~三日後、夜~
「…ユリ姉。状況が動いた。親衛隊を集めてくれ」
「わかった。…いけるのか?」
「出来る出来ないじゃねぇ。やらなきゃ状況は何も 変わらない。…今はとにかく殿下の御身の無事が最 優先だ」
「御意」
―――――――
「親衛隊、アークス曹長以下10名、参上致しまし た」
「…俺の所の奴らばっかだな」
集まった親衛隊はメシュティアリカ・アークス―愛 称はティア―を筆頭に俺の部下ばかりだった
「はい。僭越ながら、ルーンヴァルト大佐の真意を お聞きする「あ~、いつも通りでいいって。んな堅 苦しい」…わかったわ。これでいい?」
「おう。で?」
「あなたの考えが何かわからないのに捕まるわけ無 いじゃない。それにケイジが女王様を裏切るわけがな いわ。単純思考なんだから」
「何で俺貶されてんの!?」
「だっていざあなたを探そうとしたらツァイスで撃 たれて行方不明?…毒吐きたくもなるわよ」
周りの奴らもうんうんと頷く
「…まぁ、いいや」
流そうと適当にごまかしたらティアのこめかみに青 筋がたったが気にしない
「とりあえず、この中で遊撃士とは協力出来ないっ て奴は帰れ
…今からエルベ離宮に殴り込みするから」
――――――
「いや、足りない戦力は我らが補わせていただこう 」
その頃、ユリアは遊撃士協会にいた
「おお、周遊道で会ったシスターじゃないか」
「お初にお目にかかる。王室親衛隊、中隊長、ユリ ア・シュバルツ中尉だ。君達の作戦に我々も参加さ せてほしい」
―――
「そういえばユリアさん、何で私達が救出作戦をた てているって知ってるの?」
「僕達、それを伝えようとして教会に行ったんです けど…」
「それはすまなかったね…実は我々には独自の連絡 手段があるのだよ。それに、いざとなったらケイジ に潜入してもらうのもできるからね」
「「ああ…」」
容易に予想できたようだ
「あれ?ケイジ君いるの?」
「君は…?」
「あ、私アネラス・エルフィードって言います!ツ ァイスでケイジ君の依頼を受けたので…」
「ああ…迷惑かけたね…ケイジの事だからまたムチ ャな依頼だったのだろう?」
「いえ!そんなことは………」
無いと言い切れない。軍の要塞に潜り込むのがムチ ャでなくてなんなのだろうか
「とにかく、いきなり来ておこがましいのだが…早 く作戦を立てよう」
「そうですね。では、陽動に…」
「ああ、陽動は必要ないよ」
『?』
「今頃ケイジが暴れてるだろうからね…副官が止め きれていればいいのだが…」
――――――
「腹減ったな…そろそろ交代か?」
「おい、気を抜くなよ。いつ親衛隊が現れるかわか らないんだからな」
「ははは!どうせ10人位しかいないんだ。たとえ 白烏がいると言っても数には勝てないさ。もし来た ら俺が捕まえてやるよ」
「じゃあやってもらおうか?できればだがな…」
「「へ?」」
完全に油断していたのか、俺の出現に若干呆けてい る
「ぼーっとしてると、風穴空くぜ?」
「はっ!おい!信号弾を!」
「ちっ!」
そして信号弾を打った直後、俺の刀によって気絶す る二人
「ちょっとケイジ!一人で行き過ぎないで!」
「悪いなティア…でも…」
かなり向こうだが、砂塵が見える
要するに、すんげぇ大軍がこっちに向かってるんで すね、ハイ
「ちょ!?何で潜入早々見つかってんの!?」
「潜入?俺言っただろ?…『殴り込みする』って」
「バカ!普通はちょっとでも隠れるものなの!」
「アホ。陽動が隠れてどうするよ。だから遊撃士と 協力するんだろうが」
俺がそう言うとティアは深~いため息をつく
「…もういいわ。どうせ全部片付けて早く離宮に入 ろうとしか考えてないだろうし」
「流石ティア。話が早い」
「そりゃ、ね。私は何気にシャルより付き合い長い から」
「じゃ、俺が今から何するかもわかるよな?」
―天地、鳴り動き
「え?………まさか」
「そ♪倒れたら後ヨロシク♪」
―光闇、相対にして合す
「ちょっと待ちなさい!アレは総長に禁止されて… 」
「俺を縛るなんて100年早ぇ!」
「ちょっとー!?怒られるの私なのよ!?」
「ガンバ」( ̄∀ ̄)
―我が捧ぐは此の魂
「―終焉は開闢、開闢は終焉。なれば
「シャルにも怒られるじゃない!」
「どうせお前『可愛い…♪』とか言ってあやふやに なるだけだからいいだろ」
―我が身を糧に、我に力を
「響け!生命の唄!我の縛鎖を解き放つ唄よ!」
―
詠唱が終わると共に、俺の体を白い光が薄く覆う
「大丈夫だって。2を使わなけりゃただ光るだけだ から」
「…はぁ。また総長に怒られる…」
「気にすんな!」
「誰のせいよ!」
ティアは本当に弄りやすいな
「…さて、とっとと姫様助け出すか」
「…そうね」
―聖なる槍よ、敵を貫け
「「ホーリーランス!!」」
俺とティアの術で向かって来ていた兵がかなりの数 吹っ飛ぶ
「さぁ…2対大量の戦争だ…!」
「全く…姫様とか女王様に関する事には性格変わる んだから…」
白烏の行進が始まった