英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『救出』

「「殺す気かっ!!」」

 

インディグネイションで敵を纏めて葬った後(注: 死んでません。気絶です)、さっきの鞭の人と、ど こにいたのか金髪のアホそうな人がキレて突っかか ってきた

 

「いや俺言ったじゃん。三分だけ稼いでくれって。 だから三分後に全部片付けた。Do you understand ?」

 

「僕は全く聞いてないよ!」

 

「確かに聞いたわよ。ええ、聞きましたとも。でも ね…せめて何するかとか危ないから退けとか言え! !」

 

「言ったぞ?『あぶね~ぞ~?』って」

 

「テンションんんんん!!もっとテンション上げて !?危険度が全くわからないから!!その感じだと ピコピコハンマーで叩くぞみたいなノリだから!! 」

 

全くもってうるせーなチクショー

 

「そんなことよか、今はさっさとエルベ離宮に向か ってくんねぇか?ちょっとくらいは戦力残してるだ ろうし、誰かが人質とかになってたらマズいぞ?」

 

「…それもそうだね」

 

「アンタねぇ~!!」

 

「シェラくん、今は彼の言うことの方が正しいよ。 エルベ離宮に向かおう」

 

「ぐぬぬ…」

 

「(ここら辺は流石エステルくんの姉貴分というと ころか…)ほら、エステルくん達が心配なんだろう ?」

 

「ぐぅ…アンタ、後で覚えてなさいよ!!」

 

「ごめん、多分忘れてる」

 

「~~~!!」

 

「シェ、シェラくん落ち着いて!!」

 

「ケイジも何煽ってるのよ!」

 

「はっ!ついつい反射的に…」

 

『無意識かい!!』

 

何をそんなにカッカしてんだ?

 

「…まぁ、とにかく早く行ってやってくれ。不動が いるとはいえ心配だし、俺はまだ治療に時間かかる し」

 

「わかってるわよ」

 

そう言って二人はエルベ離宮へと駆けていった

 

…にしてもあの金髪…どっかで見たような…

 

「あ~まだイライラするわね…オリビエ、一発殴ら せなさい」

 

「何故に!?…あ、でもデートしてくれるならいい かも」

 

「いいわよ?…夜中にアイナと三人で、酒場でなら 。良かったわね?両手に花よ?」

 

「ごめんなさい。僕が悪うございました」

 

…うん、気のせいだな。俺の知り合いにあんな変態 はいない

 

――――――

 

「茶番はそのくらいにしてもらおうか…」

 

「リアンヌちゃん!?」

 

一方その頃、エルベ離宮ではケイジの懸念通りモル ガン将軍の孫娘が人質に取られていた

 

「何で女の子が!?」

 

「モルガン将軍のお孫さんです…」

 

「女王陛下に対する君と同じということか…」

 

「やれやれ、腐った連中だな…」

 

苦々しくエステル達が言うが、兵士はあざ笑うかの ように

 

「ふん。なんとでも言うが良い。そろそろキルシェ 通りから巡回部隊が帰ってくる頃だ。遊撃士、親衛 隊諸共ここで一網打尽にしてくれるわ!」

 

勝ち誇る兵士。だが…

 

「あー、それは無理ってもんね。ここに来るまでに バカがぶっ飛ばしてたから」

 

パシュン

 

ドガッ

 

「ぐっ!?」

 

何処からか銃声がして、兵士の持っていた武器を弾 き、その兵士をシェラザードが壁に叩きつけた

 

「エステル、ヨシュア、久しぶりね」

 

「シェ、シェラ姉!?」 「来てくれたんですか…」

 

「それにさっきの銃声…まさかオリビエ!?」

 

「『ピンポン♪』いやいや、真打ち登場と言った所 かな?」

 

そんな感じで会話をしていると…

 

「な、何を悠長に挨拶しておるかぁぁ!!」

 

遂に隊長らしき兵士がキレて、気を失っていたリア ンヌに隠し持っていたナイフを突きつけた

 

「隠しナイフ!?」

 

「くっ…人質の怪我の確認をして警戒をオリビエに 任せたのが間違いだったわね…」

 

「シェラくん、地味に僕に責任を押し付けてないか い?」

 

「「「ダメだ。この二人は使えない…」」」

 

こんな時まで漫才が出来るこの二人。大物と言うべ きかバカと呼ぶべきか…

 

「いつまで無駄口を叩いている!さっさと武器とオ ーブメントを捨てて手を上げろ!」

 

「く…」

 

「ここは言う通りにするしかなさそうだね…」

 

言う通りに武器を捨てて手を上げる一同

 

「ふふふ…さて、では大人しく牢屋にでも入っても らうとしようか」

 

「なっ!?あんまり調子に乗るんじゃないわよ!」

 

「あっ!バカ!エステル!」

 

「おっと、この娘がどうなってもいいのか?」

 

「いや、困る。せっかく爺さんに借りを作れるチャ ンスだってのに」

 

「そうだろう、困るだろう!ならば…」

 

自分の後ろを振り返ると共に、兵士は物凄い勢いで 地に叩き伏せられる

 

「がっ!」

 

「将軍の孫っつっても市民に、しかも子供に武器を 突きつけるなんざ…恥を知れっての」

 

「ケイジ!」

 

「おう、久しぶりだな。エステルにヨシュア」

 

エステルがケイジに声をかけ、ケイジはそれに答え るものの、足取りは真っ直ぐクローゼの方へ向かっ ていた

 

「ケイジ…」

 

「…姫殿下。此度は参上するに多大な遅れをしてし まい申し訳ございません」

 

そのままクローゼの前で臣下の礼をとり、救出が遅 れたことを詫びる

 

それは非常に堂に入っており、どこか神々しくも見 えた

 

「いえ、来てくれただけでも十分です」

 

「御恩赦、感謝いたします………と、堅苦しいのはこ こまでにして」

 

シリアスムードをぶち壊すかのように、見つめ合う ふたり

 

「ケイジ…」

 

「クローゼ…」

 

無駄に甘い雰囲気が場に漂う

 

「知らん人には着いていくなってユリ姉共々あんだ け言ってただろうがぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「いたいたいたいたいたいたいたいたいたい!!」

 

クローゼの顔をアイアンクローで掴みだした

 

…全部ぶち壊しである

 

『………』

 

当然、周囲は絶句。なにしろ自分の国の姫様が部下 にお仕置きされているのだから

 

「ケイジ!早すぎ……って何をしてるのよ!」

 

「殿下!ご無事ですか……ケイジ!?お前一体何を !?」

 

「お仕置き」

 

「「そう言う意味じゃねぇぇぇ!!」」

 

結局、ティアとユリアの二人からピコハンでツッコ ミを受け、周りの空気を置いてけぼりにしたそうな …

 

 


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