娘のたきなと親友である千束ちゃんが、野天風呂への出発を見送った俺は、一人自宅のリビングでニュースを見ながら、コーヒーを飲んでいた。
時間は早朝の5時を差している。
「パパぁ……?」
リビングに顔を出したのは、三つ子で次女のカスミだった。
「おや? カスミ、どうした?こんな時間に……」
「うーん、めがさめちゃった。」
俺のとなりにカスミがちょこんと座る。
「カスミ、今日のお休みは何するんだ?」
「きょうは、カスミとセンリくんとアコちゃんの、おともだちが、あそびにくるんだよー」
「ほおー そうなのか?」
ウチに友達を連れてくるなんて珍しいじゃないか。
俺は席を立って、カスミのためにホットミルクを作ってあげた。
「ほら、カスミ、一緒に飲もう。」
「わぁー パパ、ありがとー♪」
「パパのおごりだ♪」
賑やかになる前の静けさを娘と味合う。
「パパのホットミルク、おいしー」
「カワイイ、カスミにお褒めに預かれるとは、ありがたき幸せ。」
二人でラブラブしていた。
「朝から楽しそうじゃない……」
起きて来たのは桜さん…… なんで、凄んでるの?
「お、おはよう。桜さん……」
「ママ、おはよー」
「はい、おはよう。 珍しいわね? こんな早くにカスミが起きてるなんて。」
「はやおきは、さんもんのとくって、いうんだよー♪」
「へぇー カスミはそんな難しい言葉を知ってるんだなぁー 感心感心。」
「いみはわからないけどねー」
「ありゃりゃ…… 」
「カスミ。早起きは三文の徳って言うのはね?早起きすると少し良いことがありますよーって、ことなのよ。」
「おおー! カスミ、たまたまだけど、はやおきしたから、パパとラブラブできたんだねー♪」
「そうだな! ハッハッハー♪」
可愛い愛娘とついつい、イチャついてしまう。
「お熱いようで、うらやましいわね~? 」
ううぅ…… 桜さんからの圧が凄い……
「まあ、良いわ。 朝ごはん作るから、ちょっと待っててね?」
「はーい。」「はーい。」
桜さんは朝食の準備を始めた。
その後、出来た朝食をカスミと食べる。
その間にセンリとアコも起きたんで、家族が揃い、ウチが賑やかになった。
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午前10時になった頃、家のインターホンが鳴る。
誰かウチを訪ねてきたようだ。
「もしもし?」
「カスミちゃんたちいますかー?」
カメラに映るのは二人の子供。
この子たちか。カスミたちの友達とは……
「ちょっと、待っててね。カスミ、センリ、アコ、お友達が来たぞー」
「おほー!」「アコちゃん、センリくんいこー♪」
「はいはい。」
三人は玄関へとダッシュする。
そして「「いらっしゃーい!」」と玄関から、友達を出迎える娘たちの声が聞こえた。
「おとうさん」「おかあさん」
三人が俺たちを呼ぶ。
「おともだちのルビーちゃんと……」
「アクアくんだよ。」
「ふたりはふたごなんだよー」
「確かにそっくりだね。」
「髪の長さが一緒だったら、分からないわね……」
カスミとアコから紹介されたのは、二人の子供……
ルビーちゃんは金髪長髪のピンクの瞳がキレイな女の子、アクアくんは若干癖っ気の金髪でブルーの瞳が、これまたキレイな男の子だった。
「「おじゃましまーす。」」
なんだか、二人の宝石のような瞳には、引き込まれる不思議な感じがする。
「はい、どうぞー」
「ゆっくりしていってね。」
「じゃあ、カスミたちのおへやにいこー♪」
「「「「おおー!」」」」
カスミたちは、子供部屋へと友達を案内した。
「ねえねえ、カスミちゃん!」
「どーしたの!」
「カスミちゃんたちのおじいちゃん、イケメンでカッコいいね!」
「あー おじいちゃんじゃないよ。ぼくたちのおとうさんだよ。」
センリが訂正していた。
「「え……?」」
廊下からそんな会話が聞こえてくる。
おじいちゃん? 俺、おじいちゃんなの?
ルビーちゃんやアクアくんには、俺のことおじいちゃんに見えるの?
