英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『望まぬ再会』

「じゃあ私は一旦自動操縦でアルテリアに戻るわね 」

 

「ああ」

 

「ありがとうございます」

 

俺とリーシャを山道に降ろして、ティアは再びメル カバの中に戻っていく

 

…つーかアルテリアに戻る自動操縦があるなら目的 地指定できる自動操縦機能付けてくれればいいのに

 

「ケイジさん、ここからどうするんですか?」

 

「ん~…とりあえずはロレントに入ろう。クローゼ 達に見つかる可能性はあるが、シャルに詳しい事聞 いておきたいからな」

 

まぁ、認識阻害使えば気付かれないんだけども…シ ャル以外には

 

「リーシャもなるべく見つからないようにしてくれ 。色々面倒だから」

 

「はい!」

 

――――――

 

そんなこんなでロレント到着

 

魔獣?弱すぎて話にならなかった

 

「――では、鍵はこちらになります」

 

「ん、どうも」

 

そして現在は宿をとっていた。さっきクローゼ達の 気配を探ったのだが、ロレントの中にはいないよう だった

 

…奴を見つけ出すのに何日かかるかわかんねーしな 。偽名で宿をとっておくのは常識だ

 

ちなみに二部屋とれるほど俺の懐は潤ってないので 、リーシャは妹で通した

 

…本人はすんごい不服そうだったが…何でだ?

 

――――――

 

「リーシャ、ちょっとこっち来い」

 

「…何ですか」

 

非常にムスッとしながら渋々俺の隣に来るリーシャ

 

…何故かさっきからこの調子だ。俺なんかしたか?

 

「まぁいいや。じっとしてろよ?」

 

「?」

 

「『我が深遠にて煌めく白銀の刻印』…」

 

俺が聖句を唱えるとリーシャの体に白銀の光が纏わ れる

 

「な、何ですかコレ!?」

 

「さっき受付の人に聞いたんだが、ここ最近鈴の音 が聞こえた後に何故か人が昏睡状態に陥るって事件 が続いてるらしくてな。保険だ」

 

「鈴の音…ですか?」

 

「ああ…霧が出てからの話らしいからな…奴はとも かく、確実に結社絡みだろ」

 

そう言うとリーシャは何か考え込む

 

「…心当たりでもあるのか?」

 

「え?…いえ、確か鈴を使った幻術の噂をカルバー ドで聞いた事があったな~って」

 

「思いっきり心当たりじゃねぇか」

 

何をボケに回ってんだお前

 

…まぁ、それは兎も角…良いこと聞いた

 

「け、ケイジさん…?笑顔が凄く怖いんですけど… ?」

 

「アハハ、何をボケた事を言ってんだ?……さて、 知ってる事キリキリ吐いてもらおうか…?」

 

「ちょ!?それ絶対味方に言うセリフじゃないです よね!?…って待って待って!?何で写輪眼にして るんですか!?もう悪夢を見るのはイヤァァァァァ ァ!!」

 

さぁ、全国何人いるか全くわかんないけどSの皆さ んお待たせしました

 

これより、O☆HA☆NA☆SHIを始めます

 

…今までの書類仕事で溜まったストレス…全部晴ら させてもらおうかぁァァ!!

 

――――――

 

「どこから鈴の音が聞こえて来たか?…うーん、ち ょっとわからないかな」

 

「そうですか…」

 

リーシャからある程度情報を絞り出し、解放した瞬 間に気絶しやがったので、俺一人で情報収集に来て いる

 

…ちょっとやりすぎたか?でもリーシャ(子供)が いないから夜の情報収集がはかどってるしチャラっ て事で

 

…にしても情報が少ない。ただの鈴なら聞こえて来 た方向くらいすぐに判るはずなのに…

 

…やっぱり“誘って”やがるのか?

 

「お客さん、何か悩み事かい?」

 

「え?いや、別に…」

 

「そうかい?悩み事なら軍の人か遊撃士に言うんだ よ?きっと力になってくれるから!」

 

そう言って俺の前に料理を置く主人っぽい人

 

…やっぱリベールは軍人も信頼されてんだな

 

「…ああ。悩みができたらそうするよ」

 

「アハハ、なかなかガードの固いお兄さんだね」

 

まぁ長い間騙し合いとかに触れてきてるしな

 

そしてその後宿に戻って拗ねたリーシャの機嫌をと るのにかなり苦労した

 

――――――

 

「………」

 

「…むにゃ……ケイジさ~ん…」

 

さて、皆さんは寝起きに妹的な体格の女の子が自分 の上に覆い被さっていたらどうしますか?

