わたしの名はロクサーヌ。
狼人族で16才の巫女、そしてご主人様(加賀道夫)の一番奴隷。
愛するご主人様、かわいい後輩奴隷のセリー、ミリア、ベスタの5人で、クーラタルの一軒屋でしあわせにくらしている。
お仕事は迷宮探索。
5人で毎日迷宮に潜り、魔物を倒してドロップアイテムを拾い、それを売って生活している。
因みに私たちはクーラタル、ベイル、ハルバー、ターレ、ボーデ、ザビルの6箇所の迷宮に入ったことがあり、一番探索を進めているクーラタルとハルバーは、どちらも26階層を攻略中だ。
私とベスタは装備品を片付けてダイニングで休憩していると、お風呂を入れに行ったご主人様が2階から降りてきた。
「ご主人様。お疲れ様です。ハーブティーを淹れますので、少し休憩なさってください」
「うむ。そうしたいところだが、ミリアを迎えに行こうと思う」
「よろしいのですか?」
「ああ。大して疲れてないし、あまり遅くなるとミリアも心細くなるだろう」
「ふふっ。そうですね」
「ん? 何か変なことを言ったか?」
「いえ。ご主人様は何も。ただ、いつも私たちのことを気遣ってくれるので、何だか嬉しくなってしまって」
「そ、そうか?」
「はい。いつもありがとうございます」
「ありがとうございます」
私とベスタにお礼を言われると、ご主人様は少し恥ずかしそうにしながらワープゲートを開いたので、私たちはミリアのいる漁村に向かった。
ゲートをくぐりミリアがいるはずの岩場に近づくと、大勢の人が彼女を囲んでいた。
彼女が釣りをすると皆その腕前に釘付けとなってしまうようで、前回もそうだったけど今日も沢山の人が釣果を確認しているみたいだ。
そして、これも前回同様だけど、小さな子供たちが網やらバケツやらを持ってきていて、ミリアが釣りあげた魚の取り込みに協力していた。
子供たちは、『お姉ちゃんすごい!何でそんなに釣れるの?』とか、『魚の気持がわかるなんて、まるで伝説の釣り師だね』とか、『ここでこんな大きいのが釣れるなんてはじめて知ったよ』とか、『凄い!凄い!お姉ちゃん、何匹釣ったの?』など、次々にバーナ語で話しかけている。
受け答えしているミリアも楽しそうだ。
ただ、人だかりに近づいていくと、『キミ可愛ね。名前は?何処に住んでるの?』とか、『なぁ、釣りなんか止めて俺と付き合わないか?』とか、『そろそろ釣りは止めて飯でも食べに行こうよ』とか、『近くに見晴らしのいい高台があるんだけど、連れていってあげるよ』など、明らかにナンパ目的で声をかけている男が数人いることに気がついた。
周りの小さな子供に気を使っているためなのか、ミリアは迷惑そうな表情を浮かべてはいるけど、それでもその男たちにも当たり障りなく返事をしていた。
ご主人様はそんな状況を見て一瞬ムッとしたようだったけど、すぐに男たちを無視してミリアに話しかけた。
「おーいミリア。今日も釣れたかー?」
「はい。です。いっぱい釣れた。です!」
ご主人様が声をかけるとミリアは花が咲くように笑顔になり、こちらに気づいて手を振りながら返事をした。
すると、ミリアにタカっていた男たちは、突然ブラヒム語で話しはじめたミリアに驚き、次の瞬間に彼女に話しかけたご主人様に振り向いた。
ミリアは満面の笑顔ね。ご主人様が迎えに来てくれたことがそんなに嬉しいのかな?
それともたった半日だけど、そんなに釣れたのかしら。
彼女の顔を見ながらそんなことを考えていると、『何だテメーは!』とか、『割り込むなんていい度胸じゃねぇか!』など、ミリアにタカっていた醜男たちがご主人様に文句を言いはじめた。
因みにタカっていたのは全員猫人族で、ミリアと同じか少し年上っぽく見える。
身なりからすると全員ただの村人のようだ。
『貴方たちこそ良い度胸ですね。誰に喧嘩を売っているのかわかっているのですか?』
バーナ語がわからないので訝しそうな顔をしているご主人様の前に私はスッと進み出て、醜男たちに殺気を飛ばした。
空気を読んだのか、ベスタもご主人様の前に進み出て、斜め上から男たちを睨みつけている。
すると男たちは動揺しだし、震える声で情けなく叫んだ。
『な、お、お前たちは何なんだ!』
『俺たちが先に彼女に話してるんだ。だから......』
『だから何ですか?
私はその娘の姉。此方は私たちのご主人様ですよ。
貴方たちは誰の許可を得て彼女に話しかけているのですか?』
私は男たちの言葉を遮って此方の立場を明らかにすると、彼らは一瞬キョトンとして『えっ!許可?』と呟き、次の瞬間に顔を見合わせてコソコソと話しだした。
ただ、すぐ目の前にいるので何を話しているのか丸聞こえだ。
『お、おい。ご主人様って言ってるぞ?』
『そんな、こんなヤツが彼女の......』
『いま姉とか私たちとか言ってなかったか?』
『まさか全員アイツの奴隷なのか?』
『う、ウソだろ!俺たちとタメに見えるぞ』
『金持ちってことか?』
『な、なぁ。奴隷って主人の許可が無いと話しかけちゃいけないのか?』
『そ、そんなわけ無いだろう』
『でも、この娘。俺たちの話は適当に流してたのに、アイツには手を振って......クソッ!』
『い、いや。奴隷って主人には逆らえないだろ。だからこの娘はきっとアイツに無理矢理従わされてるんだ』
『そ、そうだ。そうに違いない!じゃなきゃこんな可愛い娘があんな冴えないヤツに手を振るはずがない』
『きっと彼女が逆らえないからって酷いことをしてるんだろう。だから彼女はアイツに媚びを売ってるんだ』
『やっぱそうだよな。じゃなきゃ奴隷が主人に愛想よくするハズがないよな』
『彼女が可哀想だろ!この人でなしが!』
『まだ人の心があるなら彼女を解放しろ!』
『そうだ!解放しろっ!この犯罪者が!』
『お前には必ず天罰が下るぞ!』
男たちは目の前の男がミリアの主人であることを理解したようだけど、何故か勝手な妄想をしはじめたみたいだ。そして彼女が無理矢理従わされていると言い出して、ついにはご主人様を犯罪者呼ばわりし始めた。
ただ単に自分たちがそう思い込みたかっただけなのかも知れないけど、段々声が大きくなってきている。
他の人たちも周りにいるのに、ハッキリ言って迷惑だ。
それにご主人様を犯罪者呼ばわりするなんて、万死に値する!
いよいよ物理的に排除しようと考えて拳を固く握ると、私が殴りかかる前にミリアが釣竿を置いてスクッと立ちあがった。
そして、しつこく誘っていた男たちの間を通り抜けて此方に歩いてくると、いきなりご主人様に飛びついてキスをした。
『なっ!』
『えっ!』
『そ、そんなバカな』
『な、なんで...』
ミリアは男たちに見せつけるように情熱的にキスすると、クルッと振り向いて、彼女の行動に驚いて固まっている、男たちに向けて言葉を叩きつけた。
『いい加減にして!私は奴隷だけど、ご主人様とは相思相愛なのよ!
