としてみれば、それっぽいとも言えるが……。

 本当に凄いとは思うのじゃが。

 なあ、麻森博士? そもそも、どうしてロボットなのかを聞かせてもらっても良いか? 儂、プロテクターと言ったよな?」

 

「え? セイント(パイロット)纏う(乗り込む)スチールクロス(スーパーロボット)ですよね?」

 

「麻森君? そのルビいらないから。ルビおかしいから。ルビ外してもう一度読み上げてくれんかね?」

 

 

 ―――

 ―――――…

 

 しかし、光政翁の叱咤激励を受けて私は、寝食を忘れ聖衣開発に没頭しました。

 もちろん、グラード科学開発研究所の所員の誰にも秘密でした。

 ええ、その頃から白髪が増え始め、人相も凶悪になったと言われましたね。ハハッ。

 

 B´Tやバトルギアの開発、エボリューションという概念とシェルターという現象の究明など、色々な事がありました。

 ブラッ○ゴーストと名乗る秘密結社から勧誘を受けたり、ゼロゼロナンバーと呼ばれた彼らと共に戦ったりもしましたね。

 

 喫茶店のインベーダーゲームでハイスコアを出してもそれを語り合える者がいない。

 ガンプラの争奪戦を勝ち抜いても、それを自慢できる相手がいない。

 プラモシミュレーションマシンを作ってみたが、対戦相手がいない。

 辛く、厳しい時間でした。

 

 そうして、五年前です。光政翁が亡くなられたのは。

 私は目の前が真っ暗になりました。

 なにせ、この開発計画は光政翁と私だけの極秘計画。

 開発に専念していた私には、事実を秘したまま財団への予算取りや収支報告など行う事が出来なかったのです。

 既に鋼鉄聖衣を纏うべき大地君たち三人が選ばれ、トレーニングに入っていました。

 その為に、途中で投げ出すことも出来ず……。

 

 

 

 市街安全保障局の蒲腐博士と裏取引を行――ゲフン、ゲフン。

 

 先日、やっと完成出来たのです。

 

 え?

 何故、沙織お嬢様にも伝えなかったのか、ですか?

 

 それは……。光政翁はこう仰いました。

 

「博士、この事はくれぐれも内密に頼みます。沙織に対しても、です」

 

「えっ。お嬢様にまで!?」

 

「敵を欺くにはまず味方から。という事はもちろんだが……。

 なにより聖闘士が沙織の下に集まり、沙織自身がアテナを自覚し、悪と戦う決意をした時に――」

 

 ――鋼鉄聖闘士をプレゼントしたいのだ、と。

 

 ――――――――

 ―――――

 ――…

 

「拳を握り締め、光政翁はそう語られました」

 

「そうですか。お爺様がそんなことを……。博士、ありがとうございます。本当に、お疲れさまでした」

 

「……立派になられましたな、お嬢様」

 

 沙織お嬢さんの労いの言葉を受けて、麻森博士がまるで親戚のおじさんモードの笑みを浮かべている。

 それを見ている俺の表情はどうなっているだろうか?

 多分、苦虫を噛み潰したような――そんな経験はないが――表情をしているに違いない。

 

「先生?」

 

「……いや、何でもない。気にするな氷河」

 

 一輝が城戸光政のことを「ここまで用意周到とは、大した奴だぜ」と褒め、「泣かせやがるぜ」と翔や大地、潮の鋼鉄組が浪花節に涙する。

 星矢が、「俺たち良い子をいたぶる鬼爺さんかと思っていた」と言えば、氷河が「それを言うなお調子者」と星矢の口を塞ぎに掛かる。

 

 ははは、と笑いがあふれる空間に、色々と突っ込みたいことが多過ぎる――ッ!!

 

 一輝、お前そんなキャラじゃないだろう!?

 鋼鉄組! お前ら、予算が通らなかったら放って置かれていた、と言われていることに気付け!!

 それから博士!! アンタの存在そのものに突っ込みたい!!

 途中途中に聞き捨てならない情報をぶち込むんじゃないよ!?

 

 アンタ、ゼットとかグレートとかはどうした!?

 何度か次元連結とか口走ってたけど、まさか次元連○システムの開発に成功してる!?

 

 それに、何? この世界って機械皇国存在するの⁉

 ネオ・ソサエティもそうだけど、ブラ○クゴーストとか古代文明人とか!

 

 この世界大惨事じゃねーか!!

 スパ○ボでも、もう少し節操あるぞ!?

 

 あ、でもプラモシミュレーションはやってみたい。

 博士、後でやらせてくれない?

 

 

 

 

 

 続かない……!

 




時系列的にはアルゴル戦後?
アニメを見返していたら、白銀の動きに対応できるあの鋼鉄聖衣を一人で完成させたって言うから……。
ヤベー博士ですわよ?

なお、セインティア(争いの神エリス)ルートのため、現ルートで科学の戦士が存在するかどうかはシュレディンガーの猫。

勢いでやってますので、要望があれば登場するかもしれません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。