 

二度寝ですか?それともそのまま襲いますか? …後者の人、今からでも遅くありません。警察に逝 きましょう

 

…え?俺?俺は…

 

「起きれねぇだろうがボケぇぇぇぇぇ!!」

 

「うにゃああぁぁぁぁぁ!!?」

 

全力でお仕置きしますね

 

「…で?何で俺のベッドに入って来たんだお前は? 」

 

「え~っと…怒りませんか?」

 

「怒らない」

 

「ケイジさんと一緒に寝たくて潜り込みました」

 

「そうか…歯ぁ食いしばれ」

 

「今怒らないって言ってたのに!?」

 

当たり前だろう

 

「俺は怒ってないぞ?これはお仕置…じゃなくて調 きy…でもなくてしつk…でもなくて…」

 

「私はペットか何かですか!?」

 

何だったっけアレ…え~っと確か…そう!

 

「情操教育だ!」

 

「何で私調教と情操教育を間違える人を好きになっ たのかな…」ボソッ

 

…?リーシャは何をボソボソ言ってんだ?

 

「…まぁいい。そんなこと置いといてさっさと行く ぞ」

 

「私そんなことで済まされることで私刑されそうに なってたんですか!?」

 

うるせーな。結局しなかったんだからいいだろうが よ~

 

「あ~もう、細かいことでギャンギャン言うなや… とにかく行くぞ」

 

「細かいことって… というかどこに行くんです?」

 

「この霧の発生地点…ミストヴァルトだ」

 

――――――

 

「どうしてここだと思ったんですか?」

 

ミストヴァルトの入り口まで来た時、不意にリーシ ャがそんな事を聞いてきた

 

「まずはお前が昨日シャルと接触して得た情報だ。 霧が唐突にきれているって情報だな これによって自然発生の説をまず消せた。その後は 俺が独自に集めた情報… 一つは人の意識を奪う鈴の音。これは結社が自分達 の犯行だと示す意味と見つけてみろという誘いの意 味だろう そしてお前が拗ねてる間に行った店でのここ数日に 怪しい人は見ていないという情報。これでロレント の街中に結社の人間がいるというのが消える

 

最後は教区長の情報。『ロレントは盆地だから霧が 出る事自体はそう珍しくない。だがこう何日も濃霧 が続く事はそう無い』ってやつ。 そしてその後すぐにロレントの気象記録を見た。そ したら一カ所だけ一見自然のように見えて不自然に 濃霧が続いてる場所があった」

 

「それが…ミストヴァルトだった」

 

「まぁ、そういうこと

 

……だろ?リーヴ」

 

「…流石だな。大体はその推理で正解だぜ」

 

「!?」

 

リーシャが突然背後に現れたリーヴに警戒態勢をと る

 

「…リーシャ、下がってろ」

 

「でもケイジさん…まだ目が…「いいから下がって ろ」…はい」

 

多分俺の声が珍しく威圧的だったのだろう、リーシ ャが大人しく引いた

 

「オイオイ、あんまり女の子を怖がらせるもんじゃ ねぇぜ?」

 

「アンタには関係ねぇだろう」

 

「ケイジさん…この人一体…」

 

「ああ、嬢ちゃんにはまだ自己紹介してなかったな 。執行者NO,ⅩⅣ、“涙氷”リーヴと言う」

 

「あなたに聞いてません。敵だと言うことは重々承 知しておりますので」

 

「おや、残念」

 

何故かリーシャまでリーヴに辛口である

 

「…で?ケイジさん。この人本当に誰なんですか? …いや、“何”なんですか?」

 

…そこまで見抜いたか。流石は“銀”を継ぐ者と言っ た所か…いや、過去形か

 

「リーヴ・サンクチュアル。元星杯騎士団の守護騎 士第二位。そして俺のかつての師匠であって…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怨敵だ」


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