魔法科高校の劣等生・来訪者編クリアRTA   作:まみむ衛門

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 ついに原作に合流するRTA、はーじまーるよー!

 

 前回は、第一高校に無事注文通り合格したところまででした。

 

 さて、当然東海から通うのは手間なので、東京のお家借りることになります。なんの因果か知りませんが、下北沢某所に借りることになりました。しかも一軒家です。一人暮らしだが???

 

 ここからが黒羽家チャートの本番となります。四葉分家の実家と言う飛びぬけて恵まれた施設から離れ、四葉家の合同訓練やミッションも大幅に数が減るため、美味しい成長イベントはなるべく自力で起こしていく必要があります。一方でこれらのミッションや訓練は強制的にやらされたものですし、また四葉の監視が強めについてはいても一人暮らしと言うことで、行動の自由度が増します。

 

 引っ越しの手続き諸々は全部四葉がやってくれました。荷物も最低限で、動きやすい私服と任務用の黒いゴスロリ、あとは生活必需品諸々ぐらいです。今まで固有魔法について色々研究してきていますが、そのレポートは持ってきていません。というか、実は、作ってないです。

 

 というのも、あの研究は対パラサイトに特化した方向性でやっています。傍から見たら不自然ですし、来訪者編に入ってパラサイトの存在が明らかになると、勘の良い四葉家は、すぐに結び付けて怪しんできます。そのため、研究内容は形として残さないようにしているんですね。一応義務なので通り一遍の内容を書いた無難レポートは提出していますが。

 

 では入学まで早送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 クラスについては、1年A組ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 深雪ちゃんを筆頭として、ほのかちゃんや雫ちゃんなどの主要キャラと同じクラスです。

 

 アホみたいに乱数幅が広いこのゲームですが、いくつかはプレイヤーが原作の雰囲気を楽しめるようにと、ある程度世界の側が調整してくれます。これはそのうちの一つで、一科生で入学した場合は深雪ちゃんたちと、二科生で合格した場合は達也お兄様たちと、同じクラスになる確率が非常に高くなっています。

 

 魔法科高校のクラス分けは入試の成績を見てバランスよく配分されているのですが、プレイヤーが出したスコアに応じて原作キャラやモブの点数が多少上下して、いい感じに全員同じクラスに集まるようになっているのです。まあせっかくゲームをプレイしたのに、別クラスなので接点がありませんでは、話になりませんからね。

 

 で、今回はその仕様を最大限に活用します。ぶっちゃけほのかちゃんと雫ちゃんはさほど重要ではないのですが、最強魔法師の一角であり対パラサイト特効も持つ深雪ちゃんと関わりやすい位置というのは、お得ですし、またこの三人と関わりやすいということは、達也アニキとその周囲と言う最重要人物たちと関わりやすいということでもあるので、同じクラスと言うのは非常に美味しいんですね。

 

 

 それにしても、うーん、なんもイベントが起きませんね。

 

 

 結局のところプレイヤーって転生系主人公で、RTAやってるということは能力値も知識もかなり高いんですよ。こんな特大のイレギュラーがいるなら、なんかこう、ロリ巨乳生徒会長に目を付けられるとか、一目見てピンと来た部員に勧誘されるとか、そういうのがあってもいいんじゃないでしょうか。あ、まあ、それがあったらロスなんで、ないというのはRTA的には嬉しいことなんですけど。あまりにも入試がパッとしない順位なので、目立つことがないんでしょうね。

 

 とはいえそれも今のうちだけ。ここから自分でガンガン動いていく必要があります。

 

 まずは親戚と言うことで、校内案内では深雪ちゃんについて回りましょう。大体嫌な顔をちょくちょくされますが、ほのかちゃんと雫ちゃんに怪しまれると困るので、必死に我慢してくれます。

 

 先ほど話した通り雫ちゃんもほのかちゃんもさほど重要ではありませんが、好感度は高いに越したことはありません。蘭ちゃんは見た目こそゲキマブですが、声と表情のせいで初期好感度低めから始まってしまうため、それなりに人当たりよく接しておきましょう。

 

 これによって深雪ちゃんたちと自然に一緒にいることができます。ナンパしてくる男どももいますが、お断りは三人に任せて、自分は何もしないでおきます。

 

 さて、こうすれば、魔法科高校の劣等生おなじみのイベント、「司波達也風紀委員勧誘イベント」が始まります。

 

 達也お兄様ご一行と一緒に帰ろうとした深雪ちゃんが、初代当て馬こと森崎駿くんにしつこくさそわれ、なんやかんやトラブルになります。それを横から止めた生徒会長・真由美先輩が達也お兄ちゃんのちょっとした発言から風紀委員にしようと連行して、当て馬パートツーの忍者服部君との戦いになる、という流れですね。

 

 

 さて、兄君さまご一行には――ここの最重要人物がしっかりいますね。

 

 

 では、横入りしたりしてイベント発生を妨げないようにして――よし、一科生組が魔法を準備しました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 危ないですよお嬢さん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さりげなく、最重要人物の近くに位置取りしていたおかげで、魔法行使の気配と同時に、とっさに守るような行動が出来ました! 第一段階成功です!

