英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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さぁ、今年もやりました(笑)



注)①時系列気にしなーい
②知らない設定が出てきてもスルーしよう
③一応予定の設定です。もしかしたら変更されるかも……

以上が許せる方、ゆっくりしていってね!













外伝『絶対に笑ってはいけない特務支援課①』

「あれ? エリィにシオン。こんな早くにどうしたんだ?」

 

クロスベル。貿易都市として知られる数ある自治区の中でも屈指の経済力と影響力を持つも、エレボニア帝国とカルバード共和国に挟まれているという立地のせいで政治的に非常に厳しい街。

そんな街にもやはり新年は訪れるものだ。その年明け、正月の早朝五時。特務支援課……クロスベル警察の部署の一つの前で、支援課のリーダーであるロイド・バニングスは同僚のエリィ・マクダウェルとシオン・アークライトが立っているのを見つけた。

 

「ロイド? 君こそどうしてここに?」

 

「俺か? 俺は年始の見回りのことを相談したいって課長に呼び出されたんだけど……」

 

「私達は新年会をしようってティオちゃんに呼び出されたのよ。ロイドに連絡はいってないの?」

 

「え? そんな連絡はもらってないけど……」

 

食い違う連絡に、互いに顔を見合わせて首を傾げる。そんなところに、少し低めながらも陽気な声が響いてきた。

 

「ーーお? おーいロイドー!」

 

「? ああ、ランディになのは」

 

二人揃って大きく手を振り、ランディことランドルフ・オルランドとなのは……こちらではナノハ・タカマチが駆け寄ってくる。この二人もシオン達と同じく特務支援課のメンバーであり、この五人に課長のセルゲイ・ロウが特務支援課のフルメンバーであるのだ。

 

「お前らもフェイトちゃんに呼ばれてきたのか?」

 

「フェイト? いや、僕達は……」

 

「なんだ違うのか? 俺となのはちゃんはフェイトちゃんに呼ばれてきたんだが……」

 

「うん。昨日の夜いきなり通信が来た時はびっくりしたけどねー」

 

にゃはは、と朗らかに笑うなのは以外が違和感に首をひねる。だが、ひねったところで気付くものでもなかった。

シオンやなのはは前回のことで気付きそうなものだが、恐らくケイジの影が全く見えないことで油断していたのだろう。懲りない奴らである。

 

「ーーごめんね、ちょっとおくれちゃった」

 

「あ、フェイトちゃん」

 

そんな優しげな声と共に、フェイト……フェイト・T・H・ルーンヴァルト(ルーンヴァルトの方は自称)が現れる。導力車に乗っていたところを見ると、恐らくケイジのいるウルスラ病院にでも行っていたのだろう。確かケイジの当直だったなー、とシオンは呑気に頭の中で考えていた。

 

「またケイジくんのところ?」

 

「うん。ちょっと予定の確認とかね」

 

何も考えていないのであろう、なのははのほほんとフェイトと会話している。

 

「フェイトちゃーん、そろそろ呼び出した理由を教えてほしいなー。……もしかして、告白だったりする?」

 

「あはは、寝言は寝てから言おうね?」

 

にこやかな笑顔で毒を吐くフェイトに、一同は揃って苦笑いする。

確かに、普段からケイジLOVEを態度と行動で公言しているフェイトにそんな冗談をかますランディもランディなのだが、それにしてもあんまりな仕打ちである。普段は心優しいフェイトの毒に、流石のランディもさめざめと泣くしかなかった。……哀れである。ミレイユさんに慰めてもらえばいい。

 

「それで、ティオや課長は遅いな。もう30分になるぞ?」

 

「え? セルゲイさんとティオなら来ないよ?」

 

「え?」

 

あっけらかんと言い放つフェイトに、ロイドがぽかんとした表情を向ける。

……この辺りから、シオンとなのはを悪寒が襲い始める。

 

「だって、このメンバーを集めたのはケイジだもん」

 

「ケイジ先生が? なんでだ?」

 

この辺りから、シオンとなのははクラウチングスタートの構えをとる。そしてフェイトの目に六芒星が浮かび上がる。

 

「ふふ、それはね。ケイジが『もう一回やってみようか』って言い出したイベントでね……」

「「さらばだっ!!」」

 

そして二人は一斉に走り出す。己が明日をその手に掴むため、脇目もふらずに全力で。

捕まれば死。逃げ切れば平穏無事な正月の平和な素晴らしき日々が待っている。ならば今全力を出さずして何時出すのだ!! 、と走り出した二人だが、惜しむらくは脇目をふらなさすぎたという点だろう。奇跡的に二人は同じ方向に走っていた。

 

「上手く逃げ……え?」

「これで何とか……にゃ?」

 

一旦後ろを確認しようと振り向いた際に、ようやくお互いに気付いたようだ。そして次の瞬間、仲良く二人揃って仰向けにひっくり返っていた。

 

「え?」

「へ?」

 

「ねぇ、二人とも。ケイジから伝言預かってるんだ」

 

背中にかかる重みに恐る恐る振り返ると、なのはの上に腰掛け、シオンをバルディッシュで押さえつけたフェイトがイイ笑顔を振り撒いていた。

 

「『だいまおうからは にげられない』……だって♪」

 

「「嫌だァァァァァァァァァァァ!!! もうお尻の感覚が無くなるのは嫌だァァァァァ!!」」

 

悲痛な叫びを残しながら、二人はフェイトに引き摺られて行くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『絶対に笑ってはいけない特務支援課24時』。はっじまっーるよっ♪」




絶対に笑ってはいけないシリーズ法

第一条

逃げたらインディグネイション

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