魔法科高校の劣等生・来訪者編クリアRTA   作:まみむ衛門

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 記録のために人を落とすRTA、はーじまーるよー!

 

 前回は入学編をクリアしたところまででした。トロフィー表示が出たタイミングが5月に入って数日してからだったので、原作通りの時期に紗耶香ちゃんが退院したようです。このゲーム、こういうところが中々粋なんですよねえ。ゲーム主人公的には、入学編はアジト潰したところで大体は終わりなんですから、そこをトロフィー取得にする案もあったはずです。それをあくまでも原作の入学編(下)の終わりに合わせているので、原作リスペクトが伺えますね。

 

 え? オリ主放り込むようなゲーム作る連中にそんなリスペクトあるわけないって?

 

 んにゃぴ……よく分からないですね……。

 

 

 

 はい、そんなわけで5月からは九校戦編に向けての準備が必要です。ちなみに入学編が終わって即九校戦編ではなく、しっかり原作九校戦編開始の7月中旬と同じタイミングとなっています。九校戦運営にがっつり影響を及ぼすようなことをしないと、これを動かすことはできません。まあRTA的には、九校戦編クリアのタイムを競うとかではない限り意味がないのでやりませんが。

 

 さて、その準備ですが、基本的には校内の好感度稼ぎを重視していきます。最低目標、美月ちゃんから下の名前で呼んでもらえる程度は欲しいですね。これは4月時点でクリアしているのでOK。

 

 これ以上の目安ですが、周囲から積極的に声をかけられるか、ほのかちゃんや雫ちゃんから雑談を向けてもらえるか、生徒会で話題になったりするか、そして達也お兄ちゃん深雪ちゃんから問い詰められるか、の順で校内好感度が上がっているサインになります。

 

 ちょうどそんな話をしていたところで、達也兄くんからメッセージが届いていますね。大体の用は同じクラスの深雪ちゃんが伝えればいいわけですから、これは秘密の用ですね。放課後に時間あるか、とのことです。こちらから伺うのは家で実験や訓練をする時間が削られてしまうので、「いつでもおうちにおいで」と連絡しましょう。用件を話しもせずに「暇か?」って聞いてくる無礼者にはこれで十分ですね。

 

 で、早送りして……さっそく二人が家に尋ねてきました。人体実験をいったん中断しましょう。ちなみに訓練と実験、とは言っていますが、下北沢に来てからは何をやっているかは解説していませんでしたね。訪問イベントの様子を流しながら解説しましょう。

 

 今回借りたのは、黒羽家の力を使ってそこそこ大きめの一軒家です。高校生の一人暮らしには大きすぎますが、これは目くらましの一種ですね。実際、この家は四葉の隠れ家のようなものになっていて、地下には、外には音などが漏れない厳重な実験室になっているわけです。ここに、四葉から送られてくる実験台を監禁して、昏睡レイプならぬ人権レイプをしているわけですね。

 

 ちなみに訓練ですが、実家と違ってそのような施設はありません。魔法を使って、周囲を超高速ランニングしたり反復横跳びしたりする程度です。効率の話で言えば、森崎駿君が所属するコンバット・シューティング部の障害物迷路が一番効率良いんですけど、目立ってしまうのでそれはできません。木々が生えた山の中をなるべく高速で走る、という形で行っています。

 

 で、今回の二人の用件ですが、やはり「校内で好感度を稼いでいるのは何が目的だ?」というものでした。RTAのために仕方ないとはいえ、中学入学までの行動からして、高校入学後の社会性たっぷりな優等生的行動は、やっぱり不可解なんですよね。未来にパラサイトとUSNA軍が来訪してきて、それをいち早く解決するために……という目的は、神視点のプレイヤーしか知らないはずですが、達也兄ちゃまはとても勘が鋭いため、小学校入学から今までの行動すべてに何か一貫した目的がある、ということ自体は見抜かれてしまいます。

 

 当然、未来に起こる重大事件を知っています、なんてことになったら即抹殺されて終了なので、誤魔化しましょう。高校生の青春を楽しみたいのは当たり前だしー、今まで不登校だった反動もあるしー、みたいな感じでしらを切ります。向こうとしてもこれ以上は追及材料がないので、引き下がるしかありません。もっと強引に来ない当たり、主人公らしい善良さですね。

 

 さて、そういうわけで、二人の目にも余るほどに、校内で蘭ちゃんの評価が高いことがわかりました。これで今後がやりやすくなります。

 

