英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『白き花のマドリガル』

~学園祭当日~

 

「…配置も照明もOK…うん、準備完了ね!」

 

俺達は講堂で劇の準備をしていた

 

「さて、劇の公演まで時間はあるから遊んできて いいわよ」

 

「そうこなくっちゃ!屋台とか片っ端から食べ尽 くすわよ~♪」

 

花より団子だね~

 

「食べるのはいいけど…食べ過ぎて劇の最中に動 け なくならないようにね」

 

「わ、わかってるわよ」

 

「…ヨシュア。くれぐれも頼んだぞ」

 

「任されたよ」

 

「あ!二人共信用してないでしょ!」

 

当たり前だ。食べ物に関してエステルを信用する事 は即ち死だ。

 

何も知らずにエステルとクローゼに昼を奢った時、 俺の財布が空になったからな!

 

…一万ミラは入れてたのに

 

「全く…みんなも行くんでしょ?」

 

「私とハンスは生徒会の仕事があるからね~」

 

「それって昨日言ってた?手伝おうか?」

 

「いいわよ。あんたはケイジと一通り回ってらっ しゃい。チビ達もすぐに来るんでしょ?」

 

「うん…ありがとう」

 

「ケイジ、ヨシュア。わかってるな?俺の好みの 女の人がいたらすぐに教えてくれよ」

 

「わかってるよ…」

 

「美人で背が高くて大人の魅力を兼ね備えたお姉 さん、だったか?」

 

「それでこそ親友だ♪」

 

…呆れて何も言えねえ

 

向こうでジル達がハンスをゴミを見るみたいな目で 見てるしな

 

「それより!ヨシュア、行くわよ!」

 

「ちょ、エステル落ち着いて…」

 

と、まだ開始のアナウンスもされてないのにエステ ルはヨシュアを引っ張って行ってしまった

 

「相変わらずの仲の良さだな…」

 

「ふふ…私達も行こう?」

 

「へいへい」

 

俺とクローゼはそんな二人を追いかけるのであった

 

「…ねぇハンス」

 

「どした?」

 

「あの二組…端からみれば完全にカップルよね」

 

「言うなよ…何か羨ましい通り越して虚しくなる か ら…」

 

「…何かゴメン」

 

よくわからない敗北感を抱くジルとハンスであった

 

『皆様、大変お待たせしました。只今より、ジェニ ス王立学園第52回学園祭を開催します』

 

「始まったな」

 

門が開くと同時にかなりの数の人が学園に入ってく る

 

「うわ~…凄い数のお客さんだわ」

 

「さすがは名高いジェニス王立学園だね。学園レ ベルの祭りとは思えないな」

 

ヨシュアが関心したように言う

 

「ふふ、今年は例年よりもお客さんが多いみたい です」

 

「ジルが宣伝に張りきってたからな」

 

「ふふ、じゃあ私達も回り始めましょうか」

 

そのクローゼの一言を皮きりに、俺達は学園祭を回 り始めたのだが…

 

「…はぐれたな」

 

「そうだね…」

 

見事にはぐれた

 

だってエステルがヨシュア引っ張ってどんどん先に 行くんだぜ?…屋台の食べ物一通り頼んでから

 

しかも食べるスピードが半端じゃないから…立ち食 いに慣れてないクローゼは大変だった

 

「ごめんね、ケイジ…私のせいで…」

 

ものすごい落ち込んでいるクローゼ

 

「気にすんな。どうせエステルの事だから、ガキ 共を探したら一緒にいるだろ」

 

そう言って、クローゼを復活させて、学園祭を楽し みながら先生達を探していると…

 

「あ!クローゼ姉ちゃん!ケイジ兄ちゃん!」

 

「ここにいたか」

 

案の定クラム達と一緒にエステル達もいた

 

「みんな…来てくれたのね!」

 

その後は暫くガキ共と喋っていたが、先生が来た事 で一旦区切りがついた

 

「今日は招待してくれて本当にありがとうね。子 供達と一緒に楽しませてもらってますよ」

 