 

 

 

 

 

 

 

 その最重要人物とは――御覧の通り、眼鏡巨乳の、柴田美月ちゃんです!

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔法力的にはさほどでもなく魔法工学はそこそこ役に立つけど他のキャラでも全然よく、戦闘はイマイチ。

 

 ですが、彼女の生まれつきの体質である、霊子放射光過敏症は、このRTAでは非常に重要な役割を担っています。

 

 通常の魔法師に比べてはるかにプシオンを知覚する力が強く、それが一番重要な感覚である視覚で優れています。つまり、普通に見たらどこにいるのかすらも判断できないプシオン生命体であるパラサイトを、彼女の眼によって見つけることができるんですね。原作でも活躍していました。なんか最後は達也兄チャマが一人で色々やってましたがね。

 

 彼女を仲間に引き入れることで、パラサイトの捜索も戦闘もぐっと楽になりますし安定度も増します。重要な仲間なので、とにかく好感度を急いで稼ぎましょう。

 

 

 

 で、そのファーストコンタクトに利用したのが、このイベントってわけですね。

 

 

 

 トラブルが起こるのをそれとなく放置して、いざとなったら美月ちゃんを守る動きをする。これで第一印象は最高です。

 

 この後は美月ちゃんにいい感じの言葉をかけつつ、達也兄やが連れていかれるのを見送って、自然な流れで二科生E組の皆さんのグループへと入りましょう。レオ君とエリカちゃんとの会話はそこそこ人当たりよく、美月ちゃんには積極的にアプローチをかけていく感じです。臆病で控え目な子なので、様子を見つつ少しずつ仲良くなっていきましょう。

 

 達也おにいたまを待つということなので、行き先は適当な空いてる教室です。こっちはそちらに悪意がないということを示すため、自然な会話の流れでこちらの弱点も晒しておきます。こうすることで美月ちゃんがシンパシーを感じて、自分の体質のことを話してくれることもあります。これは仲良くなるためだけでなく、万が一とんでもない乱数を引いて眼鏡の理由が別の体質だったから全く役に立たない、ということがないよう確認するためでもあります。だから、こうして落ち着いて会話する必要があったんですね。

 

 さて適当に時間を潰せば達也あにぃが勧誘から戻ってきました。あとは一緒に帰ります。

 

 

 

 ……そして分かれ道に入って司波兄妹二人とだけになった途端、大体の場合、二人の雰囲気が急に変わります。あまり余計に絡んでほしくないのになんでここまで絡むんだ、と恨み節ですね。好感度が低いから仕方ありません。

 

 しかしこちらとしても二人との関わりは、のちに協力を得るための好感度上げのためにも、主要人物との円滑な接触のためにも、譲れないところです。適当に言い訳して、まあお互い仲良くやっていこうや的なことを言っておきましょう。

 

 ここまでやれば二人も感情面以外では断る理由がないため、あちらからは積極的にかかわらない、こっちが関わりに行っても深くは対応しない、という折衷案めいた対応をするようになりますが、これで十分です。あの二人は意外とちょろいので、こっちが悪だくみしてないしむしろプラスになる事しかしてないと判断したら、一気に態度が軟化します。逆に言えば少しでも怪しいそぶりを見せたらアウトなので、ここからは慎重に行動を決めましょう。

 

 とはいえ、ここからやることはありません。授業を無難にこなし、部活動勧誘を華麗にスルーし、放課後はお兄ちゃんグループに入り込んでおしゃべりして好感度稼ぎ、家に帰ったら訓練と実験。これだけです。ブランシュ絡みの面倒なあれこれは、お兄様も妹様も相談してきませんし、放課後の集まりで話題になっても無難にやり過ごしておきましょう。時が来るまでは、無難に好感度稼ぎして、経験値は家に帰ってからの訓練や実験で稼ぎます。原作は入学編から見所満載なのですが、この動画では見所さんはありません。

 

 

 

 

 

 そういうわけで早送りして……はい、「時」が来ましたね。

 

 四月某日、入学からしばらくしてそろそろ学校生活に慣れてくる頃です。

 

