英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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閑話『異世界リリカル滞在記』さんっ!

~郊外・旧工業エリア入り口~

 

「この辺りのはずなんだけど…」

 

現場の前に着いた俺達だが、どうやら知り合いとの 合同任務だったらしく、誰かを探しているフェイト

 

俺はその横で普通に腕組んで立ってる…だってフェ イトの知り合いの顔知らないし

 

……というかこの絵面…まんま金持ちの令嬢とSPだ な。今の俺の格好が黒いスーツだから特に

 

……いや、目立つんだよあのフード付きローブ。フ ェイトの部屋に行くまでの視線がヤバかった…

 

「フェイトちゃーん!!」

 

「あ、はやて!!」

 

そんな感じにボーっとしてると、背の低い茶髪の女 がこっちに走って来た

 

「久しぶりや~!元気やった?」

 

「うん。はやても昇進おめでとう」

 

「いややな~、電話でも言ってくれたんやし、何回 も言われたら照れるやん」

 

………話が、すすまん!!

 

会話を止めたいのは山々だが、俺にガールズトーク に入っていく勇気はない!!

 

さて、どうしようか…と、何だかんだ考えていると 、茶髪が俺の存在に気付いたようで…

 

「ところでフェイトちゃん…こっちの男の人誰や? もしかして彼氏か?」

 

「え!?ち、ちちち違うよ!!別に私とケイジはそ んなんじゃ…///」

 

何を爆弾落としてくれとるかこの狸は…

 

全く…フェイトなんか顔真っ赤にして否定しまくっ てんじゃねぇか………

 

………地味に心に刺さる。そこまで嫌われるような事 した覚えねぇんだけどな…

 

「ケイジ・ルーンヴァルト。何かよくわからんがお 前らで言う次元漂流者ってやつらしいぞ?」

 

「何で疑問形?…うちは八神はやて。あ、八神が名 字ではやてが名前な。はやてでええよ」

 

「じゃあ俺もケイジでいい。ルーンヴァルトってい いにくいだろ」

 

「あはは…じゃあよろしくなケイジ」

 

「おう、よろしく頼む………狸」

 

「うん………ってちょっと待てェェ!!初対面でいき なり狸!?」

 

チッ、流石に勢いでごまかせなかったか

 

「いや、何となくポンポコ臭が…」

 

「何やソレ!?そんな臭いがこの世に存在するんか !?」

 

「いや知らんけど」

 

「アンタが言ったんやないか!?」

 

「きっと誰かが言ったさ」

 

「丸投げ!?もうちょい自分の言葉に責任持ちぃや !!」

 

「ヤ」

 

「一文字で拒否られた!?……全く、こんな美少女 前にして狸とか…」

 

「美少女…?」

 

とりあえず目の前の狸を見る………

 

「…………ハン」

 

「鼻で笑われた!?」

 

「寝言はフェイトくらいデカくなってから言えちび 狸………二つの意味で」

 

「ムキーーーーー!!!」

 

コイツ……何かリーシャと同類な感じがする。主に イジりやすい所が

 

「二人共………早く行こうよ……?」

 

横でオロオロしてるフェイトは何か癒やしだった

 

―――――――

 

何やかんやで中に突入して、暫くは何も無く順調に 進んでいた

 

だが、少し奥に入った瞬間

 

『イヤァァァァァァァァ!!』

 

……すんげぇ知ってる声なんだけど。一気に色々や る気が萎えたんだけど

 

……というかアイツの運どうなってんだ?何か任務 の度に敵のど真ん中で孤立してる気がするんだが…

 

*大体ケイジの所為です

 

「フェイトちゃん!!」

 

「わかってるよはやて!!早く助けないと…」

 

何か二人が慌ててるが…正直全くその心配はいらな い

 

放っておけば勝手に逃げ切ると思う

 

「ケイジ!!」

 

「わかってる…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰ってのんびりするか」

 

「「何で(や)!!?」」

 

だってもう先読めるしさぁ~~。色々面倒だし、よ くよく考えたらこんなのんびりできる機会なんてそ う無いんだよな~~

 

「ケイジの知り合いかも知れないんだよ!?心配じ ゃないの!?」

 

いや、知り合いなのは確定だけどな…………心配?何 ソレ食えんの?