 

 

 では当面の目標は何かというと……前期の定期試験の実技で、学年二位を目指します。

 

 九校戦編開始の7月中旬にはテストの結果が出ていて、達也お兄ちゃまが教員と相談させられてる場面から始まっていますね。ここから分かる通り、試験は6月末から7月頭ぐらいの時期にあります。そこで、実技学年二位を取りましょう。

 

 目的はいくつかありますが、一つは試験の成績がそのまま経験値ボーナスになるからです。入試成績もボーナスになるのでなるべく高いところを目指したかったのですが、黒羽家チャートの都合でそれは出来ないので、ここで挽回する狙いがあります。

 

 そういうわけで、好感度稼ぎをしつつ、放課後の訓練は移動・加速系特化から、試験対策に切り替えましょう。一年生最初の試験なので課題自体はユルユル(当社比)なんですが、一位は深雪ちゃんで決定しているため、ほのかちゃん・雫ちゃんという強力なライバルとの争いになります。しっかり準備しましょう。

 

 

 試験の内容としては、入試とさほど変わりありません。全系統全種+無系統魔法の「魔法力」を測ることになります。課題魔法がほんのちょっと複雑になる程度ですが、まだ実用・実戦レベルには遠い基本的なものとなっています。だからこそ、これまでないがしろにしがちだった基礎をしっかり高めましょう。

 

 蘭ちゃんのステータスとしては、まず加速・移動系に特化して磨いてきたので、そこは深雪ちゃんを越えて一位になれるでしょう。加重系、収束系も移動する魔法に結構使うので、黒羽家として実戦経験を積んできた経験値うまうまチャートを活かして二位は余裕です。振動系・発散系も攻撃魔法として実はそこそこ使っていたので、これもまあ大丈夫です。

 

 一方で問題なのは、吸収系と放出系です。大雑把に言うと、吸収系が化合と分離を、放出系が電気系統を、それぞれ操作する魔法ですね。どちらも直感的に理解しにくくて、リアル知能ステータスが足りないプレイヤーにはいまいち使いにくくて避けがちですし、実戦も大体移動・加速系だけでなんとかなるので、あまり磨いていませんでした。これらの練習が一番重要でしょう。

 

 というわけで、それらを中心にやっていきます。幸いここのお勉強は来訪者編クリアを競うルールならほぼ全てのチャートで行う羽目になるので、それなりにノウハウがたまっていますから、これはこれで心配ありません。難しいからこそ攻略法が集まって簡単になるって、それ一番言われてるから。『古事記』にもそう書いてあるから。

 

 では退屈な勉強も早送りして…………はい、試験も終わって、結果も出ました。

 

 ドキドキの結果は……よし、きっちり実技学年二位ですね。筆記試験は、まあ、20位ぐらいです。

 

 ちなみに実技の学年順位全体ですが、一位から順に、深雪ちゃん、蘭ちゃん、雫ちゃん、森崎君、ほのかちゃん、です。原作の順位に蘭ちゃんが差し込まれた感じですね。

 

 内訳は……移動系・加速系は一位、加重系・収束系・発散系は二位、振動系・吸収系・放出系は四位、ですか。まあ予定通りですね。振動系はさほど苦手ではないのですが、深雪ちゃん・雫ちゃん・ほのかちゃんの三人がそれぞれ対象こそ違いますが振動系が得意なので、しっかり磨かないと4位どまりになってしまいます。

 

 三要素の観点で見ると、行使速度も改変規模も可能工程数も二位、ですか。これも予定通りです。深雪ちゃん強すぎか???

 

 はい、これで目標の二位を達成しました。一年生前期なのでさほどのボーナスにはなりませんが、経験値が美味しいのも確かです。

 

 

 

 

 

〈システムメッセージ・「九校戦の鏑矢」のトロフィーを獲得しました〉

 

 

 

 

 

 

 ではお兄様が教員と面談しているのをイツメンで待っている間に、九校戦がそろそろあるという話題を振っておきましょう。そしてここで、周りに話を合わせるような自然な流れで、あんな競技に出たいとかなんとか楽しげに話しておきます。

 

 

 そしてちょうど都合の良いことに、これと同時期ぐらいに今年行われる競技が生徒会に正式通知されて、次に生徒会を中心とした九校戦チームから色々と一般生徒に通知がいく、という仕組みになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 で、蘭ちゃんは、パラサイトをすぐ倒すという巨大任務が控えているため学生の遊びでしかない九校戦には当然参加しない…………わけではないんですねえ。

