わたしの名はロクサーヌ。
狼人族で16才の獣戦士、そしてご主人様(加賀道夫)の一番奴隷。
大好きなご主人様、かわいい後輩奴隷のセリーと三人で、
クーラタルの一軒屋でしあわせにくらしている。
お仕事は迷宮探索。
クーラタルとベイルの2つの迷宮を同時に探索しており、どちらも8階層まで到達している。
数日前の出来事。
私たちはダイニングに集まり、セリーがミサンガを作るところを見ていた。
その日の探索の最後にベイルの迷宮2階層に寄り、グリーンキャタピラーを倒して拾った糸を使うらしい。
「では作りますね」
セリーが糸を持ち、スキル呪文を詠唱すると手元が激しく光った。
「なるほど。こんなふうに作るのか」
「私も実際に装備品を作るところを見たのは初めてです」
やがて光が収まると、セリーの手元にミサンガが握られていた。
セリーはご主人様と少し話したあと、出来上がったミサンガをご主人様に渡した。
そして、そのミサンガがご主人様の足首に巻かれると、とても嬉しそうだった。
あとは、商人ギルドで話していた芋虫のモンスターカードが手にはいれば、ばっちりね。
その日の夕食は、ご主人様がジンギスカン鍋という料理を作ると言いだした。
ベイルの迷宮7階層のボスであるパーンのドロップアイテム、ヤギの肉を使った料理らしい。
私はご主人様の料理にワクワクしながら支度を手伝いつつ、前日からの出来事を思い出していた。
◆ ◆ ◆
昨日はベイルの迷宮7階層を探索し、ボスを倒して全滅したパーティーの装備品を獲得。
その後もういちどボス戦をおこない、ビーストアタックを決めた。
それから8階層に進み、私とセリーで魔物2体ずつを抑える連携をおこなった。
セリーが棍棒で魔物2体の同時攻撃に挑戦し、それが出来たところ、
ご主人様はなにやら興奮したような顔になり、その日の迷宮探索を終了すると言い出した。
あとで教えてもらったのだけれど、このときにセリーが鍛冶師のジョブを獲得出来たことに
ご主人様は気付いたとのこと。
「まだ早いと思いますが」
「まあいろいろ用事もあるしな」
なんだろう。なんか浮かれているなあ......
まあ、ご主人様のことだからいずれ教えてくれるだろうし、いまは聞かなくてもいいかな......
「......かしこまりました」
セリーは何かに気付いたようで、ご主人様にたずねた。
「商人ギルドにいかれるのですか」
「そうだな」
その後、ご主人様とセリーはオークションとか仲買人とかの話をしていたけど、とりあえず商人ギルドにいって分からないことは聞いてみることになった。
クーラタルの商人ギルドにむかう途中、セリーはご主人様に仲買人には気を付けるよう話していた。
どうやら仲買人は全ドワーフの敵らしい......
商人ギルドの中に入ると、ひとりの男性が近づいてきた。仲買人のローレルというらしい。
ご主人様と同じ人間族で、歳は30代後半といったところか。
ご主人様に話しかけているけれど、ときより視線を私とセリーに向けてニヤニヤしている。
ご主人様はその場でその男性と少し話すと、振り返って私たちに声をかけた。
「ロクサーヌとセリーは先に洋品店にいっててくれ。セリーの服を上下2着ずつ買おう。
ロクサーヌも1着買っていい」
「よろしいのですか」
「かまわない。臨時収入もあったことだしな」
「ありがとうございます」
私は急に私たちを遠ざけようとしたご主人様の様子が気になって、出口にむかいながら考えた。
ご主人様の言葉に素直に従ったけど、彼はあの仲買人を見てから雰囲気が少し変わった。
警戒しているような雰囲気だったし、私たちをあの仲買人から離そうとしたような気がする。
きっとご主人様は、あの仲買人が話しながら、視線を私とセリーに向けていたことに気づいたのだろう。
そんなことを考えながら出口の扉を開けようとしたとき、背中がゾクリとした。
恐る恐る振り返ると、ご主人様を個室に案内しながらも振り返ってこちらをイヤらしい目つきで見ていた仲買人と目が合った。
私は慌てて前を向き、扉を開けて商業ギルドを出た。
そして「ご主人様、ありがとうございます」と、心の中でお礼を言った。
その後、セリーをいつもの洋品店に連れていき、服を選び始めた。
「ロクサーヌさん、ここって新品の洋服を売っている店ですよね?」
「そうですよ」
「えっと、私は奴隷なので...... ふつう服は中古か、着られるものならボロということもあると思っていたのですが」
「セリー、ご主人様は、私たちにはなるべくきれいな格好をしていてもらうことを好みます。
なにか理由がない限り、服は新品を買いなさいって言われますよ」
「ほんとうですか?」
「お優しいご主人様ですから」
「わ、分かりました」
それからしばらく服を選んでいると、ご主人様がやってきた。
「これなんですけど、ご主人様はどっちがいいと思いますか?」
「ロクサーヌなら何を着ても綺麗だけどね」
「あ......ありがとうございます」
ご主人様は少し悩んでこっちがいいかなって指さした。
「はい。ありがとうございます!」
本当はどちらでもよかったのだけれど、ご主人様に選んでもらったって思うと、とても気分があがった。
セリーも選んだ服を持ってきて、ご主人様に渡した。
「これでいいか」
「本当に新品の服を買っていただいてもよろしいのですか」
「大丈夫だ」
「ありがとうございます」
セリーがご主人様に服を渡したあと、私はご主人様に声をかけた。
「あとすみません。これを買っていただいてもよろしいでしょうか」
