ロクサーヌの想い   作:龍いち

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巫女になりました(前編)

わたしの名はロクサーヌ。

狼人族で16才の獣戦士、そしてご主人様(加賀道夫)の一番奴隷。

 

大好きなご主人様と可愛い後輩奴隷のセリー、ミリア、ベスタの5人で、クーラタルの一軒屋でしあわせにくらしている。

 

お仕事は迷宮探索。

5人で毎日迷宮に潜り、魔物を倒してドロップアイテムを拾い、それを売って生活している。

 

 

3番奴隷のミリアが仲間になる少し前。

朝食を取りながら雑談していたとき、セリーの武器をレベルアップするという話になった。

そのとき、ご主人様が「パーティーメンバーを増やすには前衛の方が選択肢が多いはずだ。

槍なら後ろから突く形も取れる。セリーには回復役をやってもらうという手もある。

槍の方がいろいろと柔軟に応用が利くだろう」と言いだした。

 

すると、セリーが「えっと。私は巫女にはなれませんでしたが」と申し訳なさそうにつぶやいた。

 

巫女......それは女性探索者が憧れるジョブ。

 

以前セリーは鍛冶師に成れなかったあと、家族には内緒で神官ギルドで修行した。

でも、結局巫女には成れなかったと言っていた。

そのとき私は巫女には希望者の半数も成れないと言って彼女を慰めたのだけど、出来ることなら私も修行して巫女への転職に挑戦してみたいと思ったものだ。

 

ご主人様はセリーを慰めるように、「鍛冶師にもなれたんだから、心配するな」と伝えると、彼女は「はい……。がんばります」と小声で返事をしながらあたまをさげた。

 

はじめに巫女の話をしたときはセリーは探索者だったので、“巫女になれるよう頑張ります”って言っていたけど、今や彼女は憧れだった鍛冶師になり、装備品の製作やモンスターカードの融合で活躍し始めている。

セリーが巫女を目指したのは、鍛冶師に成れなかったから第2希望としてであって、今更転職したい訳ではないだろう。

ご主人様はパーティーメンバーのジョブを変更出来るから、迷宮では巫女、家では鍛冶師ということも出来るだろうけど、そうすると迷宮ではパーティーが強くなる恩恵が受けられない。

それなら......

 

「ご主人様。回復役は前衛がやるという手もあります」

「そうなのか?」

「はい。僧侶や巫女は、必ずしも後衛のジョブというだけではありません。特に少人数で迷宮に入る場合には僧侶のジョブを取る人も多くいます」

 

「殴れて回復もできるからか」

「先頭に立って戦いながら仲間の回復もこなす。迷宮に入ろうとする者が憧れる姿です」

 

私が答えるとご主人様は少し考え、「まあ回復役については今後のことだ。今はまだ俺の回復で間に合っているしな」と言って、そのときは巫女のことは一旦保留となった。

 

◆ ◆ ◆

 

それから2ヶ月の月日が流れた。

 

私たちの環境はだいぶ変わり、クーラタルの家自体は変わらないけど、ミリアとベスタが仲間になって今では5人で暮らしている。

そして、迷宮のほうもクーラタルは21階層、ベイルは11階層、ハルバーは22階層、ターレは13階層、ボーデは12階層を探索するようになっている。

 

私たちは5人だけど、セリー曰く「中堅どころのパーティーのなかでも上位の力を付けている」とのことだ。

 

22階層では無理なく戦えるし、自分たちがメキメキと強くなっている自覚もある。

ただ、安全重視というご主人様の方針があるので、一足飛びにうえの階層に進むことがない。

だから22階層までしか到達していないのだ。

 

23階層からは、魔物の強さが一段階あがると言われているけど、今の私たちならきっと十分戦えるだろう。

 

 

その日、ハルバーの迷宮22階層で探索を行い、3つ目の尾頭付きを拾うと、ご主人様は本日の探索を切りあげて帝都の服屋に行くと言いだした。

 

「ベスタのメイド服ですか?」

「そうだ。今日が予定日だから取りに行く」

「かしこまりました」

「わかりました」

「はい。です」

「ありがとうございます」

私たちが全員了承(ベスタは感謝)すると、ご主人様はワープゲートを開いた。

 

帝都の冒険者ギルドにワープして、服屋まで歩いて移動すると、たくさんの視線を感じた。

私はご主人様とセリーから、「注目を集めている自覚が足りない」と何度も注意されたので、街中では出来るだけ人の視線を気にするようにしているのだ。

 

以前は人から見られているなんてまったく考えたことはなかったけど、言われて視線を気にしてみると、私は思った以上にいろんな人から見られていた。

しょうじき自分でも、よく今まで気づかなかったものだと少し呆れてしまったものである。

 

気にしてみると、男の半数はイヤらしい目で、女の半数は睨みつけるような目で、私を見ていた。

でも、残りの人たちは一瞬私を見ても特に気にした様子はなく、私の前を素通りしている。

なので、私は2人に「私を見ても半数の人は気にしていません。だから、そんなに心配しなくてもよろしいのでは?」と伝えた。

すると、ご主人様からは「はぁ〜。あのなあ。それは、男の半分はロクサーヌにイヤらしい感情を抱いているってことだぞ。俺はロクサーヌが他の男と話すだけでも良い気分はしないからな」と怒られ、セリーからも「それは女性の半分はロクサーヌさんの容姿を見ただけで嫉妬しているってことですよ。バラダム家のアノ女のように。

また決闘騒ぎにでもなって、ご主人様に迷惑をかけることになったらどうするつもりですか?」と怒られてしまった。

 

そんなことがあったので、私はご主人様にピッタリと寄り添って腕をつかみ、知らない人から声を掛けられないようにしている。

 

別に声を掛けられたからといって、愛するご主人様のそばから離れることなんて微塵も無いのだけど、みんなから“そうしろ”と言われるので、喜んで寄り添わさせてもらっている。

自分で言うのはちょっと恥ずかしいけど、このときばかりは美人で良かったって思ってしまう。

 

そんな訳で、街中に出るときは私は公然とご主人様との恋人気分を満喫出来るのだけれど、今日は5分も掛からず目的地に着いてしまった。

 

残念だけど仕方がない。

 

私はご主人様の腕を離して、ご主人様のあとについて服屋の入口をくぐった。

 

◆ ◆ ◆

 

「いらっしゃいませ。服は出来上がっております。少々お待ちください」

私たちが店に入ると、すぐに初老の男性店員が気がついて声を掛けてきた。

 

何度も服を買っているし、エプロンやメイド服をオーダーメイドで作らせているので、ご主人様は上客という扱いなんだろう。

実際他にも客はいるけれど、この店の店員は客の近くに控えるだけで自分から声を掛けてはいないようだ。

 

カウンターに移動して、初老の男性店員がメイド服を持ってくるのを待っていると、ご主人様が店の奥のほうをじっと見ていることに気づいた。

 

「あの。何かありましたか?」

「いや、あの奥に掛かっている服。あれはガウンか?」

「えっと、ガウンですか?」

 

ご主人様に言われて店の奥を見ると、真っ白で見るからに薄手の服が掛かっていた。

しかし、服にしてはまったく飾り気がなく何よりちょっと布が大き過ぎる。

あれでは体に軽く巻き付けないと着れないのでは?

