side リク
「……気を付けて下さい。いくら気配が無くなった とは言え油断は禁物です」
ケイジが一人で次の階層へと進んでから約二時間半 。リーシャも意識を取り戻し、上からの物音と戦っ ている気配が消えたため、全員で警戒しながら進ん でいる
「わかってる……」
「あ、外に出るみたいだね」
そうして、シャルが外への扉を開ける
するとそこには…
ド真ん中で仰向けにぶっ倒れているケイジがいた
「っ!?ケイジ!!」
たまりかねたのかクローゼがケイジに駆け寄ってい く
…………え?怒らないのかって? アレ見て怒るってただのKYじゃね?どう見てもク ローゼはケイジの事好きだろ
……オイ、今『キャラが違う』って思った奴。大人 しく出て来い。今なら『
「……うるっさい。耳元で騒ぐな…」
……どうやらケイジもこっちに気付いたようで面倒 くさそうに返事をする
…あ、クローゼが思いっきり抱きつい……アイツ投げ やがった。それでいいのかお前
「痛いじゃない!!」
「……なんだクローゼか」
「なんだじゃない!!私心配したんだよ!?」
「へ~(棒読み)」
「反応薄っ!!」
…アイツ芸人志望なのか?さっきからボケっぱなし だが
…というか何かが変だな……何かアイツらしくないと いうか…
そんな事を考えながら俺達もケイジの所へ向かった
side out
「…なんだ。お前ら全員来てたのか」
「戦闘の気配が無くなったからな」
「それにリーシャも起きたしね~」
ケイジ、リク、シャルがそれぞれ言葉を交わす
「リーシャ…何か違和感は無いか?」
「いえ、ありません。少し身体が重いくらいですけ ど……何かしたんですか?」
「あ~……説明面倒だからパス。後でティアかシャ ルにでも聞いてくれ」
「それで……リーシャを重傷にした奴はどうなった んだ?見た所いないみたいだが……」
「………」
リクの言葉に黙り込むケイジ
……無理もない。つい数分前の出来事なのだ つい数分前に……親代わりのような人を殺したのだ から
「……?ケイジ?」
「……ああ。俺が“滅した”」
「………そうか」
それで会話が途切れてしまう
「「(………き、気まずい……)」」
つい最近まで犬猿の仲(大体の原因はリクの一方的 な毛嫌い)だった二人には共通の話題などあるはず も無かった
「………というかお前はいつの間にさも『自分の定位 置だ』と言わんばかりに俺に張り付いてんだ…」
「いいじゃない♪」
現在の状況…身体を起こして座っているケイジの背 中にクローゼがしなだれかかっている
…どう見てもリア充にしか見えません。ごちそうさ まです
「……」
「あれ?リク何も言わないの?いつもエステルとヨ シュアとかアガットとティータがじゃれてたら『リ ア充爆発しろォォォ!!』って叫んで剣投げてたの に」
「俺そんな事してたか? いや…なんとなく今あの二人に声をかけたら物理的 に殺される気がしてな……シャルは?」
「奇遇だね…僕も一緒だよ…」
大正解である。今あのピンクの空間を邪魔しようも のなら黒ーゼと化したクローゼに消し炭にされるだ ろう
……現に今、空気を一切読まずに突っ込んで行った リーシャが見事にボコボコにされている
しかもその間もクローゼはケイジの背中から離れな いという徹底ぶりである
…それにしても、ケイジと出会って以来リーシャの 運は悪い意味で振り切っているとしか思えない。主 に投げられたり、いじられたり、投げられたり
「「((本当に……色々可哀想な娘だなぁ…))」」
そっと、クローゼに気付かれないようにリーシャに 合掌するリクとシャルだった
――――――
「………ん、悪いな。もう大丈夫だ」
そしてそれから約二十分、クローゼとシャルがケイ ジに治癒アーツを使ってようやくケイジは動けるよ うになった
…ちなみに、結局クローゼは一瞬たりともケイジの 背中から離れなかった
「(しっかし……ウルが出てこないな…聖痕を解放し た時しか出て来れないのか?)」
「ケイジさん?本当に大丈夫なんですか?」
「ん?ああ。あまり本気は出せねぇが剣術とか譜術 なら問題ない」
「なら早く次の階に行こ!!エステル達絶対先に進 んでるよ~!!」
「そうだな…少し急ぐか」
ケイジ達は、今いるバルコニーのような場所の端に ある階段へと足を進めた
後書き