英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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前半戦終了ーー!!(受験の)


祝☆某K大特待生合格!!














『医神達の聖墓』

《影の王》に代わり《氷天の騎士》が告げるーー

 

これより先は医神達の眠る丘

 

彼の魂を受け継ぎし銀の守護騎士を伴い、文字盤に手を触れるがいい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケ~イジ~♪」

 

「ん?フェイ……のわっ!?」

 

膝枕の精神的ダメージから復活したケイジとクローゼが書架から中央の広場に戻ると、そこには探索組を含む全員が集まっていた。

そしてその中の一人……まぁ、言うまでもなくフェイトなのだが……がケイジに飛び付いて抱き付くが、不意を突かれたケイジが人一人を支えきれる訳もなく、そのまま後ろに倒れこんでしまう。

 

「体大丈夫!? もう起きて平気なの!? 痛いところ無い!?」

 

マウントを取った状態でケイジの服の襟を持ってガクガク揺さぶるフェイト。当のケイジからの返答は無いが。……ちなみにクローゼはあまりのフェイトの早業に呆気に取られている。

 

「……? ケイジ?」

 

流石にケイジの返事が無いことに疑問を感じたフェイトだったが……

 

「フェイトちゃんフェイトちゃん」

 

「何ですかケビンさん?」

 

「ソレ、気ィ失ってないか?」

 

フェイトがケイジに視線を戻すと、後頭部に大きなタンコブが。

 

「……誰がこんなヒドい事を!?」

『『お前だよ!!!』』

 

全員の渾身のツッコミが庭園に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「いきなり突撃してくるとか何なのお前? バカなの? 死ぬの? ……むしろ今ここでシバき倒してやろうかコノヤロー」

 

「ごめんなさい……」

 

後頭部の大きなタンコブを冷やしながら正座で座っているフェイトにハイライトの消えた目で説教をするケイジ。……端から見ても中々怖い光景である。

 

「全く……起きたら起きたで精神的にガリガリ削られるしよぉ、復活したら復活したで今度は肉体的ダメージってお前……」

 

「うぅ……」

 

普通に聞いている分にはただの愚痴なのだが、いかんせん目のハイライトが消えているせいで威圧感がヤバい。どれくらいヤバいかと言うとマジヤバい。

しかもこんな時に限ってストッパーになれる人物(クローゼ)は扉を開きに行っていて居ないのだ。フェイト……ご愁傷さまである。

 

「全くもってお前は前から色々と常識がだな……」

 

「ご主人様、替えの氷嚢です」

 

「あ、サンキュ。お前はまず一般常識と一般教養を…………誰だお前!?」

 

フェイトへの説教を一時中断し、たった今ケイジに氷嚢を手渡した銀髪ショート……いや、セミロング?の巫女服を着た九本の尻尾の生えたお姉さん系の美人を見る。……いや、九本の尻尾って時点である程度予想はつくのだが。

この際、遠くで「銀髪巫女の藍様だと……?」と劇画チックに驚いているリクはとりあえず無視しておくことにしよう。

 

「フフフ……よくぞ聞いて下さいました! 謂れはなくとも即参上! 軒猿陵墓から良妻狐のデリバリーにやって来ました!

……あ、何かドン引きしてません? ちょっと~?聞いてます~?」

 

ドン引きどころかゴミを見るような目でケイジは自称良妻狐を見る。しかし良妻狐も諦めない。流石シリアスブレイクに定評のある狐一族である。

 

「いや、もう前置きとか心の底からどうでもいいからさ……お前誰だよ」

 

「もう、せっかちなイケメンですねぇ……。はい、それでは(わたし)の方からご挨拶をば。(わたし)の名前は諸事情、Z的な規制等によって明かせませんが、それはもう由緒正しい、自分でもどうかと思うくらい霊験あらたかな狐耳のお手伝いさんです!」

 

名前がZ指定ってどういう事か、自分でもどうかと思うくらいの霊験って何なのか、何でそんな無駄にテンション高いのかなど、ツッコミ所は山ほどあるが、とりあえず面倒な事になりそうなので放っておくことに決める。

まぁ、自称良妻狐はツッコミが無いのに若干不服そうではあったが。

遠くで「見た目藍様で中身キャス狐だと……?」とか言って悶えているリクはやっぱり無視する。

 

「どうぞ気兼ねなくウルとお呼び捨て下さいね?」

 

『『(いや名乗ってんじゃねーか!!)』』

 

「やっぱり駄狐じゃねぇか」

 

「駄狐!?」

 