私が赤色の布を渡すと、ご主人様は首をかしげた。
「必要なものなのか?」
「えっと。すみません。今日から始まってしまって。肌着を汚さないためのものです」
「ふうん。まあいいだろう」
ご主人様は分かっていないようなので、耳元で小さくささやいた。
「あとすみません。始まってしまったので、今日はお情けを受けられません」
「......」
ご主人様はようやく分かったようで、小さくうなずくと会計にむかった。
その後帰宅するとご主人様はセリーを鍛冶師にし、銅剣にモンスターカードを融合させた。
その後、セリーがひどいうつ状態となってしまったが、ご主人様が薬を飲ませて回復させた。
あとでご主人様に教えてもらったところ、MP枯渇の状態となってしまっていたとのこと。
そして今日。
朝イチでクーラタルの迷宮7階層のボス、ラピッドラビットを倒して8階層を探索。
その後、朝食をたべに家に戻り、朝食のあと帝都に出かけた。
帝都の冒険者ギルドを出ると、セリーは周りの建物の大きさに感心している。
「はー。さすがに大きいです」
セリーは帝都に初めて来たそうで、周りを見てはワクワクした顔をしていた。
って言っても私とご主人様も帝都に初めて来てからひと月もたってないのだけれど。
歩きながら話していると、帝都には図書館があることをセリーから聞いた。
図書館を利用するには預託金として金貨が必要で、セリーは「昔は来たかったけど奴隷になったので、今はいけない」と言っていたけど、ご主人様に「セリーは魔物のこととか教えてくれる担当だから、分からないことがあれば図書館で調べてほしい」と言われ、すごくうれしそうにしていた。
私は横で、そのやりとりをほほえましく見ていると、ご主人様から声をかけられた。
「ロクサーヌは、どこか行きたかったところとか、ある?」
「いいえ。特には」
「そっか」
私はご主人様と一緒ならどこでもいいと思っているので、ご主人様と視線を合わせて今の気持ちを素直に言ってみた。
「あ、あの。もしあったら、連れて行ってくれますか」
「そうだな。行ける場所であれば」
「えっと。ご主人様の行きたい場所が、私の行きたいところです。
是非私も一緒に連れて行ってください」
私の言葉を聞くと、ご主人様は優しい目をして私の耳をひとなでした。
「分かった。ありがとう」
「はい」
カッコいい...... 周りに人がいなければ飛びついてキスしたい......
っておもっていたら、セリーがあわてて声をかけてきた。
「わ、私も一緒に行きたいと思っています」
ふふ。ほんとセリーって可愛い。
それから、帝都の洋品店に行った。
前にネグリジェを買ってもらったお店だ。
お店に入るとすぐにネグリジェが飾ってあるのが見えた。
「ロクサーヌ、このまえ買ったようなやつ、2着ずつくらい、買っておくか」
「ありがとうございます」
ご主人様は私とセリーにネグリジェを選んでおくよう指示すると、初老の男性店員に声を掛けてウサギの毛皮を売りに店の奥に入っていった。
セリーは高級店の店構えにおじけづいたのか、少しのあいだ固まっていた。
「ろ、ロクサーヌさん。すごく高そうなんですけど、ほんとに大丈夫なんですか?」
「大丈夫ですよ。ご主人様ですから。それに、いまつかっているネグリジェはここで買ったものですよ」
「あ、本当だ。あれですよね。確かにすごく良さそうなネグリジェだったので......」
「さあ、選びましょ」
「で、でも......」
「セリー、昨日もいいましたけど、ご主人様は私たちにはなるべくきれいな格好をしていてもらうことを好みます」
「ご主人様を失望させちゃダメですよ」
「わ、分かりました」
セリーは私に促されて恐る恐るネグリジェを選び出したが、すぐに真剣な表情に変わり、そして目がキラキラになった。
「セリー、いまあなたが着ている白のほうは、これからもあなたが使って下さい」
「よ、よろしいのですか?」
「かまいませんよ。私は薄紅色のほうが好みですので。
今日も薄紅色のネグリジェにするつもりです」
「では、私は白にします。色が分かれていたほうが間違えないですよね」
「そうですね。そうしましょう」
しばらく選んでいると、ご主人様が戻ってきた。
「ロクサーヌはその色でいいのか?」
「はい。ご主人様が選んでくれた色ですから」
「そうか、ありがとう。セリーも、白でいいのか?」
「はい。色で分けておけば間違えませんから」
「分かった......」
ご主人様にネグリジェを買っていただいたあと、クーラタルの商人ギルドに移動した。
商人ギルドに入ると昨日とは違う男性が近づいてきた。仲買人のルークというらしい。
ご主人様は昨日と違って警戒している雰囲気ではない。
なにかよく分からないが、今日の人は大丈夫なようだ。
ご主人様は仲買人に妨害の銅剣を6本売却し、モンスターカードを注文していた。
セリーから言われてミサンガに融合する芋虫のカードも注文していた。
銅剣は交渉したときの金額よりも、最後に高い金額で買っていただいたようで、商人ギルドを出たときに、セリーがご主人様に忠告しだした。
「おまけするにしても、半端な金額にするのは変です。あの仲買人には注意してください」
「そうか。わかった」
私はあの仲買人はご主人様の素晴らしさに気付いておまけしたように見えたので
「あの仲買人はご主人様のすばらしさが分かったのでおまけしたに違いありません」
というと、
二人に微妙な顔をされてしまった。
「......」
「......」
あれ?......