 

 

 

 

 

 

 

 むしろ、超積極的に参加します。

 

 一つは、ここで最重要人物とコンタクトが取れるから。

 

 そしてもう一つが…………なんとこの九校戦、特別な経験値ボーナスが加算されることが検証により分かっていて、しかもそれが激うまなんですよ。

 

 どれぐらいうま味かと言うと、普通に新人戦の一種目に出るだけで、このゲーム内でも最難関イベントの一つである、あのお兄様とのタイマン訓練と同じぐらいの経験値が入ることが分かっています。原作最強主人公と命を懸けたタイマンと同じだけの経験値が、競技会に出るだけで入ってくる、しかもやろうと思えばそれが二種目ですからね。参加しない意味がありません。

 

 さて、ここで重要なのが、どの種目に参加するかです。一応対戦相手が強ければ強いほど勝っても負けても経験値が増える仕組みですが、それ以上に、順位が経験値に大きく影響します。そのため、安定を目指すことも加味して、なるべくライバルが弱い競技を選びましょう。

 

 

 

 さて、それでは各競技の女子における強力なライバルのランキング分けをしましょう。

 

絶対勝てない

司波深雪(アイス・ピラーズ・ブレイク、ミラージ・バット)

 

ほぼ勝てない

一色愛梨(ミラージ・バット、クラウド・ボール)

 

めっちゃ強い

北山雫(スピード・シューティング)

 

結構強い

北山雫(アイス・ピラーズ・ブレイク)

光井ほのか(ミラージ・バット、バトル・ボード)

四十九院沓子(バトル・ボード)

 

強い

明智英美(アイス・ピラーズ・ブレイク、スピード・シューティング)

十七夜栞(アイス・ピラーズ・ブレイク、スピード・シューティング)

 

そこそこ

里美スバル(ミラージ・バット、クラウド・ボール)

 

 こんな感じです。愛梨ちゃん、沓子ちゃん、栞ちゃんは、『魔法科高校の優等生』のキャラですね。

 

 ではこれらを踏まえて、また蘭ちゃんの得意を加味すると、どの競技に出るべきかですが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……バトル・ボードと、ミラージ・バットです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 せっかちなホモ兄貴は、「あ、おい待てい。さっき深雪と愛梨が強いって言ってたゾ」と思うかもしれません。しかしながら思い出してください。原作では、本戦メンバーの方にトラブルが発生して、深雪ちゃんは一・二年生と競う本戦にコンバートされ、そこで優勝を決めます。つまり、一年生の蘭ちゃんとは途中までは競う関係ですが、最終的にはライバルにならないんですね。愛梨ちゃんも同じで、彼女は最初から本戦メンバーです。

 

 ミラージ・バットはその性質上、移動・加速・加重系に比重が置かれた競技なのでRTA走者にとても適性があります。強力なライバル二人がいないので、これを選ばない手はないでしょう。

 

 そしてもう一つのバトル・ボードですが、こちらも当然、移動・加速系が強い競技なので、適性はばっちりです。「結構強い」二人を相手にしなきゃいけないのが辛い所さん!? ですが、愛梨ちゃんや雫ちゃんの相手をするよりは114514倍マシですからね。

 

 そういうわけで、どの競技に出るのか云々というのが本格的に始まる前に、「自分はバトル・ボードとミラージ・バットに出たい」ということを周囲に言っておきましょう。

 

 というのも、このままいくと、全体の作戦の都合で、クラウド・ボールに回されかねないからです。学年トップの深雪ちゃん・雫ちゃん・ほのかちゃんがクラウド・ボールに出ていない以上、得意魔法的にも結構適性があるクラウド・ボールには、ぜひ蘭ちゃんに出てほしい、というのが生徒会と学校の意見と言うわけです。特にミラージ・バットなんて、学年一位・二位が一つの競技で潰し合うわけですからね。全体として見たら損な話です。

 

 そこで強力になってくるのが、RTA中の戦闘にはさほど役に立たない系統を練習してまで稼いだ、学年順位です。三位・五位の雫ちゃんやほのかちゃんの意志よりも、二位である蘭ちゃんの意志を無碍にするというわけにはいきません。以前からこの二つの競技に出たいと周りにアピールしておくことで、意志の強さを見せつけることができるわけです。

 

 

 だから、実技学年二位を、取っておく必要があったんですね。

 

 

 