「さ、桜さん…… 聞こえた? 俺、おじいちゃんだって…… ハハ……」
なんか悲しくなってきた。
「まあー アラフィフですからねぇ……」
「肉体年齢はまだ、30代半ばなのに…… 現役の隊員にも負けてなんいんだからなぁー」
俺は久しぶりに泣いた。
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数日後…… 俺は娘のたきなとその親友の千束ちゃんと山梨の県庁舎へと向かっていた。
温泉から帰ってきてからたきなは、キャンプ場の再建案を俺に話してくれた。
彼女の話を聞いて、俺は納得する。
たきなや野クルのキャンプ場と山梨県側の遺跡案が、互いに潰し合うのではなく、共に譲歩しあってより良い場所になるのではないかと思った。
大垣さんからも相談を受け、話を聞いてみたら、たきなの話と概ね同じだった。
みんな諦めたくなかったんだな。
こうして、スケジュールを合わせた上で県庁舎で今後の話合いをする。
「何々? 千代さん、三つ子ちゃんの友達からおじいちゃん扱いされたの? 」
「そうなんだけどねぇ……」
「マジでウケるんですけどー!」
千束ちゃんにからかわれ、盛大に笑われる。
「ちょっと、千束ぉ! 私のお父さんを笑わないで下さいよぉー!」
「別に良いよ。たきな…… 仕方ないから…… お父さん、アラフィフだし……」
思い出すと、段々とブルーになってきた。
そのせいか、車が右へ左へと振られる。
「うわぁぁあ~ッ!!?」
「お、お父さん! しっかり運転して下さいーッ!」
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紆余曲折あったが、なんとか山梨県庁に着いた。
「じゃあー 車、止めてくるから。」
「「はーい。」」
二人は先に県庁舎の中へ入っていく。
俺が駐車場へと移動させると、ちょうどのタイミングで斉藤さんがやって来た。
「千代さん、お久しぶりでーす。」
車から降りて互いに挨拶を交わす。
「ホント久しぶりだね。」
「あ、そういえば、大晦日の時に紅白でB小町が出てたけど……」
「あー 今大人気ですよね? 私も知ってます♪」
「そのアイドルグループのセンターの子の声が斉藤さんと似てるって、なでしこちゃんが言っていたんだ。」
「へぇー 千代さんは、どう思います。」
「言われてみれば、そんな感じもするかな?って……」
「ふーん…… じゃー 私も今からアイドル目指してみようかなー?」
「斉藤さん、可愛いから、ワンチャンいけたりして?」
「えッ!!? 可愛い…… もうー!千代さん、大好き!」
嬉しそうでなりより、二人並んで庁舎へと向かった。
「こうやって、二人っきりになるの久しぶりですね?」
「そ、そうだね…… ってか、斉藤さん?なんで腕組んでるの?」
「フフ~ン♪ 良いじゃないですかぁ♪ 私と千代さんの仲だしぃ……ね?」
作戦本部となっている一室の前まで来ると、斉藤さんが扉を開ける。
「おまたせー!」
「あ、恵那ちゃーん……って、なんで千代さんと腕なんか組んでるのッ!!?」
「どういうことですか? お父さん……!」
「あ、えっと…… これは……」
「まあまあ、たきなちゃん? こんなことは日常茶飯事やったし、気にしたら敗けやで。」
「う~ん、納得できかねますが……… 分かりました。あとお父さん?」
「は、はひッ!!?」
「覚悟していて下さいね。」
たきながニッコリと笑顔を俺に向ける…… が、目は全くと言って良いほど、笑ってはいなかった。
まあー ひと悶着あったが、本題に入る。
「えー 先日、リモートで話したとおり、キャンプ場の案を再検討しようと思う。」
「まずはコンセプトやなー」
「温故知新と再生をテーマにしよう。」
「古きを尋ねて、新しい発見や知識を得るって熟語ですね。」
「再生は?」
「あの巨大な鳥かごとかをそのまま残したいです。」
「せやね。あと私が勤めていた鮎川小学校の遊具の再利用も許可貰っとるから、キッズスペースにおけるよー」
「発掘中の住居跡も展示物として残せるし、管理棟予定の建物も一部改築して、遺跡や土器関連の資料館にしよう。」
「なんか楽しくなって来たね♪」
「うん!これなら再開できそうだよね。恵那ちゃん!」
「あとは千明ちゃんのプレゼンとアプローチしだいだよ!ガンバ!」
「おぅ!スゲェー プレッシャーだけど、ここでやらねば女が廃るってモンよ!」
「ヨッ! 千明ちゃん、カッコいい!」
どうやら、みんなにやる気が戻ってきたようで、何よりだった。
そして、プレゼン当日……