それともすごく太っている人の服なのか......。

 

横に掛かっている、服と同じ素材の薄手の白い紐で結んで着るような気がするけど、あのような変わった形の服は見たことがない。

ガウンと言われればそんな気もするけれど、あの薄さだと、カラダのラインが透けて見えてしまうだろう。

偏見かも知れないけど、なんとなく下着のような気がする。

 

「どうでしょうか......」

「わからんか......」

ちょっと考えたけど、結局確証が持てずに私が曖昧に返事をすると、セリーが少し言いづらそうに話しだした。

 

「えっと。あれは」

「お。セリーは知ってるのか」

「神官ギルドで巫女になろうとする志願者に貸し出される衣装です。巫女服の一部をアレンジしたものだとか」

「ほう。巫女服だったのか」

「ずいぶん薄手の服ですけど、普通の服の上から羽織るのですか?」

「いえ。あれ1枚だけを身に着けます」

「えっ!あれだけですか?」

「そうです。あの服は滝に打たれる修行で使います。

滝行といいますが、ずぶ濡れになる修行ですので昔は裸で行っていたそうです」

「そうなのですか」

「はい。今では女性はあの服を着るようになりましたけど、男性は今でも肌着1枚か、ギルドによっては裸で修行を受けるそうです」

 

私たちが奥の服を見ながら話していると、メイド服を持ってきた初老の男性店員が会話に割り込んできた。

 

「あちらは、さる家のご息女が巫女を志すので作った衣装でございます」

「やはりそうか」

「当店で仕立てさせていただければ、絹を使った柔らかな着心地の、本人の体に合った衣装をご用意できます。神官や巫女になる修行は、滝に打たれる荒行でございますから。スタイリッシュで、機能性、ファッション性に優れた一品となります。頼まれるかたも結構いらっしゃいます。いかがでしょう」

「まあ機会があればな」

初老の男性店員は熱心に売り込んだけど、ご主人様に素っ気なく返された。

 

「ふふっ」私は思わず笑ってしまった。

いつもいつも思い通りにはならないわよ。

 

この店員は口がうまい。

ご主人様はいつも言い負かされ、提案されるがまま高い服を買わされている。

ご主人様が買うのは私たちの服だから、良い服だし嬉しいのは嬉しいのだけど、なんだかいつもこの店員には負けている気がしていた。

でも、今日はご主人様は負けなかった。

この店員の提案を軽くあしらったのだ。

 

気づくとセリーもクスッと笑い、ミリアとベスタもニコニコしていた。

ちょっと良い気分だ。

 

と、思っていたらこの店員はご主人様に近づき、小声でささやいた。

「ギルドでの滝修行は男女別で行われます。濡れる修行ですので透けてからだのラインが見えてしまいますが、下もちゃんと着込みますから、問題ありません。

下は着ない場合もあるそうですが」

「そ、そうなのか......」

 

私はすぐ隣りにいたので聞こえたけど、他のみんなには聞こえなかったみたいだ。

 

下は着ない? ......?!

このオジサンなんてことを言ってるの!

濡れて透けるのに肌着を着ないなんて、そんなことあるわけ無いでしょ!

この初老の男性店員は、あたまがオカシイのでは?

 

はぁ~。まったく話にならないわね。

そう思って肩をすくめ、隣にいるご主人様を見ると、驚愕の表情を浮かべていた。

えっ?!どういうこと?

私は一瞬考えて、そしてこの言葉の真の意味に気がついた。

 

ご主人様は驚きが収まると、その顔がニヤニヤしだした。

そして、「濡れて透けるか......」とか、「着なくても良いのか......」とか、ブツブツ独り言を言っている。

 

しまった。遅かった。

 

先にご主人様が一度軽くあしらったから、初老の男性店員がもうアノ服を勧めることは無いだろうと思い込んでいた。

油断した。

ご主人様...... やっぱり買うなんて言い出さないですよね?

 

ちょっと焦っている私に構うことなく、ご主人様は「そうか。近いうちにまた来るかもな」と初老の男性店員に告げ、スタスタと出口に向かった。

 

私たちは慌ててご主人様のうしろに付き、一緒に店を出ようとすると、背中からあの店員が「お待ちしております」と声を掛けてきた。

ちらっと振り返ると深々とお辞儀をしていた。

一見礼儀正しい態度だけど、よく見ると口の端が笑っている。

ムッ!なんだかあたまにくる!

今日は注文は受けられなかったから戦術的には負けたけど、将来への布石が打てたから、戦略的には勝ったつもりなんだろう。

モヤモヤするけど街中に出てしまったので、服屋でのことは一旦忘れることにした。

 

私はご主人様に寄り添って、遠慮なく腕に絡みついた。

するとご主人様はちょっと顔を赤らめて、恥ずかしくも嬉しいというような表情を浮かべてくれた。

私は“ご主人様。その表情は反則です!”って叫びたくなり、そしてキスしたくなる衝動を必死に抑える。

ご主人様のくちびるから目が離れなくなり、熱い吐息が出てしまう。

苦しい。街中じゃなければ飛びついているのに。

 

恋人気分を満喫出来るのはすごく嬉しいし、こんなことを言ったらみんなに怒られそうだけど、こんな生殺しのような状況で我慢し続けるのは頭がおかしくなりそうで、拷問されているのと変わらない気がする。

 

私は全力で衝動を抑えながら、冒険者ギルドまでの道のりを歩いた。

 

◆ ◆ ◆

 

帝都の冒険者ギルドからワープして帰宅したので、私、セリー、ミリアの3人は装備品を外してダイニングテーブルに置くと、ご主人様とベスタを残して衣裳部屋に移動した。

そしてメイド服を取って戻り、ご主人様に声を掛けた。

 

「では着替えますね」

「えっ?」

ご主人様は首をかしげたけど、私たち3人が構わず服を脱ぎはじめると、慌てて止めに入った。

「待て待て待て。落ち着け、ロクサーヌ」

「どうかしましたか?」

「まだ早いだろう」

「えっ?!でも、いつもは......」

「いや。食事の後、身体を拭いてからでいい」

「そ、そんな...... 私...... もう我慢が......」

「その、今からすると、終わるころには日が暮れてしまう。夕食を作らなきゃいけないし、食材も買いに行かなきゃいけない。 

だから、お楽しみは夜までとっておく」

 

私はすっかりその気になっていて、恥ずかしいけど少し濡れはじめていた。

なので、ご主人様の夜までおあずけ宣言に目の前が真っ暗になった。

「そう、ですか......」

 

「ロクサーヌ。悪いな」

「いえ。ご主人様が謝る必要はありません。私が勝手に期待してしまったのがいけないのですから......」

私がうつむいて謝罪すると、ご主人様はスッと近づいて私を抱き寄せた。

そして、「我慢出来なくなるから、これ以上誘惑しないでくれ」と優しい声音で小さくささやいた。

突然のことだったので私は驚き、「は、はい」と返事をすると、ご主人様は苦笑気味に顔をゆがめながらスッと離れた。

 

その後、ご主人様はセリー、ミリアの順に抱き寄せながら何かをささやくと、セリーは真っ赤になって小さく「はい」と答えてうつむいたけど、ミリアは「はい。です」と元気よく返事をして、そして胸を張っていた。

 

ちょっとボーッとしながら見ていたので、ご主人様が彼女たちに何を言っていたのか聞こえなかったのだけど、セリーの対応は完璧ね。

ご主人様はセリーを離したあと、名残惜しそうにしていたわ。

 