そのあと武器屋によって、ご主人様は剣を2本購入。
それからもう一度ベイルの迷宮8階層に行って探索を行ったあと、
2階層にも寄ってグリーンキャタピラーを狩って糸を拾い、家に戻ってきたのだった。
そしていま。私はご主人様の料理を手伝っている。
昨日から、急に忙しくなったような気がする。
でも、セリーは鍛冶師になったし迷宮も8階層に入った。
これから私たちのパーティーは、今までよりも1段うえのステージに上がれるだろう。
そんな予感を感じて、明日が楽しみになった。
◆ ◆ ◆
翌日。
いつも通りのローテーションで迷宮探索を終え、家に帰ってきた。
そして夕食。
私たちはクーラタルの家でご主人様お手製のジンギスカン鍋を食べさせていただいている。
ご主人様が目の前でお肉を焼いてくれて、私たちに配ってくれる。
私たちは食べるだけとなっている。
なんだか申し訳ないのだけど、肉を焼くのは主人の仕事だと言われ、しかたなくお任せしている。
食卓にはほかにも私が作った煮込み料理とセリーが作ったスープもある。
そして私たちのパンも。
とても奴隷の待遇とは思えない食事となっている。
ご主人様は私とセリーがよろこんで食べている姿が見れて満足だって言っている。
本当にお優しい、素晴らしいご主人様。
私はいま、しあわせを感じている。
昨日もご主人様は作ったけど、今日のジンギスカン鍋は更に美味しい。
私は昨日のジンギスカン鍋は美味しかったと思っていたので、ご主人様が「昨日のジンギスカン鍋は味に納得いかないので失敗だ。だから今日再チャレンジする」って言ったときは驚いたけど、今日のを食べたら納得である。
「とてもおいしいです」
にっこり微笑んで答えると、ご主人様はとても満足そうな顔をした。
おいしい食事をふるまいながら、ご主人様はセリーに奴隷になった理由を聞き始めた。
セリーの家はおにいさんの収入がたよりだったのだけれど、迷宮で大怪我をしてしまった。
薬を買うおかねがなかったためにセリーが売られることになったらしい。
ご主人様と私は借金して薬を買うわけにはいかなかったのか聞いたけど、
一度借金すると抜け出すのが難しく、少しの借金をしたばかりにどんどん苦しくなっていく家をたくさん見てきたため
自分の家にはそうなってほしくなかったとのこと。
それを聞いたとき、私は叔父の家を思い出した。
「確かに、そういう家はありますね......」
「一度お金を借りると、他のことでもすぐ借金に頼るようになり、そのうちに返せなくなったりします。そうすれば一家離散です。
だから、そうなる前に私を奴隷として売ってくれるよう持ち掛けたのです」
「セリーは自分から言い出したのか?」
「はい」
「たいしたものだな」
「いえ。普通に考えればそれが最善です。鍛冶師や巫女への転職にも失敗してしまいましたし。
それに、奴隷になればブラヒム語を習うことが出来ます。奴隷を買えるような人はたいていブラヒム語を話しますから」
「ブラヒム語か......」
「家族のためには私が売られることが...... 一番よかったのです」
「そうか...... まあ、今は俺たちも家族になったようなものだ。
今後は俺たちのためにがんばってくれ」
「もちろんです。こちらこそよろしくお願いします」
「セリーも素晴らしいご主人様に出会えてよかったですよ。なにしろ最高のご主人様ですから」
「はい」
あれ? ご主人様から私に肉が配られてきた。
お、おいしい............ なぜかご主人様の目が優しい。
「ありがとうな。そういえば、探索者というのは奴隷の主人としていい条件なのか?」
「えっと。言ってしまっていいのでしょうか」
「大丈夫ですよ。ご主人様ですから」
セリーが躊躇しているので、説明を促した。
条件がいい奴隷の働き口は三パターンある。
一番目は大金持ちに買われて特別に気に入られる場合。大金持ちのめかけになれば何不自由なく暮らせるので。
二番目はつれあいをなくした人がのちぞえ代わりに奴隷を買う場合。そのような人は人生の成功者で余生が短く穏やかな人が多い。そして、本人がなくなった後は解放される場合が多いので。
「そして三番目が、迷宮探索用として奴隷を買う場合です」