「なあ、ケイジ兄ちゃん。兄ちゃん達が出る劇 っ ていつぐらいに始まるのさ?」

 

「あたし達、すっごく楽しみにしてるんだから☆ 」

 

ごめんな…今はお前らのその純粋さに俺のメンタル が…

 

「…ああ、まだもう少しかかるな」

 

何とか根性で乗り切って返事をした

 

「院長先生、まだマノリアにいるの?」

 

エステルが俺の心情を読み取ったのか話を変えてく れた

 

「はい、宿の方のご好意で格安で泊めて頂いてい ます。ですが…」

 

何か言いにくそうにする先生

 

…決めたのか

 

「…なあ、みんな。劇の衣装、見たいか?綺麗な ド レスとか騎士装束とかあるぞ」

 

「綺麗なドレス!?」

 

「騎士しょーぞく!?」

 

「ふふ、興味があるみたいだね」

 

…ヨシュア。「ふふ」みたいな笑い方をお前がする とオカマに見える。…劇の影響か?

 

「それじゃあ特別に見せて上げるよ」

 

「やったぁ!」

 

「ポーリィもいくー」

 

「(舞台の控え室にいるから、ゆっくり話せ)」

 

「(…ありがとう)」

 

「よし!んじゃ行くか!」

 

そうして俺とヨシュアはガキ共を連れて控え室に行 った

 

途中、銀髪の男…ってあれ《剣帝》じゃねぇか!

 

ヨシュアが目を丸くしていたから何か関係でもある のか?

 

「…ごめん、ケイジ。子供達を頼むよ」

 

「ん。わかった」

 

後で追いかけようか…

 

~控え室~

 

「さて、衣装は着れるんなら着てもいいぞ。…俺 は ちょっと外すから大人しくしてろよ?」

 

『は~い』

 

俺は急いでヨシュアを追う。

 

じゃないと《剣帝》は見失う可能性大だしな

 

裏道を走っていると、旧校舎に向かう二人を見つけ 、追いかける

 

ヨシュアは途中で見失い、エステル達も俺達を捜し に来た事で戻って行った

 

「行ったか…」

 

「残念でした~NO2《剣帝》」

 

「!?…何だ、《白刃》か…」

 

「それで呼ぶな阿呆。…久しぶりだなレーヴェ」

 

「お前もな、ケイジ」

 

そう、実は俺達は知り合いだ。…昔斬り合った、な

 

今も立場上は思いっきり敵同士だが

 

「俺を捕らえにでも来たか?」

 

「祭りの日にんな無粋な事するかよ…それに俺が か なり限定的な条件でないと仕事しないの知ってる だろ?」

 

「ふっ…違いない」

 

「俺が聞きたいのは…この前の孤児院放火にあの 組 織は関わっているのか?」

 

先生達を助けた銀髪の男はまずコイツで間違い無い …今はそれもどうでもいい

 

問題はあの組織が関わっているのかどうかだ

 

「直接は関わっていない」

 

「直接は…?じゃあ間接的には関わっているのか 」

 

「さあな。…一つだけ言うとすれば、偶には軍の 方 にも気を張っておけ。…ではな」

 

「あ、オイ!」

 

俺の制止の声も聞かずにレーヴェはさっさと行って しまった

 

…軍に気を張れ?何か起きているのか?

 

『…連絡します。劇の出演者とスタッフは講堂で準 備を始めて下さい。繰り返します…』

 

…まあ、いつまでも考えていても仕方ないし、戻る か

 

~講堂~

 

俺が戻った時には、既に大体の準備が終わっていた

 

すぐに着替えて、準備を終わらせると、それが合図 だったように客が集まってきた

 

「うっわ~…めちゃくちゃ人がいる~…あう~、 何 だか緊張してきた」

 

客席を覗き見していたエステルが言う

 

「大丈夫ですよ、エステルさん。あれだけ練習し たんですから」

 

「そう言って足がガクガクになってんのは誰かな ~♪」

 

クローゼの足を指でつつく

 

「きゃあっ!?…あう~…」

 

涙目で睨まれても怖くない

 

