おじキャン△   作:Shin-メン

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もうすぐ、劇場版公開ですね?
楽しみです!


期末テスト、千代、窓拭き。

四尾連湖から無事に帰還した各務原さんと志摩さん……

元気に登校する二人を見つけた。

 

「千代さーーーん!」

 

飼い主を見つけた犬のように、ダッシュで向かって来る。

 

「おわッ!!?と……」

 

この間の……四尾連湖の時と違い、きちんと彼女を受け止めることができた。

 

「だから、人前で抱きついちゃダメって!」

 

他の生徒からの視線が……

みんなが俺たちを見てるって!志摩さんもあ然としてないで、彼女を止めてくれぇ!

 

そんなことで各務原さんとやいのやいのしていたら、俺の肩を誰かにポンポンと叩かれた。

 

「おはようございます。野咲さん……」

 

声の主に察しが付き、油の切れたロボットのようにぎこちなく振り向くと……

 

「お、おはようございます。教頭先生……」

 

そう、教頭先生がニッコリと笑顔を浮かべながら、俺の後ろに立っていた。

 

「お話し…… ちょっと、よろしいですか?」

 

「あ、はい……」

 

俺は教頭先生に連行され、職員室へ……

そして、他の教職員がいる前で口答で注意をされた。

 

「我が校の職員として生徒とのスキンシップは大切だと思います。ですが度の超えたモノは如何なものかと……」

 

「はい、返す言葉もございません。」

 

「今後は気をつけて下さいね?」

 

「はい。」

 

まさに公開処刑…… 不可抗力ではあったけど、今後は気をつけよう。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

その日の放課後、俺は慌ただしく校内を動き回っていた。

テスト期間中に高所での窓拭きをするためだ。

色々と段取りと協力とうとう根回しをする。

 

「許可は取った。器具の安全確認も大丈夫……」

 

あとは明後日だな。

そんな事を考えながら、理科室の前を通りがかった時だった。

理科室の中からワイワイと声が聞こえる。

 

「ん?誰かいるのか?」

 

引き戸を開けて中を見ると、大垣さんと犬山さん、それに斉藤さんの三人がいた。

 

「君たち、こんな所で何をしているんだい?」

 

「えっと、 アキがスキレットのシーズニングと木皿の塗装はがしを急にするって言い出して……」

 

※シーズニングとは、表面についたサビ止めを落とし、オリーブオイルを馴染ませる鉄鍋を買ったら初めに行う作業です。

 

※簡単に説明するとしっかり洗った後、空焼きしてオイルを塗ってを繰り返します。

ちなみにこの時、取手がとても熱くなるので、気をつけましょう。

 

「その明後日から期末テストだよね?良いの?」

 

「私は大丈夫ですよー♪」

 

「私は半ば拉致られましたわ〜」

 

「イヌ子〜!そりゃないぜよ。」

 

「大垣さんは大丈夫なのかい?」

 

「私は追い詰められてからが本場だと思ってます!」

 

大垣さんは胸を張り、堂々と言ってみせる。

そのセリフはアカンタイプの人が言うヤツだよ。

 

「それで千代さんは、何してたんですか?さっき見かけた時、何だか忙しそうだったけど?」

 

「あ〜明後日、高所作業をするから色々と準備してたんだよ。」

 

「高所作業?」

 

「窓拭き……二階以上の外側は落ちたりしたら大変だからね。屋上から降下しながらしようなかって……」

 

「危険じゃないッスか?」

 

「安全対策は自分なりにしたし、……何より自衛隊の時に訓練してたからね。」

 

「あのヘリコプターから降りるヤツですよね?テレビとかで見たことあります。」

 

「ラペリングだね。ヘリコプターが着陸出来ない場所で、素早く展開するためにロープ一本で降りるんだよ。」

 

「カッコいいですよね。」

 

「見てるぶんにはね…… 小銃とかフルで武装してると相当重いから落ちたりして大ケガ負う隊員もいるんだよ。」

 

「そうですよね?けっこう高そうだし……」

 

「10メートルくらいあるよ。あの高さで正確にホバリングするパイロットの人も凄いんだよ。」

 

そんな話しをしていると俺のスマホが鳴る。

いや、俺のだけではない……大垣さんや犬山さんのもほぼ同時に鳴った。

ということは野クルのグループLINEか…… 確認してみよう。

 

なでしこ『期末テストがおわったら、みんなでクリスマスキャンプ、やりませんかっ!!(*>V<*)ノシ』

 

「クリスマスキャンプか……」

 

「ナイス提案だな……!」

 

「でも私、クリスマスは千代さんと二人っきりで過ごすからムリやわ〜」

 

ハイィッ!!? 犬山さん、いったい何をッ!!?

