わたしの名はロクサーヌ。
狼人族で16才の獣戦士、そしてご主人様(加賀道夫)の一番奴隷。
大好きなご主人様、かわいい後輩奴隷のセリーと三人で、
クーラタルの一軒屋でしあわせにくらしている。
お仕事は迷宮探索。
少し前までクーラタルとベイルの2つの迷宮を同時に探索していたが、最近はハルツ公爵からの依頼でハルバー、ターレ、ボーデの迷宮を優先的に探索している。
ちなみにクーラタルは11階層、ベイルは11階層、ハルバーは12階層、ターレは13階層まで到達。
発見されたばかりのボーデは1階層を探索中だ。
いま私たちは、新しくパーティーメンバーとなったミリアを加え、4人でクーラタルの家に帰ってきたところだ。
「改めて挨拶する、俺が主人のミチオだ。よろしく頼むな」
ご主人様はミリアにそう言うと、あたまをなでて耳をモフモフした。
ご主人様...... 私の耳もよくなでるけど、ミリアの耳も好きそうね。
あれ?
セリーが羨ましそうな目でご主人様を見てる......
そういえば...... ご主人様がセリーの耳をいじっているところは見たことがない......
今度ご主人様に、セリーの耳もいじってあげるよう、
それとなく伝えておこう。
そんなことを考えているとミリアが聞いてきた。
『あの、ご主人様は何を言ってるのですか?』
『俺が主人のミチオだ、よろしく頼むなって言ってます。ご主人様は人間族で17歳、信じられないと思いますが、複数のジョブが使えます』
『本当ですか?』
『そうです。ご主人様ですから』
『わかりました。こちらこそお願いします』
「はい。こちらこそお願いしますと言っています」
私が翻訳すると、ご主人様は少し考えてからミリアに話しかけた。
「ブラヒム語の返事は、はいだ。言ってみろ。はい」
ミリアは少し考えてから、ご主人様に合わせて返事した。
「......はい」
「おお。ちゃんと言えるじゃないか」
『ミリア、今の「はい」はブラヒム語の返事です。わかったという意味です。
忘れないでくださいね』
「すごいです」
ご主人様に合わせてセリーもミリアをほめた。
「はい」
ミリアは嬉しそうにこたえ、はにかんだ。
続いてご主人様は、ミリアに私たちを紹介した。
「彼女がロクサーヌ。しばらくは翻訳もしてもらうのだから、世話になる。姉と思って慕え」
『改めて、私はロクサーヌ。ご主人様の一番奴隷です。狼人族の獣戦士で16才です。この家では私しかバーナ語が話せませんので、しばらくは私が通訳します。
私のことは姉と思って、わからないことは聞いてくださいね』
『はい。ロクサーヌお姉さま。よろしくお願いします』
『お姉さまはちょっと...... お姉ちゃんでいいですよ』
『はい。お姉ちゃん』
「よし、言ってみるか。お姉ちゃん」
ご主人様は、今度はミリアにお姉ちゃんと言わせるよう、私を指さした。
「お姉ちゃんだ。お姉ちゃん」
「......お姉ちゃん」
「はい、ミリア」
私が答えるとミリアは嬉しそうにほほえんだ。
ご主人様はミリアがお姉ちゃんと言えると、今度は自分を指さした。
「お......」
ご主人様はお兄ちゃんと言いかけたが、ミリアの横でジト目で見ているセリーに気付いて言葉を飲み込んだ。
「か、彼女はセリーだ。パーティーメンバーは今のところこの4人になる。戦力拡充のためメンバーは増やすつもりだから、新しく入ってくる人とも仲良くやってくれ」
ご主人様は、セリーを指さしてミリアに紹介した。
『ミリア、彼女はセリー、二番奴隷です。彼女はドワーフの鍛冶師で16才です。とてもあたまがよく、色々なことを教えてくれます。
迷宮では彼女の話をよく聞いてから、魔物と戦いますので、必ず従ってください』
『か、鍛冶師さまですか?』
『そうです』
『鍛冶師さまがいるパーティーなんて、おどろきです』
『ふふ。セリーがいるおかげで私たちのパーティーは攻撃力が底上げされます。
それだけが理由ではありませんが、私たちのパーティーは人数の割には強いですよ。
但し、このことは内密にしてください』
『はい。分かりました。
えっと。セリーさんは...... なんて呼んだらいいですか?』
『そうね。セリーお姉ちゃんで』
ミリアはセリーのほうを向いて頭を下げ、ブラヒム語で呼びかけた。
「セリーお姉ちゃん」
「はい、ミリア」
セリーはにっこりほほえんで返事した。
そして、セリーが答えるとミリアは嬉しそうにほほえんだ。
『ミリア、パーティーメンバーは今のところあなたを加えて4人です。ただし、戦力拡充のためメンバーはあと二人増える予定です。
今後、新しくメンバーが増えた場合はあなたはその子のお姉ちゃんになりますので、しっかりして下さいね』
『はい。弟がいたので、下の子の面倒は見れるつもりです。頑張ります』
私はなにやら考え事をしていたご主人様にこたえた。
「弟がいたので、大丈夫だそうです」
私がご主人様にこたえると、ミリアが胸を張った。
ご主人様は一瞬苦笑いすると、次の質問をはじめた。