勝手な妄想をしてるみたいだけど、ご主人様は私たち全員を大切にしてくれてるの。
服はいつも新品を買ってくれるし、釣りがしたいって言ったら帝都で釣り道具も買ってくれたわ。
あと、この前コハクのネックレスも買ってくれたんだから。
それに、毎日お風呂に入れてくれるし、石鹸を使ってからだの隅々までキレイに洗ってくれるのよ。
美味しいご飯も毎日食べさせてくれてるの。
あと、毎晩何度も可愛がってくれるし、凄く気持ち良くしてくれる。
そのあとフカフカのベッドで一緒に寝てるんだから!』
ミリアにしては珍しくかなり怒っているようで、一気に捲し立てると男たちをキッと睨んだ。
私もかなり怒っていたけど、ミリアの怒りっぷりを見て、すっかり毒気を抜かれてしまった。
男たちは明るくて愛想の良かったミリアの豹変っぷりに相当驚いたようで、しばらくは呆気にとられて言葉が出ずに口をパクパクさせてたけど、彼女が喋り終わると何とか言葉を絞りだし、小声で悪態をつきだした。
『そ、そんな... 毎晩何度もなんて...』
『チクショー!可愛い娘だと思ったのに』
『し、信じられねぇ。俺よりいい暮らし、してるなんて』
『あり得ない。この女、ホントは奴隷じゃねぇんじゃ......』
『くそっ!くそっ!くそっ!くそっ!奴隷だから簡単に落ちると思ったのに......』
『コハクってなんだよ!どんな金持ちだよ!』
男たちは次々に愚痴をこぼすと、ミリアからは目をそらし、隣にいるご主人様を恨めしそうに睨んだ。
しかし、そんな彼らの前にミリアが進み出て、ご主人様への視界を遮った。
『ふふっ♪ 悪いけど、あんたたちじゃ勝ち目無いから、とっとと消えてくれる?』
ミリアがドヤ顔でトドメの言葉を投げつけると、男たちはワナワナと震えだし、そして、耐えられなくなったのか、一人が『くそっ!ふざけんな!』と叫んで逃げ出した。
すると、次の瞬間には他の男たちも口々に何か叫びながら、この場から走り去っていった。
「やれやれ。です」
「はははは。ミリア、お疲れ様」
ご主人様はミリアに声をかけると、両腕を広げて彼女を誘った。
するとミリアの躊躇せずにご主人様の胸に飛び込んで、もう一度キスをした。
彼女のくちびるが離れると、ご主人様は「偉いぞ。よく頑張った」と言って、猫耳をモフりはじめた。
ミリアは気持ちよさそうにしていたけど、すぐに「ご主人様。魚、あげる。です」と言って、少し離れた場所でこちらの様子を窺っていた子供たちを指さした。
どうやらさっきの男たちがご主人様に文句を言い始めた時に不穏な空気を感じたようで、いち早く避難していたみたいだ。
「手伝ってもらったんだな」
「はい。です」
「わかった。じゃあミリアの好きにしても良いぞ」
ミリアはご主人様に許可をもらうとニッコリと微笑んで、避難していた人たちを手招きした。
子供たちが側に来ると、ミリアは魚が入った籠を水揚げし、子供たちに魚を数匹ずつ配った。
結構多く配ったので少し心配したけれど、チラッと籠の中を覗いてみると、まだまだ沢山の魚がいるようだったので一安心した。
その後、釣り道具を片付けてから地元の人たちに挨拶し、残りの魚が入った籠を持って私たちは帰宅した。
◆ ◆ ◆
帰宅してから改めて籠の中を確認すると、大きなエビが5匹も入っていた。
なかなか立派なサイズなので驚いていると、隣で一緒に籠を覗いていたご主人様も「おおっ!」と感嘆の声をあげて驚いていた。
「エビもあるのか」
「魚と交換、です」
「なるほどな。それで子供たちに魚を渡してきたのか」
ご主人様は籠にエビが入っていた理由に納得すると、「ミリア。偉いぞ」と言って彼女のあたまを優しく撫でた。
そして、もう片方の手を籠に突っ込むと、中でエビがビチビチと跳ね回った。
「うむ。新鮮そうだな」
ご主人様がエビの新鮮さに喜ぶと、あたまを撫でられて気持ちよさそうにしていたミリアは、「今朝獲れた、です」と言ってドヤ顔で胸を張った。
どうやらエビを交換してくれたのはいつもハーフェンの市で、魚を買わせて頂いている猫耳おばちゃんで、ミリアがここで釣りをしていることを聞いたらしく、1時間ほど前に見にきたらしい。
その際、釣果が少なかったら可哀想だと思って差し入れのつもりでエビを持ってきてくれたとのこと。
でも、ミリアは魚をたくさん釣っていたので、代わりに5匹ほど味の良い魚を渡した。
なので結果的に交換したような形になったとのことだった。
因みにナンパ男たちが絡んできたのは10分ほど前からだったらしく、それまでは楽しく釣りが出来ていたとのこと。
ミリアから話を聞いたあと今晩の献立の話になり、エビは後でご主人様がフライにすることになったので、ミリアとベスタに料理の下ごしらえを任せて私とご主人様は足りない食材を買いに出かけることになった。
「ご主人様。先ずはパン屋、そのあと八百屋でお願いします」
「わかった」
ワープで冒険者ギルドに移動し、いつも通り腕を組んで外に出ると、夕方特有の混雑具合で多くの人が行き交っていた。
そんな中を歩いていると、あちらこちらから私たちを気にしているような会話が聞こえてきた。
「あら?今日は2人だけみたいね」
「そうね。いつもは他にも女の子がいてハーレム状態だから、2人なのは珍しいわね」
「あの2人っていつも腕組んでるでしょ。仲良さそうだし実は恋人どうしなんじゃないの?」
「じゃあ今日はデートなのかもしれないわね」
で、デートって♥
ふふっ。あの人たちに私たちは恋人どうしに見えているのですね。
ふふふふふふふふっ。でも残念。
私たちはただの恋人じゃなくて、実は婚約してるのよ♪
「えっ!あの女の子たちって全員奴隷なの?
フツーにキレイな格好してるよ?」
「間違いないぜ。よく見ろよ、首輪してんだろ」
「確かに。だけど、何だか楽しそうだし、女の方からイチャついてるように見えるけど?」
「そうなんだよ。俺もそれが疑問なんだよな。
それに、最近また増えたみたいで、この間は4人に囲まれてたぜ」
「マジ?リアルハーレムじゃん!
あー羨ましい。俺もあんな可愛い彼女が欲しいよ」
ふふっ。あちらの男性たちは、私たちがご主人様を慕っていることが理解出来ないようね。
まあ、私たちだって最初は信じられなかったくらいなんだから、見ず知らずの人たちに私たちがどれほど大事にされているかなんて思いもよらないでしょうね。
ん?あそこの男。いま「チッ!」って舌打ちしたわね。
なんかご主人様を睨んでいるみたいだけど、あんな貧相な男じゃご主人様とは比べ物にならないわね。
そう思っていると、その男の濁った視線が私に向いた。
うぅ... なんか気持ち悪い。
慌てて目をそらしたけど、一瞬だけ目が合ってしまった。男は口の端から涎が垂れていて、何だか泥酔しているみたいだ。
あの感じだと、ご主人様と離れて歩いていたら、間違いなく絡んできそう......
そう考えながらその男の近くを通り過ぎると、粘り付くような視線と、「ヒヒッ」という気持ち悪い笑い声が聞こえた。
私は背中がゾクリとして、思わずご主人様に絡めている腕に力が入ってしまった。
「ん?ロクサーヌ。どうした?」
「すみません。なんか気持ち悪い視線を感じて......」
「そうか。まあ、慣れろとは言わないが...」
「いつもはそれほど気にならないのですが、今しがたすれ違った男の視線はちょっと......」
「今の酔っぱらいだな。まあ、ちょっかい出してきそうなヤツが居ないか警戒してるから、ロクサーヌはいつも通りしてれば大丈夫だ」
「ありがとうございます。
ふふっ♥ ご主人様の愛を感じます」
私は首を傾けて、ご主人様の肩口にピタッと頬をひっ付けた。
そしてついでに目を閉じて、スンスンとご主人様の匂いを堪能してしまった。
そのまま金物屋の前を通ると、店の前で年配の女性と話し込んでいる世話役のオネスタさんと目が合ってしまった。
あっ!しまった!
私は慌ててご主人様の肩口から顔を離したけど、彼女はそんな私を見ると、ニヤリと微笑んだ。
特に用事もなかったので、軽く会釈しながら通り過ぎたけど、彼女は私たちが通り過ぎるまで、ずっとこちらを見ながらニヤニヤしていた。
そして、年配の女性に「今の2人のこと知ってる?実はこの前......」と小声で話しはじめた。
はぁ...... また何か噂が広がりそう......