ミリアはご主人様から言われたことの意味が、半分わからなかったみたいね。

彼女はご主人様から目をそらしているし、額には汗が浮かんでいる。

それに、返事を聞いたご主人様も、なんとも言えない微妙な表情を浮かべているわね。 

空気を読んだつもりだったのかも知れないけど、残念ながら今回はハズレたようね。

 

最後にご主人様はベスタに抱きついて胸のあいだに顔をうずめた。

背が高いから、抱き寄せるという感じにはならないわね。

ご主人様は、「あとで楽しみにしている」と言うと、彼女はほとんど表情を変えずに「かしこまりました」と生真面目に答えた。

うーん...こっちはこっちで問題ね。

 

◆ ◆ ◆

 

ご主人様は義務感でお情けを頂こうとしてもらいたいとは思っていない。

あくまで一緒に気持ちよくなりたいと思っているし、なんなら私たちをいっぱい気持ち良くさせたいと思っている。

だから、私たちが寝てしまったり、体調が悪いときに、無理矢理するなんてことはないのだ。

 

つい先日のことだけど、お情けを頂いたあと、久しぶりに寝ながらご主人様とお話しした。

 

まだご主人様と二人っきりだったころは、お情けを頂いたあとに眠るまでよく話をしたものだし、なんだか盛りあがってもう一度してしまうこともあったけど、セリーが仲間になってからは一度もなかった。

2人相手に何度もするので、ご主人様は終わるとすぐに眠ってしまうようになってしまったからだと思っていたけれど、私とセリーが二人で話す機会を作って、早く仲良くなってほしいという想いもあったらしい。

 

その後、ミリア、ベスタと仲間が増えてしまったので、尚更こうやって話す機会はなかったのだ。

 

そのときに聞いたことだけど、じつはご主人様は私の初めてを奪ったあと、眠りについた自分の隣で私が泣いていたことに気づいていた。

自分が私の初めてを奪ったことが原因だとわかっていたし、慰めの言葉を掛けたくても何を話せば良いのか見当もつかなかったから、結局気づかない振りするしかなかったとのこと。

なのでそのときは、すごく罪悪感をいだきながら眠りについたって言っていた。

 

それからもしばらく話を続けた。

 

「あのときはロクサーヌの魅力に負けて、自分の欲望を押しつけてしまった。本当に済まなかった」

「ご主人様がそのように思われていたなんて......

私のほうこそすみませんでした。

ご主人様は私を性奴隷としてお買いくださったのに、私の覚悟が足りなかった為に、お気持ちを煩わせてしまっていたなんて」

「いや、その覚悟は間違っている。

嫌なことはどんなに気持ちを誤魔化しても良くなるはずはない。その後に良い思い出になることはあっても、そのときその瞬間は、耐え難いことだった。

だから涙を流した。違うか?」

「その通りですけど、今は幸せですよ。

だから、ご主人様に初めてをもらって頂いたことは私にとっては良かったのです。

今更過去を蒸し返しても意味はないですし、何か思うところがあるのでしたら、これから気をつければ良いことです」

「ありがとう。そう言ってくれると気持ちが軽くなるよ。

俺はロクサーヌを愛しているし、他のみんなも大好きだ。形式としては主人と奴隷というかたちだが、俺は家族だと思っている。

だから、皆が嫌がることはしないつもりだし、これから仲間になる人には、出来れば最初から嫌がられることはしたくない」

 

「ありがとうございます。ですが、もし最後のひとりがお情けを受けることを嫌がったらどうしますか?」

ご主人様がこっそりメンバー増員の可能性を示唆したので、私は次が最後のひとりであることを強調しながらちょっとイジワルなことを言ってみた。

 

「うーん。それは困るなぁ~。まあ、気長に受け入れてもらえるのを待つか、待っても無理なら諦めるかな」

「えっ!待てるのですか?!」

「いやいや。たぶん待てると思うぞ。

ロクサーヌと2人だけのときはまったく余裕がなくて我慢出来なかったけど、今なら皆がいるし、何よりロクサーヌがいるからまったく困らないしな」

「はい。もしそうなったら、その時はお任せください」

「はははは。ありがとう」

 

ちょっと脱線してしまったけど......

つまり、ご主人様は私たちが望まなければ、お情けを掛けられなくても仕方がないと考えている。

 

だからこそ、ベスタの答えは微妙だわ。

 

案の定、ご主人様はベスタの心情を測りかね、どう反応したら良いのか分からずに困っているみたい。

救いを求めるような表情で、私のほうを向いてるし......

 

私は一度肩をすくめてからコクリと小さくうなずくと、

ご主人様は安心したようにホッと息を吐いた。

 

ご主人様は改めて私たちに向かい、「今から夕食の食材を買いに行く。夕食のあと風呂に入る。メイド服を着るのはその後だ」と宣言した。

 

◆ ◆ ◆

 

私たちが落ち着くと、夕食の話になった。

 

「夕食は天ぷらにする。あとは皆に任せる。

白身がたくさんあるから、足りない物を考えてくれ」

「わかりました」

 

「みんな。あとはどうします?」

「そうですね。炒め物で良いのでは?確か玉ねぎの買い置きがありましたよね」

「ありましたね。では、それ以外の炒め物にあう食材を買いましょう。あとでご主人様に兎の肉を頂いて、肉野菜炒めで良いですね」

「そうしましょう」

「炒め物。です」

「良いと思います」

 

「スープも欲しくないですか?」

「そうですね。ハーブティーでは寂しい気がしますので、あっさりした味のスープがあったほうが良いと思います」

「では、トマトベースのスープで良いですか?」

「そうですね。葉野菜を具にして薄味に仕上げましょう」

「そうですね。それで良いでしょう」

「じゃあ決まりということで」

「スープ。です」

「それも良いと思います」

 

「では、肉野菜炒めとトマトスープにします」

4人で話したのだけど、結局私とセリーで内容を決めてミリアとベスタは追従しただけだ。

ミリアは白身以外は興味が無いから仕方がないとして、問題はベスタね。

 

彼女に主体性を持たせるにはどうすれば良いのか......

従順過ぎるからといって、反抗させる訳にもいかないし...... 

悩ましい問題ね。

 

その後、ご主人様にメニューが決まったことを伝え、みんなで食材を買いにまちに出た。

 

◆ ◆ ◆

 

「巫女になるのに修行する滝は、どこの滝でもいいのか?」

夕食中、ご主人様は天ぷらを揚げながらセリーに話しかけた。

セリーが神官ギルドによって修行する場所は決まっているけど滝自体には特に条件が無いことを説明すると、ご主人様は滝行する為に神官ギルドの修行場ではない滝がどこかに無いか、私たちに聞いてきた。

 

すると、ミリアがサッと手をあげて「知ってる、です」と言って胸を張った。

ミリアは白身の天ぷらに夢中になっていて話を聞いてないと思っていたので二重の意味で驚いていると、ご主人様に聞かれて彼女は滝について話しはじめた。

しかし、ブラヒム語がまだ十分話せないので、「釣り」とか、「このあいだ」とか、カタコトになってしまい、結局バーナ語で私に通訳を求めてきた。

私はミリアに『お魚を頂いているのだから、もう少し頑張ってね』と軽く注意してから、彼女から聞き出したことをみんなに通訳した。

 

「先日休みをいただいて釣りをしたとき、近くに滝があるという話を聞いたそうです」

「はい、です」

「ほう。あの港の近くに滝があるのか」

「少し前まで神官ギルドが修行場として使っていた滝があるそうです」

「川魚、釣れる、です」

 