「それじゃあ、次にジョブだが。迷宮に入るのに何かやってみたいジョブとかあるか」
『ミリア、ご主人様のパーティーは、私が獣戦士で前衛、片手剣で戦います。セリーは鍛冶師で前衛、槍で戦います。ご主人様は基本は後衛で、魔法で戦います。
ミリアはやってみたいジョブはありますか?』
『私は海女なので、このままでお願いします』
「このままでいいそうです」
「じゃあ海女か」
『お姉ちゃん。私はギルドとの契約で海女にしてもらいました。十年間海女でい続けないといけません。
もし他のジョブに就こうとすると、契約破棄で海賊に落とされてしまいます』
ご主人様の話にかぶせるようにミリアが話し始めたので、私はあわてて通訳をつづけた。
「というより、ギルドとの契約で海女になってからは十年間海女でい続けなければいけないという制限があるそうです」
「そうなのか」
ご主人様はミリアを見つめながら、何か考えごとをしている。
「他のジョブに就こうとすると契約破棄で海賊に落とされると言っています」
ご主人様はそのままミリアを見つめていたが、急に慌てだした。
「どうやら、その契約は無効になっているようだな」
『ミリア、ギルドとの契約は無効になっているみたいですよ』
私が通訳するとミリアが不安そうな顔になった。
『え、それはどういうことですか。もしかして...... 神罰でしょうか?』
「神罰でしょうか?」
「い、いや。神罰ではない。俺がちょっとな」
「そのようなこともおできになるのですね」
さすがはご主人様。しっかりミリアに伝えないとね。
『ミリア、神罰ではありません。ご主人様が契約をなくしてジョブ変更が出来るようにしてくれました』
『本当ですか? すごいです』
『そうですよ。ご主人様ですから』
ミリアが尊敬のまなざしでご主人様を見つめると、ご主人様は......
なぜか? またもや苦笑いした。
「セリー、海女っていうのはどういうジョブだ?」
「猫人族の女性の固有ジョブです。
確か、本来なら水の中で生きているような魔物に対して強い攻撃力を発揮します」
セリーが説明すると、ご主人様は少しのあいだ考え込んだ。
「武器は何を使う」
『ミリア、武器は何を使いたいですか?』
『えっと、魚をとるときは槍を使ったことがあります』
「魚をとるときには槍を使ったことがあるそうです」
「迷宮でも槍でいいのか? 前衛が槍二人になってもロクサーヌは大丈夫?」
『ミリア、あなたには前衛で魔物と対峙してもらいます。槍以外の武器は使えませんか?』
『両手剣と片手剣は使ったことがあります。片手剣のときは、もう片方の手に盾を持って戦いました』
『わかりました。フォーメーションを考えると...... あなたには剣で戦ってもらいます。よろしいですか?』
『はい。頑張ります』
「攻撃重視なら両手剣、防御重視なら片手剣に盾でいいそうです」
ご主人様は少しだけ考えて結論をだした。
「じゃあ片手剣か。いずれ強化するとして、当面はダガーでもいいだろうか」
「はい。十分だと思います」
「わかった。ちょっと取ってくる」
ご主人様はそう言うと、物置部屋にむかった。
『ミリア、あなたの武器は片手剣になりました。いまご主人様がダガーという小型の片手剣を持ってきます』
『はい。ありがとうございます』
ご主人様が戻ると、ダガーをミリアに渡した。
「ミリア、お前が使う武器だ」
「はい」
ミリアは嬉しそうにダガーを受け取り、右手に持ってバランスを確かめた。
「あとは防具か。革の帽子と革のグローブはまだあるからいいとして、胴装備は皮のジャケットではきついだろう」
「皮のジャケットでも十分戦えますが」
私が答えると、ご主人様は苦笑いしながら返事した。
「何かあってからでは遅いしな。とりあえず防具屋に行く。他に必要なものがあったら一緒に買おう」
「かしこまりました」
『ミリア、今から防具屋に行きます。あなたもついてきてください』
『はい...... 武器だけじゃなくて装備品までそろえてもらって...... 本当にいいのでしょうか......』
『大丈夫ですよ。ご主人様は私たちが傷つくことを嫌います。出来るだけ安全に戦えるよう考えてくださいます。
とても優しいかたですから』
『わかりました』
ミリアはそう答えると、ご主人様にむかっておじぎした。
「では行くぞ」
ご主人様はワープゲートを開くと、壁の中に歩いていった。
そのあとを、私たち三人はついていった。
クーラタルの冒険者ギルドに出ると、ミリアはおどろいて質問しようとした。
『えっ! な...... んむっ...!!!』
即座にセリーが後ろからミリアの口を押さえ、私が小声で制止した。
ミリアは突然くちを押さえられ、目を白黒させている。
『ミリア、ワープは2回目でしょ。いちいちおどろかない! さっきも言ったけど質問は家ですること。わかりましたか』
ミリアがコクコクとうなずいたので、セリーにむかって小さくうなずくと、セリーはミリアの口から手を離した。
私は視線でセリーに「ありがとう」と伝えると、セリーは小さく肩をすくめ、視線で「どういたしまして」と返してくれた。