 

「大丈夫大丈夫。放っておけば勝手に逃げ切るから 」

 

「もしもの場合ってもんがあるやろ!?」

 

「むしろそうなったらアイツ半チートだしな…」

 

逆ギレして暴走するから

 

『待てやコラぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

『来ないでェェェェェェェェ!!』

 

…ヤベェな。奴に見つかる前にさっさとずらからね ぇと

 

不幸の権化みたいに運の悪い奴のことだ。絶対面倒 事持ち込んでくるだろ

 

……そもそも俺が此処にいるのもアイツの所為だし

 

「早く帰ろうぜ~…もう何か面倒臭い。働きたくな い」

 

「ケイジここに来る前ニートにはなりたくないとか 言ってたよね!?今の完全にニートの発言だよね! ?」

 

「俺常に未来を見てるから。過去の事は気にすんな 」

 

「…一見良いこと言ってるけど内容最低だよ!?」

 

チッ、惜しいな

 

そんな中身の無い会話をしていると………

 

「イヤァァァァァ……………ってケイジさん!?」

 

「げっ…」

 

「会って第一声が『げっ』って本当に酷い!!」

 

フェイト、このアホはこのくらいの扱いでちょうど いいんだよ

 

「ケイジさ~ん!!!」

 

そんな会話は露知らず、リーシャが俺に向かって全 力で走ってくる………後ろに強面のオッサンを大量に 引き連れて

 

……一瞬「来るな」って思った俺は悪くない……はず

 

「ケイジさ~~ん!!」

 

そしてある程度まで距離が近付くと、その勢いのま ま俺に飛び付こうとジャンプするリーシャ

 

「感動の再会やな……」

 

「うん………」

 

そして俺はそんなリーシャを…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オッサン達に向かって投げ返した

 

『「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」」』

 

「うっすらこうなるとは思ってたけどォォォォォォ !!」

 

……というか何故にオッサン達まで驚いてんだ?

 

「甘ぇ。金平糖に砂糖と黒蜜とガムシロップかけて 食うくらい甘ぇ」

 

「そんなもん食べたら糖尿病にマッハでかかるな」

 

黙れちび狸

 

「こんな時くらい優しく抱き留めてくれてもいいじ ゃないですか!!」

 

『そうだそうだ……!!』

 

リーシャ……さっきまで全力で逃げてたのに息切れ 一つしてないとか……

 

オッサン達体力の限界来てるじゃねぇか

 

そしてオッサン達。お前ら本当にテロリストか?と いうか何故リーシャの味方してんの?

 

「そのオッサン達全員捕まえて来たら考えてやる」

 

「っしゃオラァァァァァァァァァ!!」

 

『え?ちょっと嬢ちゃん!?』

 

俺がそう言った瞬間、リーシャは素手でオッサン達 の意識を狩り始める………女って怖ぇな。クローゼ然 り、ティア然り

 

フェイトとはやてはポカーンとしてるし。まぁ、見 た目中学生くらいの女の子がオッサンを素手でなぎ 倒してたらそうなるわな

 

ま、とりあえず……

 

「――天光満つる処に我は在り、黄泉の門開く処に 汝在り…出でよ、神の雷…」

 

「ケ、ケイジ…?その魔法陣みたいなのは…?」

 

なんとか気を取り直したのか、フェイトが俺に聞い てくる

 

「ん~…お仕置き兼トドメ?」

 

「………ふぇ?」

 

『おい、ちょっとなんか空が暗く……』

 

『まさか、ケイジさん……(ガタガタ)』

 

――インディグネイション!!

 

『ケイジさん(坊主)の鬼畜ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!』

 

…正直、かなりすっきりした

 

「絶対オーバーキルだよね……………………(ガタガタ ガタガタガタガタ)」

 

「あかん!!フェイトちゃんがブレイカーのトラウ マ思い出してもうた!!」

 

……フェイト、お前に一体何があった


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