「大丈夫だよ。劇が始まったら他の事は気になら なくなるさ。特にエステルは1つの事にしか集中出 来ないタイプだからね」

 

ヨシュアがエステルをからかうように言う

 

「むっ、言ってくれるじゃない。でもまあ、その カッコじゃ何言われても腹は立たないけど♪」

 

「そうですね♪」

 

「「ぐっ…」」

 

俺とヨシュアの精神にかなりダメージが入る

 

「はいはい、痴話喧嘩はそのくらいで」

 

ジルは急に真面目な顔になって

 

「…今年の学園祭は大盛況よ。公爵だの市長だの お 偉いさんがいるみたいだけど私達が臆する事はな いわ。練習通りにやればいいだけの事。」

 

ウインクをしてジルが言う…こういう時の盛り上げ は巧いんだよな~

 

「俺達自身の手でここまで盛り上げた学園祭だ… 最 後まで根性入れて花を咲かせてやるとしようぜ! 」

 

そうして俺達は気合いを入れ直して

 

『…大変お待たせしました。只今より、生徒会が主 催する史劇、《白き花のマドリガル》を上演します 。皆様、最後までごゆっくりお楽しみ下さい…』

 

俺達の公演が始まった

 

(ここからケイジ→セシリア、エステル→ユリウス 、クローゼ→オスカー、ヨシュア→メイドに変換し ます)

 

―――――

 

ジ「時は七耀暦1100年代…100年前のリベールでは 未だ貴族制が残っていました。 一方、商人達を中 心とした平民勢力の台頭も著しく … 貴族勢力と平 民勢力の対立は日増しに激化して行っ たのです… 王家と教会による仲裁も功を奏しませんでした…」

 

舞台が明転して、俺の姿が見えるようになる

 

ジ「そんな時代…時の国王が病で崩御されて一年が 過ぎたくらいの頃… 早春の晩、グランセル城の屋上 にある空中庭園から 、この物語は始まります…」

 

そしてジルは退場する

 

セ「街の光は、人々の輝き…あの一つ一つにそれぞ れの幸せがあるのですね… ああ、それなのに私は… 」

 

ヨシュア登場

 

メ「姫様…こんな所にいらっしゃいましたか。そろ そろお休み下さいませ。あまり夜更かしをされては お身体に障りますわ」

 

セ「いいのです。私など病にかかれば…そうすれば 、このリベールの火種とならずに済むのですから」

 

メ「まあ、どうかそんな事を仰らないでくださいま し!姫様はリベールの至宝…よき旦那様と結ばれて 王国を統べる方なのですから」

 

セ「私、結婚などしません。亡きお父様の遺言とは 言え、こればかりはどうしても…」

 

メ「どうしてでございますか?あのような立派な求 婚者が二人もいらっしゃるのに…一人は公爵家の嫡 男にして、近衛騎士団長のユリウス様…もう一人は 平民出身ながら帝国との紛争で功績を上げられた猛 将オスカー様… はぁ~どちらも素敵ですわ♪」

 

ごめん、ヨシュア。キモイ…あ、俺もか

 

セ「………彼らが素晴らしい人物であるのは私が一番 良く知っています」

 

一歩前に出て

 

セ「ああ、オスカー、ユリウス… 私は…どちらを選 べばいいのでしょう…」

 

――――――

 

(中略…テヌキトカ、イワナイデ…)

 

――――――

 

ジ「二人の覚悟を悟った姫に、もはや止める手だて はありませんでした そして次の日…王都の王立闘技 場に二人の騎士の姿 がありました 貴族、平民、中 立勢力など大勢の人々が見届ける中 … セシリア姫 の姿だけがそこには見られませんでした 」

 

ユ「我が友よ…こうなれば是非もない…我々はいつ か雌雄を決する運命にあったのだ」

 

剣を抜くユリウス

 

ユ「抜け!互いの背負うものの為に!何よりも愛し き姫の為に!」

 

オ「運命とは自らの手で切り開くもの…背負うべき 立場も、姫の微笑みも、今は遠い…」

 

ユ「臆したか!オスカー!」

 