私はセリーがなぜ素早くミリアのくちを押さえることが出来たのか気になり、あとでセリーに聞いたところ、
猫人族だから言われたことを忘れてるんじゃないか、一応警戒していたとのことだった。
私はそれを聞いて「さすがはセリー、本当に頼りになるわね」って感心したものである。
私はご主人様に向きなおり、目配せで「大丈夫です」と伝えると、ご主人様は小さくうなずいてくれた。
それから私たちは冒険者ギルドを出て、防具屋にむかった。
私は歩きながらミリアに指示した。
『ミリアはご主人様のまうしろをあるいてついてきてください。何かあったらご主人様を守るように』
『わかりました』
まちなかを歩いていると、途中で魚屋の前を通り過ぎた。
すると、ミリアは歩きながら商品を睨みつけ、なにやら魚の名前を言い始めた。
『ヘミチャナ、ロクスラー......』
私は未練がましいミリアを無視するつもりだったけど、ご主人様は気になったみたいで質問してきた。
「なんて言ったんだ?」
『ミリア、いまなんと言ったのですか?』
『ヘミチャナ、ロクスラー、バギジって言いました。いま通り過ぎた店で売っていた魚の名前です。』
「ヘミチャナ、ロクスラー、バギジ。魚屋に並んでいた魚の名前だそうです」
「サカナはあとでな」
『ミリア、サカナはあとです。ご主人様の様子では買ってくれるようですよ。よかったですね』
『本当ですか』
ミリアは嬉しさと感謝のこもった顔をご主人様に向けて返事した。
「はい」
すると、気分がよくなったのか、勢いよく先頭に立って歩き出した。
『ミリア、すぐに戻りなさい。勝手に前に出ない!』
私が注意すると、ミリアはすぐに戻って来た。
『ごめんなさい』
『いいですか、私があなたの歩く場所を指定したのには理由があります。
ご主人様の左右に私とセリー、後ろにミリアが歩くことによってご主人様を護衛できるのです。
不特定多数の人がいるような街なかや大きな建物の中では、常にご主人様を囲むようなポジションに立ちます。
そして、もし不審な人がいた場合は、必ずブロックしなさい。いいですね』
『はい。わかりました』
『迷宮でもフォーメーションは重要です。迷宮では魔物の数により、前衛の真ん中が私で私の左右にセリーとミリアが立つ場合と、
前衛の右側が私、左側がミリアで、セリーが魔物を回り込むようにして遊撃的な位置につく場合、
それと、ご主人様が前衛に出てきて4人で魔物を囲む場合があります。
他にもいろいろなパターンがありますが、対峙する魔物によってそのつど指示を出しますので、必ず従ってください。
いいですね』
『はい。わかりました』
ミリアにフォーメーションについて説明していると、ご主人様は小首をかしげ、セリーに何を話しているか聞いていた。
「何を言われてるんだ」
「多分フォーメーションです」
「フォーメーション?」
「はい。今までは私とロクサーヌさんが前後か左右を分かれて警護する形でしたが、三人になりましたので」
「そうか、悪いな」
ご主人様はセリーに礼を言うと、私のほうを向いた。
「ロクサーヌもありがとう」
「いえ。当然の任務ですから」
防具屋につくと、ご主人様は鉄の盾を最初に見た。
「鉄の盾って思ったより軽いな。木の盾とほとんど変わらないような気がするけど、ロクサーヌは鉄の盾でいいか?」
「私の盾を買っていただけるのですか?」
「ああ、今使っている木の盾はミリアに回す。これとこれ、この3個がよい品なので、選ぶといい」
「ありがとうございます」
わたしはご主人様が選んだ3個の盾のうち、最も傷やへこみの少ない盾を選んだ。
私が盾を選び終えると、ご主人様に質問された。
「ミリアは硬革のジャケットとチェインメイル、どっちにする」
『ミリア、胴装備は硬革のジャケットとチェインメイルのどちらがよいですか?』
『魚を獲りに海に入るのでなければチェインメイルでいいです』
「魚を獲りに海に入るのでなければチェインメイルでいいそうです」
「わかった」
ご主人様は私に返事すると、チェインメイルをいくつか持ってきた。
「この辺がよい物だ」
『ミリア、ご主人様が持っているチェインメイルの中から一つ選びなさい』
私がミリアに伝えると、一瞬で指さした。
『じゃあこれで。早く魚屋に行きましょう』
ご主人様は瞬間的に指さしたミリアにあっけにとられながらも確認してきた。
「これでいいのか」
「えっと。早く魚屋だそうです」
私はご主人様にミリアが言ったことを伝えてから、ミリアを叱った。
『ミリア、あなたは装備品を何だと思っているのですか。これはあなたの命を守るものですよ。
なにが魚ですか、死んだら何も食べられなくなるのですよ。
何が一番大切なことか、優先順位がつけられないようなら、あなただけ魚は食べさせませんからね』
『ご、ごめんなさい......』
私がミリアを叱っていると、ご主人様に背中をなでられ、耳元でささやかれた。
「ロクサーヌ、ありがとう。でも、ほどほどにしてやれよ」