そう思いながらご主人様の顔を覗くと、彼も苦笑いをしていた。
ご主人様もクーラタルの噂の発信源はかなりの割合でオネスタさんだという事を知っており、たった今新鮮なネタを与えてしまったことに気づいたようだった。
その後、パン屋でいつもの高級パン。八百屋で卵と野菜を買って、そのまま歩いて帰宅した。
◆ ◆ ◆
家に着くとちょうどセリーが起きてきて、ダイニングの前で鉢合わせた。
「あっ! えっと、お、おかえりなさい」
「うむ。ただいま」
「ただいま、セリー。どうかしましたか?」
ジッとセリーを見つめると、彼女は動揺して私から目をそらせた。
「す、すみません。寝てしまったみたいです」
「だいぶお疲れのようですね。今日は楽しめましたか?」
「えっと......」
セリーは必死に言葉を捻りだそうとしているけど、言い訳が思いつかないようだ。
彼女はご主人様に視線を送ったけど、私も視線を向けると彼はそっと目をふせた。
「今日は楽しめましたか?」
「......はい。その...... はじめて2人っきりでしたので、とても良かったです」
私は顔を覗き込んでもう一度アツをかけると、セリーは観念して2人で愉しんだことを報告した。
「ふふっ。ちゃんと言ってくれたので、許します」
「あ、ありがとうございます」
「でも、今晩セリーは1回だけですからね♥」
「は、はい......」
セリーはほっとしたようで、ペコリと頭をさげると表情が柔らかくなった。
すると彼女は少し拗ねた感じで、ご主人様に話しかけた。
「ご主人様。その......」
「ん?」
「ご主人様は疲れてないのでしょうか」
「うむ、魔物と戦ったので少し疲れたが、俺は大丈夫だ」
「えっ?魔物ですか? ......ふーん、そうですか。私も魔物に襲われた記憶があるのですが」
「えっ?変な夢でも見たのか?」
「そうですね。私は散々蹂躙されたので、夢だったのかも知れません」
セリーはそう言うとご主人様にジト目を向けた。
「そ、そうか。俺たちは迷宮の魔物だから倒せたが」
ご主人様はセリーのジト目を受けて狼狽えたけど、次の瞬間にスッと彼女を抱き寄せて「大丈夫だ」と言って優しく背中をさすった。
すると、セリーは急に「えっ!迷宮? 魔物って私じゃなくて迷宮の? ......!!!
あっ!その、私は大丈夫です」と言ってあたふたしだした。
微妙に会話が噛み合っていないと思っていたけど、どうやら彼女はご主人様が戦った魔物を、自分のことだと思い込んでいたみたい。
一瞬で耳の先まで真っ赤になっている。
「ああ、そうだが?」
ご主人様はセリーを離すと、不思議そうに彼女を見た。
どうやら彼は彼女が勘違いしていたことには気づいてないみたいだ。
「風呂を入れたので、MP回復のためにクーラタル迷宮の19階層に行ってきた」
「えっと、19階層ですか? MP回復の為だけに、なぜそんな高い階層に?」
「それは......」
ご主人様はセリーの質問には答えずに、私をチラ見した。すると、何故かセリーはハッと何かに気づいたような仕草をして、そして小さくうなずいた。
何だか納得いかないけど、セリーが気まずそうにしているのでスルーすることにしよう。
「そっちこそ問題ないか?」
「はい。私は少し寝たのですっきりしました」
「それは良かった。いや、だいぶ酔っていたし、途中で痙攣して気を失ってしまったから、少し心配していたが」
ご主人様はそう言い終わると、「ふっ」と小さく笑ってニヤリと口の端をあげた。
「なっ!それはご主人様があんなことを......」
「あんなこと?」
「えっと... あっ!わ、私はミリアの料理を手伝います」
私は“あんなこと”って言葉が引っかかったので聞いてみると、セリーはちゃんと答えずに逃亡した。
なので、セリーをからかっていたご主人様に聞いてみることにした。
「ご主人様。あんなこと...とは?」
「へっ?」
「ですので、あんなこととは?」
「い、いやー、その、なんだな。
ちょっと... 張り切り過ぎた... みたいな?
はははは......」
小首を傾げて追及すると、ご主人様は曖昧に答えて半笑いで誤魔化そうとした。
「そうですか。張り切り過ぎたのですか」
「えっ、いや、まぁ......」
「うふふふっ。今夜、私にも“あんなこと”して頂けるのですよね?楽しみにしてますね♥」
「えっと...... その...... あっ! 俺も料理作るんだった」
ご主人様はそう言うやいなや、踵を返して厨房に走り去った。
「あっ! もうっ!」
結局私以外はみんな厨房に行ってしまったので、私は「はぁ」とひと息ついて、仕方なくダイニングテーブルを拭いてテーブルクロスを敷き、夕食のセッティングをはじめた。
とは言っても大した手間はかからないので、少し冷ましたハーブティーをみんなの席に配り終わると、私も厨房に向かった。
厨房ではご主人様とベスタが何やら1品を、ミリアが白身入りのスープを、セリーが葉野菜のサラダを作っていた。
よく見ると未調理の白身が余っていたので、私は手早く塩、コショウを振って、オリーブオイルでソテーした。
そして、焼き上がった白身にレモンの絞り汁をかけ、手早く皿に乗せた。
その後、私、ミリア、セリーの3人で白身のソテー、葉野菜のサラダ、白身のスープをダイニングに並べていると、ご主人様とベスタが「本日のメインディッシュだ」と言いながら、赤身とエビを使ったはじめて見る料理を持ってきた。
「ご主人様。これは何という料理ですか?」
「エビフライとマグロカツの卵とじ、だな」
「とても美味しそうです」
「うむ。楽しみにしていてくれ」
◆ ◆ ◆
料理を並べ終わりご主人様がスープを配り終わると、夕食がスタートした。
先ず私は気になっていた卵とじを試してみた。
口に入れると卵はふわふわで、舌の上で蕩けてなくなった。
魚醤の風味がして卵の白身が茶色に変色しているけど、思ったよりも塩気は強くなく、竜皮の出汁が利いた優しい味だ。
「優しい味わいですね」
私が感想を述べると、様子を見ていたセリー、ミリア、ベスタの3人も卵とじを口にした。
そして口々に感想を言っている。
どうやら彼女たちも卵とじが気に入ったようだ。
そう思いながら料理の美味しさを楽しんでいると、何やら考えごとをしていたセリーがボソッと呟いた。
「この、卵の中に入れるという発想が斬新ですね。とても繊細です。食べなれていないとおいしさが分からないかもしれませんが......」
彼女は何気なく感想を言ったつもりのようだったけど、ご主人様はその言葉が引っかかったらしい。
「ん?駄目なのか?」
「いいえ。ただし、私たちにはおいしくいただけますが、これは食べなれているからだと思います。普通、料理というのはもっと大雑把なものです」
「ご主人様。もっとしょっぱいか、辛いか。つまり味が濃く、ハッキリしているということです。
私たちはご主人様の薄味という繊細な味付けの料理を食べ慣れていますので美味しいと感じますが、そうでない人は味が薄い。つまり美味しくないと感じるかもしれないということです」
ご主人様はセリーの言葉に困惑しているようだったので、私が補足すると「ああ。そういうことか」と言って納得したようだ。
「まあ、俺はお前たちとは美味い料理を食べたいと思うけど、他の誰かに振る舞おうなんて考えてない。
下手に広まれば面倒ごとに巻き込まれる可能性があるから、俺の作る料理のことも内密にしてくれ」
「もちろんです」
「当然ですね」
「はい。です」
「料理のことも内密にします」
その後、食事を取りながら歓談していると、ご主人様から帝都で買い物したときのことについて聞かれた。
「はい。面白い店がありました。ね、ベスタ」
「はい。あの店はよかったと思います」
「ん? それはどういう店だ?」
「服屋ですが少し変わった物がありました」
「私も初めて見ました」
「変わった物?それはどういう物だ?」
二人でうなずいてから報告すると、ご主人様から詳細説明を求められた。
食事する手が止まっているし、かなり興味を持っているみたい。
「ふふ。内緒です」
「な、内緒なのか?」
私が少し微笑みながら説明をはぐらかすと、ご主人様は小首を傾げ、それからベスタの方を向いた。
ご主人様は視線で説明を求めたようだけど、「はい。今は知らない方がいいと思います」と彼女からもはぐらかされてしまい、「そうか...」と言って肩をすくめた。
ご主人様はそれ以上は追及せず、セリーに帝国開放会の資料室で見つけた情報について確認しはじめた。
そして、彼女がダメージ逓増のスキルについて話すと、詳しい話を聞きはじめた。
色々と話をしていたけど、そのスキルをつけるために蜂のモンスターカードが必要という話になると、ご主人様は「アナフィラキシーショックというわけだな」と言い出した。
アナ? えっ?