オ「だが、この身を駆け抜ける狂おしいまでの熱情 は何だ? 自分もまた、本気になった君と戦いたく て仕方ない らしい…」

 

オスカーも剣を抜き、構える

 

オ「革命と言う名の猛き嵐が全てを呑み込むその前 に…剣をもって運命を決するべし!」

 

ユ「おお、我ら二人の魂、女神もご照覧あれ! い ざ尋常に勝負!」

 

――――――

 

オ「くっ…」

 

ユ「オスカー!?」

 

オ「問題ない、カスリ傷だ…」

 

ユ「我々の剣は未だ互いを傷つけてはいないハズ… まさか!?」

 

「卑怯だぞ、ラドー公爵!貴公の謀か!?」

 

「ふふふ…言いがかりは止めて貰おうか。私の差し 金という証拠があるのか?」

 

ユ「父上…なんという事を」

 

オ「いいのだ、ユリウス。これも自分の未熟さが招 いた事。 …それに、この程度のケガ、戦場では当た り前のも のだろう?」

 

ユ「………」

 

オ「次の一撃で全てを決しよう。自分は…君を殺す つもりで行く」

 

ユ「オスカー、お前…わかった…私も次の一撃に全 てを賭ける」

 

二人が飛び退き、間合いが出来る

 

ユ「さらなる生と、姫の笑顔。そして王国の未来さ えも… 生き残った者が全ての責任を背負うのだ」

 

オ「そして敗れた者は魂となって見守っていく…そ れもまた騎士の誇りだろう」

 

ユ「ふふ、違いない…」

 

オ「………」

 

気合いの声を上げた後、お互いが雌雄を決する為に 斬り合う―

 

ハズだった

 

「だめーーーーっ!」

 

舞台が明るくなった後、そこにはセシリア姫がいた

 

セ「あ…」

 

ゆっくりと倒れるセシリア姫

 

ユ「ひ、姫ーーーっ!」

 

オ「セシリア、どうして…君は欠席していたはずで は…」

 

セ「よ、よかった…オスカー、ユリウス… あなた達 の決闘なんて見たくありませんでしたが… どうして も心配で…戦うのを止めて欲しくて… ああ、間に合 ってよかった…」

 

オ「セシリア…」

 

ユ「ひ、姫…」

 

セ「皆も…聞いて下さい… 私に免じて…どうか争い は止めて下さい… 皆…リベールの地を愛する大切な 仲間ではありませ んか…ただ…少しばかり…愛し方 が違っただけの事… 手を取り合えば…必ず分かり合 えるはずです…」

 

「お、王女殿下…」

 

「もう…それ以上は仰いますな…」

 

セ「ああ…目が霞んで… ねぇ…二人とも…そこに…い ますか…?」

 

ユ「はい…」

 

オ「君の側にいる…」

 

セ「不思議…あの風景が浮かんできます…幼い頃…お 城を抜け出して遊びに行った…路地裏の… オスカー も…ユリウスも…あんなに楽しそうに笑っ て… 私は …二人の笑顔が…だいすき… だ…から…どうか…いつ も笑って…いて…」

 

ユ「姫…?嘘でしょう、姫! 頼むから嘘だと言って くれええ!」

 

オ「セシリア…自分は…」

 

メ「姫様、おかわいそうに…ああ、どうしてこんな 事に…」

 

「殿下は命を捨ててまで我々の争いをお止めになっ た…その気高さと較べたら…貴族の誇りなど如何ほ どの物か… そもそも我々が争わなければこんな事に はならなか ったのに…」

 

「人はいつも手遅れになってから己の過ちに気がつ くもの…これも魂を肉体に縛られた人の子としての 宿命か… 女神よ…大いなる空の女神よ。お恨み申し 上げます ぞ…」

 

『まだ…判ってないようですね 確かに私はあなた達 に器としての肉体を与えました 。しかし、人の子 の魂はもっと気高く自由であれる はず。 それを貶 めているのは他ならぬあなた達自身です』

 

「おお…なんたる事!方々、畏れ多くも女神が降臨 なさいましたぞ!」

 

