英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『突入』

『……それで、あの浮遊都市自体は“輝く環”じゃな い。 あくまであの都市に導力を行き届かせるための古代 遺物で、その子機とも言うべき導力の供給手段があ の黒いオーブメント…

 

《ゴスペル》だった訳だ』

 

「そうですか…」

 

『そこであの環を封じる為には………って聞いている か?』

 

「そうですか…」

 

『………お前の秘蔵のたい焼きセットとその素…リー スと食ってしまったんだが許してくれるか?』

 

「そうですか…」

 

『……重傷だな。……一体何が?』

 

――――――

 

「レーダーに反応あり…!ステルス化された敵影が 5つ、急速接近しています」

 

「――主砲展開用意!最大戦速のまま強行突破する !」

 

アルセイユの中にいたエステル達だが、突然アラー トが鳴り響いた

 

当然、リベルアークに乗り込もうとするエステル達 への妨害である

 

「イエス……少し待って下さい!!船首付近に謎の エネルギー反応!……これは………ルーンヴァルト大 佐です!!」

 

『………………………………………………………………

 

はい!?』

 

――――――

 

「あ~…やってらんねぇな…やってらんねぇよ…」

 

昨日一日中モヤモヤして、結局一睡も出来なかった

 

その所為でものっそい眠くてちょっと無理言って寝 かしてもらってたってのによぉ……

 

雲の隙間から赤い飛空挺が5機現れる

 

いつもなら普通に敵なんだが……今回はちょっと違 う

 

「テメェ等の所為で……結局一睡も出来なかっただ ろうがァァァァァァァァ!!」

 

――サンダーブレード!!

 

半ば八つ当たり気味(実際は100%八つ当たり)に 譜術で一機落とす

 

「せっかくようやくウトウトしていい感じだったっ てのにどうしてくれんだコノヤロー!!」

 

――アイストーネード!!

 

それからとにかく無我夢中で敵機を落としていった

 

「……彼は本当に俺達と同じ人なのか?」

 

「……何と言うか……本当に申し訳ない」

 

「……何だかんだで総長とアイツは人外レベルやか らなぁ…」

 

唖然とするミュラー、凄く肩身が狭そうに謝るユリ ア、半ば諦めた表情のケビン

 

そしてその時…

 

ズガァァァン!!

 

「うわっ!?」

 

「な、何!?何が起きたの!?」

 

「フハハハハハ!!!俺の眠りを妨げた事を後悔し ろやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

明らかに悪役なセリフを言いながら逃げ回る赤い飛 空挺に譜術を撃ちまくるケイジ

 

果たしてどちらが悪役なのか……その判断は読者の 皆様にお任せします

 

「フハハハハハ!!アッハハハハハ!!」

 

もう本当にお前誰だよってくらいテンションが異常 なケイジ

 

…これが徹夜のテンションか!!

 

そこで、最後の一機になってしまい、玉砕覚悟で突 っ込んでくる

 

……が、そこはやっぱりリベール王室親衛隊と星杯 騎士団のお墨付きのドS

 

一切容赦も手加減も加えるはずが無く…

 

――エクスプロード!!

 

火属性の上級譜術を容赦なくぶっ放す

 

敵機を中心にして核爆発の如き大爆発が発生する

 

当然敵機は落ちる…………が、しかしだ

 

敵機が玉砕覚悟で突っ込んで来ていた為、何だかん だですぐ側まで近づいて来てしまっていたのだ

 

そんな時に大爆発なんか起こしてしまったものだか ら…

 

ズガァァァン!!