「ハハハハ。魚はともかく修行場として使っていたのならさらに大丈夫か。

なんで使わなくなったかが問題だが......」

「危ない、です」

「危ない?崖崩れでもあったのか?」

「たぶん魔物が出るようになって使われなくなったのでしょう。よくあることです」

「そうなのか?ハーフェンはハルツ公爵領だろう?あそこに迷宮があるなんて聞いてないが」

 

「迷宮自体が領外にあるか、何らかの事情により公には隠されているのかも知れません」

「隠されることなんてあるのか?」

「すみません 。可能性の話です」

「そうか。ところで魔物のせいで修行場が使われなくなるなんてことがあるのか?」

「はい。迷宮討伐が進まずに強力な魔物が出るようになり、 滅びた町もありますので。

そうなると当然 ギルドも撤退します」

「町がなければギルドは撤退するのか?」

「はい。ギルドの人たちも生活しなければいけませんからね」

「確かにそうだな。となると問題は魔物か」

 

「魔物なら倒せば良いだけです」

「強力な魔物と言っても迷宮の中ほど強い訳ではありません。一般人には脅威ですが、私たちなら問題ないかも知れません」

「そ、そうか。2人がそう言うなら...... それなら使えそうかな。

まあ、一度見てみないと分からないが......」

「そうですね」

「そう思います」

「見る、です」

「私も見なければわからないと思います」

「わかった。今すぐにという訳ではないが、一度見に行くことにする。ミリア、そのときは案内を頼む」

「はい。です」

 

◆ ◆ ◆

 

夕食が終わりお風呂に入ったあと、私たちは肌着を着けてからメイド服を持ってダイニングに降りた。

そして、メイド服を着用し、並んでご主人様をお待ちした。

 

降りるときに、「下で着替えますので迎えに来て下さい」とご主人様に言うと、「えっ?」とボケていたけれど、ダイニングにきたご主人様に「お願いします」と言うと、すぐに納得したようだ。

ご主人様は「じゃあ、ロクサーヌから」と言って、私をお姫様抱っこして階段をあがり、寝室に運んでくれた。

その後、セリーとミリアも運んでもらい、ベスタの番になった。

 

メイド服を着ている時、さすがにベスタは重たいかな?と思ったけど、彼女だけ仲間はずれにする訳にはいかないし、楽しそうに着替えている彼女に体重の話なんて出来るわけもなかった。

ご主人様なら何とかしてくれるとは思っていたけど、一抹の不安があったので、ご主人様がベスタをお姫様抱っこして、雑談しながら寝室に入ってきたのを見たときはしょうじきホッとした。

 

ご主人様は背が高い訳ではなくからだが大きい訳でもないが、毎日迷宮で鍛えていることもあり、からだは引き締まっている。

少し前にクーラタルのまちなかで絡まれたときは、相手を殴って3mくらい飛ばしていた。

パッと見強そうには見えないけど、じつはかなり力が強いのだ。

 

それでも、顔色ひとつ変えずにベスタを抱っこして、階段をあがってくるとは思わなかった。

なぜなら彼女は私の倍くらい体重があるのだから。

 

私は改めてご主人様の力強さに感服した。

 

寝室にみんなが揃ったので、私はご主人様に宣言した。

「ご主人様。こよいはわたくしたち4人でご奉仕させていただきます」

「ご主人様はわたくしたちに御身をゆだね、気持ちよくなってくださいませ」

「うむ。期待している」

 

私はご主人様の上着を脱がし、セリーはズボンと肌着を脱がした。

ご主人様が裸になると、私はご主人様の正面に立ち、背中のボタンをセリーが外す。そして、メイド服と肌着を脱いで裸になる。

すると、ご主人様のアレがムクムクと立ちあがり、硬くそびえ立つ。

 

次にセリーがご主人様の正面に立ち、背中のボタンをミリアが外す。そして、メイド服と肌着を脱いで裸になる。

ご主人様のアレは完全にそり返り、戦闘態勢となっている。

 

次にミリアがご主人様の正面に立ち、背中のボタンをベスタが外す。そして、メイド服と肌着を脱いで裸になる。

ご主人様のアレは小刻みに震えだしている。たぶん入れたくて仕方がないのだろう。

 

最後にベスタがご主人様の正面に立ち、背中のボタンを私が外す。そして、メイド服と肌着を脱いで裸になる。

ご主人様のアレは震えが大きくなり、先端からうっすら液体が漏れ出ている。

もう暴発寸前の状態だ。

 

ご主人様の目は血走りはじめ、まるで抑えつけられた獣のようだ。

でも、それは私たち4人も同じだった。

愛撫されてもいないのに、 4人ともすでに秘部から愛液が溢れ出し、ご主人様を受け入れる準備ができている。

たぶんこの状況に酔ってしまったのだろう。

 

次の瞬間、私たちは我慢の限界を超えてしまい、ご主人様に一斉に襲い掛かった。

私はご主人様をベッドに押し倒すと、上にまたがって一気に挿入した。

 

ズチュッ!という音を響かせながらご主人様のアレを迎え入れると、ご主人様から「うっ!」という声が漏れ、私の全身は歓喜で震えた。

私はご主人様に覆いかぶさるようにして一度キスをし、それからからだを起こしてご主人様を見下ろした。

 

「ふふっ。ご主人様。すぐにイカないでくださいね♥」

私はご主人様にひと声かけ、跳ねるようにパンッ!パンッ!と腰を打ちつけはじめた。

すると、ご主人様は両手でグッとシーツを掴み、瞬殺でイかされてしまうのを必死に我慢した。

 

「クッ!ロクサーヌッ! スゴっ! ウッ! クッ!」

ご主人様は目は血走らせて耐えているけれど、短く喘ぐ声が止まらない。

私はご主人様のアレが子宮に当たるのを感じながら、嬌声をあげて何度も腰を打ちつけた。

ご主人様が「うっ...... くっ......」と短く喘ぎながらもイカないように耐えていると、セリーがご主人様の唇に吸い付いて、激しく舌を絡めはじめた。

そして、ミリアはご主人様の右の乳首を、ベスタは左の乳首を舐めはじめる。

 

ご主人様はみんなに覆われて身動きが取れずにもがいていたけど、一瞬からだが硬直すると、次の瞬間にビクッ!ビクッ!とからだを震わせながら、私の中に精子を注ぎ込んだ。

 

ご主人様はイッてしまったけど、私はまだ満足出来ていない。

もっと...... もっとご主人様が欲しい! 

ご主人様...... もっと...... もっと私を気持ち良くさせて!

「あんっ♥ご主人様、はや~い。もっと頑張って♥」

 

気づくと私は果てたばかりのご主人様に、いつもは絶対にしない相手を子供扱いするような言葉をささやいていた。

そして、ご主人様のアレが私のなかで萎んでしまっていることはわかっていたけど、構わず腰の打ちつけを再開した。

 

以前商館で性奴隷としての教育を受けたとき、お情けをいただく際の技術を習わされた。

そのとき、主人を悦ばせる為の言葉やその使いかたも同時に習わされていた。

私は性奴隷になることは承諾していたけど、心から受け入れていた訳ではなかったので、技術のほうはいつか使うことになるかも知れないけど、あんな言葉遣いは絶対にしないと思っていた。

 

なので、ご主人様に腰を打ちつけながら、内心では“なんでこんな言葉がでてしまったの?”とか、“ご主人様は怒った?”とか、色々考えて動揺していた。

でも、ご主人様には効果があったみたいだ。

 

ご主人様は少しのあいだ私に蹂躙されていたけど、急に気配が変わった。

一瞬まるで野獣のような猛々しい気配がご主人様から伝わってきたので背筋がゾクッとすると、ご主人様のアレが私の中でムクムクと大きくなり、そり返り、そして硬くなった。

 

私の言葉で怒ってしまったのかも知れないけど、ご主人様のアレは大きくなったから気持ち良くなって頂けているはず。

だから、ひとまず良しとしておこう。

 

でも、あとでしっかり謝らないといけないわね。

私は今一つ集中出来ずにそんなことを考えていたのだけど、私は甘かったようだ。

ただそれは、ご主人様に許してもらえない状況になっていたなんてことではなく、ご主人様の精力を過小評価していたという意味でだ。

なんとご主人様のアレが、私のなかで更に大きくなりはじめたのだ。

 

「なっ!」思わず驚きの声が漏れた。

す、すごい! どんどん大きくなってる!

