どこかの秘密結社の管理の元、現代では考えられないオーバーテクノロジーを研究する施設があった。そこでは、アニメのような未来の技術や神話や伝承の技術の研究を行なっている。
「そんな技術なんて、できるわけ…………」
「出来る訳ねぇだろぉぉぉぉぉ!!!」
だがその成果はあまり芳しくなく、上からの要求に答えられずに殴られる毎日を送っている研究員の1人、佐野 咲人。
この研究員──咲人はこの施設で研究していた男と女の研究員のストレスからの交尾から生まれた人間であり、まともに世話もされずに育った。
ただ、オーバーテクノロジーを研究する両親から生まれたことからその頭脳は常人を軽く超えている。5歳からはもう1人で研究を行い始めていた。
この施設の出資者から渡される「これ作ってね♡」という資料を見ながらいつも発狂して、今や17歳になっていた。ちなみに両親はとっくに研究の途中でミンチになったり、放射能浴びてそのままお亡くなりになっている。
ちなみに出資者から渡される資料という名の命令の例を言えば、モブ厳世界で有名な『戦姫絶唱シンフォギア』のオートスコアラー*1を作れ、仮面ライダー作品のドライバーを作れなどだ。
オートスコアラーを作れなんて言われた時にはそのキャラクターのAI的な何かを作り、仮面ライダー作品のドライバーを作れと言われた時にはG–3*2とそれのドライバーを作って出資先に投げておいた。文字通り。
「…今度はなんだ……異世界に行きたいので異世界行く方法よろぴくね……ふざけてんのか!」
また無茶振りが送られてきたらしい。資料を両側から力を入れて裂いてそのままゴミ箱にシュートする。
「……異世界、魔法陣でも書いて適当に行って来やがれ……!」
無論行けないから咲人に送っているのだ。
「何かないかね〜神隠し的なのでもいいだろ……」
ネットを使って何かないか探す。すると面白そうな見出しのサイトが出てくる。
「なになに……?公立の高校で起きた集団神隠し事件?消えた生徒はどこに……面白そうな記事だな、少し詳しく見るか……」
サイトの情報の裏を取ったり、どんな事件だったのか詳しい情報を探すこと3時間、咲人はようやく頭を冷やす。
「……よくよく考えりゃ、こんなことある訳……あったんだよなぁ……どうなってんだこれ」
教師と生徒、荷物はそのままに全員どこかへ消えてしまったらしい。学校から一瞬で消えることなんて不可能であり、どうやって消えたのかテレビでオカルトや誘拐などの番組やニュースで取り上げられている。
「……いい、これは異世界に行った可能性がでてきたな!」
「まだまだァ!まだ情報を引き出すことくらいわけないさ!」
咲人はキーボードをカタカタして色々なサイトから情報を引き出しまくる。だがどれも似たような情報ばかりで──
「もう飽きた……」
1時間で飽きた。
ただ、神隠しの線はないような気がすると咲人は思う。他の高校の生徒の話では件の教室は光り輝いたらしいのだ。
「……はぁ……俺も異世界に行って自由気ままに生活したい!美少女ハーレムが欲しいよ〜!」
出資者から渡される資料の情報を探すために咲人は既に色々なアニメや小説、漫画をいっぱい読んでいる。なので普通のオタクと比べればヘビーなオタクでもある。ハーレムが欲しいという願望やチート無双したい願望もあるのだ。
咲人の願望が口から漏れ出して下を見ながら項垂れていると、咲人は床に純白に光り輝く円環と幾何学模様──魔法陣が現れたのに気づく。
「……ナニコレ」
その魔法陣は徐々に輝きを増していき、咲人の研究室全てを満たすほどの大きさに拡大していく。
「……まさかこれっていせか──」
咲人の推測が口から出てくるのと魔法陣の輝きが爆発したようにカッと光ったのは同時だった。
数秒か、数分か、光によって真っ白に塗りつぶされた研究室が再び色を取り戻すと、そこにはパソコンとエナジードリンク、カロリーメイトのゴミが散らかっているのをそのままに咲人だけ消えていた。
研究室から咲人の姿が消えていることがその後気付かれ、大騒ぎになるのはまた別の話。
咲人の目の前から光がなくなり、目が開くようになると、そこには豪奢な装飾が施された大広間のような部屋の真ん中にいることがわかった。
「……ここどこだ…確か俺は研究室で幾何学な魔法陣によって……「ようこそ、トータスへ」あ?」
目の前にこれまた豪奢な服を来た異世界の宗教の偉い人のような存在が咲人に挨拶する。
「私の名はエレシュキガル・ランゴバルド、ヘルシャー帝国の聖教教会の最高司祭を務めさせてもらっています」
「……?」
「おう、エレシュキガル、神の使徒は召喚できたか?」
「えぇ、これまた強い神の使徒のようですぞ、特別にエヒト様が帝国に向かわせて下さりました」
「そりゃあいい、俺はこの国ヘルシャーの皇帝、ガハルド・D・ヘルシャー。よろしくな、神の使徒様よ!」
「……(なんかめんどくさいことに巻き込まれた気がするぞ…?)」
ヘルシャー帝国の皇帝と名乗ったガハルドは金のプレートを投げ渡しながらエレシュキガルとともに神の使徒について、そしてこの世界について説明し始める。
◇おっさんズ説明中◇
咲人は2人の説明をようやく理解した。自分は神の使徒と呼ばれるこの世界の神エヒトに呼ばれたこの世界のヘルパー的な存在であり、この世界の人間の数十倍の力を持つらしい。
そしてこの世界は魔人族、人間族の戦争状態らしく、以前は拮抗していたが、魔人族の突然の強化によって劣勢になっているらしい。ちなみに獣人族がいるらしいがそこは帝国にとって取るに足らない、魔力もない、ただの奴隷の宝庫でしかないらしい。
「……(終わってんなこの国)」
「いまさっきお前に渡したそのステータスプレートに血を垂らしてみろ、ステータスが見れる」
金のプレート、この世界のアーティファクトとか呼ばれる神代の時代の産物らしく、ステータスを見ることが出来るプレートらしい。
咲人はステータスプレートに血を垂らしてそのステータスを見る。
すると……
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佐野 咲人 17歳 男性
天職 研究者
筋力 10
体力 10
耐性 10
敏捷 10
魔力 100
魔耐 10
技能 錬金術・魔法作成・探求・忘却無効・言語理解
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「「「……」」」
思考が、止まった。ステータスが魔力以外10なのだ。しかも戦闘に役立ちそうな技能がひとつもない。
「……ゴミだな、魔力が高くても意味が無い。レベルを高めなくても戦力になると思っていたが……これなら騎士を増やした方がまだマシだ」
「そんなはずは……」
ガハルドが咲人のステータスがゴミと断じる。エレシュキガルは咲人のステータスとガハルドの言葉に狼狽える。
そして少しの時間が経った後、ガハルドが動いた。
「帝国は実力主義だ、悪いが……出ていけ!!」
お金の袋と一緒に咲人を外に放り投げて帝国の城、帝城から追い出した。
「……俺、まじでどうしよ……」
咲人は異世界トータスに転移してからすぐにボッチとなってしまうのだった。