「結構落差があるような」
「それはしかたがありません。前の二つのケースなど、実際にはほとんどありませんから」
「それはそうなんだろうが」
「探索用の奴隷でも最初は他の奴隷と変わりません。ただし、探索用の奴隷は戦闘技術を磨いてどんどん強くなっていきます。強くなった戦闘奴隷は替えが利きませんから、待遇もよくなるし、ひどい扱いもなくなります」
「なるほど」
ご主人様は話を聞きながらいろいろ考えているみたいで、うん。うん。とうなずいている。
「ご主人様だから言ってしまいますが、強くなった奴隷は待遇が悪いと他の人に話を持ちかけて
買い取ってもらうこともできるそうです」
あ、セリー。それは言っちゃ駄目でしょ。
ドキドキしながらご主人様を見ていると、急にうろたえだした。
「えっと。つまり俺は今後二人をもっと大切にしないといけなくなるということでは」
ああ、話がマズい方向に行きそう、早く否定しなくちゃ。
「い、いいえ。これはご主人様だからお話ししたのであって、
私は他の人に話を持ちかけるつもりはまったくありません」
「わ、私もありません」
「私はご主人様以外の人に買われるなど死んでも嫌です」
「わ、私もです」
「私は今のままの待遇でもとても幸せです」
「私もです」
「なんでしたら、もっと悪い待遇にしてもいいです」
「そうです」
私はご主人様と離れたくないので必死に訴えた。セリーもいまさらながら焦っている。
ご主人様は少し考えてから、おもむろに言い出した。
「二人の待遇について、見直してみたい」
「はい、ご主人様」
「か、かしこまりました」
「えっと。まずは食事ですね。ご主人様と同じ食事をいただくというのは待遇がよすぎるかと思います」
「食事は駄目だな。食うものがなくては戦争はできない」
「では別の場所で食べさせるとか」
「食事の間に情報収集ができないし、他の時間に食べるのは効率が悪い」
「ご主人様がテーブルについて私たちは床でいただくとか」
「別にそこまでしなくても......」
「では服です。もっとぼろいものでもいいのかと思います」
「そうです。奴隷が着る服としては上等すぎます」
「服か。ロクサーヌもセリーも美人だからなあ」
「あ、ありがとうございます。ご主人様」
「ありがとうございます」
私は一瞬ではずかしくなった。
ご主人様、無意識の不意打ちは卑怯です。
隣を見ると、セリーも顔をあかくしていた。
「服は駄目だな。綺麗にしてくれていたほうが嬉しいし。他人に見せびらかすならともかく。俺の前でも多少着飾るくらいがちょうどいい」
「ありがとうございます」
ご主人様は優しいから......
私たちにみじめな思いをさせることは......
やっぱり無理よね。
「食事と服がダメだとすると......」
「あとは住環境ですね」
私が悩んでいると、すかさずセリーがフォローしてくれた。
「ご主人様と一緒のベッドで寝るというのは畏れ多いのでは」
「......それは駄目だ」
「ご主人様と一緒にお風呂にはいらせていただくのも、畏れ多いです」
「それも......駄目だ」
「あと、ご主人様が奴隷のからだを石鹸で洗ったりするのも畏れ多いです」
「......ぐっ......だ、駄目だ」
「えっと。他には......」
他に何かないか考えていると、ご主人様は首を横に振った。
「えっと。結局、今までと変わらないということでしょうか......」
「そうなるな。これからもよろしく頼む」
「よくしていただいていることが改めて分かったので、見直したのもよかったと思います」
「......」
まずい、ご主人様が落ち込んでしまった。
なんとかして差し上げないと。
「ご主人様、戦闘奴隷であっても、食べさせてもらえない、着るものがない、
寝るところがないなんてことは、よくあることです。
こんなによくしていただいている私たちが、ご主人様から離れたいなんて思うことはありません。
だから、安心して下さい」
「そうです。ご主人様から離れたいなんて思いません」
「......分かった。二人ともありがとう」
ご主人様は分かったと言っていたけど、まだ少し落ち込んでいるようだった。
はぁ。どうしよう。
ほんとになんとかして差し上げないと......