「ご主人様、申し訳ありませんでした」
私があたまを下げると、ご主人様は私の耳をひとなでして、会計をしに盾とチェインメイルを持って行った。
その後、服屋、雑貨屋、探索者ギルド、魚屋、八百屋とまわり、ミリアに必要なものと夕食の材料を買って帰宅した。
帰宅すると、ご主人様はお風呂の準備、私たち三人は夕食の料理に取りかかった。
料理に使う水が足らないのでミリアを連れて二階のご主人様のところに行き、みず魔法で水を出してもらうとミリアが騒ぎ出した。
『ご主人様はみず魔法も使えるのですね』
『みず魔法だけでなく、他の攻撃魔法も使えますよ』
『本当にすごいです』
魔法にはしゃいでいるミリアを見て、ご主人様は少し驚いて私に聞いてきた。
「ロクサーヌ。ミリアはなにを騒いでるんだ?」
「魔法も使えるなんて本当にすごいと言ってます」
「そうか...... まあ、内密にするよう言っておいてくれ」
「かしこまりました。ご主人様」
ご主人様は少し嬉しそうだった。
キッチンに戻り、料理をしながらミリアを教育した。
『ミリア、ご主人様が魔法を使えること、誰にも話してはいけませんよ』
『はい...... ご主人様のことは...... 殆ど何も話せないですね』
『確かにそうです。気を付けてくださいね』
『わかりました』
私がミリアを教育していると、セリーが話しかけてきた。
「ロクサーヌさん。スープには何を入れますか?」
「そうですね、芋とニンジン、あと豚肉を少々」
「では、私は葉野菜とタマネギ、あと、ロクサーヌさんのほうで余った豚肉を炒めますね」
「わかりました。ミリアには野菜の下ごしらえを手伝わせてから白身を焼くよう言っておきます」
「よろしくおねがいします」
私はミリアに料理の指示をだしながら、調理器具のブラヒム語を教えた。
『ミリア。料理をしながら調理器具のブラヒム語を教えますので、私のあとを復唱して覚えてください』
『わかりました』
「包丁です。包丁」
「......ほお......ちょう」
「包丁」
「ほうちょう」
ちゃんとしゃべれたのでミリアにうなずき、次の単語にする。
「鍋です。なべ」
「......なべ」
しばらくするとご主人様がキッチンに来た。
「ロクサーヌ、悪いな」
「いえ」
「ミリアもえらいぞ」
ご主人様は私とミリアのあたまをなでてから、二人の耳を触ってきた。
ご主人様って...... 耳フェチ?
そんなことを考えていると、ミリアが話し出した。
『ブラヒム語を覚えないと魚が食べられないので頑張ります』
「ブラヒム語を覚えないと魚が食べられないと言っています」
私が通訳するとご主人様は苦笑いした。
「そうか。また迷宮へ頼めるか」
「はい」
「ミリアも見学させてみるか」
「そのほうがいいでしょう」
『ミリア、今から迷宮に行きます。あなたは見学だけになるかもしれませんが、いつ魔物に襲われるかわかりませんので、気を抜かないようにしてください』
『わかりました。頑張ります』
『指示は必ず守ってください。わかりましたね』
『はい』
ミリアはやる気を見せているので...... たぶん問題ないわね。
「ご主人様、ミリアは大丈夫です。連れていけます」
「......わかった」
「私が火の番をしています」
「おねがいしますね、セリー」
「はい。ロクサーヌさん」
その後、ご主人様から防具を受け取り装着した。
「ミリアは見学だけしていればいいから、手はだすな」
ご主人様から注意があったので通訳する。
『ミリア、あなたは見学です。魔物には手を出さないように、とのことです』
『はい。わかりました』
『いいですね、絶対に指示にしたがってくださいね。フリじゃないですからね』
『はい。大丈夫です』
ミリアに念押ししてから迷宮に飛んだ。すると、またまたミリアが驚いた。
『すごい、本当に家から迷宮に飛べるんですね』
『そうですよ。ご主人様ですから。でも、内密にしなければいけませんからね』
『はい。大丈夫です』
「ご主人様、ここはどこですか?」
「ハルバーの迷宮11階層だ」
「わかりました。
ご主人様、こっちのほうからはミノのにおいだけがします。においが濃いので一匹ではないでしょう、たぶん三匹くらいではないかと思います」
「さすがだな。じゃあそっちで」
小部屋から移動するとすぐにミノ三匹が現れ、ご主人様が二匹を瞬殺、残り一匹の攻撃を私が回避しているとご主人様が横から攻撃して魔物を倒した。
ご主人様の圧倒的な強さを見てどういう反応をするのか気になりミリアを見てみると、キラキラした目で私を見つめていた。
『お姉ちゃん、すごいっ! どうやって攻撃をかわしてるの?』
『ミリア...... ご主人様のほうが凄いとは思わないのですか?』
『えっと。ご主人様はすごいですが、お姉ちゃんもすごいです』
『わかったわ、家に帰ったらどうやって回避したか教えてあげるから、迷宮では気を抜かないでね』
『はい』
ご主人様を見ると、微妙な顔をしていた。
「もう一回ぐらい頼めるか」