という訳で、良妻狐の正体はやっぱりウルだったらしい。当の本人(本狐?)はケイジの駄狐宣言に『ガビーン』と効果音が付きそうな程大げさにショックを受けているが。……相変わらず、いや、以前よりも数段パワーアップしたシリアスブレイカーっぷりである。

 

「お義父さん、ウルちゃんを俺に下さい!」

「誰がお義父さんだバカ」

 

サクッと蒼燕を頭に刺されて撃退されるリク。コイツもやっぱり相変わらずだった。

 

そしてウルのある一言に触発された者がまた一人……

 

ガシッ

 

「…………良『妻』狐……?」

 

「え? いや、それは、あの……その……」

 

顔を伏せ、黒いオーラを全身にみなぎらせながらウルの頭を鷲掴みにするフェイト。どうにも『妻』の一字が気に入らなかったようだ。むしろよくここまで何も言わないでいたと言うべきか……

一方、掴まれている側のウルは気が気でない。尋常ではない量の冷や汗を流し、尻尾を全てビンと毛立たせて全身を強張らせていた。まさかパッと電波で受信した台詞が地雷だとは思わなかったのだろう。

 

「少し……頭冷やそうか……」

「いやいやこれは言葉のあやってやつでですね!? 実際の所は(わたし)にそんな感情は無いと言いますか何か電波的なものを突発的に受け取ってしまったと言いますかそんな悪気の無いお茶目な狐の可愛い悪戯でしてーー」

 

 

 

~見せられないよ!~

 

 

 

「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ……」

 

『『(うわぁ……)』』

 

「……どういう状況なん?コレ。それとそこの巨乳の美人さんは誰や?」

 

ナイスタイミングと言うか何と言うか、そこにいた全員がドン引きするようなO☆SHI☆O☆KIの直後にケビン、リース、レーヴェ、クローゼ、リーシャの扉解放組が帰ってきた。

 

「お、お帰り~」

 

「おお、目ぇ覚めたんかいな」

 

「ちょっと前にな」

 

「……とにかく、状況を教えてくれないか?今北産業で」

 

「ウルが人化

ネタで『良妻狐』宣言

フェイトがO☆SHI☆O☆KI

今ココ」

 

「O.K. 把握した」

 

徐々にネタが理解出来るようになってきたレーヴェであった。

 

「……ウル、姿変わってない?」

 

「ああ、何かウルの魂が狐の体に馴染んできて、気付いたらああなってたらしいぞ?」

 

いとも不思議な話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……なぁオリビエ、ちょっと『スキマBBA 』って叫んでみてくれないか?」ボソッ

 

「?いいけど……というかキミは大丈夫なのかい?頭から止めどなく血が出ているんだが……」

 

「いいからいいから」

 

「仕方ないなあ………スキマBーー」シュン

 

 

「………あるんだ、幻想郷」

 

 

オリビエは30分後に震えて帰って来ましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「で、次の石碑なんやけど……」

 

先程とはうって変わって真剣な雰囲気の広場。そこでケビン達は次の石碑の解放の話し合いを行っていた。

 

「やっぱり誰が鍵になる人物がおるみたいや。そんでその石碑の文やけど……『これより先は医神達の眠る丘』」

 

「!!」

 

「……やっぱりお前か、ケイジ」

 

ケビンの言葉に誰よりも早く、強い反応を見せたケイジ。そのケイジの顔は先程までのどこかやる気のない表情ではなく、物凄い剣幕に変わっていた。

 

「……おいケビン。冗談じゃねぇんだよな……?」

 

「は? そ、そりゃちゃうけど……。どういう意味や?」

 

顔を青ざめさせ、冷や汗ともつかない液体を滴らせたケイジに、ケビンも何か尋常ではないものを感じた。

 

そして、ケイジがゆっくりとその口を開く。

 

「……その場所はリベールの特S級の機密だ。それも、俺とアリシア女王、カシウスのオッサンにモルガンの爺さんしか知らないレベルのな。勿論、地図にも載ってねぇ」

 

『『!?』』

 

その言葉に全員が驚愕の表情を浮かべる。それはそうだろう、リベールの中心人物しか知らない、リシャール元大佐ですら知り得なかった場所がポンと出されたのだから。

 

「……着いてくるのは本当の意味で命を懸けられる奴だけだ。

その周辺の魔獣はすべからく手配魔獣並み。そしてその魔獣達が何故か近寄らない不思議な丘にある、医神と呼ばれた医療部隊達の……英霊達の墓。」

 

 

 

その場所の名はーー医神達の聖墓(ネクロ・アスクレピオス)


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