英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『やりたい放題』

~とある帝国の辺境~

 

「…さて、ここで間違い無いんだな?」

 

「ええ。エレボニア帝国フェード子爵領……ここで 間違い無いわ」

 

俺の問いにティアが答える

 

「そんなの後でいいよ!早く行かないと!」

 

「そうですよ!早く行かないとリースさんが!!」

 

シャルとリーシャが俺とティアを引っ張って行こう とするが、何分俺は体格差、ティアは無駄にデカい 脂肪を持っているため、そう簡単には動かない

 

「ケイジ、何か不愉快な事考え無かった」

 

「イヤ?ベツニ?」

 

というか言ったか、じゃなく考えたか、って…

 

さて、とりあえず何故こんな状況になったか説明し よう

 

~昨日~

 

「ただいま~………って何やってんの総長?」

 

アルテリアに戻ってすぐに総長の執務室に行くと、 先に入ったシャルが開口一番そんな事を言い出した

 

「シャル、何が………そんな馬鹿な…」

 

続いてリーシャが入るがシャルと同じく固まった

 

……何があるんだ?

 

自分の好奇心に負けて俺も中を覗…く……

 

「総長が……真面目に書類をやっている……だと……? …」

 

「お前達揃いも揃って失礼だな」

 

当たり前だ!

 

「そ、総長!どうしたの!?風邪!?それともイン フルエンザ!?」

 

「違うよシャル!!きっと天変地異の前触れだよ! !……どうしましょうケイジさん!!?」

 

「諦めろ」

 

「お前達ちょっとそこに正座しろォォォォォォ!! 」

 

――――――

 

「本当の事を言っただけで何故殴られる しかもシャルとリーシャは正座だけだし

 

…何この理不尽。男女差別はんた~い」

 

「もう一発殴られたいか?」

 

「すいませんでした」

 

完璧な日本仕込みの土下座を披露する

 

「ハァ、全く…だが良い所に帰って来てくれた」

 

「………はい?」

 

「任務だ。しかもかなり急を要するな」

 

「………はい!?」

 

………と、言う訳でここに至る

 

ちなみに今回は総長の隊の飛行士メンバーを借りて いるのでメルカバの墜落の心配は無かった

 

「ちょっとシャル、落ち着きなさい… とにかく作戦をもう一度説明するわよ」

 

そう言ってシャルとリーシャを落ち着かせて、再び メルカバの会議室に集まる

 

「…目的はリースとクロスベル市長のマクダウェル 氏の娘さんの保護。それとここの領主のシーク・フ ィードの検挙だ。『検挙』な?間違っても殺したり 廃人にしちゃダメだぞ?」

 

『その言葉、そっくりそのままバットで打ち返すよ (わ/します)』

 

そんな馬鹿な

 

「歩くトラウマ製造機が何ふざけたこと言ってるの かしら…」

 

「そうだよね~」

 

「待て。リーシャはともかくお前ら二人だけには言 われたくない」

 

「「私達が何をしたと?」」

 

「ティア…お前はつい数カ月前の事すら覚えてない のか?」

 

お前カニバリズムの教団の所で男の大半を不能に追 い込んだんだぞ?

 

「さて、ナンノコトヤラ」

 

「目、泳いでる泳いでる

 

後シャルは…ほら、技がもう……魔王じゃん」

 

「ケイジのせいだよ!?後技が魔王ってどういう意 味!?」

 

「……とにかく、早く行きませんか?」

 

仲間はずれにされたと思ったのか、ちょっと涙目な リーシャだった

 

――――――

 

とりあえず、ティアの立てた作戦はこうだ

 

先ず、俺とリーシャが屋敷に侵入し、私兵を撹乱。 その間にティアがリースとマクダウェル市長の娘さ んを救出、最後にシャルが一発ぶちかましてさっさ と脱走

 

……以上です

 

とにかく、撹乱の方法は俺に任された訳で…

 

「…ケイジさん、見つけました。今シークが食事中 らしく、私兵は全員中央の庭園に集まってます」

 

「了解…サンキューな」

 

「えへへ…」

 

とりあえずリーシャの頭を撫でる

 

…ラッキーな事に、シークとやらは食事中に家族以 外の奴を家に上げるのをよしとしない奴らしい

 

帝国貴族には稀にそういう変なこだわりを持つ奴が 多いらしいが…今回は助かった

 

「行くぞ、リーシャ」

 

「あ、はい!」

 

と、言う訳で中央庭園

 

「いや~…いるわいるわ。シークってのは本当に子 爵か?これどう見ても伯爵レベルじゃねぇと維持で きねぇ人数だぞ」

 

私兵の山が庭園に集まっていた…軽く500人はくだ らねぇな

 

「さて…」

 

「…行きますか?」

 

リーシャが準備完了だと言わんばかりに剣を抜く

 

…そうかそうか。準備はできてるか

 

「………」

 

「…あの~…何で私は猫みたいに掴まれてるんです か?」

 

何でかって?