大垣さんは練りに練り上げたキャンプ場の再建案を、県知事や各課の長、県議会の議長などのお偉いさんの前でプレゼンする。
プレゼンにはジンジャーくんを使い、今まで撮影した映像なども流した。
「これが新たに私たちが目指すキャンプ場です。」
やりきった彼女はハツラツとしている。
プレゼンを聞いた人たちは各々納得したようで……
「素晴らしい、アイデアです。両方の良いとこ取りして山梨県を盛り上げる施設が、また一つ増えそうですね。」
「って、ことは……」
「ええ。 このプラン通りに進めて下さい。」
県のトップである知事からGOサインが出た。
「あ、ありがとうございます! 」
感無量…… 嬉し涙を堪えきれず、男泣き。
『ちょっと! アタシゃー 女だよ!』
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ということで、キャンプ場作りの再開………… の前に発掘調査を終わらせないといけない。
集まったのは…… なでしこちゃん、犬山さん、たきなと千束ちゃん。そして……
「「「おたすけせんたい!みつご レンジャー!」」」
決めポーズをバッチリ決めたウチの三つ子たちだ。
連休で暇そうにしてたから、長女のたきなが連れてきた。
「おほー! 決まったねー!」
「でも、たきなは絶対しないんだね。」
「当たり前でしょう!何回やったと思っているんですか? 」
「何回でも、やって良いんやで~?」
みんながジリジリと距離を詰めてくる。
いつものパターンです。
「「「おたすけせんたい! みつご レンジャー」」」「With・おねえちゃん……////」
決まりました。
「はい、可愛いー♪」
「写真タイムやなー」
「リンちゃんにも送って広報してもらうよん♪」
私はいつも通り、写真に撮られてしまった。
「本日から、友人と交代交代で発掘作業に参加させていただきます!」
「よろしくお願いいたします!!」
「いや〜、正直ありがたいよ!人手不足だから全然作業が進まなかったんだー!」
「そちらのお子さんは?」
「私の妹と弟です。みんなしっかり者なので、色々頑張りますよ!」
「「「よろしくおねがいします!」」」
「あと、お昼御飯とかも作れますので!」
「お昼ごはん?」
発掘作業が始まる。
予想の斜め上を行く、三つ子の働きぶりに驚き数日後…… 代わる代わるで平日休みが取れたメンバーが、高下の発掘現場へと足を運び、その作業の手伝いを申し出ています。
お父さんやなんと野クルの顧問だった鳥羽先生まで参戦しました。
千明さんの言う計画。
それを実行に移す前に、滞っている発掘作業を手伝い、ペースアップを図ること。
作業員の言う通り、人数が少ない現状での作業効率のスピードは推して知るべきです。
如何せん、先ずは発掘作業が終わらなければ、次のステップたるキャンプ場作りにも移行できない現状なのだから…… そして教えてもらいながらの発掘作業が始まります。
地味な作業なのかな?と先入観があったのだが、いざ実際に作業を始めて見ればなんのことか、昔やったことのある宝探しをしているようで、童心に還った気分で作業感よりも楽しみが大きかったです。
しかも授業でしか触れることのなかった縄文時代も古い文化の片鱗に間近で触れれるめったに無い機会は、成長した私達には輝かしく映り、作業効率は思った以上に捗っていました。
そしてそれにはもう一つの要因が起因しています。
「今日のお昼は野クル特製の豚骨カレーです!」
六人が交代で作るお昼御飯もまた、作業効率アップに貢献していたと言っても過言ではないだろうし、仕事を一段落させて、美味い飯を、大自然に囲まれた青空の下で食べました。
これほどご飯を美味しく食べれるシチュエーションは中々無いと思います。
美味い飯を食べることは気分を良くし、それが昼からの作業へ良い働きをもたらしていたことは言うまでもないですね。
発掘作業が終わったのは、5月の月末でした。
ちなみに6月の初めには私とお父さんは総合火力演習があります。
貴重な実弾を使ったド派手な演習があります。
一般の人が観覧できる演習でもあり、チケットは即売り切れです。
私たちの勇姿を皆さんにも見て貰いたいので、特別席を用意したと思います。頑張ります。
次回に続く。
序盤にはチーム三つ子の同級生としてとある双子を登場させてみました。
ご感想、お待ちしております。
しまりんに普通自動二輪の免許を取らせたい。
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賛成。
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反対。