はじめて聞いた言葉が出たので、私は反射的に聞き返してしまった。
「アナ?」
「ハチの毒というのは、最初に受けたときよりも二回めに受けたときの方がダメージがでかい。最初の攻撃で体の中に毒に対する準備を作らせ、次の攻撃のときにそれを爆発させるんだ。これをアナフィラキシーショックという」
「そうなのですか。さすがご主人様です」
「うーん。そんな話は聞いたことがありませんが。そもそも、そうだとしても何故ハチのモンスターカードがダメージ増進のスキルになるかの説明になってませんし......」
私はご主人様の説明を聞いて、蜂のモンスターカードこそダメージ逓増のスキルにふさわしいカードだと納得したけれど、セリーは毒のダメージが強くなることに納得出来なかったようだ。
彼女は右手で顎をつまんで、しきりに首を傾げている。
すると、ミリアが突然、「貝、です」と言い出した。
「ミリア、そうなのですか?」
「えっと貝は......」
ミリアは説明しようとしたけど言葉を止め、私にバーナ語で説明しだした。
彼女はまだ十分ブラヒム語が扱えないので、話はじめて早々にブラヒム語での説明を諦めたみたいだ。
『お姉ちゃん。貝毒っていうんだけど、海にいる貝って最初に食べたときはちょっとお腹が痛くなるくらいなんだけど1回でも毒のある貝を食べてると、次に食べたときには高熱が出て、目が見えなくなったり耳が聞こえなくなったり、場合によっては死んじゃうこともあるの』
私が頷くと、ミリアは説明を続けた。
『ホントは全部の貝に毒があるわけじゃないんだけど、当たったときが怖いから、海にいる貝は毒があるから食べちゃダメって伝わってるの』
『そうだったのね。ミリア、教えてくれてありがとう』
『でも、2回目のほうが毒が強くなる理由は、いまご主人様から聞いてはじめて知ったの。さすがはご主人様です』
『ふふっ。そうですよね』
私はミリアの頭を撫でると、彼女は嬉しそうに目を細めた。
「ご主人様。貝の毒は、最初に食べたときは症状が大きくないそうです。ただし、一回でも食べると次に食べたときに重篤な症状が出てしまい、死に至ることもあるようです。
ミリアはそうなる理由を初めて聞いたと言っています」
「ほう。貝でもアナフィラキシーショックがあるのか」
「貝でもそうなら、そういうこともあるのかもしれません」
ミリアが話した“貝でも同じ症状が出る”ことを説明すると、ご主人様はミリアの知識に感心し、セリーはご主人様が話したアナフィラキシーショックという症状があるということに納得したようだ。
その後は何故かミリアのブラヒム語勉強会になり、夕食を終えてお風呂場に移動し、ご主人様が私たちのからだを洗いはじめても続いていたけれど、彼女が洗われはじめると受け答えが出来なくなってしまいそのまま終了してしまった。
もうミリアはブラヒム語で話している内容は、ほぼ理解出来るようになっている。
だから迷宮探索ならまったく問題ない。
でも、読み書きや話す方はまだまだ拙いので、ひとりでお遣いさせることには不安が残る。
だから彼女がブラヒム語を十分扱えるようになるまでは、今後も折を見て勉強会を開催していかなくてはならないだろう。
因みにご主人様もブラヒム語の読み書きには不安があるので、今度ミリアと一緒にお勉強をしてもらおう♪
◆ ◆ ◆
お風呂をあがりみんなで脱衣室に移動してからだを拭く。
いつもは自分のからだはご主人様も含めてみんな自分で拭くのだけど、今日は私とベスタの2人でご主人様のからだを手拭いで拭き始めた。
「えっ?2人ともどうした?」
困惑しているご主人様に、「今日は入会式でお疲れでしょうから、お任せください」と言って手早く拭き、さっさと着替えさせた。
そして、「ご主人様、先に寝室へ行っていてもらえますか」と言って彼を脱衣室から送り出した。
彼は少し不満そうな顔をしていたけれど、「すぐに参りますので」と伝えると、「……分かった」と言って渋々寝室に向かっていった。
私は手を挙げてみんなを制止し、ご主人様が寝室に入ったことを確認してからみんなに近寄るように小さく手招きした。
そして、訝しそうにしている2人とベスタの顔が近づくと、小声で説明をはじめた。
「皆さん。私とベスタは先程帝都である物を仕入れてきました」
私はベスタに目配せすると、彼女は棚の奥に布を被せて隠しておいた袋を取り、中を開いて見せた。
「これは何ですか?」
「これはストッキングという靴下です。触ってみてください」
私は袋からストッキングを取り出してセリーに渡すと、彼女はその肌触りに目を丸くした。
横から手を出して触ったミリアも驚いている。
「凄い!スベスベです。こんなのはじめて触りました」
「スベスベ。です」
「全員の分を買ってきましたので、今日はこれを履いてご主人様に可愛がって頂きましょう」
「ふふっ。これなら... ふふふふっ。 ロクサーヌさん。楽しみですね♪」
セリーはご主人様の姿を想像しているのか、ストッキングを持ったままウットリとして固まってしまったので、彼女のお尻を軽く叩いて正気に戻した。
それからガーターベルトの説明をしてみんなでストッキングを履くと、私たちはお互いに身につけた姿を見せあった。
そして、この後のことを軽く打ち合わせてからネグリジェを着て、みんなで寝室に向かった。
「ご主人様、よろしいですか?」
声をかけて寝室に入ると、ご主人様は私の姿を見て「お」っと言ったきり言葉を失った。
「失礼します」
ベッドに腰掛けているご主人様の前に4人で並ぶと、彼は「お?」と言葉にならない声を出して私たちを見回し、そしてみんなの脚に釘付けになった。
「いかがでしょうか」
「おお?」
「今日ベスタと行った帝都の店で見つけました」
「おお」
「無名の小さな店でしたが、こんなものが置いてありました」
「おお。おお」
「かなり高いうえに耐久性もないので、広まってはいないらしいです」
「お。お?」
ご主人様は言葉を無くしてしまったのだろうか?
口を開いたまま両腕を伸ばし、明らかに私の脚に触れたがっている。
「はい。触ってみてもいいですよ」
私が許可を出すと彼は私の脚に近づいて跪き、恐る恐るといった感じでゆっくりと撫ではじめた。
下から上に、足先からふくらはぎ、そして太ももを撫で、そしてからだを密着させて頬を擦りはじめた。
「おお」
「うふっ♥ 思い切って買ってみてよかったです」
「おお。おお」
ご主人様はキャミソールの裾を乱しながらさらになで上げると、腰に巻いたガーターベルトに気がついた。
するとご主人様は一瞬固まって、次の瞬間に野獣になった。
彼は私を立たせたまま、下から秘部に吸い付いた。
ピチャッ!ピチャッ!ズチュッ!ジュルッ!
「ひゃんっ! あっ! ごしゅっ! じ、あっ! まっ、て... ああっ!」
私の抗議は無視して、ご主人様は私の秘部に貪りつき、一心不乱にしゃぶりはじめた。
ジュルッ! ジュルッ! ジュルルルルルッ!
