英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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閑話『異世界リリカル滞在記』よんっ!

「お~いリーシャ~。無事か~?」

 

とりあえず、オッサン達諸共黒こげになったリーシ ャに声をかける

 

「…………」

 

へんじがない。ただのしかばねのようだ

 

「ほ、ほんまに大丈夫なん?あの娘えらい真っ黒に なってもうてるけど…」

 

「大丈夫大丈夫。いつものことだから 基本任務の度にああだから」

 

「あんたいっつも何やってんの!?」

 

はやてが割と本気でツッコむ

 

「見てみぃあのフェイトちゃん!!トラウマ蘇って 怯えとるやないか!!」

 

はやての指差す方向を見ると…

 

「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナ サイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメン ナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメ ンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴ メンナサイ……………」

 

………うん、見なかったことにしよう

 

そうして、俺はリーシャを背負って、フェイトを抱 っこしてフェイトの執務室に向かった

 

…はやて、お前せめてどっちかくらい運べや…!

 

――――――

 

「ケイジ、準備はいい?行くよ!」

 

「…………はぁ」

 

どうしてこうなった…

 

フェイトの執務室に戻ってすぐ、強制的にフェイト を

 

こっち 現実に戻らせた

 

「全く……何のトラウマだか知らねぇけどビビりす ぎだろ」

 

「だってぇ……」

 

「あ~…泣くな泣くな。俺が悪かったから…」

 

「ううぅ……」

 

…何この可愛い生き物。めっちゃ小動物な雰囲気や ん。めっちゃ可愛えやん

 

…………失礼、パニクった

 

でも実際キュンときた。周りにいないタイプだから 特に…

 

え?リーシャ?俺はロリコンじゃねぇ。それと出会 いを考えろ。一歩間違えたら俺死んでたからな?

 

「あ~もう…わかったわかった。お前の言う事何で も一個だけ聞いてやるから泣き止め」

 

「………ほんと?」

 

「本当本当」

 

「じゃあ……模擬戦しよ?」

 

「……………は?」

 

そんな訳で、模擬戦することになった

 

「はやて!はやての言う通りケイジがお願い聞いて くれたよ!」

 

「良かったなぁフェイトちゃん」

 

…テメェの仕業かちび狸ィ……!!

 

そんな訳で今…

 

「はぁッ!!」

 

「ほい」

 

「やぁ!!」

 

「よっと…」

 

とりあえずフェイトの攻撃を避けてます

 

つーかフェイトの武器…急に鎌から剣に変わったけ どどういう理屈だ?

 

「ねぇケイジ…!真面目に、やってよ!!」

 

「一応真面目にやってるつもりなんだが……」

 

「だったら、何で…攻撃しない、のっ!!」

 

いや、真面目に避けてるだけなんで…

 

「ケイジも攻撃しないと模擬戦にならないよ……」

 

………はぁ

 

こういう奴って大体折れないんだよなぁ…

 

「…………後悔、すんなよ?」

 

「………え?」

 

とりあえず、フェイトの攻撃を避けて、伸びきった 手を掴んで投げ飛ばす

 

フェイトは地面に叩きつけられるが、何が起きたの かわかっていないのか、すぐに起き上がらない

 

「……氷結の槍、鋭く疾く駆け抜けろ!!」

 

――フリーズランサー!!

 

氷の槍が八本、フェイトに向かって飛んで行く

 

「――ッ!!」

 

直前に我に返ったのか、体を捻ってギリギリの所で 避けられる

 

……が、そこは計算通り

 

俺は槍を放つのと同時にフェイトに向かっていたの で、ちょうどフェイトが槍を避けた瞬間に剣を振る う

 

――直撃

 

そう思ったのだが…

 

『SONIC MOVE』

 

そんな電子音が鳴ったと思えば、突然フェイトの姿 が消えた

 

………後ろか!!

