英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

85 / 161
閑話『異世界リリカル滞在記』らすとっ!

「痛たたた…」

 

「ケイジ大丈夫?気分は悪くない?ちょっと休憩す る?」

 

「お前は俺のオカンか………大丈夫だって」

 

俺オカンいないけど

 

あの前門の魔王、後門の死神事件(命名俺)の後、 何とか意識を取り戻した俺、リーシャ、はやてはな のはとフェイトを伴って聖王教会と言う場所に来て いた

 

なんでもここに“予言”を出す能力を持ってる人がい るらしい……予言て。何か嘘臭せぇなぁ…

 

……というかあの事件で初めて三途の川見た。何故 かはやてとリーシャが真ん中ら辺でシンクロしてた ので死ぬ気でこっちに引きずり戻したが

 

ちなみにはやてとリーシャはそのことを覚えていな いらしい

 

「……何か目立ってませんか?」

 

突然リーシャがそんなことを言い出すが…まぁ目立 ってんな

 

「当たり前やろ。こんな美人が四人集まっとるんや で?」

 

「四人?美人二人に狸が一匹、猫一匹だろ?」

 

「狸は酷ない!?うちは人間や!!」

 

「は?」

 

「即否定はホンマに酷い!!」

 

「猫…ペット扱いですか…」

 

「美人…///」

 

「フェイトちゃん…もう面倒臭いから早く正気に戻 って欲しいの…」

 

何故か物凄いカオスな状況になってしまった。解せ ぬ

 

――――――

 

「………広いな」

 

「………広すぎないですか?」

 

「「「あははははは…」」」

 

あれから二十分くらい聖王教会の敷地内を歩いてい るが、未だに建物すら見えない

 

「まぁ、本来は車で移動する距離やからな~」

 

「じゃあ車で来れば良かったじゃねぇか」

 

「しゃあないやん。うちらまだ17やねんから」

 

「17……です……と………?」

 

リーシャがフェイトとなのはの胸を凝視する

 

「私は女神様なんて信じない…!!」

 

「ど、どうしたの!?」

 

「リーシャ目が怖いよ…?」

 

リーシャが怨念の籠もった目つきでなのはとフェイ トの胸を見る

 

「ケイジ、ほれ」

 

「ん……何をとち狂ってんだお前は」

 

スパーン

 

「ふにゃっ!?」

 

とりあえずはやてが差し出してきたハリセンでリー シャの頭を思いっきりシバく

 

「痛いです!これ以上成長が遅くなったらどうして くれるんですか!!私ははやてさんみたいにはなり たくないですよ!?」

 

「いや、知らんけど」

 

「リーシャ、喧嘩売っとんのか?売ってんねんな? よっしゃええで。その喧嘩買ったらァァァァァァァ ァァァ!!」

 

「うるさいです!!二つの意味でちび狸の癖にぃぃ ぃぃぃぃぃ!!」

 

「うるさいわツルペタロリ娘!!永遠にそのままで 成長せぇへんかったらええんや!!」

 

「「………………!!」」(泣)

 

「「……傷付くんだったら黙ってたらいいのに…」」

 

睨み合ったまま涙を流すバカ二人……本当に何やっ てんだよ…

 

「えっと……あまり大きくても良いことないよ?」

 

「「それでも無いよりはマシなんや(なんです)! !」」

 

……そこまで本気になられると、ちょっと、引く

 

そんな時…

 

「あ、あれが聖王教会だよ」

 

聖王教会の建物がやっと見えたのだった

 

……それでも、後五キロくらいはあるが

 

――――――

 

「カリム~来たで~」

 

「いらっしゃいはやて。予言はしっかりコピーしと いたわよ」

 

「ありがとうな~」

 

「どういたしまして…高町一等空尉にハラオウン執 務官もお久しぶりですね」

 

「「はい」」

 

「まぁ、堅苦しいのは無しにしましょう。今お茶の 準備をしますね」

 

それからは完全なるガールズトークに移る四人。し かしカリムが割と重大な事に気付いた

 

「…そう言えば予言に出てた騎士と銀の姫はどこに ?」

 

「ああ…あの二人やったら多分訓練場ちゃうか?」

 

はやての言葉にカリムは頭の上にクエスチョンマー クが大量発生する

 

「ああ、説明が悪かったなぁ…ケイジはなんか知ら んけどここの騎士達に懐かれたっぽい。一人の騎士 を一瞬で倒したら囲まれてな~。そんまま訓練場直 行や」

 

「もう一人もそれに付いて行ったんですよ」

 

「ええ~…」

 

詳しく言うなら、

 

なのは達がナンパされる → 断られる → ケイジに恨みの矛先が → とりあえずフルボッコ → お前強いな!