「ああっ! ダメッ! ごしゅっ! ダメッ! ああっ! イヤッ! ああっ! ああああっ!」
“まだオヤスミのキスをしていない”ってことがあたまをよぎったけど、その考えは次の瞬間には快感で吹き飛んでしまった。
ご主人様は執拗に私を責め立て、そして私が感じ過ぎて立っていられなくなると、彼は私を抱えてベッドに移動した。
彼は私をベッドに寝かせると、両脚をM字に開いて撫で回しながら間に頭を沈め、再び秘部にしゃぶりついた。
そして鼻先で秘部の先端部の突起を刺激しつつ、舌を入口に突っ込んで舐め回す。
すると私の秘部からは愛液が止めど無く溢れ出し、彼はそれをジュルジュルと卑猥な音をたてて飲み下した。
「ごしゅ... あっ! じ...んさまっ! ああっ! もうっ! くださいっ! おねがっ! いっ! ああっ! いっ! おねっ! がいしまっ! ああっ!」
私は何度もイキそうになるのをシーツを掴んで必死に耐え、アレを入れてほしいと懇願する。
するとご主人様は秘部から顔を離し、「ロクサーヌ。入れてほしいのか?」と、意地悪な言葉を発した。
「ご主人様。早くくださいっ! もう、おかしくなっちゃいます!」
私が叫ぶように求めると、彼はからだを起こして秘部にアレを突き立てた。
すると十二分に蕩けていた私の秘部はわずかな抵抗もなくアレの先端を呑み込み、ご主人様が腰を突き出すと一気に最奥までのみ込んだ。
そして、アレと秘部の隙間から激しく愛液が溢れ出し、ブシュッ!という水っぽくて卑猥な音が鳴り響いた。
「ああああああああっ!」
次の瞬間、私のからだはビクビクと痙攣し、目の前が真っ白になった。
ご主人様の愛撫で十分カラダが出来上がっていたため、一突きでイカされてしまったのだ。
私は全身から力が抜け、意識が遠のきはじめた。
凄く気持ち良かった。とっても幸せな気分だ。
ご主人様。愛してます♥
このまま繋がっていたい。
このまま私は余韻を楽しみたかったのだけど、ご主人様は許してくれなかった。
「ロクサーヌ。入れただけでイッたのか? フッ。だが... 本番はこれからだ」
ご主人様はそう言うないなや、もう一度私の太ももをさすりはじめ、そして腰を振り始めた。
「あっ! ああっ! またっ! ああっ! 凄いっ! 当たるっ! ああっ! 奥までっ! ああっ! 凄いっ! またイクッ! ああああっ! またイッちゃう♥」
ご主人様は秘部からアレが抜ける寸前まで腰を引くと、一気に最奥まで突き入れる。
彼はいつもより激しく抽送を繰り返し、私は膣壁の全てを擦られて、何度も子宮の入口を突き上げられる。
私は何度もイカされて、その後ご主人様が果てるのと同時に意識を手放した。
◆ ◆ ◆
ベッドの振動で意識が戻ると、私の隣でご主人様がベスタを激しく責め立てていた。
彼はうつ伏せになった彼女の腰を浮かせて膝立ちにし、後ろから激しく腰を打ちつけている。
反対側を見ると、隣に虚ろな目をして呆然とこちらを見ているミリアがいた。
彼女はハァ、ハァと何とか呼吸はしているけど、今にも気を失いそうだ。
その奥にはセリーがいるようだけど、全く動いている様子がない。どうやら彼女は気を失っているようだ。
部屋の中にはベスタの喘ぎ声と、パンッ!パンッ!パンッ!パンッ!という、ご主人様が腰を打ちつける音が鳴り響く。
「あっ! あっ! んっ! ごっ! んあっ!」
ベスタは既に何度もイカされたのか? 口の端から涎を垂らしていて、喘ぎ声も少しかすれていた。
彼女もそろそろ限界かな?
なんて思っているとご主人様が腰を打ちつける速度が急にあがった。
すると、ベスタの声も大きくなり、「ああっ! イキます! ご主人様っ またイキます! ああっ! ああああっ! イクイクイクイクイクイクイクイクッ! ああああああああっ!」と矯声をあげて絶頂をむかえた。
ベスタは矯声をあげながら頭を上げてからだを弓なりにしならせると、その姿勢のままビクビクと痙攣した。そして、イキ終わるとガクッと力が抜けたように突っ伏して、からだを弛緩させた。
その後、ピクリとも動かなくなったので、どうやら彼女はイッたあと、そのまま意識を手放したみたいだ。
ご主人様も同時にイッたようで、ベスタの秘部にアレを突っ込んだままビクビクとからだを振るわせていたけど、しばらくするとベスタの中に出し切ったようで、秘部からアレを引き抜いた。
彼はベスタのからだを伸ばして仰向けにし、肌がけをかけてあげると私の隣に移動してきた。
「ロクサーヌ。2回目、行くよ」
「はい♥」
私は返事もそこそこに、自分からご主人様に抱きついて激しく唇を重ねた。
ご主人様は一瞬固まったけど、すぐに舌を絡めて応えてくれた。
「ロクサーヌ。なんだか積極的だな?」
「ご主人様。次は私にも“あんなこと”、して頂けるのですよね?」
「えっ? あ、ああ。その......」
「セリーと同じこと... して頂けるのですよね?
ふふっ。楽しみです♥」
「......わかった」
ご主人様が困っているようだったので、私は彼の耳元に口を近づけて、少し挑発混じりにささやいた。
すると、ご主人様は一瞬無言になり、そして雰囲気が再び野獣になった。
「あんっ! いきなり入れるなんて♥
ふえっ? ご主人様? んっ! えっ? ええええっ!」
ご主人様はいきなりアレを秘部に挿入すると、私の腕を自分の首にまわさせて、私に抱きつかせた。
そして、からだを起こして私の両脚の下に自分の両腕を通し、私を抱えて立ちあがった。
「ロクサーヌ。離すなよ」
「あっ! そんなっ!
あっ! ちょっ! 凄いっ! ああっ! ごしゅっ!
ああああっ! 凄いっ! コレ凄いっ! ああっ!
ご主人様っ! ああっ! ああああっ!」
ご主人様はひとことささやくと、腕を何度も前後に動かしはじめた。
私はご主人様に抱きついたまま、彼の首を支点にして振り子のように動かされた。
それに合わせて私の秘部が、彼のアレを呑み込んでいく。
そして、彼のアレが根元まで埋まるたびに、パンッ!パンッ!と、腰に秘部が打ちつけられる音が鳴り響き、私は気持ち良くなること以外、何も考えられなくなった。
その後、ご主人様が果てるまで私は何度もイカされて、1回目に負けないくらい激しく可愛がって頂いた。
因みに以前ご主人様がこの体位でセリーを可愛がっていたのを見たことがあった。
そのときご主人様はセリーを支え続けることが体力的に厳しかったようで、途中で彼女を降ろしていた。
私より軽いセリーでも最後まで持たなかったので、当時はご主人様が私をあの体位で可愛がることは無理だと思っていたけれど、迷宮で鍛えて体力がついたようで、今日は最後まで力強く可愛がってくれても、彼にはまだまだ余裕があるようだった。
私は2回目が終わって微睡んでいると、ご主人様は気絶しているセリーは放置して、何とか気絶せずに意識を保っていたミリアを可愛がりはじめた。
彼女ははじめは気持ち良さそうに喘いでいたけれど、休憩不足で体力が回復していなかったようで、何度かイカされると、ご主人様が果てる前にガクガクと痙攣して気を失ってしまった。
ご主人様は少し残念そうな顔をしてミリアの秘部から怒張しているアレを引き抜くと、右手で握って自分でシゴキはじめた。
ミリアのからだを精液まみれにしようとしているのかもしれないけど、表情を見る限りそのような雰囲気ではない。
たぶん彼女のからだを気遣って、気絶している彼女に抽送し続けることをやめたのだろう。
私はその姿を見てせつなくなってしまい、横からスッと手を伸ばしてご主人様の右手に添えた。
手が触れると彼はビクッ!と震え、私が起きていることに気がついた。
「ろ、ロクサーヌ。起きてたのか」
「はい。ご主人様。私にお任せください」
彼は自分で慰めていたところを見られて恥ずかしそうだったけど、私が手を引くと素直に私の前にきた。
そして私がアレを胸で挟んでシゴキながら尖端を舌先でチロチロと舐め回すと、すぐに彼は「うっ!ロクサーヌっ!イクぞっ!」と叫んで私の顔に精液をぶちまけた。
私はスンッと鼻から息を吸って匂いを堪能してから、顔についた精液を指で拭って全て口に含み、コクッと飲み下した。
そして、ご主人様のアレをもう一度咥えると、シゴキあげながら残った精液を吸い取った。
「ロクサーヌ。ありがとう。気持ち良かったよ」
「はい。でも、私もご主人様が私でイッて頂けるのは、嬉しいのですよ。だから私からも、ありがとうございました」
「ハハハ。そうか」
「それよりも、もしよろしければ、もう一度ベスタを可愛がってあげてください」
「ん? 俺は色魔があるからまだ大丈夫だが、ベスタは気絶してるぞ?」
ご主人様はベスタを見て困惑しているので、私は「大丈夫。すぐに起きますよ」と言ってウィンクした。