ユ「これが女神…」

 

オ「なんという神々しさだ…」

 

『若き騎士達よ。あなた達の勝負、私も見せてもら いました。なかなかの勇壮さでしたが…肝心なもの が欠けていましたね』

 

ユ「仰る通りです…」

 

オ「全ては自分達の未熟さが招いた事…」

 

『議長よ…あなたは身分を憎むあまり、貴族や王族 が同じ人である事を忘れてはいませんでしたか?」

 

「…面目次第もありません」

 

『そして公爵よ…あなたの罪はあなた自身が一番良 く判っているはずですね?』

 

「………」

 

『そして今回の事態を傍観するだけだった者達…あ なた達もまた、大切な物が抜けていたはず。胸に手 を当てて考えてごらんなさい』

 

「………」

 

『ふふ、それぞれの心に思い当たる所があったよう ですね。 ならばリベールにはまだ未来が残されて いるでしょ う 今日と言う日の事を決して忘れる事 のなきように… 』

 

メ「ああ…消えてしまわれた…」

 

セ「…ん…あら?ここは?」

 

ユ「ひ、姫!?」

 

オ「セシリア!?」

 

セ「まあ…ユリウス、オスカー…まさかあなた達ま で天国に来てしまったのですか?」

 

二人「………」

 

「こ、これは…これは紛う事無き奇跡ですぞ!」

 

メ「姫様ぁ~!本当に、本当に良かった!」

 

セ「きゃっ!…どうしたのです二人共… あら…公爵… 議長までも…私…死んだはずでは…」

 

それぞれが騒ぎ出す

 

セ「オスカー、ユリウス…あの…どうなっているの でしょう?」

 

オ「セシリア様…もう心配する事はありません。永 きに渡る対立は終わり…全てが良い方向に流れるで しょう」

 

ユ「甘いなオスカー。我々の勝負の決着はまだ付い ていないはずだろう?」

 

オ「ユリウス…」

 

セ「そんな…まだ戦うと言うのですか?」

 

ユ「いえ…今回の勝負はここまでです。何せそこに いる大馬鹿者が利き腕をケガしております故。しか し、決闘騒ぎまで起こして勝者がいないのも格好が 付かない。ならばハンデを乗り越えて互角の勝負を した者に勝利を!」

 

オ「待てユリウス!」

 

ユ「勘違いするなオスカー。姫を諦めた訳ではない ぞ。お前の傷が癒えたら、今度は木剣で決着をつけ ようではないか…幼き日のように、心ゆくまでな」

 

オ「そうか… ふふ、わかった。受けて立とう」

 

セ「もう、二人共…私の意志は無視ですか?」

 

オ「そう言う訳ではありませんが…」

 

ユ「ですが姫…今日の所は勝者へのキスを。皆がそ れを望んでおります。」

 

セ「…わかりました」

 

オスカーが近づいてくる

 

セシリアはその唇に…

 

って待て。俺が今ここでオスカー(クローゼ)にキ スをすればどうなる…?

 

今は学園祭→確実にユリ姉がいる→見られてる→ユ リ姉激怒(頭カッチコッチだから)→俺死亡

 

…あれ?死亡フラグじゃね?

 

ちなみにここまでの思考時間は約0,05秒だった りする

 

オ「(もう…じれったいなぁ…えいっ!」

 

セ「んっ!?」

 

不意に唇をふさがれたと思ったら、何故か周りが光 り始めた

 

「(まさか…)」

 

『あ~、あ~…業務連絡~業務連絡~』

 

こ、この声は!

 

「(神!?)」

 

『御名答~。さて、報告だが…俺が大爆笑…もとい 劇を見ていた時に…』

 

やっぱり笑ってたのか!チクショー!

 

『ついつい、机を叩いちまってな~…パクティオー 発動させちゃった♪』

 

………

 

「(いや、大問題じゃねぇか!?)」

 

『てへ♪』

 

「(可愛くねーよ!キモイんだよ!)」

 

その後の事はよく覚えていないが、どうやら劇は成 功したらしい


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