英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『現状確認』

「………で、とりあえずケビンが無駄に厄介なモンに 俺達を巻き込んだと」

 

「概ねその通りだ」 『否定はできないね』

 

「お前ら二人して人を疫病神扱いすなや」

 

『……あれ?二人?我《わたし》は?』

 

あれから少しして、書架で横になっているケビンと レーヴェに説明を聞いていた

 

どうやらケビンは聖痕を解放したらしく、意識は辛 うじて保っているものの、体が一切動かないらしい

 

…全く、聖痕の闇の面しか使えないのに無理して使 おうとするから…

 

「お前もほとんど使いこなせて無いやろうが」

 

『ホントだよ!天羽々斬(あめのはばきり) しか使えてないじゃん !」

 

「心を読むなネギ頭」

 

『あれ?また無視!?』

 

「それにしても……何かこっち来てからやたらと体 が重いんだけど……何?重力十倍とかそういう設定 ?」

 

「どこの龍玉やねん…」

 

何故お前が知っている

 

「影の王とやらが言っていたのだが……俺とお前に は『枷』を着けたらしい」

 

「枷?」

 

「ああ…恐らくはこの身体能力の低下もその枷の一 部なのだろう」

 

「また面倒なことを……」

 

これ多分ジャパング行く前の身体能力だな。今のヨ シュアより少し高い程度か

 

「いや、お前らそのままやったら二人でここ制覇で きるやろ?」

 

「「………はぁ?」」

 

「いや、だってお前らチートやん。特にケイジ」

 

「………」( -。-) =3

 

「………」┐( ̄ヘ ̄)┌

 

「その『何言ってんのコイツ』みたいな表情と仕種 のお前らが何ぬかしとんのや」

 

「冗談はその頭だけにしとけよ?ネギ・グラハム」

 

「全くだ。ふざけているのはその不自然に尖った髪 型だけにしておけ。ニラ・グラハム」

 

「お前らホンマに大概にせぇやァァァァァァァァァ ァァ!!」

 

『………………………グスッ』

 

その後、キレたケビンは放っておいて、枷の内容を 確認することとなった

 

……ウル?稲荷寿司渡したらご機嫌でもきゅもきゅ してたぞ?

 

「あ、ストップだレーヴェ」

 

「どうした?」

 

「いや、クローゼが全く離れないから……ユリ姉呼 んできてくれね?」

 

クローゼのヤツ………駄々っ子モードが終わったと思 ったら何故か寝ちまったんだよ…

 

しかもどういう訳か絶対に離れないから……書架ま で運ぶのに苦労したぜ

 

というか今現在進行形で俺の膝の上で夢の中だし

 

「「……………………」」

 

「え?何で二人とも黙んの?何か変な事言ったか俺 ?」

 

「………………」ハァ

 

「ちょ、レーヴェ!?何故溜め息残して去ろうとし てんの!?」

 

「大丈夫だ。2~3時間後に戻ってくる」

 

「だから何が大丈夫だ!?」

 

「というかお前オレをこの二人の間に残して行く気 か!?」

 

「自分で動けばいいだろう」

 

「動かれへんから言うとんのやろがァァァァァァァ ァ!」

 

結局、レーヴェは一人でどこかへ行き、俺は仕方な くクローゼが起きるまで頭を撫でながら待つのだっ た

 

因みにウルは満腹になったのか、俺の頭の上で丸ま って寝ていた

 

「………(何でコイツらはナチュラルに甘々な雰囲気 を作りよるんや………

 

リースぅぅぅぅぅぅぅぅ!!早よ戻って来てこの雰 囲気ぶち壊してくれェェェェェェ!!)」

 

………リース達が戻って来た時、ケビンの顔はげっそ りしていた…


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