私は気絶しているベスタの横に移動して、彼女の頬をペチペチと軽く叩くと、彼女はすぐに「ハッ」と言って意識を取り戻し、バッと起き上がった。
「ろ、ロクサーヌさん」
「大丈夫ですか?」
「はい。えっと......」
彼女は周りを見回して、自分がベッドにいること、私の後ろにご主人様がいることに気がついて、およその状況を掴んだようだ。
「すみません。気持ち良過ぎて気を失ってしまっていたようです」
「ふふっ。大丈夫そうですね。では、貴方の番ですよ」
「えっ?」
ベスタは私の言葉の意味がわからずに困惑していたけど、私が退いてご主人様が目の前に立つと一瞬で全てを理解したようで、両腕を広げて彼を迎え入れた。
ご主人様はベスタに抱きついたけど、そのままベッドに押し倒して彼女の上にまたがった。
すると彼はベスタの左右の乳房の少し下側を鷲掴みして、絞り上げるように力を込めて強制的に乳首を立たせている。
そして、ご主人様はベスタの乳房を中央に寄せ、その突起同士を擦り合わせはじめた。
「あっ! 気持ちいいです。 んあっ! あっ!」
ベスタが喘ぎはじめると、ご主人様は2つの突起を重ねてペロペロと舐め、そして“ハムっ!”と甘噛した。
「あうっ!」
ご主人様はベスタの大きな胸を責めたてているので、私は彼女の両脚を広げて秘部に顔を近づけ、舌と指を使って愛撫した。
すると、すぐに彼女の準備が出来たので、「ご主人様。ベスタの準備が出来ました」と声をかけると、彼は「わかった」と返事をして彼女の股の間に移動した。
ご主人様は怒張したアレをトロトロになったベスタの秘部に押しあてると、ジュボッ!ジュボッ!と勢いよく抽送をはじめた。
そして、再び彼女が気を失うまで可愛がった。
ご主人様はベスタが気を失ったと同時にビクビクと痙攣していたので、今回は彼女の中に全てを出しきったみたいだ。
ご主人様はベスタに抱きついていたけど、しばらくするとすっかり萎んだアレを引き抜いて、私とベスタの間に転がった。
「ふぅ」
「ご主人様。お疲れ様でした」
「ロクサーヌ。今日はそろそろ」
「かしこまりました。では、最後にキレイにさせていただきますね」
私はご主人様のアレを咥えて精液をキレイに舐め取り、それから乾いた手拭いで彼のからだについた汗を拭き、肌着を履かせた。
ご主人様が横になったので、私もネグリジェを着て隣に寝ようとすると、彼に抱き寄せられた。
そして、激しく唇を奪われた。
「ロクサーヌ。オヤスミのキスを忘れていた」
「そうでしたね」
「しかし、ツルツルだな。ヤミツキになりそうだ」
ご主人様はそう言いながら私の太ももを撫でたので、私も彼の脚に片脚を乗せてさすった。
「また今度、ストッキングを履いてご奉仕させて頂きますね」
「ああ。宜しく頼む」
その後、ご主人様の胸に顔を埋めながらしばらく雑談していたけど、いつの間にかそのまま眠りについていた。
◆ ◆ ◆
翌朝。私たちはいつも通り早朝探索に出発。
ハルバーの迷宮26階層の攻略を進め、たくさん肝を拾った。
「ご主人様。そろそろ2時間経ちますが、このまま26階層の攻略を進めますか?」
「うむ。肝は48個か...... そうだな。じゃあみんな、今から1階層に移動して、肝を竜皮に変える」
「かしこまりました」
「わかりました」
「はい。です」
「私もわかりました」
そのあと私たちは1階層に移動して、ナイーブオリーブを探した。
そして、私が肝のぶつけ役となって魔物をドライブドラゴンに変え、みんなで倒して竜皮を拾った。
それを2時間ほど繰り返し、全ての肝を竜皮に変えた。
1階層での作業が完了すると、ご主人様のワープでクーラタルの冒険者ギルドに移動。
受付カウンターで不要なアイテムを売却し、それからクーラタルの街なかに出て、いつもの八百屋とパン屋に寄った。
そして、野菜や卵、高級パンを抱えて家に向かって歩いていると、途中で前から世話役のおばさんが歩いてきた。
「あっ! おはようございます」
「「「「おはようございます」」」」
「あら、皆さん。おはようございます」
私が気づいていち早く挨拶をし、次の瞬間に他のみんなも挨拶すると、おばさんも気づいて挨拶を返してくれた。
「その格好は迷宮帰り?」
「はい。朝イチの探索を終えて、今から家に帰って朝食なんです。オネスタさんはどうしたのですか?」
「ああ、私は旦那の鍛冶工房に用があってね。
そんなことより......」
世話役のおばさんは途中で言葉を切ると、私たち一人一人をじっと見だした。
そして、私たちを一通り確認すると、いつものように「ほんと、いつ見てもみんないい娘ね。奴隷とは思えないくらいきれいだし、みんな生き生きしてるわね。
誰か息子の嫁にならないかしら...」とつぶやいた。
「申しわけありません。みんなご主人様に売れちゃっていますので♪」
明るく返事をすると、世話役のおばさんもニッコリ笑って「あら。うちはいつでも受け入れるわよ。皆さんもミチオさんが嫌になったら、いつでも家に来て良いからね」と返してくれた。
「私たちは身も心もご主人様に捧げていますので、誰も行きませんよ」
私の返事にセリー、ミリア、ベスタの3人も笑顔で頷いて同意を示す。
すると世話役おばさんは小さく肩をすくめ、「あら、残念」と言ってあっさり引き下がった。
世話役のおばさんは最後にご主人様を見ると、「はぁ。これじゃあ無理そうね。ミチオさん。大事にしなさいよ」と言って手を振りながら去っていった。
ご主人様はずっと苦笑していたけど、満更悪い気分ではないようだ。
それからは近所の人に挨拶をしつつも立ち止まることはなく、5分ほど歩いて帰宅した。
帰宅後、朝食を食べている時にご主人様から昨日ストッキングを買ったお店について色々と聞かれた。
私が、“こだわりのある品があり、価格も大通りの服屋とクーラタルの服屋の間くらい”であったことを説明すると、“せっかく面白そうな店を見つけたのだから、このあと服を買いに行こう、という話になり、みんなで帝都に出かけることになった。
ワープで帝都の冒険者ギルドに移動し、そこからは私とベスタが先導して、昨日行った服屋まで歩きはじめた。
私は隣のベスタと話しながら気分良く歩いていたのだけど、10分ほど歩いて大通りから外れ、服屋のある通りに入ると、すぐに脇道から軽薄そうな二人組の男が近づいてきた。
小綺麗な格好をしているけど、雰囲気が気持ち悪いわね。
チラッと見た感じでそんな感想を抱いていると、なんとその男たちはこちらを気にしながら、私と並んで歩き出した。
「はぁ。まったく...」
声をかけられても面倒なので、私は小さくため息をついてからベスタに目配せすると、彼女も私の意図を理解したようで、一瞬肩をすくめてから小さくうなずいた。
次の瞬間、私はサッとさがってご主人様の腕に抱きついた。そして何事もなく彼と話しはじめた。
あらかじめ行動方針を決めておいたので、私たちはスムーズにフォーメーションを変更したのだ。
ベスタは何事もなかったように、先頭を歩いている。
男たちは私が急に視界から消えたことに慌て、キョロキョロと周りを見渡した。
そして、私が1歩さがった所でご主人様と腕を組んでいることに気がついたようだ。
彼らは互いに顔を見合わせると、一人が「チッ!」と舌打ちした。
しかし次の瞬間にセリーが「滅びればいいのです」とつぶやくと、彼らはギョッとして立ち止まり、そのまま私たちから離れていった。
ふふっ。セリーの呪いで滅びたようですね。
そんなことを考えていると、すぐに目的の店が見えてきた。
「ご主人様。ここがそのお店です」
私が店を紹介すると、ご主人様は感心したように店を眺め、そしておもむろに「よし。ここでみんな一着ずつ好きな服を買っていいぞ」と言い出した。
「えっ? よろしいのですか?」
「大丈夫だ。遠慮しなくても良い」
まだ中も見ていないので少し心配だったけど、何故かご主人様は自信がある顔をしているので、私は素直に従うことにした。
◆ ◆ ◆
私たちは店に入ると、それぞれ自分たちが興味がある服のある場所に散らばった。
私は迷宮でも動きが阻害されないような、それでもって普段使いしても違和感がないような服を探しはじめたけど、視界の端でご主人様が店員と何やら話し、それから女性の下着があるコーナーの方に歩いていくのが見えた。
私はなんとなく気になってご主人様たちが見える所に移動すると、彼は店員からストッキングとガーターベルトを1セット受け取っていた。
私たちの分は昨日買ってるのに、なぜご主人様がストッキングのことを聞いているのか疑問に思っていると、すぐに彼はストッキングを店員に返した。
すると店員はそれをカウンターの方に持ち去った。
えっ?もしかして買ったの?!
