英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『銀の鳳凰』

「ふん……負け、か。儂も歳には勝てなんだか」

 

「ついさっきまで『ジジイじゃない』って言い張ってた人が何言ってんだ」

 

地に伏せ、少しずつ光と化していくモルガンに、ケイジはそんなキツい一言を放つ。それを横で見ているリシャールは変わらないなぁ、と呟いて苦笑いだ。

 

「『枷』の付いた貴様に、リシャールと二人がかりとは言え敗れたのだ。これを老いたと言わずして何と言うか。……儂の全盛期ならば余裕で勝っておったわ戯けめが」

 

「敗者の遠吠え乙」

 

「貴様本当に戻ったら覚えておれよ?」

 

「ははは……閣下、落ち着いて下さい。ケイジ君も煽らない」

 

「「ジジイ(こやつ)が悪い」」

 

「あははは……はぁ」

 

相変わらず頑固な意地っ張り二人に溜め息を吐くリシャール。シード君、カシウス准将、頑張って下さい……と心の中で祈っておく。将校だって大変なのだ。

 

しばらく無言の睨み合いを続けていたバカ二人だが、モルガンはふん、と鼻を鳴らすとケイジに真剣な顔を向ける。

 

「だが、儂を下したところで終わりではない。……とうに気付いておるのだろう? この先で待ち構える者の正体に」

 

「いや、さっき爺さん達が半分言ってたからな?」

 

「む……。そのことはよい」

 

モルガンはわざとらしく大きな咳払いをする。

 

「この先で待ち構えるのは正しく『リベールの英雄』。生半可な力では叩き潰されるだけだ。況してや貴様は『枷』を嵌められておる。それでも立ち向かうか?」

 

「……愚問だぜ、爺さん」

 

ケイジは、モルガンの問いにニヤリと口角を吊り上げる。

 

「俺は『白い翼』の名を……リベールの象徴を背負ってんだ。その俺が折れる訳にゃいかねーんだよ。『英雄』だろうが『鉄血』だろうが、俺の世界を壊そうとするなら全力で叩っ斬ってやるさ」

 

そんな台詞を聞いたモルガンも、ケイジと同じようにニヤリと笑みを浮かべる。

 

「ふっ、『白き隼に仕えし烏と燕。忠を示して銀の鳳凰とならん』、か」

 

「なんだそれ?」

 

「リベールに伝わる古い神話だ。言い伝えではこの烏がリベールの守護神となり、燕が国々を渡る外交官となり、リベールは成り立ったと言われておる。……ケイジよ、貴様は確かに強くなった。だがまだ足らん。今のままではいつまでも貴様は烏だ。……カシウスの奴を打ち破り、見事銀の鳳凰となってみせよ!!」

 

「……応!」

 

力強く応えるケイジに、モルガンは満足そうに頷く。そしてリシャールの方を向き、一言二言伝えると、いよいよ光が強くなっていく。

 

「……ああ、そう言えばケイジ。陛下から貴様と殿下に言伝てだ」

 

「?」

 

「『そろそろ私も歳です。ですから、早く曾孫の顔が見たーー」

 

そんな中途半端なところでモルガンは光と消えてしまった。

 

「おいジジイ!? あんた今ものっすごい爆弾発言かまそうとしなかったか!? 仮にも皇太女にそんな軽い発言しちゃっていいの!? いやこの場合アリシアさんか!? 何考えてんだあの婆さんはぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ちょ、落ち着……強っ!? エステル君! ヨシュア君! 早く来てくれたまえ!」

 

一旦暴走したケイジを抑えるに、一行はかなりの時間を要したそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「来たか…………ん? 何かお前達疲れてないか?」

 

『『気にしないで』』

 

「そ、そうか? ならいいが……」

 

奥に進み、司令室。そこに目的の人物はいた。

その人物は何故か疲れた様子の一行を心配するが、エステル達は思い出したくもないとばかりに投げやりに返事を返す。

 

「……ふむ、エステル。ヨシュア。どうやらここに来て随分と腕を上げたようだな」

 

「えへへ……でも、まだまだよ。もっともっと強くなっていつかお父さんを一人でブッ倒してやるんだから!」

 

「そうだね。まだまだだよ……本当に」

 

褒められて嬉しそうなものの、慢心はしていない様子の子供達に、男は笑みを浮かべる。

 

「クク……それでいい。お前達はどんどん上を目指せ。まだまだ発展途上なんだからな。

……ケビン神父。ウチのバカ娘とヘタレ息子とチキンな部下が世話になるが……よろしく頼む」

 

「あはは……こっちこそお願いしたいくらいです。特に娘さんにはえらい世話になって……」

 

「いやいや、まだまだ未熟者なので、ビシバシお願いしますよ。……リシャール」

 

「……はい」

 

そして、今まで朗らかに浮かべていた笑顔とは打って変わり、真剣な顔でリシャールの方を見る。

 

「答えは見えたか?」

 

「ええ。……しかし、それを言葉にして返すのは、この場において無粋というものでしょう」

 

「クク……そうだな。なら、剣で語ってもらうとしよう。……さて、ケイジ」

 

そして、男の目が向かうのは、最後の一人

 

「その目を見るに、どうやら吹っ切ったようだが……わかったのか?」

 

「ああ。泣かれちまったけどな。……あれだけされたら、もう見てみぬフリも出来ねぇよ。アホ親父のらしくねぇ説教も喰らったしな。腹は括った」

 

「ふっ。なら俺が言うことは何もないな。ここではお前の枷は外すように出来てある。遠慮なく、全力で来い。俺も加減は出来そうにないしな」

 

「……はっ。余計な気遣い感謝するよ。不良中年」

 

その次の瞬間、ケイジと男から、それぞれ銀と赤の力の奔流が立ち上る。

東方では功夫(くんふー)、気。西方では闘気(オーラ)。名前は変わるかも知れないが、理に至った者のみが出せる圧倒的な覇気を惜しみ無く撒き散らす。

エステル達は彼の二人との格の違いを感じ取ったのか、身動ぎ一つも出来ずにいる。ヨシュアやケビンは辛うじて武器を構えてはいるものの、仕掛けるなどとてもではないが出来ない。

 

そして男……カシウスは一回転して棍を振るい、ケイジは白龍を横凪ぎに振るう。それだけで大地が揺れ、大気が震えるが、完全に取り込んだのか覇気の奔流は消え去っていた。

 

「……さて、まだまだ言いたいことは残っているが……それはまた今度だ」

 

カシウスの目が真っ直ぐに五人を捉える。自信に満ちた、しかし慢心など微塵も存在しない真っ直ぐな目は、カシウスが強者であるという確かな証拠だった。

 

「今、惜しみ無くからお前らに言うことはただ一つ。

 

 

『俺に勝ってみせろ』……以上だ」

 

カシウスが棍を握りこみ、ケイジが納刀した刀の柄に手を掛ける。

戦いは、刀と棍の奏でる金属音と共に幕を開けた。




























たまたま見つけたやつをやってみた


貴方のことを好きな人が考えていること

1、「ケイジが大好き///」

2、「ケイジを押し倒したい……///」

3、「ケイジとエ……エ●チしたい……///」


……クロフェイやないか……((((;゜Д゜)))

P,S. ガチです

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