私の秘部は今まで以上に押し広げられ、ミチミチと悲鳴をあげている。

そんな!さっきよりも全然大きい!それにすごく硬い!

このままじゃ、こ、壊れちゃうっ!

 

「あひぃっ! なっ! ああっ! ああああっ!」

精液のせいで滑りやすくなった為なのか、それとも色魔の能力なのか?

ご主人様のアレはさっきよりも奥まで届くようになり、子宮のなかまで入ってきた。

 

さっきよりも太くて硬いアレが、さっきよりも奥まで入ってくる。

気持ち良すぎてひと突きされるごとにイキそうになり、私の秘部は私の意思とは関係なく、ご主人様のアレを離すまいとギュウギュウと締めつけだしている。

 

さっきまでは私が主導権を握ってご主人様を気持ち良くさせていたのに、今は何故か、私の意思とは関係なく腰が動いてしまっている。

しかも、ひと突きひと突きがさっきよりも力強く、私は一気に登りつめていく。

「ごしゅっ! あっ! ダメッ! ああっ! イクッ! イッちゃう!」

 

私はイカないように我慢していたけど、すぐに限界がきて絶頂をむかえてしまった。

「あっ! イクッ! ああああああああっ!」

私はご主人様の上でのけぞってビクン!ビクン!と痙攣し、その後一気にからだの力が抜けた。

 

すごい。気持ち良すぎる。そして、とても幸せ♥

私は幸福感に包まれながら、最後の力を振り絞ってご主人様の上からどこうとした。

だけど、私の意思に反してまた腰が動きはじめた。

そして、再び秘部がご主人様のアレを締めつけはじめる。

 

そして気がついた。

私は腰をガッチリ掴まれて、ご主人様に下からガンガン突きあげられていた。

私の意思で腰を振っているのではなく、強制的に振らされている。

いつの間にか主導権がご主人様に移っていたのだ。

 

「ごしゅっ! ダメッ! あっ! イクッ! ああああああああっ!」

私は一気に登りつめ、2度目の絶頂をむかえた。

ご主人様の上でビクン!ビクン!と痙攣し、ガクッとからだから力が抜ける。

しかし、ご主人様は私を解放せずに、下からガンガン突き続けた。

そして、それから2度、3度とイカされるたびにイク間隔が短くなり、ついにはイキ続けるようになってしまった。

 

ご主人様は腰を動かしながら、よがり狂う私に声を掛ける。

「クッ! ロクサーヌ。 いいかっ! コレがいいのかっ!」

「ああっ! イクッ! ああああああああっ! 

ハァッ! あっ! またイクッ! ああああああああっ! 

イッ! ああっ! イクッ! ああああああああっ!」

「ロクサーヌッ! もっとだ! もっとイケッ!」

「ごしゅっ! ダメッ! イクッ! イクッ! イッちゃう! ああああああああっ!

ダメッ! もうダメッ! 壊れちゃうっ! ああああああああっ!

ダメッ! シヌッ! 死んじゃうっ! ああっ! ああああああああっ!」

 

イキ過ぎて意識が朦朧となり、私は意識が飛びそうになったけど、その前にご主人様が限界を迎えた。

「ロクサーヌッ! イ、イクぞっ! ......クッ! クハッ! ハァッ! ハァ ハァ ハァ......」

「ごしゅっ! イクッ! ああああああああああああああああっ! ハァッ! ハァ ハァ ハァ......」

 

ご主人様は私の中に2度目の射精をすると、やっと腰から手を離した。

私は崩れるようにご主人様の上から降り、右隣に転がった。

そして、息を整えながら、ぼんやりとセリーを眺めた。

 

セリーは私と入れ替わるようにご主人様にまたがり、口でアレをキレイに掃除した。

すると、ご主人様のアレはみるみる大きくなり、すぐに硬くなった。

彼女は竿を握って秘部に添え、「ご主人様。私にもタップリお願いします♥」と言って、奥まで一気に挿入した。

入れた瞬間、「ああああっ! いいっ!」と歓喜の声をあげ、腰を打ちつけだした。

そして、徐々にピッチをあげだす。

 

私がご主人様としているあいだ彼女は激しくキスをしていたので、たぶんアレが欲しいのをずっと我慢していたのだろう。

やっと自分の番になり、すごく悦んでいる。

彼女は髪を振り乱しながら嬌声をあげてよがり狂い、激しく腰を打ちつけている。

そして、そのまま一気に絶頂に達してしまった。

 

同時にご主人様も「クハッ!」と息を吐き、ビクン!ビクン!とからだを震わせて彼女の中に果ててしまった。

すごい!ご主人様が瞬殺された。

相変わらずセリーのアソコは気持ちいいみたいね。

確か、名器っていうのだったかな?

 

セリーはからだをブルブルと震わせて絶頂をむかえると、いつもの彼女とはまったく違う妖艶な雰囲気を醸し出し、恍惚の表情を浮かべてご主人様を見つめた。

「ご主人様。ちょっと早いです。もっとできますよね♥」

彼女は秘部から溢れたご主人様の精子を指ですくうと、ペロッと舌を出して舐め取った。

 

ご主人様は一瞬見惚れて固まってたけど、すぐ瞳に力が戻った。

すると今度はセリーの表情が驚愕に変わった。

たぶん彼女のなかでご主人様のアレが急激に大きく、そして硬くなったのだろう。

 

ご主人様はセリーの腰をガシッと掴み、自分の腰に打ちつけだした。

ズチュッ!ズチュッ!