なんで?誰の分?
まさか...... 浮気しているの?!
でも、ちゃんと話を聞かないと......
私はご主人様がなんでストッキングを買ったのか気になっていたけど、取り急ぎ自分の買う物を決めてしまおうと思って服選びに集中した。
しばらくすると、ご主人様はセリー、ミリア、ベスタの順に声をかけ、そして私の所に来た。
「どうだ。いいのはありそうか」
「えっと... こ、この辺の服は高級なドレスばかりですね。セリーたちがいる辺の服は普段使いもできそうですが... どちらにしても迷宮に着ていくのは難しそうです」
私はストッキングのことを聞きたかったけど、その気持ちを無理矢理抑え込んで先ずはご主人様と話を合わせることにした。
「一着くらいはそういう服があってもいいだろう。公爵の所からまた招待を受けているし」
「えっと、また招待されているのですか?」
「ああ。昨日入会式のあと、十日後に祝宴を開くから夕方にパーティーメンバー全員で来てくれと言われている。さすがに次は模擬戦はないだろうから、全員ドレスで揃えるのもいいんじゃないか?」
えっ?ドレスを4着も買うつもりなの?
かなりの金額になると思い、私は少し小さな声でご主人様に確認した。
「ご主人様。この店は大通りほどではありませんが、ドレス類はそれなりの値段がついてます。本当に大丈夫ですか?」
「問題ない。むしろ変に遠慮しないでほしい」
「わかりました。ありがとうございます」
私がお礼を言うと、ご主人様は少しだけ恥ずかしそうに頬をかいた。
「と、ところで、ミリアは何と言ってるんだ?」
ご主人様は恥ずかしがっていることを誤魔化そうとしているのか?急に話題を変えた。
私はすぐ近くで服を漁っているミリアを見て、彼女がブツブツとつぶやいている言葉に耳を傾けた。
『うーん... これだと魚が逃げるか...』
はぁ。この娘は服に何を望んでいるんだろう。
「魚が獲れる服を探しているようです」
「どういうことだ?」
「詳しくは聞いてみないとわかりませんが、この前釣りの話を聞いたとき、ミリアは“魚が好む色がある”みたいなことを言っていました。
今彼女は、これだと魚が逃げるってつぶやいていましたので、そんな色の服を探しているのかも知れません」
「うむ。そう言われると、そんな気がするから不思議だ」
「ふふっ。放っておくと、おかしな服を選ぶかもしれないので、みんなにご主人様の意向を話しておきます。
あと、ドレスを選んだら試着させますので、ご主人様が最終確認してください」
「うむ。ロクサーヌ。宜しく頼む」
私は3人に声をかけて、ご主人様の意向を伝え、ドレスの最終確認をするので、選んだら私の所に持ってくるよう伝達した。
そうして自分のドレスを選んでいると、ベスタが選んだドレスを持ってきた。
彼女が手にしていたのは薄い茶色のドレスだった。
形は問題ないけれど、彼女の髪色とは合わないわ。
それに、裾が少し解れているわね。
私はベスタに丁寧にお話しして、彼女を送り返した。
次にドレスを持ってきたのはセリーだった。
彼女が持ってきたのは純白でフリルが多めのドレスで、いかにも小柄な彼女に似合いそうなものだった。
詳しく確認したけど縫製や仕立て具合に問題がないので、彼女にドレスを持たせて試着室に送り出した。
次にドレスを持ってきたのはミリアだった。
しかし彼女が持ってきたのはフリルは多めだけど、上下が分かれており、上半身は胸と左右の二の腕部分のみで、両肩とお腹は丸出しだ。
下半身はおへその少し下から足首くらいまでの長さのスカートだけど、左腰から右足首まで斜めに切れ込みがあり、巻きつけたような形となっている。
色は水色で、彼女の髪色にも合っていた。
たぶんミリアは動き易さで選んだだけだろうし、少しセクシー過ぎる気はするけれど、健康的な彼女には似合い過ぎるほど似合っている。
私は縫製と仕立てを確認し、問題ないので彼女にドレスを持たせて試着室に送り出した。
ベスタはまだ戻ってこないので、私は自分のドレス選びに戻った。
しばらく選んで薄緑色のドレスに決め、縫製と仕立てを確認していると、ベスタが真っ赤なドレスを持ってきた。
彼女の髪色よりも少しだけ明るい赤で、褐色の肌色にも映える色だ。
詳しく確認したけど縫製や仕立ても問題ない。
「ベスタ。このドレスなら問題ないわ。試着してご主人様に最終確認してもらってください」
「はい。わかりました」
私はベスタを送り出すと、自分の選んだドレスの確認を手早く終わらせて、試着室に向かった。
試着室の前に行くと、ちょうどベスタが着替えているところだった。
彼女は既にドレスを脱いでいるセリーとミリアに手伝ってもらっていたので、すぐに着替え終わって部屋の外で待っているご主人様に見せに行った。
私が服を脱いでドレスを着ようとすると、ベスタを送り出したセリーとミリアがこちらに来た。
「ロクサーヌさん。手伝います」
「手伝う。です」
「ありがとう。では、宜しく頼むわね」
2人に手伝ってもらいドレスを着る。
そして、試着室の前で待機しているご主人様の前に行くと、彼は私の姿を上から下までじっくり観察し、「うむ。なかなか似合っているな」とつぶやいた。
「はい。ありがとうございます。ではこれにしようと思います」
「みんなもそれでいいか?」
「はい」
「はい。です」
「ありがとうございます」
みんなのドレスが決まったのでカウンターに移動すると、ご主人様はアイテムボックスから金貨を積み上げていた。
すると店員は「特別サービス」と言ってかなり割引したので、ご主人様は少し金貨を戻していた。
「じゃあ、このあとロッジに行くから、自分のドレスは自分で持つように」
「かしこまりました」
「わかりました」
「はい。です」
「私もわかりました」
リュックにドレスをしまって背負い、店を出ようとすると、ご主人様が店員からさり気なく小さな袋を受け取っているところが目に入った。
彼は何事もないような表情を繕っているけれど、微かに緊張していることは、私には丸わかりだ。
本来ならばご主人様を信じて黙っているべきなんだろうけど、彼が誰の為にストッキングを買ったのか、今すぐ聞きたい!
思わず彼と組んだ腕に力が入ってしまうと、ご主人様から声をかけられた。
「ん?ロクサーヌ、どうした?」
「あ、いえ... こんな高い服をありがとうございました」
「ま、まあ。みんなにも似合ってたしな」
私はご主人様に機先を制されてしまい思わず動揺してしまったけど、声音から彼が緊張していることに確信を得てしまい、我慢出来なくなってしまった。
「ご主人様も何か手に入れられたようですが」
ホントは小袋の中身がストッキングだということはわかっていたけれど、“何か”なんて... ちょっと厭味ったらしい聞き方をしてしまった。
「まあちょっとな」
「ちょっとというのは?」
彼が誤魔化そうとしたことに嫉妬心が湧き起こり、私は反射的に追及してしまった。
そして、“次は絶対誤魔化させない!”と強く思いながら、ジッとご主人様と目を合わせた。
「き、昨日セリーが酒をもらったから、そのお礼みたいなもんだ」
「そうですか。お礼ですか。ということは、それはその人に履いて頂くということですか」
「ん?いや...... これをどう使うかは本人次第だが......」
「本人次第ってどういうことですか?
ご主人様がその人に履かせたいからプレゼントするのでは?」
私はのらりくらりと答えるご主人様に少しだけ苛立って声が大きくなってしまうと、彼は一瞬驚いたもののすぐに心底嫌そうな顔をした。
「やめてくれ。相手が喜びそうだから選んだが、俺はあの変態がどう使うのかには干渉するつもりはないぞ」
「えっ?」
ご主人様の反応が予想外だったので小首を傾げると、彼も同じように小首を傾げた。
「えっと...... プレゼントする人は...... 女性でしょうか?」
「いや... 酒をくれたのは男だが」
「えっと...... 男性...... 男性...... 男性......