「はい。次はこちらのほうに魔物の匂いがします。ミノが二匹だと思います」
「わかった」
そのとき、ミリアが通路の先を指さして叫んだ。
『おねえちゃん。魚貯金があります』
『えっ、なんですか?』
『あそこに魚貯金があります』
「魚貯金?、があるそうです」
「......魔結晶か、すごい。よく見つけたな」
『ミリア、何で魚貯金っていうの?』
『えっと。むかし親から迷宮に入ってたくさん集めたら魚を食べさせてくれるって言われたので、魚貯金って言ってました』
「迷宮に入ってたくさん集めたら魚を食べさせると親から言われたそうです。だから魚貯金だと言っています」
「なるほど。あれを見つけるとは、さすがにミリアだな」
『ミリア、よく見つけましたね』
『私は暗くてもよくものが見えるんです』
「ミリアは暗い中でもよくものが見えるそうです」
「そうだったのか」
その後、魔結晶を拾い、ミノ二匹を倒してから家に帰ると、早速ミリアが聞いてきた。
『おねえちゃん。さっきやってた魔物のよけかたを教えてください』
『わかったわ。えっと、魔物がこう動いたら、からだをハッとこう動かす。ミリアもやってみなさい』
私がからだの動きを教えると、ミリアが動きをまねてきた。
『えっと。魔物がこう動いたら...... こうからだを動かす』
『ミリア、もっとこうよ』
『はい、こうですね』
『そうそう。何度も練習してからだに覚えこませなさい』
『はい』
ミリアは真剣な表情で練習しだした。
「ミリアはいい戦士になるかもしれません」
「そ、そうか」
ご主人様とセリーがこちらを見ていたので報告すると、なぜか二人に微妙な顔をされた。
えっと...... なぜ?
その後、食事を作っていると、お風呂を入れ終わったご主人様がキッチンに来た。
そして、私が作っているスープを見ながら何か考えていた。
「何でしょう?」
「まだ味付けはしてないな。ちょっともらっていいか」
「はい」
次に、ご主人様はレモンを2個ミリアにわたしながら搾らせたいと言ってきたので、
私は搾るよう通訳した。
私が通訳すると、ご主人様はミリアにブラヒム語を教えだした。
「しぼーる」
「......」
『ミリア、ご主人様はブラヒム語を教えてくれているので、ご主人様にならって復唱しなさい』
『はい。わかりました』
ご主人様はもう一度搾るしぐさをしながらミリアにブラヒム語を教えた。
「しぼーる」
「......しぼる」
ご主人様はいくつか単語を教えながら、焼き魚にかけるソースを作った。
その後、夕食を食べるあいだもミリアにブラヒム語を教え続けた。
しばらく食事しているとミリアは自分の魚を食べ終わり、ご主人様の皿に残った魚をじっと見つめた。
ご主人様はそんなミリアに皿を渡すと、嬉しそうに受け取ってひとくちで魚を食べた。
そして食べ終わると機嫌よくつぶやいた。
『おねえちゃん。私、ご主人様に買ってもらってよかったです』
『そうですよ。本当に優しいご主人様ですからね』
『はい』
ミリアがニッコリほほえんだ。
「ご主人様に購入してもらってよかったと言っています」
私が通訳すると、半分魚をとられてしまったご主人様は苦笑した。
その顔を見て、ミリアは少し焦ったのか言葉を付け加えた。
『わ、私は一生ご主人様につかえます』
「一生、ご主人様に仕えるそうです」
私が通訳すると、ご主人様は少しだけほほえんだ。
次にミリアは私やセリーの皿に残った魚を見つめだした。
『ミリア、はしたないので物欲しそうに見るんじゃありません。 はあ...... しかたがないですね』
私が魚を渡し、それを食べ終わると今度はセリーの皿を見だした。
結局セリーからも魚をもらい、ミリアは嬉しそうに食べていた。
食事が終わると、たくさん魚を食べてご満悦なようすのミリアにご主人様が話しかけた。
「十分食べたか」
『ミリア、じゅうぶん食べましたか?』
『はい。こんなに食べられるとは思いませんでした』
「こんなにいただけるとは思わなかったそうです」
「そうか」
「ミリアにはこのあと食器を洗っておくように言います。私は装備品の手入れをしますので」
「わかった。それが終わったら、風呂にはいるか」
私はご主人様から蜜蝋を受け取り、ミリアに話しかけた。
『ミリア、食器を洗ってください。それが終わったらお風呂に入ります。わかりましたか?』
ミリアは少し考えて、ブラヒム語で返事した。
「はい、おねえちゃん」
ご主人様はセリーに食器を渡しながらふたたびブラヒム語を教え始めた。
「皿」
「皿」
「ナイフ」
「ナイフ」
「洗う」
「洗う」
「皿を洗う」
「皿を洗う」
「あとでミリアを洗う」
「?」
『おねえちゃん。ご主人様は何て言ったの?』
『えっと。あとでミリアを洗うと言いました』
『えっ。ご主人様が私を洗うの?』
『そうですよ。お風呂では、私たちはご主人様に洗って頂きます』
『えっ。ホントに? 私は奴隷なのにそんなことしてもらってもいいの?』
『大丈夫よ。ご主人様は、私たちを石鹸で洗うのが好きですから』