 校内に仕込まれていた洗脳済みのブランシュのスパイによって煽動された一科・二科の対立が行きつくところまで行きついて、その対応として公開討論会が行われています。

 

 当然、この討論会はどうでもいいことです。重要なのは、これを陽動としたこの後起こるテロ事件ですね。校内にテロリストが侵入してきてそれをかっこよく主人公たちが倒すという男の子の憧れの流れを原作でやるわけですが、それに乗っかっていきます。

 

 このイベント、未プレイ兄貴姉貴にとっては、わざわざ特筆する程美味しいイベントなのか? と思う方もいるかもしれません。

 

 というのも、このイベントは、相手は武装しただけのトーシロで、魔法師もほぼいません。今まで黒羽家で受けてきた鬼ミッションの数々に比べたらおままごとみたいなものです。当然、経験値等の恩恵は少ないと思うでしょう。

 

 実際、得られる経験値は少ないです。他チャートだと貴重な実戦機会なのでそこそこ美味しいですが、黒羽家チャートではあまり美味しさはありません。

 

 

 

 

 

 

 では、なぜ重要なのか?

 

 

 

 

 

 その答え合わせを、ちょうど爆発音と同時に等速になったプレイ動画でやっていきましょう。

 

 まずは避難指示の誘導に従いつつ、それとなく傍にいた雫ちゃんとほのかちゃんに、「テロ行為だろう」みたいなことを訳知り顔で言って頼りになる人間アピールをします。そしてその流れで事前に居場所を特定しておいた怯えきっている美月ちゃんに接触し、慰めながら避難誘導します。原作と違ってこの世界ではエリカちゃんもそばにいたはずですが、血の気が多いのでさっさと戦いに行っているため、心細くなっていますね。エリカちゃんがこっちにいたということはレオ君も講堂にいたのかもしれませんね。原作とは違うのが少し不安ですが、まあ二人ともどうせ戦いに向かうでしょう。

 

 そして無事避難完了したのを見届けたら、「じゃあちょっと戦ってくるわ」的なことを自信満々で言っておいて強者アピールをし、実際に校舎に戻ってテロリストたちを倒してきましょう。ここのポイントは、エリカちゃんとレオ君の目につくところで働くことです。この二人の口から蘭ちゃんが働いていたと言ってくれれば、司波兄妹の好感度が少し上がるからです。

 

 そしてここで、気が利く女の子(女の子とは言ってない)のワンポイント。剣道関連で思うところがある壬生紗耶香ちゃんが気になるエリカちゃんが校舎内に行きたがるので、彼女が戦っている相手を代わりに引き受けてあげます。ついでに美月ちゃんを無事誘導してあげたことも伝えましょう。これでもう好感度爆上がりです。

 

 

 

 

 

 

 さて、こんな具合で、校内襲撃イベントを終えることができました。もうわかりましたね?

 

 はい、ここもまた経験値イベントではなく、好感度イベントなのです。

 

 黒羽家チャートは入学前の経験値が他チャートに比べて格段に多いので、その分ここを好感度稼ぎ特化に回すことができます。他チャートだったら、避難誘導はしてあげず、美月ちゃんを少し励ますだけにしてすぐに戦闘に参加することになります。

 

 人間の好感度ってやっぱり最初の方の印象が重要なんですよ。家族みたいにじっくり時間をかけて関わる相手ならまだしも、しょせんは学校のお友達ですからね。この四月の間にどれだけ稼げるかが重要です。

 

 一応この後はアジト突入イベントがありますが、あまり目立ちすぎるのは厳禁なためお兄ちゃまに拒否されます。それなら訝しまれる要素を少しでも減らすため、最初から参加しないことにしましょう。これは黒羽家チャート特有で、経験値余裕と四葉のしがらみのメリットデメリット両方の結果です。他チャートならさらなる貴重な実戦機会なので、無理やり参加します。

 

 

 では、この空いた時間を何に使うか?

 

 はい、当然好感度稼ぎです。美月ちゃんと連絡先は交換済みなので、不安そうで心配だから電話した、エリカちゃんたちは無事だよ、的なことを伝えて安心させます。

 

 四月は出会いの季節であり、恋の季節でもあります。

 

「女の子は女の子同士で、男の子は男の子同士で恋愛するべきだと思うの」

 

 そんな言葉が聞こえてきそうなほどの露骨な好感度稼ぎですが、これぐらいしないと、「次」が釣れませんからね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それでは今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈システムメッセージ・「入学編クリア」のトロフィーを獲得しました〉




原作一巻だけ紛失したまま書いてるので原作からの差異は許してくださいなんでもしますから!

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