ひと突きごとに水っぽくて卑猥な音が響きわたり、セリーの秘部から精液と愛液が溢れ出す。

セリーのからだが大きく跳ねあがり、さっきの2倍くらい深々とアレを出し入れしている。

 

セリーは嬌声をあげてよがり狂い、そのまま一気にイカされてしまった。

だけど、私のときと同じで、彼女も解放してはもらえなかった。

そのまま何度もイカされて、ついにはイキ続けるようになった。

 

そのとき、私はイカされ続けているセリーを見ていて、ふと気がついた。

 

彼女はからだが小さいので、ご主人様に入れられるとお腹にアレの形が浮きあがる。

もう見慣れているのでいつもは特に気にならないのだけど、何故か今日は目についた。

 

確かいつもはおへその当たりまで盛りあがっていた気がするけど、今はみぞおち付近まで盛りあがっている。  

すごい、今日はあんな所まで届いている。

やっぱりご主人様のアレ、いつもより大きくなってる気がする。

理由はわからないけど、いつもよりも気持ちが良いと感じたのは、きっとこのせいだったのだろう。

 

そんなことを考えていたら、ご主人様のからだがビクンと跳ねて硬直した。

そして、セリーの中に大量に精液を注ぎ込んだ。

同時にセリーもひときわ大きな声をあげて絶頂を迎え、ガクッと崩れてご主人様の左隣に転がり落ちた。

イキ過ぎて気絶してしまったようだけど、とても幸せそうな顔をしている。

私もそうだったけど、彼女もよほど満足したのだろう。

 

セリーと入れ替わりで、今度はミリアがご主人様にまたがった。

彼女も口でアレを掃除して硬くすると、秘部にあてがって、「ご主人様。いっぱい頑張って♥です」と可愛く言ってみずから腰を落として一番奥まで迎え入れた。

 

「あぅぅ...... き、気持ちいい。ですぅ♥」

ミリアはそう言いながらからだをのけぞらせ、一度ブルリと震えると、彼女にしては珍しく自分から腰を振りだした。

 

しかし、いつもは受け身でいたせいか、私やセリーのように早く腰を打ちつけることが出来なかった。

ミリアは頑張って腰を振ろうとしているけど、気持ち良さでからだが震えてしまい、見ているこっちがもどかしくなるくらいずっとゆっくり動かしている。

彼女は声を出さないようにしているけど、ときどき我慢出来ずに喘ぎ声を漏らしてしまい、ビクッ!と痙攣して動きが止まってしまっていた。

それでもご主人様を気持ち良くさせようと、必死に腰を動かし続けた。

でも、かえってそれが良かったみたいだ。

 

ご主人様は焦らされていることに歓喜を覚えたのか?

両手でガッチリシーツを掴み、目をつぶってミリアの責めに耐えている。

ミリアがビクッ!と痙攣すると、ご主人様は「くっ!」と声を漏らすけど、シーツを握る手に力を込めてイカされまいと我慢している。

しかし、少しすると限界がきたようだ。

 

ご主人様から「クハッ!」と声が漏れ、直後にビクッ!とからだを震わせた。

直後、ご主人様はバッと上半身を起こして、ガシッとミリアに抱きついた。

そして、ビクン!ビクン!とからだを震わせ、彼女のなかに射精した。

ミリアも同時に一気に絶頂に達したようで、ひときわ大きな声で喘ぐとビクン!ビクン!とからだを震わせた。

 

ご主人様はミリアのなかに出し切ると、彼女を離して上半身をドサッとベッドに倒した。

ご主人様が離れたので、ミリアはご主人様の上から降りようとしたけど、その前にご主人様にガッチリ腰を掴まれてしまい動けなくなった。

 

すると、彼女はちょっと不安そうな顔になった。

私とセリーを見ていたので、このあと自分がどうなるのか想像したのだろう。

そして、その想像は裏切られなかったようだ。

 

次の瞬間、ミリアの目が見開いた。

たぶん彼女の中でご主人様のアレが大きく、硬くなりはじめたのだろう。

 

「うにゃっ! あっ! んんっ! んなあああっ!」

ミリアは自分のなかでアレが大きくなっていくことを感じているのか、ご主人様の上で固まったまま喘ぎ声をあげはじめた。

そして、ご主人様が腰を動かしはじめると喘ぎ声が大きくなり、嬌声をあげてよがりはじめた。

「ひぅっ! イッ! ああっ! んんっ! んんんんっ! んにゃああああああっ!」

ミリアはひときわ大きな声で喘ぎ、からだをブルブルと震わせて絶頂を迎えた。

 

その後、ミリアはご主人様に下からガンガン突かれ続け、何度も絶頂を迎えたようだ。

そして、ご主人様がミリアの中で2度目の射精をするのと同時に彼女も何度目かの絶頂を迎え、そのまま意識を手放した。

 

ミリアがご主人様の上にまたがったまま気を失ったので、私は彼女を引き寄せてご主人様の右隣に寝転がさせた。

彼女は最後のほうはイキ過ぎて、半開きのままの口から涎を垂らしていた。そして、そのまま喘ぎ続けていたせいで、口の端には泡まで付いている。

そんな極限状態で気を失ったので少し心配したけれど、ミリアの顔は幸せそうだったので、私はひとまず安心した。

 

次はベスタの番である。

 

私がミリアをご主人様の上から降ろすと、ベスタがご主人様のアレを口で掃除し始めた。

彼女は長い舌を器用に使い、チロチロとアレの先や裏スジ、カリ首の周りを丁寧に舐め取り、再び大きくなりはじめると、ジュボッ!っと音を響かせて咥え込んだ。

そして竿を優しくさすりながらジュボッ!ジュボッ!と何度かしゃぶると、完全に硬くそり返ったアレを口から離し、ご主人様の上にまたがった。

 

「ご主人様。私も頑張ります。宜しくお願いします」

「お、おう」

ベスタは急に真顔になって挨拶したので、ご主人様は瞬間的に素に戻ってしまった。

しかし、ベスタの秘部がご主人様のアレを飲み込むと、快感に耐えられずに「おふっ! クッ!」と声を漏らした。

 

ベスタはご主人様をまたいだ状態で腰を落としてアレを秘部に飲み込んだけど、バランスを取るためにお腹に両手をついているだけでご主人様にはまったく体重をかけていない。

その状態でパンッ!パンッ!とリズミカルに腰を打ちつけ出すと、ご主人様から「ウッ! クッ!」と短い喘ぎ声が漏れ出した。

ご主人様はまたもやシーツをギュッと握り、ベスタの責めに耐えていたけど、私が両手でご主人様の顔を右に向けさせて唇を重ね、舌をさしこんで絡めると、すぐに我慢出来なくなって、ウッ!と唸ってベスタのなかに射精した。

 

ご主人様がビクン!ビクン!とからだを震わせて出しきったので、私は唇を解放した。

 

「ご主人様。もっと我慢しないといけませんよ。ベスタが満足するまで頑張ってください♥」

私が声をかけると、ご主人様はベスタのお尻をつかみ、アレを秘部に密着させた。

 

ほどなくしてベスタから、戸惑いと歓喜の声が漏れ出した。

「あっ! んっ! ああっ! そんなっ! あひぃっ! 大きいっ!」

ご主人様のアレがベスタのなかで大きく、硬くなっていってるんだろう。

ご主人様は動いていないのだけど、彼女は口の端に泡を吹きながら「あっ! あふっ! あふっ! ああっ!」と喘ぎはじめている。

 

しかし、ベスタがベッタリと乗っているので、ご主人様は動けないような気がする。

これからどうするのだろう?

 

そう思って見ていると、なんとご主人様はベスタのお尻をつかむ手に力を込めて彼女を上下に動かしだした。

すごい。ご主人様はなんて力が強いの!

 

ズチャッ!ズチャッ!グシュッ!ジュボッ!