 

…である。ケイジはそれを見事に纏めて全員を引き 連れて訓練場へ向かって行った

 

…何という無駄なカリスマ。ある意味流石はカリス マスキルAと言うべきか

 

「じゃあ早めに彼のところに行った方がいいんじゃ ない?」

 

「……せやな」

 

「…?」

 

カリムは、どこか歯切れの悪いはやての返事に首を 傾げた

 

はやての視線は、フェイトをじっと捉えていた

 

――――――

 

「そこだぁ!!!」

 

「奇襲してんのに声出すとかアホかお前は…という かバレバレだ」

 

「ぐはぁ!」

 

『モブ!!』

 

『畜生、モブがやられた!』

 

アイツの名前モブって言うのか……もうちょっとマ シな名前付けてやれよ。モブ親

 

「個々で行っても勝ち目はありません!!みんなで 一斉に行きますよ!!」

 

『いた仕方なし、か…みんな!!嬢ちゃんに続けェ ェェ!!嬢ちゃんが先頭ならちょっとは攻撃が甘く なるはずだ!!』

 

『応!!』

 

「…ん?なんだリーシャか。なら手加減は要らない な」

 

「……ケイジさん、それ何ですか?」

 

ケイジの目の前には何かバチバチいってる球体が浮 かんでいた

 

「ん?コレか?見よう見まねでコピーできっかな~ と思ってインディグネイションを収束してみた。や ろうと思えば出来るもんだな」

 

『まさか…』

 

『ハラオウン執務官の………嬢ちゃん?』

 

「………雷怖い雷怖い雷怖い雷怖い雷怖い雷怖い雷怖 い雷怖い雷怖い雷怖い雷怖い雷怖い雷怖い……」ガ タガタガタガタ

 

『嬢ちゃん!?』

 

どうやらリーシャにはトラウマものだったようだ… 哀れリーシャ

 

「……ま、あれだ。とりあえずリーシャは置いとい て」

 

『オイ!!』

 

「……ぶっちゃけ試した事も無いから手加減出来る かどうかは保証しない。リーシャに付いて行ったお 前らの自己責任って事で…」

 

『……え?ちょ…マジで…?』

 

「はいど~ん」

 

『ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…』

 

「鬼畜やな」 「鬼畜ね」 「魔王なの」

 

「「………え?」」

 

「…はやてちゃん、カリムさん…今の発言に付いて 後でOHANASHIなの」

 

「……お揃い………///」

 

本当にカオスな状況だった

 

――――――

 

『異界の騎士、希望を得んと聖なる王を据えし堂に 入る

 

騎士は金言を得て、天を異えし輝石によりて、銀の 姫と共に光となりて消ゆ

 

全てを動かす鍵となるは、奇跡の言霊となるであろ う』

 

――――――

 

「……何この訳わからんポエム」

 

リシャールさんでももうちょいマシなもん書くぞ

 

「予言や」

 

「…は?」

 

「だから予言や」

 

じゃあ何か?これが手がかり?

 

「…とにかく、これを見るに騎士はケイジのこと。 銀の姫はリーシャのこと。それに金言っていうのは この予言で間違いないと思うんだけど…」

 

「マジでか」

 

「問題はこの輝石言うのと奇跡の言霊ってやつやな 。全くわからんわ」

 

………輝石?言霊?

 

「……あ」

 

『?』

 

「リーシャ、こっち来い」

 

「?はい」

 

そうリーシャに言うと大人しく来る

 

そして俺はずっとポケットに入れてあった“異天の 輝石”を出す

 

「何やそれ?」

 

古代遺物(アーティファクト)。お前らで言う所のロストロギアでな。 コイツの名前が“異天の輝石”」

 

「なんやて!?」

 

「「!?」」

 

三人がかなり驚いている…まぁそうか。答えを俺が ずっと持ってたんだからな

 

「それに言霊ってのは………!!」

 

“異天の輝石”に譜を込めると、突如として輝石が光 を放つ

 

それは少しずつ俺をリーシャを包んでいく

 

「…ケイジ」

 

名前を呼ばれてその方を向くと、フェイトが泣きそ うな顔で俯いていた

 

「……また…会えるよね…?」

 

「…さぁな。でも……」

 

――縁があったら、また会えるだろ

 

そう言ってフェイトに微笑むと、フェイトはこっち を向いて満面の笑みで俺の頬にキスをした

 

「………うん!!」

 

…そうして、俺とリーシャは元の世界に帰って行っ た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの~リーシャさん?そろそろ首から剣を離して くれると嬉しいなぁ~~って……」

 

「……何か?」

 

「ナンデモナイデス」

 

何故か帰ってから暫くリーシャが黒ーゼ並みの威圧 感を放っていた…

 

そして、その日以来、男性局員のお誘いをバッサリ 断り続けるフェイトの姿が見られたそうな


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。