英雄伝説・空の軌跡~銀の守護騎士~   作:黒やん

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『剣帝と白烏』

「まだ出口に着かないのか?」

 

「もうすぐだろ」

 

そう言いながら階段を五人でかけ上がって行く

 

…さっき上から大きな音がした。もしこれがレーヴ ェとエステル逹がやり合ってる音だとすると…

 

「あれだよ!!」

 

「急ぐぞ!!」

 

ーーーーーー

 

バン!!

 

「ここは…」

 

勢いよく出口の扉を開けると、リーブの時のような 広い場所に出た

 

「屋上…みたいだね」

 

「ということは…」

 

辺りを見渡せば、どういう訳かアルセイユで待機だ ったはずのみんなとそしてレーヴェが今までより大 きく、攻撃的なデザインの機械人形…敢えて名付け るなら竜機二体と戦っていた

 

「…そういやこんなイベントあったな」

 

「え?これイベント戦なのか?」

 

「イベント戦と言うか…レーヴェ戦の後にこんなん あった…気がする」

 

「自信無いんかい」

 

『というかさっさと手伝えやぁぁぁぁぁぁ!!』

 

「「ハッハッハ」」

 

ここにいる全員の魂からの叫び。因みに俺とリクを 除く三人は既に戦闘に参加している

 

…それでもまだ壊せない竜機マジチート!!

 

そしてリクはエステル逹のところに行かせ、俺はレ ーヴェの方に行く

 

「…ケイジか」

 

「何だ?俺が来たらマズいか?」

 

「…フッ。今ここにおいては最高の援軍だ」

 

そう言ってニヒルに笑うレーヴェ。しかも無駄にイ ケメンだからやたらとその仕草が似合う

 

…でも今コイツが味方になってるってことは…

 

「ヨシュアに負けたか」

 

「…よくわかったな」

 

「何だかんだでわかりやすいからなぁ…お前は」

 

因みに今は俺とレーヴェVS竜機一体。それ以外は 全員もう一体の竜機を相手している。

 

…ちょっとはこっちに回して欲しい件

 

「仕方ないだろう。竜機(ドラギオン)の一体一体がかなりの戦闘 力を持っているんだ。むしろ一人で凌げていること がラッキーなんだ」

 

「さりげ自慢乙」

 

「お前本当に少しは自重しろ」

 

何故これがネタだとバレたし

 

そしてそれは無理だ。一回くらいその余裕を崩して みたい

 

「…なぁレーヴェ」

 

「…何だ?」

 

ようやく何時もの声のトーンに戻ったと思ったのか 、溜め息を吐きながら返事をしてきた

 

「とりあえずこれだけは聞かせてくれ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねぇねぇ今どんな気持ち!?ヨシュアに負けて今ど んな気持ち!?NDKNDK!?」

 

「ワクワクするな。というかやっと真面目になった と思ったらそれか…」

 

「だって今までドシリアスだったしさ~。ちょっと くらいここらでボケたって良いじゃねぇか。にんげ んだもの。」

 

「みつ○か。そしてメタ発言は止めろ。そしてケイ ジ、お前本当に自重しろ」

 

何でレーヴェはここまで冷静なんだろうか…リーシ ャ辺りなら面白リアクション連発なフリだったんだ が…

 

「それよりケイジ、早くあの便利な黒炎でドラギオ ンを焼いてくれ」

 

「あ、それ無理」

 

「なん…だと……?」

 

薄々思ってたが、やっぱり期待してたか。

 

「お前何だかんだでその瞳の能力使いまくっていた だろう!何故この肝心な時に使えないんだ!?」

 

「ア…リーブと殺りあった時に体力ほとんど使いき ったからだけど?」

 

レーヴェにアガレスって言ってもわからないだろう から言い換えておく

 

「何で自慢気に言った!?別に戦闘出来なくなって も構わないから二体を焼いてくれ!」

 

「フフン、残念だったな!!今天照使ったら多分立 つ余力すら残らねぇぞ。さぁどうする!?」

 

「どうするじゃない!!むしろお前がどうするんだ !?」

 

「…さぁ?」

 

「お前ちょっとそこに直れェェェェェ!!」

 

お、ようやく余裕が崩れた

 

『真面目にやれ!!』

 

とりあえずみんなが怒りそうなので、そろそろ真面 目に戦うことにした

 

ーーーーーー

 

「さて…真面目に戦うにしても…堅いなコイツ」

 

さっきから何度か斬りかかってみてはいるが、一向 に壊れる気配がない

 

「現時点での結社の技術の粋を集めた代物だからな 。集中爆撃でもされない限りは壊れないはずだ」

 

「それ何て無理ゲ?」

 

爆撃でないと壊れないとかおかしいだろ

 

「しかしまぁ、そんなコイツにも弱点はある」

 

「それを早く言え!!」

 

今までの俺の真面目な努力を返せ!!

 

「そう怒るな」

 

「良いから早く言え!!」

 

「打撃だ。いくら頑丈だとは言え所詮は機械。打撃 を与えて機械そのものをショートさせれば動きは止 まる」

 

打撃…か。なるほど。確かに精密機械ほど衝撃に弱 いが、それがコイツにも通じるとはな…

 

「…って結局解決してねぇじゃん!!俺逹二人共獲 物剣じゃん!!」

 

「だから今それをどうするか考えているんだ」

 

「ムカつく!!今はお前のその余裕が本当にムカつ く!!」

 

思いっきりレーヴェを殴り飛ばしたい。けど今は一 応味方だからそれは出来ない…!

 

くっ…!このモヤモヤをどうすれば…!

 

…………ってちょっと待て。『精密機械の弱点』?

 

「オイレーヴェ!!ドラギオンの弱点ってそのまま 精密機械の弱点なのか!?」

 

「?ああ、その筈だ。耐久性の高さ以外は精密機械 と変わり無いはずだが…」

 

よっしゃビンゴ!

 

「なら三分稼げ!」

 

「…わかった」

 

何も聞かずにすぐに行動に移るレーヴェ。こういう 時のコイツは本当にありがたい

 

「…『天光満つる処に我は在り、黄泉の門開く処に 汝在り』」

 

何も機械をショートさせるには打撃を与えなければ ならない訳じゃない

 

働いている電圧の数倍の電圧を瞬間的にでもかけて やればすぐに回路がショートする

 

……なら、天災である雷が精密機械なんかに当たれ ばどうなるか?

 

答えは簡単。急激に数千、数万倍の電圧がかかるた めに回路が熱暴走し、機械そのものが勝手に自壊す る

 

「『出でよ、神の雷』!!」

 

だったら人工的に雷を起こすまでのことだ!!

 

ーーインディグネイション!!

 

ーーーーーー

 

「レーヴェ、エステル達は?」

 

「この場所の地下…『根源区画』にいるはずだ。ワ イスマンもそこにいる」

 

状況はそんなによくはないか…

 

「今から行ったら間に合うか?」

 

「恐らくは無理だ…だがな」

 

レーヴェはニヤリと笑うと、自分の操るドラギオン を呼び出す

 

「……相手は至宝だ。少しくらいは手助けがあって もいいとは思わないか?」

 

「そりゃもちろん」

 

俺はニヤリと笑い返し、レーヴェと共に『根源区画 』へとドラギオンを駆った


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