◆ ◆ ◆
その日の夜、私はまだ生理が終わってなかったのでお情けをいただけず、
ご主人様がセリーを可愛がるところを見ているしかなかった。
もう3日間、ご主人様に可愛がってもらってない。
しかたがないことだけど、横で可愛がってもらっているセリーがうらやましい。
私は少しでもご主人様とのつながりが欲しくて、右手を伸ばしてご主人様の右手に触れると、
ご主人様は私の手を握ってくれた。
私はそれだけでしあわせな気持ちになり、ご主人様とセリーの行為が終わるまで、その手を握り続けた。
ご主人様が眠りについたあと、いつものようにセリーと話をした。
「セリー、起きてますか?」
「はい。あの、今日はすみませんでした。私が余計なことを言ったばかりに......」
「そうですね。ですけど...... 大丈夫ですよ。ご主人様ですから」
「私は...... ご主人様に、自分の売り込みをかけてくる奴隷もいるってことを、
知っておいてほしかっただけなんです。
それなのに、言い方が悪くて、あんな感じになってしまって......
でも...... いや、ごめんなさい」
「......どうしたの?」
「たぶんあのとき、私は......
私の知らないうちに、私よりも魅力てきな女性がパーティーメンバーとして
くわわることが怖かったんだと思います」
セリーは冷静に、自分の心のうちを分析した。
「それは...... 私も怖いわ」
それから少しのあいだ沈黙が続いた。
少しして、私はもう一度セリーに話しかけた。
「セリー、あなたは私たちの待遇をどう思いますか?」
「奴隷の待遇ではないと思います。一般家庭の家族よりもいい暮らしをさせていただいています。
私の祖父が生きていた頃よりもいいです」
「やっぱりそうですよね。私も奴隷になる前は、こんないい暮らしはしていませんでした。
不思議ですね。奴隷になったほうがよかったなんて......」
「はい。......こんなことってあるんですね。
夢でも見てるみたいです」
「セリー、私はご主人様と離れるのは死んでも嫌です」
「ロクサーヌさん、私もです」
「私たちの想いがご主人様に伝わるといいですね」
「はい......」
その後、なにかご主人様に安心していただく方法がないか考えているうちに、いつのまにか眠ってしまった。
◆ ◆ ◆
それから数日たった。
その日は午後の探索を終了してクーラタルの冒険者ギルドでアイテムを売るとき、ご主人様は受付女性からハルツ公領の緊急災害救助依頼を持ちかけられた。
ご主人様は迷っているようなので、災害救助の対応を断ったらあまりよくないと思い
「私たちなら大丈夫です」と言って、そっとご主人様の背中を押した。
「......えっと」
ご主人様はこちらを振り返ると、なぜか苦笑いしていた。
となりのセリーを見ると、セリーも苦笑いしてる。
あれ、私......なにか間違えた?
ご主人様は受付女性から具体的な内容を聞いて少し考えたのち、依頼を受けることにした。
その日の夕食のとき、ご主人様から明日の予定をうかがった。
「明日、俺は冒険者ギルドの要請で出かけることになるので、早朝にクーラタルの迷宮を探索したあとは二人は休みにしようと思う。
好きにすごしていいぞ。ロクサーヌはどうしたい」
急にお休みと言われても......
「うーん......」
私が悩んでいる間にセリーは図書館にいくことが決定した。
私は迷宮に入って鍛錬することを提案したが、ご主人様のいないところで危険なことはしないよう言われ、
買い物と家の掃除をすることになった。
そして、ご主人様からお小遣いとして銀貨五枚を渡してくれるといわれた。
「よろしいのですか」
「かまわない。ロクサーヌはずっとがんばってくれたしな。明日は羽根を伸ばしてこい」
「ありがとうございます。ご主人様」
その日の夜、ご主人様が眠ったあと、いつものようにセリーとお話しした。
「ロクサーヌさん、起きてますか?」
「起きてますよ。ご主人様はお休みになったみたいです」
「ご主人様って優しすぎますよね。奴隷の私を図書館にいかせてくれるし、お小遣いまで......」
私はご主人様の髪をすきながらセリーに答えた。
「そうですね。ご主人様ですから」
「はい」
「ふふ、ところでご主人様は銀貨を五枚って言ってましたね。私は一枚でいいので、あとはセリーが使って下さい」
「え、私は入館料と筆記用具が買えればよいので二枚あれば十分です」
「私も買い物といっても小物くらいですから、そんなに使わないですけど......
では、入館料があるからセリーが三枚、私が二枚でいいですか」
「はい。ありがとうございます」
「図書館って、どんな本があるのですか?」
「私もいったことがないのでちゃんとしたことは分からないのですけど、
昔いったことのある人が、知りたいことは何でも調べられるっていってました」
「そうですか。それでは家のインテリアについて、何かよいものがあったら調べてきてくれますか?
ご主人様も気にしているみたいですので」
「わかりました」
「そう言えば、ご主人様からも何か頼まれていましたね」
「えっと。魔物の特徴とモンスターカードを融合したときの効果を調べることになっています。
あと、迷宮ごとにどの階層にどんなモンスターが出るのかも......