ベスタが上下に動くたびに卑猥な音が鳴り響く。

そして、彼女はアレが突き刺さるリズムにあわせて喘ぎだした。

 

「あっ! ああっ! 気持ちいいっ! ああああっ! もっと! ご主人様っ! もっと強くっ! ああああっ!」

ベスタは矯声をあげてよがり狂い、歓喜の涙を流している。

「ああっ! すごいっ! ああっ! イクッゥ!」

ご主人様が突きあげる度にベスタの喘ぎ声が大きくなり、ついに絶頂を迎えた。

「ああっ! イキますっ! ああああっ! んあああああああっ!」

ベスタはからだから力が抜け、ご主人様の上にドサッと倒れた。

すると、ご主人様の顔が彼女の胸に埋まってしまった。

ご主人様は一瞬「んんんんっ!」と苦しそうに唸ったけど、すぐに彼女を抱えて横に転がりご主人様が上になった。

ご主人様はベスタの両足をM字に開くと、そのまま彼女の秘部にアレを突き刺した。

 

「あひぃっ! ご主人様っ! まだっ!」

ベスタは少し休みたかったようだけど、ご主人様はお構いなしに責め立てた。

ベスタは激しく責められると、「ああっ! すごいっ! ああああっ! またイクッ! イキますっ!」と喘いですぐに登りつめていく。

そして、彼女はからだをのけ反らせると「んあああああああっ!」と叫んで絶頂を迎え、ガクッとからだから力が抜ける。

 

しかし、ご主人様は腰を動かし続けているので、息を整える間もなく再び感じはじめた。

「ハァ...ハァ... んあっ! ああっ! ああああ! あひぃっ! またイクッ! イキますっ!」

そしてすぐに登り詰め、再び絶頂を迎えた。

 

その後も彼女は何度もイカされて、ご主人様が彼女のなかに2度目の射精をすると、事切れたように眠ってしまった。

 

私はご主人様の前にしゃがみ込み、口でアレをお掃除してから声を掛けた。

 

「ご主人様。お疲れ様でした。その、途中からみんなおかしくなってしまいましたけど、いかがでしたか?」

「いや、ロクサーヌ。素晴らしかった。

俺も途中からおかしくなってしまったし、今までで1番だったと思う。ありがとう」

「いえ。ご主人様に喜んで頂けて良かったです。それに、私たちのほうこそ、いっぱい可愛がって頂きました。こちらこそありがとうございました」

 

お礼を言うと、ご主人様は私にキスをして、それから裸のまま倒れている3人に肌がけをかけてあげていた。

すっかり落ち着いたので、私は気になったことを聞いてみた。

 

「ご主人様。その、2回目のが凄く気持ち良かったのですけど」

「フッ。良かったか」

「はい。今までで一番。私は何とか持ちましたけど、他の皆はイキ過ぎて気絶してしまっています。こんなこと、初めてです」

「皆が魅力的過ぎたんで、凄く興奮してしまった。今日は調子が良かったってことだな」

「ご主人様。そういうことではないと思います。その、2回目のとき、アレが大きくなりましたよね?」

「まあ、毎日しているから、そっちのほうも成長しているってことだ」

「大きさが変えられるようになったのですか?

その、みんな1回目のときは、いつものサイズでしたよね?」

「気づいたか」

「それは気づきますよ。私だけじゃなく、全員気づいたと思います。毎日しているのですから、ご主人様のサイズは把握していますので」

「ハハハハ。把握してんのか。まいったな。

いや、正直に言うと、俺のなかで何かが変わったようだ」

「えっ?」

「ロクサーヌにイカされたあと、色魔の精力増強のスキルが一段強くなった気がする。

自分でも分かるくらい股間が膨張して、そして、獣にでもなったように力が湧いてきたのだ。

まぁ、性獣化したとでもいう感じかな?」

 

「そうだったのですか。さすがはご主人様です」

「いや。それがさ、ずっとは続かないんだよな」

「そうなんですか?」

「ああ。力が湧いたり、湧かなかったりする。

それに、股間が膨張する以外に何か別の効果があるのか?よくわからないから、調べないとな」

「実験しますか?」

私はそう言いながら、ご主人様にキスをした。

 

「いいのか?」

「はい。私はご主人様に可愛がっていただけるのなら......いつでも♥」

私が答えると、ご主人様はもう一度キスをして私の胸をもみ始めた。

それから私たちは気絶している3人の隣で、実験を開始した。

 

そして...... 

気づいたらご主人様の腕を枕にして横になっていた。

 

あのあと夜が更けるまで実験を繰り返したけど、残念ながらご主人様が性獣化することはなかったし、途中で私は気を失ってしまったようだ。

 

ご主人様は既にお休みになっていたので、私は起こさないようにそっとキスをしてから、ご主人様の腕を枕にして眠りについた。

 

◆ ◆ ◆

 

翌日、早朝探索はクーラタルの迷宮21階層からはじまった。

ボス部屋近くの小部屋に移動すると、ボス部屋に向かう途中でケトルマーメイド4匹の群れと遭遇した。

 

私は前衛の2匹を引き付けて攻撃を躱しながらレイピアを突き刺し、ベスタが前衛の1匹を引き付けて鋼鉄の剣で攻撃を受け流し、隙を見て二刀を叩きつける。

ミリアは前衛の魔物の間をすり抜けて、後衛の1匹を引き付けると、攻撃は盾でいなしながら隙を見て硬直のエストックで切りつけ、何度目かの攻撃で石化させた。

 

前衛のケトルマーメイドは何度か魔法を放とうとしたけど、全てセリーに強権の鋼鉄槍で突かれてキャンセルされてしまう。

後衛のケトルマーメイドは石化される前に私を狙って1発だけ水魔法を放ってきたけど、からだを右に傾けてかわしたのでダメージは受けなかった。

 

そうして私たちが魔物の攻撃をブロックしているうちに、ご主人様がサンドストームを連発し、3分ほどで戦闘が終了した。

 

そのままボス部屋に直行。

私たち4人でボスのボトルマーメイドを囲んでタコ殴りにしている間に、ご主人様がお供のケトルマーメイドを瞬殺した。

そしてこちらに合流すると魔物の死角から斬りかかり、すぐにボスを煙に変えた。

今度は2分と掛からず戦闘が終了した。

しかも、先ほどの戦闘と合わせても、まだ誰もダメージを受けていない。

 

魔物との戦闘に加え、戦闘後の装備品状態確認、ドロップアイテム収集、迷宮内の移動を含めても、今日は探索開始から15分もたっていない。

 

迷宮では何が起きるかわからないから決して油断してはいけないけれど、私たちが22階層に進むことに誰も文句は言えないだろう。

 

ご主人様は「今日は順調だな」と呑気な感想を漏らしたので、私が「ご主人様がお強いからですよ」と言いながらご主人様の腕に触れると、セリーも「普通のパーティーならもっと大変なはずです。楽させてもらってます」と言ってご主人様の袖をちょこんと摘んだ。

 

ご主人様はちょっとだけ赤くなって、「さ、先に進もう」と言って上の階層にあがる扉に向かった。

 

全員が扉をくぐるとすかさずセリーのブリーフィングが始まった。

「クーラタル二十二階層の魔物はクラムシェルです。水魔法に耐性があり、土属性が弱点です。体当たり攻撃が基本ですが、噛みつき攻撃、水弾、単体水魔法の攻撃もあります。

噛みつき攻撃と水弾を撃つときは、事前に貝殻が開きます。慣れないうちは開いたら少しさがって様子を見て下さい。

あと、貝殻は硬いので、可能なら口のなかを攻撃して下さい」

セリーの説明を聞いて、ご主人様と私はうなずき、ミリアとベスタは「はい。です」「わかりました」と返事をした。

 

「クラムシェルが残っていたのか......