 

「決まってんだろ?…………逝ってこい♪」

 

「…やっぱり?」

 

投~擲~!!

 

「こんなデジャヴはイヤあああぁぁぁぁぁぁぁ!! !(泣)」

 

リーシャは真っ直ぐに私兵達の中心へと飛んでいく

 

………狙ったとはいえ、我ながら恐ろしいコントロー ルだ…

 

「何者だ!?」

 

「貴様…我等をグース猟兵団と知っての仕業か!! 」

 

「ふぇぇぇぇぇぇぇぇん!!(泣)」

 

案の定追いかけられ始めるリーシャ…うん

 

満 足 ♪

 

…さて、こっちはこっちで準備しますかね…

 

「何でいつもいつも私ばっかり…!」

 

『お、おい、何かあの娘の雰囲気が変わったぞ…』

 

『は、ハッタリだ!!相手は所詮小娘だ!!元服も していない小娘に我等が負ける訳にはいかん!!』

 

…さっきから何か喋り方が古臭いな

 

後、二人目。それ割と死亡フラグだ

 

「小娘って……言うなぁぁぁぁぁぁ!!(泣き怒り )」

 

『ぎゃああああああ!?』

 

『隊長!味方がゴミのごとくぶっ飛ばされて行きま す!!』 『見て下さい!人がゴミのようです!』 『バ〇ス!!』 『お前何言ってんだ!?』

 

おい三人目。お前が何故そのネタを知っている

 

「後私はもう元服(15歳)してるんじゃぁぁぁぁ ぁぁぁぁぁ!!!」

 

『『『嘘ォォ!!!?』』』

 

「…………!!!!」

 

『わかった。わかったから血の涙流してこっちを見 ないでくれ』

 

リーシャ………本当に背の低いのと胸が小さいの気に してたんだな……

 

「…『天光満つる処に我は在り、黄泉の門開く処に 汝在り…』」

 

「殺す!!細胞の一片残らず殺してやるぅぅぅぅぅ ぅぅぅぅ!!(血涙)」

 

『隊長!夜叉です!夜叉がいます!』

 

『…ああ、終わったな』

 

『『『隊長ォォォォォォ!?』』』

 

隊長、ナイス判断だ

 

「『出でよ!神の雷!!』」

 

―インディグネイション!!

 

とりあえず、俺はこのカオスに終止符を打つ為にリ ーシャに向かって雷を落とした

 

――――――

 

~その頃の牢屋~

 

「…何か外が騒がしいわね…」

 

「……多分ケイジ達だと思います。 …総長…また始末書が面倒な組み合わせを…」

 

「……ってリースさん!?」

 

「や、エリィさん。半年ぶりくらいですね」

 

「あ、はい…じゃなくて!!どうして牢屋(こんな 所)に!?」

 

「いや、エリィさんを助けようと…」

 

「思いっきり捕まってるじゃないですか!?」

 

「………私には…ご飯を無駄にする事がどうしても出 来なかったんです…!!」

 

「あ、もう大体わかりました。要するに食事中に乗 り込んじゃって豪華なご飯があって暴れるとご飯が 食べられなくなるから本気出せなくなったんですね ?」

 

「何故その事を…エリィさん、貴女まさか超能力と か使えますか?」

 

「使えません。そりゃああれだけ目の前で食への執 着を見せられたら誰でもわかりますよ…」

 

「あのステーキは是非ともオニオンソースでいただ きたかった……!!」

 

「こんな時までご飯ですか……ってオニオンソース ?リースさん、そこはおろしポン酢でしょう?」

 

「……奇妙な事を仰いますね。ステーキにはオニオ ンソース。これは天地がひっくり返っても変わらな いただ一つの法則です。確かにポン酢もおいしいで すが。ただしにがトマソース、お前はダメです。私 はお前だけは認めない」

 

「リースさんこそ奇妙な事を言いますね…ステーキ みたいにジューシーなものにはあっさりしたソース こそが至高なんです。誰にもこの理論は崩せません 。 …にがトマソースについては同意しますが。何でお 祖父様はあんな苦いものを平気で食べられるのかし ら…」

 

「……どうやら、お互い譲る気は無いみたいですね 」 「はい」

 

「いいでしょう。ならば今日は朝まで生討論です。 絶対にオニオンソースこそが究極だと認めさせます 」

 

「上等です!おろしポン酢こそが至高…これが世界 のルールです!」

 

この討論はティアが二人に拳骨を落とすまで続いた

 

「…いつか必ず決着つけますよ…?」

 

「望む所です…!」

 

「…二人共、また拳骨落とされたいの?」(超イイ 笑顔)

 

「「心の底からゴメンナサイ」」

 

「………アレ?また僕の出番カット?」

 

…この小説で一番不憫なキャラってもしかするとシ ャルなのかもしれない

 

「……えっ?嘘!?本当に終わるの!?ちょっ!! 泣くよ?泣いちゃうよ?それでも……ってまtt

 

 


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