本を読むことは好きなので苦じゃないですけど......考えてみたら調べることがいっぱいで、
けっこう忙しくなりそうです」
「ふふ、がんばってくださいね」
「はい。がんばります」
翌日、朝食のあとご主人様からお小遣いをもらった。二人で銀貨五枚と思っていたら、ひとり銀貨五枚だった。
「こんなにもらってもよろしいのですか」
「問題ない。では、俺はセリーを送ってそのまま災害救助にいってくる」
「いってらっしゃいませ。ご主人様」
ご主人様とセリーが出かけたので、私もさっそく買い物に出かけた。
玄関にカギをかけ、町の中心にむかって歩きはじめるとすぐに近所の人たちに出会った。
この辺りは川の上流のほうで環境がよく多くの住宅があるためか、
庭の手入れやいえの周りの掃き掃除、水汲みなどで家の外に出ている人がけっこう多い。
それに皆さんいい人そうで「こんにちは」とあいさつすると、必ず好意的に挨拶を返してくれる。
本当にいい場所に住んでいると思う。
ご近所様に挨拶しつつ15分ほど歩くと、クーラタルの町の中心についた。
特に買いたいものを考えていなかったのでどの店から見ようか考えていると、急にご主人様の気配がした。
どうやらセリーと別れてクーラタルの冒険者ギルトにワープしてきたらしい。
ふふ、パーティーに入っていると、メンバーのいる場所が分かるって便利ですね。
私は冒険者ギルドに行き、入口からこっそりと中を覗くと、ご主人様は冒険者らしき人達と一緒にギルドの職員らしき人の話を聞いていた。
そのまま見ているとパーティーが解散され、すぐにご主人様は他の人と一緒に壁の中に消えていった。
私は心の中でご主人様を見送り、冒険者ギルドをあとにした。
そのあと、まず最初に金物屋にはいり、ナイフや匙などの小物を物色していると、店の奥から家を仲介したおばさんが出てきた。
確か、オネスタさんという方だったかな?
「いらっしゃい。おや、ミチオさんのところの娘さん...確か、ロクサーヌさんだっけ?」
「はい。そのせつはお世話になりました」
「いいの いいの、世話役だからね。それよりロクサーヌだから、ロクちゃんでいいわね」
「え、あ、はい」
おばさんは私の呼び方を決めると、急に真剣な顔になって、じーっと上から下まで私のことを見てきた。
最初に会ったときと同じで私のことを値踏みしているような感じがする。
「最初に会ったときにも思ったんだけど...... ほんとにいい娘ね。
奴隷とは思えないくらいきれいだし、息子の嫁にしたいくらいね」
「え、あの、すみません。もう売れちゃってますので」
私があたふたすると、世話役のおばさんは「えっ?」と言って一瞬キョトンとし、次の瞬間大笑いした。
「あははは、冗談よ。あなた、よくしてもらってるみたいね」
「はい。最高のご主人様です」
「あら、いい笑顔。ところでロクちゃん、今日は何を買いに来たの?」
おばさんがずいっと顔を近づけてきた。
圧がすごい、とても適当に物色してたとは言えない......
「えっと、この前メンバーがひとり増えたので、食器を少し買い足そうかと」
「そう。向こうの棚に小皿とかもおいてあるから、そっちも見て行ってね。
それより......
ひとり増えたのってどんな娘?」
「えっと。ドワーフです。背は私の胸くらいの高さです」
「かわいい子でしょ」
「そうです...けど、あの...... なんで女の子って分かったんですか?」
「ふふふ、勘よ。でも、あの若さで奴隷二人って、ちゃんとやってる探索者ってやっぱり儲かるのかね」
「さあ、私はそのへんは分からないので」
「まあいいわ。ゆっくり見て行ってね」
結局30分ほど商品を見たあと、小皿と小物数点を買ってお店をあとにした。おばさん恐るべし......
次に服屋に入った。
ご主人様の服を選ぶためだ。
ご主人様は私たちには服を買ってくれるけど、自分にはあまり買ってない。
どうも服装にはあまり興味がないらしく、いくつか自分の気に入ったものを着まわせれば、それで良いと考えているらしい。
でも、ならばこそ、その中に私の選んだ服をいれてほしい......
予算は銀貨四枚。これだけあればよいものが買えるはず。
ご主人様が着た姿を想像しながら服を物色し、1時間くらいで上下1着を選んだ。
家の掃除もしたいのでそろそろ帰ろうかと思ったところで雑貨屋が目にはいった。
服が思ったより安かったので、お小遣いはまだ残ってる。あまり高いものじゃなければ......
売っているものが気になり少しだけ見てみると、ひとつのヘアブラシに目がとまった。
セリーは髪の毛が長いから、ヘアブラシがあったらとかしやすいわね。
私も寝ぐせをなおすのに使えるし...... 買っちゃおうかな......
うーん。 なくても大丈夫だけど...... せっかくご主人様がお小遣いをくれたんだし......
二人で使えば......
けっこう迷ったけど、結局ひとつ購入した。
お小遣いはまだ残ってたけど、無駄に散財するのはご主人様に申し訳ないし、
家の掃除もしたかったので、帰ることにした。
家について服を着替えるとき、生理が終わっていることに気が付いた。
これで今晩からまた可愛がってもらえるって思うと......