一応一回だけ戦ってみてから、ハルバーに行くか......」

セリーのブリーフィングが終わると、ご主人様がぼそっとつぶやいた。

どうやらクラムシェルは気にくわないようだ。

 

「ロクサーヌ、クラムシェルのいる所に案内してくれ」

「かしこまりました」

魔物を探すと、右のほうからクラムシェルとケトルマーメイドの匂いがしてきた。

たぶんクラムシェルは3匹、ケトルマーメイドは2匹だ。

左からもクラムシェルの匂いがするけど、だいぶ遠くにいるみたいだ。

ご主人様に報告すると、「近いほうで良い」と言われたので、5匹の群れに向かった。

 

私は先導して通路を進むと、1分ほどで通路の先に魔物が見えてきた。

「いました」

私がそう告げると、即座に右にベスタ、左にミリア、うしろにご主人様とセリーが並んで陣形を組み、ご主人様を除く4人は魔物にむかって駆け出した。

次の瞬間、ご主人様のサンドストームが炸裂し、魔物は砂塵に包まれて斬り刻まれる。

魔物の群れが動けなくなっているうちに私たちは間合いを詰め、砂塵が消えると同時に斬り掛かった。

 

私は前衛左と中央のクラムシェルを引き付け、ベスタが前衛右のケトルマーメイドに斬り掛かった。

ミリアは中央と右の魔物の間をすり抜けて、後衛2匹を引き付ける。

セリーは私とベスタのあいだ、ややうしろに陣取って、

魔物の魔法攻撃を警戒しながら真ん中の魔物がベスタ側に流れないよう槍で突いて魔物の向きをコントロールする。

そして、私たちが魔物を抑え込んでいるうちに、ご主人様がサンドストームを連発する。

朝イチの21階層と全く同じ戦い方で、今回も魔物に完勝した。

した。

魔物は5匹いたけれど、全て倒すのにかかった時間は3分半。21階層よりは魔法一発分長く時間が掛かったけど、全然許容範囲だ。

クラムシェルとケトルマーメイドはともに土属性が弱点なのでこの階層は戦い易いわね。

 

「ご主人様。このままここで戦っても宜しいのではないでしょうか?」

「確かにクーラタルの22階層は戦い易い。ロクサーヌの意見はもっともだ。

だが、ハルツ公爵との約束もあるので残念だがハルバーに行こうと思う」

「そうですか...... 鏡も買ってもらってますし、仕方がありませんね」

「まあ、そういうことだな」

私とご主人様がお互いに肩をすくめると、それを見ていたセリーがぼそっとつぶやいた。

 

「本当にそれだけなのでしょうか......」

セリーからすると“フッ”と笑って流されてもいいつもりで言ったなにげないひとことだったけど、ご主人様の反応は劇的だった。

 

「い、いや。相手は公爵だからさ。

その、恩を売っておけば、将来その、役に立つかも知れないだろう?」

セリーの言葉にご主人様はあきらかに動揺した。

 

えっ!どういうこと?何か隠してるの?!

予想外だったので私も動揺し、少し大きな声で突っ込んでしまった。

「ご主人様。他にも何か別の理由があるのですか?」

「い、いや。たいしたことじゃ......」

 

いったいなんだろう......

私たちには言えないこと?

 

落ち着いて考えると、なんとなく引っかかることがある。

 

まず、何故ハルツ公領の迷宮探索を優先しなければならないのだろう。

鏡を買ってもらっているから仕方がないのかと思っていたけど、3か所全てに行く必要はないのでは?

ちょっと頼まれたくらいなら、どこかの迷宮に腰を落ち着けても良いし、こんなに本格的に探索する必要はないはずだ。

 

ワープがあるから迷宮間の移動を気にしなくて良いのだけど、だからこそ普段はクーラタルの迷宮を探索して、申し訳がたつ程度にハルツ公領のどこかの迷宮に入ることだって出来るはず。

 

では、なんで?

なんでハルツ公爵に協力するの?

 

最初、公領の迷宮に入ることになったとき、セリーの指摘でハルツ公爵がご主人様をいいように使おうとしていることには気づいていたはず。

それなのに、もう2ヶ月以上もずっと真面目に協力している。決闘騒ぎでは迷惑をかけていたのかも知れないけど、盗賊団を仕留めたことに比べればたいしたことではないはず。

しかも、ご主人様は公爵本人のことは「何を考えているのかわからない」って不審に思っているのにだ。

 

そもそも相手が公爵だからといって、思慮深いご主人様がホイホイ協力するとは思えない。

本当にハルツ公爵のため?

それとも他の誰かに頼まれた?

 

もし、誰か別の人に頼まれたとして、公爵以上にご主人様に影響を与える人がいるのだろうか......

 

私が思考の海に沈んでいると、セリーが「怪しい」と言いながらご主人様の顔を覗き込んでいた。

ご主人様は「本当にたいしたことじゃないから」と言ってはいるが、微妙に視線を逸らせている。

 

因みにミリアも「怪しい。です」と言ってセリーと一緒にご主人様を覗き込んでいる。

たぶん彼女は空気を読んで、セリーに合わせたほうが良いと思ったのだろう。

 

そしてベスタは「......」無言だ。

それになんだかソワソワしている。

表情を見る限り私たち側に付きたそうだけど、ご主人様を糾弾する勇気はないのだろう。

 

少しして、セリーが“はぁ~”とため息をついて、「わかりました。でも、今度ちゃんと教えてください」と言って追及を諦めると、ご主人様はあきらかにホッとした顔になった。

その顔を見たとき、私はハッ!と気がついた。

 

ご主人様のこの感じ...... 私にはちゃんと話さない...... 

たいしたことじゃない? ではなんで教えてくれないの?

これって...... 

女なんじゃないの?!

 

次の瞬間、私はご主人様の腕をガッ!と掴み、驚いて私を見たご主人様と目を合わせた。

すると、ご主人様はものすごく焦り、「ろ、ロクサーヌ。誤解だ! お、俺はお前を、お前たちを愛している」と慌てて叫んだ。

やっぱり女だ。間違いなかった!

 

「本当ですね?」

「あ、当たり前だ」

「浮気は許しませんよ?」

「大丈夫だ。何があってもロクサーヌが一番だ」

私はご主人様の瞳の奥をじっと覗き込んだ。

ご主人様は怯んでいたけど、その目に嘘はないように感じられた。

 

私が一番という言葉に嘘はない。なら、メンバーはあとひとり増えることになるんだし、私も少しは我慢しなくちゃいけないわね。

私はそう思い、今回は許すことにした。

 

「わかりました。なら、この話はおしまいです。

近いうちに最後のメンバーが増えることになるかも知れませんが、ご主人様が選んだ人なら問題ないでしょう」

 

私はそう言ってからセリーたちを見て、「皆さんも宜しいですね?」と聞くと、全員無言でコクコクとうなずいた。何故かご主人様も同じようにうなずいていた。

 

「では、迷宮探索を再開しましょう」

私がそう宣言すると、ご主人様は「で、では、ハルバーに移動する」と言いながらワープゲートを開いた。

 

その後、ハルバーの迷宮22階層に移動して3時間ほど探索を行い、その日の早朝探索を終了した。

 

 

数日後、セリーからこのときのことを聞いたのだけど、このとき私は顔は笑っていたものの、目が深淵のように真っ黒で全く笑っていなかったらしい。

その顔を見てセリーたちは背筋がゾッとし、何かひとつでも答えを間違えたら“きっと後悔することになる”と思ったそうだ。

そして、その顔を至近で見ていたご主人様はたいそう恐ろしかっただろうと言われてしまった。

 

確かにあのとき、

ご主人様の声は震えていたような気がするけど、すぐにもとに戻っていたから問題はないわね。

 

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