『そうですか...... 恥ずかしいけど頑張ります。ところで...... 私は石鹸なんて見たことないけど、どういうものなんですか?』
『お風呂場に置いてありますよ。手鍋に入っています。水で濡らして泡立てて使いますからね』
『わかりました。見てきます』
ミリアはそう言うと、止める間もなくさっさと風呂場に行ってしまった。
そして、しばらくすると戻って来た。
『おねえちゃん。石鹸ってなんかヌルヌルします』
『おどろきましたか? お皿を洗う前に、ちゃんと手を洗ってくださいね』
『はい』
ミリアは興奮して話しながら、皿を洗いにキッチンにいってしまった。
気が付くと、ご主人様がミリアに視線を向けていたので、状況を説明した。
「石鹸が珍しいみたいです」
「そうか」
しばらくダイニングで私は装備品の手入れ、セリーがご主人様と話しながら鍛冶をしていると、皿を洗い終わったミリアが全裸でやってきた。
「ん?」
「えっ!」
『お皿は洗い終わりました。お風呂が楽しみです♪』
『ミ、ミリア、なぜ裸なのですか?』
『お風呂にはいるので脱ぎました』
『えっと。楽しみなのはわかりましたが、服は脱衣室で脱ぐのですよ』
『......はい』
ミリアは恥ずかしそうに私に答えながらも、ご主人様を期待した目で見つめていた。
どうやら彼女はキッチンで服を脱いでしまったことは恥ずかしいと思っているようだけど、ご主人様に裸を見られることは全く恥ずかしくないようだ。
「ご主人様、ミリアはお風呂が楽しみだそうです」
「そ、そうか......」
ご主人様は答えながらも、ミリアのからだに目が釘付けになっている。
彼は胸と股間に何度か視線を行き来させたあと、何故かハッとして私をチラ見し、次の瞬間ビクッ!とからだを震わせると、ゆっくりと視線をそらせた。
セリーはおどろきのあまりくちを半開きにしたままミリアを見ていたけど、しばらくしてご主人様に視線を向けるとジト目に変わった。
『ミリア、はしたないですよ。お風呂とお情けを頂くとき以外は裸にならないで下さい』
『ごめんなさい。水に入るのは得意なので...... つい......』
「えっと...... 水に入るのは得意だと言っています」
『魚がいたらつかまえます』
「えっと...... 魚がいたらつかまえるそうです」
「そ、そうか......」
ご主人様はミリアから視線をそらせていたけど、ミリアが堂々と答えると、チラッと視線を向けた。
「おお、尻尾だ」
ご主人様がつぶやくと、ミリアは視線から尻尾を見ていることに気づいたようだ。
『私は尻尾を動かせます』
ミリアはそう言うと、ご主人様にお尻を見せつけるようにからだを捻り、尻尾を動かした。
「私たち狼人族の尻尾と違って、動かせるそうです」
私が通訳すると、ご主人様は裸のミリアにブラヒム語を教えはじめた。
「尻尾」
「尻尾」
「動く」
「動く」
ミリアが全く恥ずかしがらずにご主人様の相手をしているので、私はセリーの方を向いて軽く肩をすくめ、お互いの作業を再開した。
そして、私は装備品の手入れを、セリーは鍛冶を手早く終わらせると、ご主人様はまだミリアの尻尾で遊んでいた。
「すみません。おまたせしました」
「じゃあお風呂にはいるか」
その後、脱衣室に移動して服を脱いでいると、ご主人様の視線を感じた。
ふふ。ご主人様、私を見てるわね。
さっきまでミリアに釘付けだったので、恥ずかしいけどちょっと嬉しい。
私は脱いだ服を脱衣室の棚に置き、ご主人様のほうに振りかえってわざと裸を見せつける。
以前はご主人様に裸を見られるのは顔から火が出るくらい恥ずかしかったけど、最近は慣れてしまったのか、むしろ見てほしいと思っているので、どこも隠さずに堂々と見せている。
ご主人様はそんな私の裸を見ると恥ずかしそうに目をそらせ、「じゃあ、みんなついてこい」って言うと、そそくさと風呂場に入っていった。
私はそんなご主人様を見て少し可愛いって思いながら、風呂場に入っていくのだった。
四人で風呂場にはいり、ご主人様に石鹸で私、セリー、ミリアの順でからだを洗っていただいた。
ミリアはご主人様の前に立つと、緊張しているためか、固まってしまった。
『か、覚悟は出来てます』
「覚悟はできているそうです」
「そうか」
ミリアはペコリとおじぎをしながら、ブラヒム語で話した。
「よ、よろしくおねがいします」
ご主人様はミリアの胸から洗い始め、全身をしっかりと洗った。
ミリアはご主人様が洗い終わるまで目をつぶり、固まったまま動かなかった。
ご主人様がミリアを洗い終わったので、次はご主人様のばんになった。
三人になったので、右にセリー、左にミリア、正面に私が付いてご主人様を挟み込んだ。
からだをこすりつけて洗い出すとご主人様のアレはすぐに硬くなったので、ご主人様の正面を洗い終わったあと、湯船からちょっとだけお湯をすくってアレについた泡を流した。
そして、右手でしごきながらさきっぽを舌でころがしてみた。
ご主人様は目をとじて暴発しないよう我慢していた。