恥ずかしいけど早くご主人様に、終わったって伝えたい......
そんなことを考えながらメイド服に着替え、掃除を開始。
少しすると仲買人のルーク氏の使いが来て、
人魚のモンスターカードを落札したので商業ギルドまで来てほしいと言われた。
私はご主人様が帰ってきたら伝えることを約束し、今後来たときに誰もいない場合は、
玄関扉にメモ書きを挟むことにしてもらった。
それからしばらくあちこち掃除をしていると、ご主人様が帰ってきた。
まだお昼を少し回ったところだったので、思ったより早いお帰りだ。
「お帰りなさいませ。ご主人様」
「た、ただいま。ロクサーヌ」
「はい。早かったのですね」
「思ったより早く済んだ」
「さすがご主人様です」
私はご主人様のうしろに回り、外套を脱がせた。
「ありがとう。でもなんでその服?」
「いけませんでしたか?掃除など家事をするときの服と聞きましたので」
「可愛くて似合っている」
「あ、ありがとうございます」
顔が一瞬で熱くなった。たぶん赤くなっていると思う...... ご主人様、不意打ちは卑怯です。
私が照れていると、ご主人様に抱き寄せられた。
「やっぱりロクサーヌは最高だ」
「あ、ありがとうございます。留守の間にルーク氏から使いが来ました。人魚のモンスターカードを落札したそうです」
「そうか。まあ明日でいいだろう」
私はご主人様の耳元で、小さな声でささやいた。
「それと、終わりましたので今晩からまた可愛がっていただけます」
次の瞬間、私はご主人様に抱きあげられていた。
「ご、ご主人様?」
「ロクサーヌ、今からいいな」
私はその一言でさっした。
ちょっと恥ずかしいけどうれしくて、少しだけうつむきながら返事した。
「はい。いっぱい可愛がってください」
ご主人様は私を寝室まで運び、ベッドの上に寝かせるとそのままキスしてきた。
お互いに舌を絡ませて、激しくくちびるをかさねた。
それからお互いに服を脱ぎすて、4日間の空白を埋めるように激しく求めあった。
私は快感と幸福に包まれながら、何度も、何度もいってしまった。
ご主人様も、何度も私の中に果てていた。
そして、いく感覚が短くなり、ずっと続くようになって何も考えられなくなり、気付いたらご主人様の
うでの中であたまをなでられていた。
「ご、ご主人様...... すみません...... 私...... 気持ちよすぎて......」
「気にするな。ロクサーヌが気持ちいいなら俺もうれしいしな」
「ありがとうございます。 その...... ご主人様......
すご過ぎです」
私は話しながらすごく恥ずかしくなり、ご主人様の胸に顔をうずめた。
そのまま少し余韻を楽しんでいたが、しばらくすると何か忘れているような気がした。
ご主人様の顔を見上げると、ご主人様は私の顔を見て不思議そうな顔をしている。
しばらく見つめあったあと...... とうとつに気付いた!
「あ、セリーっ!」
つぎの瞬間、ご主人様も焦った顔になった。
私はあわててご主人様の着替えを手伝い、ご主人様を送り出した。
私も着替えてダイニングに行くと、すぐに二人が帰ってきた。
しかし、帰ってきたセリーからは、強くお酒の匂いがした。
もしかして...... ご主人様が迎えに来ないから、待ちくたびれてやけ酒した?
とにかくなんでそんなにお酒を飲んだのか聞かないと......
「お帰りなさいませ、ご主人様。お酒ですか?」
「ただいま。水代わりに飲んだらしい」
水代わりってどういうこと? ドワーフはお酒に強いって聞くけど......