 

「……………あ゛」

 

アルセイユ、被爆 (原因…ケイジのエクスプロード)

 

『ケイジィィィィィィィィ!!』

 

「白烏ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

 

「あ~…やっちまったなぁオイ、やっちまったよ~ 」

 

リベルアーク上空についたものの、アルセイユは味 方の手によって少しずつ高度を下げる事になった… …

 

――――――

 

「……ねぇレーヴェ…」

 

「…どうした?」

 

「僕達、方舟まで用意する必要あったのかな?何か 勝手に落ちて行ってるけど…」

 

「……言うな。悲しくなる。 俺なんて…俺なんてドラギオンまで用意してたんだ ぞ…」

 

「……ゴメン」

 

剣帝と道化師は、同時に深くため息を吐いた

 

――――――

 

~リベル=アーク市~

 

「………あっぶね~」

 

手近に手すりがなけりゃ普通にお陀仏だったな…

 

「流石にやりすぎたか……」

 

タタタタタ…

 

『やりすぎじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

ドガッ×4

 

「あぶろっ!?」

 

「本当に何してくれてるの!?リベールにとっても 私達にとっても命運かかってるのよ!?」

 

「お前は本当にいつもいつも…フォローをするこっ ちの身にもなれ!!」

 

「死ぬかと思いましたよ!?もう心の中で走馬灯が 流れてたんですよ!?」

 

「あんたねぇ…ちょっとは色々考えなさいよ!!」

 

「ちょっと待て!!最後のはエステルだけには言わ れたくない!!」

 

「あんですって~!?」

 

普段からひたすら人生突っ走ってる猪娘にだけには 言われたくない!!

 

「ケイジ聞いてるの!?本当にあなた馬鹿なの!? 死ぬの!?」

 

「ちょ!落ち着けクローゼ!締まってる!首締まっ てるから揺らすな!!」

 

――――――

 

「―――被告、ケイジ。何か申し開きはあるか?」

 

「ちょっと待て!?何で突入早々に味方一人潰そう としてんの!?」

 

何このどっかのラノベで見たような光景!?まんま 異〇者審問じゃねぇか!?

 

しかも裁判長がユリ姉とか何て俺に優しくない設定 だ!!

 

カン

 

「判決―――私刑!!」

 

「何故に!?」

 

まさかのリンチ!?この面子に袋叩きにされるとか 死ぬ以外の光景が思いつかないんだけど!?

 

「ちょっと待って下さいユリアさん!!」

 

おお、クローゼ!!お前だけは信じてたぞ!!

 

「そんな簡単に殺ってはいけません!!せめて拷問 してから私刑にすべきです!!」

 

「畜生!!女神もクソもねぇ!!」

 

結局、探索を急がなければいけないと言う事で、処 刑云々はうやむやになった

 

……本当に死ぬかと思った…

 

そしてクローゼは本当に俺の事が好きなんだろうか …なんかわからなくなってきた…

 

――――――

 

「…それで、結局どうなったんだ?」

 

「聞いてなかったの?」

 

「誰の所為だと思ってんだ……オイコラクローゼす っとぼけんな、こっち向けこっち。あからさまにそ らすな」

 

とりあえずクローゼとユリ姉が顔をあらぬ方向に向 けてるので、強制的に方向修正

 

…その間にリーシャから聞いた探索方法はこうだ

 

・探索は二グループで行う

 

・連絡はオリビエの持っていた古代遺物を、アルセ イユの通信機に合わせてそれぞれのグループに一つ ずつ渡しておく

 

・グループ分けは、6人班と5人班で、まずエステ ル、ヨシュア、リク、オリビエ、シェラさん、ケビ ン

 

そして俺、クローゼ、リーシャ、シャル、ジンさん

 

・何か見つけ次第残り両方に連絡、そして二グルー プが合流する

 

…とりあえずはそんな手筈らしい。因みにエステル 達のグループはかなり前に出発したとか

 

………あ、アルセイユの破損自体はそんなに重傷じゃ なかったそうです

 

『こちらエステル、居住区らしき所に来たんだけど ……空賊達を保護して協力をとりつけたから一応報 告するわ』

 

「…俺達、今更行く必要なくね?」

 

「ダ~メ♪」

 

え?逃がさない?あ、そうですか…


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