ええええっ! 男性がそれを履くのですか?!」
あまりの衝撃に目を丸くしていると、私の様子に一瞬驚いたご主人様は、次の瞬間にはニヤリと微笑んだ。
「ロクサーヌ。世の中には、思いもよらない趣味を持つ者もいるのだ」
彼はそう言うと私のあたまをポンポンと叩き、そして言葉を続けた。
「まさかとは思うが、俺が浮気しているなんて考えたわけではないよな?」
ご主人様はそう言うと、ニヤニヤしながら私の顔を覗き込んでいる。
「も、申しわけありませんでした」
私は勘違いから嫉妬していたことが恥ずかしくて俯くと、彼はフフッと笑って私の耳元に唇を寄せてつぶやいた。
「ちょっと驚いたけど、嫉妬したロクサーヌも可愛いよ」
「はぅ~」
私は顔から火がでそうなほど恥ずかしくなり、先ほどよりも強く腕にしがみついた。そして、気がついたら冒険者ギルドに着いていた。
◆ ◆ ◆
帝都の冒険者ギルドからロッジに移動すると、セバスチャンさんが出迎えてくれた。
「これはようこそいらっしゃいました、ミチオ様、ロクサーヌ様、セリー様、ミリア様、ベスタ様」
彼は深々とあたまをさげて仰々しく私たちを出迎えると、ご主人様に訪問の目的を確認した。
彼は、ご主人様が「店舗を見にきた」と言ったときには「はい。かしこまりました」と二つ返事で承諾したけど、小袋を手渡されてガイウスという人に渡してほしいと言われると、「これをでございますか?」と訝しんだ。
ご主人様は二つ返事で受け取ってもらえるものだと思っていたのか?セバスチャンさんの態度が予想外だったようだけど、慌ててセリーが酒をもらったお礼であることと、危険なものではないことを説明し出した。
そして、セバスチャンさんに、渋々ながらも「承りました。お預かりいたします」と言ってもらうと、ホッと胸を撫で下ろしていた。
但し、ご主人様は言質を取ったことに気を良くしたのか、「精進するようにと伝えてくれ」と少し偉そうに伝言を依頼したけど、セバスチャンさんはその言葉には反応せずに「それでは、こちらへおいでください」と言ってロッジの奥に向かって歩き出した。
ご主人様は無視されたことに一瞬呆けていたけれど、私が肩をトントンと軽く叩くと、彼はハッとしてセバスチャンさんのあとを追って歩きはじめた。
店舗に着くと、ご主人様は装備品をチェックし、いくつかの物についてはセバスチャンさんを呼んで性能や価格を聞いていた。
しばらくすると、セバスチャンさんがスタッフを持ってきて、ご主人様に説明をはじめた。
増撃のスタッフと言うらしく、セバスチャンさんは増撃というスキルの素晴らしさを語ったうえで、「人気商品だからすぐに買わないと売れてしまうし、次に来たときにあるかどうか分からない」と言って、購入を煽った。
「うむ。今すぐ使えるわけではないがどうするか......」
ご主人様は少し考えていたけど、結局「すまない。よく考えたらまだポイントを持っていなかった」といって購入を断った。
セバスチャンさんはかなり残念そうにしていたけど、ご主人様から「魔法使いが加入しなかったら、転売するしかなくなるが」という言葉が出ると、顔色が変わった。
セバスチャンさんは「ここで売っている装備品は会員様のいるパーティー以外で使用すると問題になります」と言って転売禁止であることを私たちに伝えてきた。
するとご主人様はしばらく考えてから、私たちに「残念だが今日は良いものがなかったので、家に帰ろう」と言って帰宅を促した。
その後、ロッジの入口まで移動すると、ご主人様は「また来る」とセバスチャンさんに言ってワープゲートを開いた。
ゲートをくぐって帰宅すると、ご主人様から「ドレスを片付けたらダイニングに集合してくれ」と言われたので、私はセリー、ミリア、ベスタの3人を引き連れて衣装部屋に移動してドレスをハンガーラックに吊すと、再度3人を引き連れてダイニングに移動した。
全員着席してハーブティーが配られると、ご主人様が口を開いた。
「改めてみんなに言っておくが、帝国解放会で入手した情報は会員以外には洩らしてはいけないことになっている。一般には誰が会員であるかは伏せてあるので、簡単に言うと帝国解放会で見たこと、知ったことは、俺たちパーティーメンバーとロッジで会った人以外には話してはいけないということだ。
みんな、ここまでは理解したか?」
ご主人様はそこまで話すと、周りの反応を確認した。
「はい。理解しています」
「大丈夫です」
「はい。です」
「私も大丈夫です」
私たち4人が理解したことを確認すると、ご主人様は話を続けた。
「先ほどの話だが、俺は情報とは見聞きしたことだけだと思っていた。しかし、増撃のスタッフのように、有用なスキルがついた装備品を市場に流すことも問題となるらしい。
あの杖もそうだが、気をつけないと帝国解放会の情報をうっかり洩らしてしまいそうだ。
みんなも気をつけるように」
とにかく解放会で見聞きしたことや購入した物は、外部には一切公表してはいけないということね。
私が考えていると、「そうですね。注意します」といち早くセリーが返事をした。
ミリアとベスタは首をひねっているので、後でもう一度念を押しておいた方が良いわね。
「ご主人様。ミリアとベスタが今ひとつわかっていないようですので、後で念押ししておきます」
「あ、ああ。宜しく頼む」
後で2人に念押しすることで話が一段落したと思ったら、セリーがそっと手をあげた。
「あの。ご主人様はガイウスさんに物品を渡したのですよね?」
「ああ。そうだが... あくまでこの前の礼のつもりだが」
「入会式のときは無礼講ということだったし、相手から勧められてお酒を頂きましたので、そのことについては改めてお礼をする必要はありません。せいぜい次に会ったときに、口頭で礼を言えば済む話です。
なので、今回は特に何もないのに物品を渡した形になりますが、大丈夫なのでしょうか」
「えっ、そうなるのか?
知り合いにちょっとしたプレゼントを渡したくらいの感覚なんだが、マズかったのか?」
「えっと。ガイウスさんの爵位はわかりませんが、あのときの感じだと、たぶん貴族ですよね?それもかなり身分の高そうな」
「た、確かにそうだが......」
「そうなると、ご主人様は献上品を贈ったことになるのではないのでしょうか。
だからセバスチャンさんが訝しそうにしていたのだと思うのですが......」
セリーの説明を聞くと、ご主人様は顔色が真っ青になった。
「い、いや。帝国解放会内は身分や役職は関係ない。
だから、今回渡した物は献上品という位置づけにはならないはずだ。だから心配するな」
「そうでしょうか...... 私も貴族の仕来たりについては詳しくはないので、これ以上何とも言えないのですが......」
セリーの懸念はもっともだけど、ご主人様の話にも一理あると思う。
でも、貴族の仕来たりに詳しい人がここにいない以上、これ以上悩んでも何も結論は出ないだろう。
私はそう考えて、「いま悩んでも結論は出ないのですよね? それなら取り急ぎ次から気をつける。ということにすれば宜しいのでは?」と提案すると、2人とも私の方を向いて少しだけ呆れたような表情になった。
しかし、次の瞬間にお互いに顔を見合わせて、同時にコクリとうなずいた。
「まあ。ロクサーヌの言う通りだな」
「そうですね。次からは気をつけましょう」
その後、しばらく休憩しながら雑談し、ご主人様と私は商人ギルドでルーク氏と商談、セリーは家で装備品の製作、ミリアとベスタは掃除と庭手入れ、と、それぞれの作業に取り掛かった。
その夜、お風呂から上がると、昨日に続きご主人様を先に寝室に送り出した。
昨日送り出したときは、ご主人様は少しゴネ気味だったけど、今日は私たちが彼のからだを拭き始めた時点でソワソワしだし、肌着を履くとそそくさと寝室に向かっていった。
「ふふっ。ご主人様ったら♥」
「今日も凄そうですね」
「頑張る。です」
「私も今日は最後まで頑張りたいと思います」
「ふふっ。さっさと着替えてたっぷり可愛がっていただきましょう」
みんなで協力して手早くドレスに着替え、肌着は履かずに並んで寝室に突入した。
ご主人様はベスタから順番に抱きついて、ドレス越しにからだを撫で回しながらオヤスミのキスをした。
そして、その後は彼の考えた“背徳的なシチュエーションで与えられた役になりきる”という設定で、1人ずつ可愛がって頂いた。
もちろん演技なんてしたことはないので、途中で笑ってしまい集中力が切れてしまったりしたけれど、いつもと違う感じの為か皆かなり盛り上がってしまった。
そして、結局2日連続で、夜がふけるまで何度も可愛がって頂いた。
翌朝、全員寝不足となってしまったことは、言うまでもないだろう。