 

ガキィ

 

振り向きざまに斬り払うと、ちょうどフェイトの剣 と鍔迫り合いになる

 

「…すごいね。雷だけじゃなく氷まで使えるんだ」

 

「その気になれば風とか水、土、火、光、闇も使え るぞ?」

 

“音”は俺には無理だったけど

 

「それは……ちょっと困るかな…!」

 

「だろうな…でも…別に使わなくても勝てる」

 

「…それ、どういう意味?」

 

少し怒った口調で話すフェイト…まぁ、怒らせるた めに言ったんだけど

 

「お前に剣で負ける気がしないんだよ……単純な筋 力差もあるだろうが………何より“遅い”」

 

コイツと戦ってて思った事………それは、フェイトの 一番の武器が“スピード”だという事

 

しかしここではあえてそのスピードを“貶す”

 

誇りにしているものを貶されて普通黙ってる奴はい ないからな…

 

……模擬戦でこんな話術を使うのも変な話だが…残念 ながらこれも駆け引きだ

 

模擬戦だからと言って手を抜くつもりは毛頭ない

 

そしてフェイトが俺と距離をとる

 

「……バルディッシュ…リミットブレイク」

 

『SONIC FORM』

 

フェイトが何か呟くと、光に包まれていく

 

その光が晴れると、何というか………ムダにエロい格 好のフェイトがそこにいた

 

……え~と…

 

「…………露出狂?」

 

「違います!!」

 

物凄い勢いで否定されたが………男の前で堂々とそん な格好されたら…なぁ?

 

「これが私の全力……これでも遅いかどうか…試して みなよ」

 

そう言うと、さっきまでとは比べ物にならない速さ でこっちに向かってくるフェイト

 

……なるほど。こりゃ確かに速いな

 

ワザととはいえ…地雷踏んだか?

 

……仕方ないな

 

―――万華鏡写輪眼!!

 

――天照

 

「……ッ!?」

 

天照を炎遁・迦具土命で操作し、俺の周囲に小さく ドーム状に広げる

 

…因みに、俺の天照は炎と雷の二種類ある。雷は自 然に出せるが…炎は意識しないと出せない

 

……初めて使えた譜術が雷系統だったのにも関係あ るのかな?

 

そうすると、フェイトは黒炎に当たる寸前に急停止 する

 

そしてそれを俺は見越していたので…

 

「……チェックメイト」

 

フェイトの首筋に白龍を突きつける

 

「………はぁ、降参だよ…」

 

それを見たフェイトは、武器を下ろして降参したの だった

 

―――――――

 

「…それにしても、作戦とはいえ流石に酷くないか な…?」

 

「だから悪かったって……」

 

模擬戦が終わってからずっとこの調子である

 

…どんだけ根に持つんだよ…

 

さっきから横目でチラチラこっちを見てるし

 

「………あ~!わかったわかった!!模擬戦以外でお 前の言う事聞いてやる!!これで許せ!!」

 

「うん!」

 

満面の笑みで嬉しそうに返事をするフェイト………こ の悪女め

 

「じゃあ俺シャワー浴びてくるわ……」

 

言い忘れてたが、ここ管理局の本局らしい。流石に 訓練スペースはそう簡単には作れないんだそうだ

 

「行ってらっしゃい♪」

 

めっちゃ嬉しそうなんだけど…

 

後で何やらされるんだろうか………鬱

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「~~♪………あ、そう言えばこの時間……い、急が なきゃ!!」

 

―――――――

 

「………広いな」

 

更衣スペースでもう広いよコレ

 

「…さっさと入るか」

 

いつまでもここでボーっとしてるのも何なのでとり あえず服を脱ごうとすると…

 

ガララ…

 

先に誰か入ってたのか、ドアが開く音が聞こえる

 

何気なしに出てきた人を見ると………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茶髪をサイドポニーにした“女”がいた

 

…………え″

 

待て待て待て待て待て待て!!俺ここに入る前に三 回くらい確認したよな!?ここ“男子専用”だよな! ?

 

…昔、学園で寝ぼけて男女のシャワー室間違えてク ローゼに殺されかけて以来念入りに確認するように なったから間違いない!!ここは男子シャワー室だ !!

 

「「…………」」

 

「……………き」

 

…あ、嫌な予感

 

「キャアァァァァァァァァァァァァ!!?」

 

ズガァァァン

 

「はるぷれそっ!?」

 

サイドポニーに思いっきりひっぱたかれる

 

…ズガンて。ビンタでズガンって効果音が出るなん て初めて知ったぞ…

 

それでも意識を飛ばさなかった俺はある意味すごい と思う

 

「…………君、どうしてここにいるのかな?」

 

「……いや、男子シャワー室だから」

 

「局員にはこの時間帯は女子しか使えないって通達 されてるはずだけど…?」

 

知らんがな。俺局員じゃねぇし

 

俺はそう言おうとしたが…

 

「とりあえず……………………

 

O HA NA SHI な の …」

 

俺が口を開く前に、目の前がピンク一色になり、そ のまま意識を失った…


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