 

「な、何だと…… 千代さんとは、いったいどんな関係なんだッ!!? えぇッ!!?こらぁ!」

 

大垣さんは犬山さんの襟首を持ち、ぐわんぐわんと降っている。

 

「う、うそやでー」

 

でしょうね。犬山さんの目が泳ぎまくっている。

 

「う、嘘か……」

 

「クリスマスは私と一緒にお出かけするんだよね〜♪ どこに行こっか?」

 

「「なにーーッ!!?」」

 

斉藤さんまで完全に悪のりしてるし。

 

「でも、クリスマスにキャンプなんて初めてやねー♪いつもは家族とすごしとるからな〜♪」

 

「キサマ!家族おったんかーーッ!!?」

 

「なめとんのか、われーーッ!」

 

本当に面白い……

この二人なら、ワンチャン芸人目指せるんじゃ?

 

「千代さん、千代さん……!」

 

斉藤さんが俺の肩をトントンと叩き、気づいた俺に耳打ちをする。

 

「二人、芸人みたいで面白いですよね?」

 

「全くだ……」

 

斉藤さんはケラケラと笑っていた。

 

「そういえば、斉藤さんもクリスマスキャンプ、どうかな?」

 

「えっ、私ッ!!?」

 

「うん!デイキャンプにすれば寝袋とかもいらんし、一緒にやらへん?」

 

「もちろん、千代さんもッスよ!」

 

「一応は野クルの相談役だし、自分は参加させてもらうよ。」

 

「うーん、私は寒いの苦手だしなぁ…… でも、ちょっと楽しそう……」

 

彼女の中で参加するしないで葛藤する。

 

「まあ〜 クリスマスまでは時間あるし、ゆっくり考えたら良いよ。」

 

「ねえ、犬山さん…… 決めるのテストが終わってからでも良いかな?」

 

「うん、全然かまへんよー」

 

斉藤さんの答えが、保留となったところで完全下校を知らせるチャイムが鳴った。

 

「下校時間、私そろそろ帰るね。じゃあね、犬山さん、大垣さん。」

 

「うん、またなー」

 

「おう、じゃーなー」

 

「千代さんもさようならー♪」

 

「はい、さようなら。」

 

斉藤さんは理科室をあとにした。

 

「君たちも早く帰りなさい。明後日からテストだし……」

 

「せやな。木皿の方もええ感じになったし、ウチらもはよ帰ろー」

 

「そうだなーでも、その前に……」

 

大垣さんと犬山さんは写メを撮り、メッセージを野クルのグループLINEに送る。

ピコンと俺のスマホが鳴った。

 

千明『次の野クルキャンプは……』

 

イヌ子『テスト終わりのご褒美、クリスマスキャンプで決まりやー!』

 

なでしこ『やったー!みんな、期末テストがんばるぞー!』

 

千代『みんな、無理しない程度に頑張りなよ……』

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

その日の夜……

俺は次の休みツーリングに行こうと思い、タブレットでグルグルマップのアプリを開き、行き場所を決めていた。

 

「さてと、今度はどこに行こうかな……」

 

タブレットを弄っていると、この町の近辺が3Dビューになっているに気づく。

 

「へぇーここいらも地図も3Dビューで見られるようになったんだな……」

 

……あ。その3Dビューにとある人物が映っていた。

 

「各務原さんだ……」

 

俺はちょっと可笑しくなり、そのアドレスをコピーしたうえでLINEでメッセージを送った。

 

千代『こんばんは。面白い画像、見つけたよー』

 

直ぐに返信が来る。

 

リン『こんばんは。画像見ました。なでしこのヤツいったい何をしてるんだか……』

 

千代『ホントだよね。』

 

テストが終わったら、みんなに教えてあげよう。

 

次回に続く。




私は大垣千明。
放課後に頑張ってヤスリがけをした木皿を使って、早速スープを飲んでみようと思う。

テスト勉強?
一応はしたぞ。

「さーて、お前の性能…… 見せて貰おうか。」

スープの素を木皿に入れて〜♪
お湯を注ぎぃ〜♪

「ん〜ただのコーンスープも一味ちがうよなぁ〜!」

「こんなに……」

あ、これは…… ヤバいッ!

「くっさーーーッ!」

※塗料を剥がしたアカシア製の木皿には、独特の匂いがあり、その独特な匂いが食材に移ることがあります。

※対策として、お酢を混ぜた水に漬けおき、よく脱臭しましょう。


「くっせ!マジ、くっせー!」

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

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