しかし、しばらくするとアレが脈を打ったので瞬間的にさきっぽをくわえると、ご主人様は私のくちの中に果ててしまった。
「う、 ううっ...... ハァッ...... ハァッ」
私はくちの中いっぱいに広がった精液を一気に飲み込み、それからもう一度アレをくわえこんできれいに舐め尽くすと、ご主人様はすまなそうな顔をした。
「ろ、ロクサーヌ。すまない」
「いえ。ご主人様によろこんでいただけたのなら嬉しいです」
「気持ちよかった。ありがとう」
その後、お湯で石鹸の泡を洗い流し、湯船につかった。
ご主人様の左右はいつも通り私とセリーがつかり、ミリアはあお向けになってご主人様の足のほうに浮いていた。
ご主人様はミリアを気にしながらも、いつも通り私とセリーを抱き寄せた。そして、いつも通り胸を揉む。
私はご主人様のアレをさすりながら、からだが温まるまでお湯につかった。
お風呂からあがりからだを拭いていると、ミリアが顔を赤くして聞いてきた。
『おねえちゃん。その...... さっき飲んだのって...... おいしいの?』
『ふふ。おいしくはないわよ』
『えっと。くちに出されたら飲まなきゃいけないの?』
『そんなことはないわ。でもね、ふふ。私はご主人様によろこんでもらいたいので飲むようにしてるの』
『そうなんだ......』
ミリアは少し考えてから、また聞いてきた。
『あの、このあとって......』
『お情けを頂きます』
『そう...... だよね』
『怖いですか?』
『怖くない。商館で色々聞いて覚悟はしているので......
ただ、ご主人様のこと、まだよく知らないし、
あと...... 私はまだしたことがないので...... ご主人様に満足していただける自信がないし......』
『ご主人様はすごい人ですよ。それに、私たちを大切にしてくれます。だから安心しなさい。
それと、お情けのほうはご主人様が優しく導いてくれるから、あなたはご奉仕しようとか考えず、身を任せていれば大丈夫ですよ。
はじめは痛いかもしれませんが、少し我慢していれば気持ちよくなりますからね』
『......わかりました。頑張ります』
『わがやのルールを説明しておきます。よく聞いておいてください』
『はい』
『ネグリジェを着て寝室に行ったら、ご主人様からオヤスミのキスをしていただきます。
ミリア、セリー、私の順番です。
そのあとお情けを頂きます。私、セリー、ミリアの順番です。
ご主人様が元気な時は、2回目、3回目があることもあります。そのときも私、セリー、ミリアの順番です。
最後に、朝起きたらおはようのキスをします。それも私、セリー、ミリアの順番です。
覚えましたか?』
『えっと。はい。大丈夫です』
「ご主人様、ミリアにわがやのルールを教えましたので、今夜もよろしくお願いします」
「ロクサーヌ。ありがとう」
その夜、ご主人様は私たち三人を1回ずつ可愛がったあと、すぐに寝てしまった。
私はもう一度かわいがってほしかったけど、ご主人様に無理させてはいけないので我慢した。
少しするとご主人様の寝息が聞こえてきたのでミリアに話しかけた。
『ミリア...... 起きてますか?』
『......』
反応がない。ミリアは寝つきがいいようね。それとも疲れたのかな?
ミリアの反応がなかったので、こんどはセリーに話しかけた。
「セリー、起きてますか?」
「はい。起きてます。ミリアは寝たのですか?」
「そうみたいです。商館での教育も不十分でしたし、初めてのことばかりだったので、疲れたのでしょうね」
「そうですか...... ミリアはかなりいたがってましたけど、大丈夫でしょうか」
「初めてだからしかたないですよ。ちょっとかわいそうでしたけど、すぐに慣れるとおもいますよ」
「そうですか......」
私はセリーの言葉を聞きながら、先ほどのミリアの様子を思い出した。
ご主人様は私をうしろから、セリーとは向かい合う体位でたっぷり可愛がってくれた。
私たちが可愛がられる様子をミリアは顔を赤くしながら見ていたが、ご主人様とセリーの行為が終わると仰向けのまま動かなくなった。
これからお情けをいただくことを覚悟したみたいだ。
「次はミリアのばん」
ご主人様はミリアに声をかけ、仰向けでかたまっているミリアに覆いかぶさった。
ミリアは自分のばんというのがわかったらしく、バーナ語で小さくささやいた。
『や、優しくしてください』
ご主人様はバーナ語は分からないけど、ミリアのようすをみていわんとすることを理解したようだ。
ご主人様はそっとミリアにキスしてから、
からだを少しさげて胸を揉みながら乳首に吸い付いた。
「ん...... んん...... 」
ミリアは気持ちいいのを我慢するように、くちをまいちもんじに閉じている。
ご主人様はミリアの胸を可愛がり続けてから、さらにからだをさげてミリアの股間に顔をうずめ、秘部を舐めはじめた。
ミリアは一度からだをビクんと震わせたけど、そのあとは両手ともシーツをギュッと掴んだまま声をださずに耐えていた。