 そんなわけで、無事出場競技が決まりました。深雪ちゃんら主要三人は原作と変わらず、私も無事バトル・ボードとミラージ・バットに参戦が決定しました。

 

 また集まった情報によると、無事達也にぃにもエンジニアに選ばれたようです。原作からの大きな変化はなさそうですね。

 

 この九校戦期間中は放課後も部活動さながらどころか部活動以上に練習等で時間が取られます。戦闘にはあまり役に立たないのでロスと言えばロスですが、リターンの方が大きいので、真面目に参加してください。

 

 で、この練習で一つポイントがあります。練習には生徒の見物人も多く詰めかけており、またその中でもミラージ・バットとモノリス・コードは特に人気です。自分が練習している時に、この見物人の中に、ある人物がいないか、探しておきましょう。

 

 

 

 一日目、なし。二日目、なし。三日目、なし。

 

 まあね、これはあくまでもいたらラッキー程度なんで問題ないでしょう。

 

 

 

 四日目、なし。五日目、六日目……おるやん!

 

 

 

 

 

 練習が終わった後、見物人の中にいたこの世界での大親友・美月ちゃんに声を掛けます。彼女は毎日練習の応援に来てくれました。

 

 ですが今回のメインはその隣にいる、細身の男の子……そう、御覧の通り、吉田幹比古君です。

 

 神道系古式魔法師ではトップに名を連ねる名家・吉田家の生まれで、神童と呼ばれるほどの才能を持っていました。あるきっかけでスランプに陥って一年生のころには二科生ですが、二年生以降は一科生に上がるどころか、学年トップクラスの傑物になります。彼は入学編の段階だと履修登録をさっさと終わらせて途中退席したシーンしかありませんが、この九校戦編から本格的に仲間になり、そして達也兄ちゃまと深雪ちゃんに次ぐグループ内の戦力ナンバースリーにまでなる、とんでもないキャラクターとなっています。

 

 

 で、なぜ彼とここで接触するかというと……彼こそが、この来訪者編クリアRTAの、最後のキーマンだからです。

 

 古式魔法師はパラサイトといった化け物の類に関して現代魔法師よりも研究が進んでいて、達也お兄ちゃんたちでも当初手が出せなかったパラサイトに直接攻撃する手段を持っていました。本人の普通の戦闘力もさることながら、探知・戦闘・情報・知識、全てにおいて対パラサイト特効を持っているキャラなわけです。

 

 

 そういうわけで、彼の好感度も上げて、来訪者編でメイン戦力として仲間になってくれるようにしましょう。

 

 ここでポイントなのは、美月ちゃんと幹比古君が一緒に来ていることです。この段階では二人ともさほど仲良くなくて、幹比古君はむしろエリカちゃんと「キてる」雰囲気でしたが、将来的には美月ちゃんと幹比古君がカップリングされます。そのためゲームでは、ある程度二人が仲良くなりやすいように設定されてるんですね。

 

 ここが来訪者編クリアRTAにとって一番おいしいところで、パラサイトを視認できる探知最強の美月ちゃんと、あらゆる面で対パラサイト特効を持っている幹比古君が、ゲーム内では原作以上にセットキャラになっています。

 

 つまり、片方と深く仲良くなっておけば、もう片方のキーパーソンも後から付いてきて仲良くなってくれるわけです。

 

 だから、美月ちゃんの好感度を爆上げしておく必要があったんですね。

 

 

 ちなみに今回は女の子チャートでしたが、もし男の子として生まれた場合、入学編の段階で幹比古君と仲良くなっておいて、後から美月ちゃんがついてくる、という形になります。まあやっぱ導入は同性ですよね。女の子は女の子と、男の子は男の子と恋愛するべきだと思うの。

 

 とはいえここではさほど好感度を稼がなくて結構です。美月ちゃんが色々説明してくれているし周囲の評判も良いためスタート好感度は悪くありません。ファーストコンタクトであいさつを交わす程度で十分です。

 

 さーてさてさて、運良く幹比古君とのファーストコンタクトもこなせたので、後は普通に練習ですね。この期間は選手になったと報告すれば四葉家も気を利かせて任務を無しにしてくれるので、存分に練習ができます。ゲーム内お勉強と同じく、競技専用の練習をすれば、本番で多少は主人公補正が働くようになっていますから、確実に優勝を決められるよう、真面目にやりましょう。

 

 

 

 

 今回はここまで。ご視聴ありがとうございました。




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