「ただいま帰りました」
「えっと。料理のほうは大丈夫ですか?」
「はい。酔うほどには飲んでいませんから」
これは...... へたにツッコまない方がよさそうね。
かなりお酒くさいけど、平然としているし受け答えもしっかりしてるので、料理を作るくらいは問題なさそうね。
「そういえば、ロクサーヌは買い物には行ってきたのか?」
「はい。ご主人様が帰ってこられる前に」
「行ってきてたのか」
「ご主人様の服を買ってきました。着てくださいね」
「悪いな」
「私とセリーにはヘアブラシを買ってきました。一緒に使いましょう」
「ロクサーヌさん。ありがとうございます」
その後、夕食を作って食べ、それからお風呂場に移動して3人で体を洗いあった。
そして、からだを拭くと、私とセリーは裸のままご主人様に寝室まで手を引かれ、そのままベッドに寝かされた。
ご主人様はセリーに覆いかぶさるとたっぷりキスをして、みみを甘噛みした。
セリーは顔を真っ赤にして、ご主人様に見惚れていた。
それからご主人様は私の上に覆いかぶさり、たっぷりキスをしてくれた。
そして、私の胸を愛撫し始める。
ご主人様は私の胸を優しくもみ、それから乳首に吸い付くと、カチカチに硬くなるまでなぶりつくす。
ご主人様はしばらく胸を責めると、右手を私の股間に伸ばし、中指で秘部を愛撫し始めた。
最初は秘部の割れ目にそって撫で、人差し指と薬指で少し開いてヒダを撫で、愛液が溢れてくると少しずつ中指を出し入れし始める。すると、ヌチュッ!ヌチュッ!と嫌らしい音が響きはじめる。
そして、トロトロになるまで愛撫すると、からだを起こしてアレの先をあてがい、そのままからだを止めた。
するとご主人様は私の耳もとに顔をつけ、小さくささやいた。
「ロクサーヌ。どうしてほしい?」
「ご主人様、お願いします」
「なにを?」
「ご主人様...... 意地悪。私、もう......」
私の秘部はご主人様のアレが欲しくてきゅんきゅん泣いている。
「ちゃんと言わないと分からないなぁ」
ご主人様、なんで急に意地悪になったの?私の瞳に涙が滲んでくる。
「ご主人様...... ください」
「何が欲しいんだ?」
「ご主人様のアレを...... 私のなかに入れてください」
「いいだろう」
私の秘部を押し分けて、ご主人様のアレがゆっくりはいってきた。
私は一瞬歓喜にみたされたけど、ご主人様のアレは奥まで入るとそこで止まった。
私は動いてほしくて気が狂いそうになる。
「ロクサーヌ。これでいいか?」
「ご主人様、お願いします。私、おかしくなっちゃいます」
「どうしてほしいんだ?ちゃんと言わないと分からないぞ」
ご主人様の意地悪っ!
私の瞳から涙が溢れ出した。そして、欲望を叫んでしまう。
「動いて!動いてください!私のなかをご主人様のアレでいっぱい突いてください!」
「わかった。ちゃんと言えたのでご褒美だ」
ご主人様はそう言うと、強く腰を打ち付け始めた。
私の心は歓喜にみたされた。そして、さんざん焦らされたせいか凄く感じてしまい、私は一気にイッてしまった。
しかし、ご主人様はそのまま腰を打ち付け続け、私を解放してくれない。
昼間に何度も可愛がっていただいたのだけれど、ご主人様はすっかり復活していて、ぜんぜんイク気配がない。
結局、ご主人様が果てるまで、私は何度もイカされてしまった。
凄かった。
あとで教えてもらったのだけれど、なかなか入れてくれなかったのはジラシプレーというご主人様の故郷に伝わる愛しかただったらしく、一度私としてみたかったとのこと。
ただ私が、途中で少し悲しい気持ちになったことを伝えたところ、「済まなかった。俺のキャラじゃないし、ロクサーヌを少しでも悲しい気持ちにさせるなら、二度としない」と謝られた。
ご主人様は私の秘部からアレを引き抜くと、私に軽くキスをしてからだを離した。
そして、セリーのほうに向き直る。
そう、私が可愛がっていただいたあとはセリーのばん......
セリーのばん...... のはずだったけど、動く気配がない。様子がおかしい。
ご主人様はセリーを可愛がり始めずに、じっと見続けている。
私は気になって声を掛けた。
「ご主人様?」
「ロクサーヌ、ちょっと見てみな」
私は上半身を起こし、ご主人様の肩ごしにセリーを見てみると、静かに寝息を立てている可愛い少女がそこにいた。
ご主人様は、そっとセリーの髪をなでると、私のほうに向きなおった。その顔は、いつもの優しいご主人様に戻っている。
「寝かせといてやろう」
「よろしいのですか?」
「おこすのはかわいそうだ」
「お優しいのですね」
「そんなことはないさ。ただ、ちょっと残念だがな」
「残念...... ですか。
あの...... ご主人様。 その......
よろしかったらもう一度、可愛がっていただけますか?」
「いいのか?」
「はい。 でも...... あの...... 意地悪はしないでほしいです」
「わかった」
その後、ご主人様は私をいっぱい可愛がってくれ、あたまのなかが真っ白になってしまうまで、何度もイカせてくれた。
そして、気が付くとご主人様のうでの中にいて、そっと髪をなでられていた。
「あ...あの...... ご主人様、すみません。私...... また」
「あやまらなくていいよ。ロクサーヌが気持ちよくなってくれることは、俺にとってもうれしいことだし」
「でも...... 私ばっかり...... ご主人様に、その、気持ちよくなって頂かないと......」
「大丈夫。ロクサーヌが落ちたときに俺もイカせてもらったから、問題ない。だから......ゆっくり休め」
ご主人様が優しい。もう、気持ちを抑えきれない。
「......ご主人様...... 大好きです。ずっと、ずっとそばにおいてください」
「ああ、俺もロクサーヌが好きだ。ずっと一緒にいような」
ご主人様はそういうと、私を抱き寄せている腕に力をこめた。
私は幸せな気持ちでいっぱいとなり、ご主人様のぬくもりを感じながらふたたび意識を落とした。