ご主人様はしばらく舌と指を使ってミリアの秘部をなぶり、
じゅうぶんとろけさせてから、からだをおこして両手で股をひらいた。
「ミリア、いれるぞ」
「......はい」
ご主人様はゆっくりミリアにアレを挿入したが、ぜんぶはいるとミリアがいたがりだした。
『い、痛いっ! い...... 痛い!』
ご主人様は私やセリーのときよりも痛がるミリアに困惑しながらも、ゆっくりと腰を上下に動かした。
ミリアは目に涙を浮かべながら、ご主人様が動くたびに
痛がっている。
ご主人様のアレは、破瓜の血と愛液で赤くテカっていて、ミリアの秘部につきたっている。
見るからにいたそうだ。
私は見かねてミリアに声をかけた。
『ミリア、最初は痛いけれどだんだん痛くなくなるから、頑張りなさい』
『い...... おねえちゃん。 痛い...... ムリ...... すごく痛い』
『大丈夫。必ず痛くなくなるから、もう少し我慢しなさい』
『......はい...... グスッ んん...... んぐ......』
するとご主人様から声がかかった。
「ロクサーヌ、やめたほうがいいか?」
「いえ、続けてください」
「だいぶいたがってるけど大丈夫なのか?」
「大丈夫です。初めてだから痛いのは当たり前ですし、必ず痛みはやわらいで、そして気持ちよくなります。
多少個人差はありますが、私とセリーがついてますからご主人様は最後まで続けてください」
「わかった」
ご主人様は再び腰を動かしはじめたが、ミリアは目の端に涙を浮かべながらも歯を食いしばって声を抑え、いたみに耐えていた。
私はミリアの右手をにぎり、声をかけた。
『ミリア。おねえちゃんがついてるから、あと少しだけがんばって』
『......はい』
気がつくと、ミリアの左手をセリーがにぎり、ミリアを見ながらうなずいていた。
それから少しすると、ご主人様の腰の動きが速くなり、ミリアのなかに果てて動かなくなった。
ミリアはご主人様が離れると、横向きになってからだを丸めた。
そして、ほほにはひとすじの涙がつたっていて、小さく震えている。
『よく頑張りました』
私はミリアの耳もとでささやいてから、軽くあたまをなでてあげた。
『......』
『ミリア、ご主人様とはいえ、今日会ったばかりでよく知らない男性に初めてをうばわれたのですから、泣きたくもなるでしょう。
私もそうだったから、あなたの気持ちはわかります』
『......おねえちゃんも......泣いたの?』
『ええ。 でも、ご主人様にはないしょですよ』
『......はい』
『ミリア、必ずこの人で良かったって思えるようになりますから...... 大丈夫ですからね』
『......はい』
ミリアは小さく返事をし、しばらくすると、震えがとまって呼吸が落ち着いた。
どうやら眠りについたようだ。
ミリアはだいぶいたがってたけど、最後は少しやわらいだみたい。このぶんなら次はほとんどいたがらないと思うけど...... あとは気持ちの問題かな。
早くご主人様のことを心から慕えるようになれればいいのだけど......
ミリアが眠ったので、私は休憩していたご主人様の隣に移動した。そして、「お待たせしました」と声をかけた。
すると、ご主人様はミリアに心配そうな視線を向けた。
「ミリアは大丈夫か?」
「落ち着いて眠りにつきましたので大丈夫です。何度かすれば痛みなんてなくなりますから、ご主人様が気に病む必要はありません」
「わかった。ロクサーヌ。これからもミリアのこと、頼むな」
「お任せください」
私が返事をすると、ご主人様はセリーに視線を向けた。
「セリーも頼むな」
「はい。お任せください」
セリーが返事をすると、ご主人様は「セリーもこっちへ」と言って彼女を隣に呼んだ。
ご主人様は私とセリーを左右に抱くと、「次は2人一緒に」と言ったので、一瞬彼女と目配せをして、彼に同時に御奉仕をはじめた。
そして、3人で満足いくまで楽しんだ。
その後、ご主人様が満足して眠ったので、私も先ほどのことを考えながら眠りにつこうとしていると、セリーが話しかけてきた。
「ロクサーヌさん。ミリアはだいぶ痛そうでしたけど、大丈夫でしょうか。ご主人様のことをキライにならないと良いのですが」
「まあ大丈夫でしょう。ミリアのことだから、明日の朝にはいたかったことは忘れてしまっていると思いますよ。キライには、私がさせません。ふふっ」
「そうですか。
確かに...... 彼女ならすぐに忘れそうな気もします。
ミリアの教育は大変かもしれませんね」
「そうですね...... セリー、今更ですが、ミリアを仲間にしてよかったと思いますか?」
「はい。今日見た中では一番いい子だったと思います。かわいいし、素直そうだし、ロクサーヌさんもそう思いませんでしたか?」
「ふふ。少しあたまはよわそうですけど、素直で明るくて、いい子ですね」
「それに、猫人族ですし」
「そうですね。猫人族ですし」
私とセリーはお互いにクスッと笑い、それからも少しだけお話しした。