おじキャン△   作:Shin-メン

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だいぶ間が開いてしまってすみませんでした。


進路説明会。

昼休みが終わり、本番が来た。

五時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴る。

体育館には二年生と三年生が座っていた。

 

三年生の学年主任の号令で進路説明会が始まった。

本栖高校の卒業したOB・OGが自身の勤める職種について自分なりの言葉で語っている。

 

最後を飾るのは俺だ。そして出番くる。

 

「では…… 大町先生、鳥羽先生 よろしくお願いします。」

 

「はい!」

 

「任せてくださいよー!」

 

まずは俺ひとりで檀上に立った。

 

「皆さん、こんにちは。」

 

俺の時間が始まる。

補佐のために鳥羽先生がステージに現れると「おー!」と歓声が上がった。

いつも優しい彼女が今日は陸自の女性士官正装を纏っているからなぁ…… 凛々しい。

 

まずは俺が陸上自衛隊に入ろうと思った理由を話す。

旧海軍の航空隊員だった祖父の話、陸上自衛官の空挺

師団に所属していた叔父の話をした。

 

生徒たちだけではない。

先生たちも真剣に聞いている。

 

次は陸自に入って良かったことを話した。

貯金が爆速で貯まること、社会的信用があるためにローンが組みやすい。色々な教育を受けられるなど……

 

「よく色々な免許が取得できると勧誘時に言われますが、これは施設科など特定の部隊だけなんで勘違いしないように。あとは体を鍛えるにも最適な場だと思います。」

 

鳥羽先生の協力でスムーズに説明が進む。

語りたいことはたくさんあるが、時間も限られているので、色々とはしょりながらも要所要所を説明した。

 

「さて、自分はレンジャー課程を終了しています。」

 

スクーンには共に苦難と向き合った仲間たちと撮った記念写真が映し出される。

俺を含め屈強な肉体をした自衛官が写っていた。

 

「「おーー」」と声が上がる。

 

「これはレンジャー教育が始まった頃です。レンジャーとは敵の目を欺きながら、襲撃・伏撃・情報収集などを行い、主部隊の作戦を助けることを主な任務としています。隊員になるには11週にわたる過酷なレンジャー教育課程を修了しなければなりません。教育訓練は各師団・旅団の普通科連隊が担任します。教育期間中は学生は2人1組となり、食事・入浴・トイレまで常に一緒です。」

 

いつもどこでも一緒だという言葉に会場は少し引いている。

 

「1人のミスは2人の連帯責任となるんですよ。また教官の指示に対し一切反論や口答えは許されません。返事は「レンジャー!」のみなんですよ。教育の前半には定期テストや体力テストがあります。大町先生!お願いしまーす!」

 

戦闘服を着た大町先生が個人装備品一式を装備してステージ端から現れた。

えっちらおちっらと、ステージ中央まで歩く。

 

「大町先生、頑張ってください。えーと、自動小銃込みで総重量50キロ近くあります。自分は当時これを担いでほとんど飲まず食わず、ロクに休憩もせずに最大5夜6日歩き続けました。」

 

その後、陸曹教育隊の話など時間が許す限りいっぱい話した。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

そして放課後、野クルの部室にて……

 

「進路説明会、お疲れさまでした。」

 

「いや~ 慣れてないことすると疲れるよ。」

 

「制服も似合っていて、カッコ良かったですわー」

 

「鳥羽先生もいつも以上にきれいだったよな!」

 

「それにしても、今日はなでしこさんがいないみたいだけど……?」

 

「なでしこはリンとカリブーに行くって、言ってたッス!」

 

「なるほど。そいえば昨日ウチで言ってたな……」

 

「なんやなんや?なでしこちゃん、千代さんの家に来たん?」

 

「えっーと…… 昨日、桜さんにリハーサルを付き合って貰ってたら、バイト終わりだったのかな?なでしこさんが急に訪ねて来たんだよ。」

 

「ふーん…… なでしこちゃんもスミにおけんなぁー」

 

「美人姉妹に囲まれてけっこうなことで……」

 

ジト目で見つめる二人の視線が痛い……

それに何?この重苦しい空気は?

 

「ウチらも千代さんの家でもっと遊びたいなぁー」

 

「そうだなぁー 今度みんなでお泊まり会でもするか!」

 

さすが大垣さん。突拍子もないことを言う。

 

「いや!それはちょっと……!」

 

「ええやん。なでしこちゃんのお姉さんはたまにお泊まりするんやない?」

 

「ど、どうして……そんなことを知ってるんだい?」

 

「なでしこちゃんが言っとたよ?なあ?アキ?」

 

「んだんだ。この間のお昼休みに言ってた。」

 

毎回のことだが、俺のプライベートはみんなに筒抜けだ。一度みんな…… 特になでしこさんとはO.HA.NA.SHIをしないといけない。

俺はそう心に誓った。

 

「お邪魔しま~す……」

 

部室の引き戸が開き、女の子が顔を覗かせた。

 

「キミは……」

 

「待っとたでぇー アキぃー この前話した一年生のぉ……」

 

「中津川メイっす!ヨロシクお願いします!」

 

「中津川さん。野クルに入ったんだね。ようこそ。」

 

その時だった。俺を押し退けた大垣さんが彼女の手をガッと掴みブンブンと振る。

 

「ア、アタシ!野クルの部長をやらせて貰ってます。大垣千明と申します!!」

 

いつもの大垣さんとは違い、とても腰が低い。

 

「この度はウチのサークルを選んでいて誠に…… ありがとう!ホントーにありがとう!」

 

「泣かんでもエエやろう……」

 

「いやー これでついに野クルも晴れて部に昇格できる人数になったわけだ。」

 

「悲願が叶って良かったね。」

 

「部になるんだし、名前を変えた方が良いのか?野外活動部?」

 

大垣さんはワクワクが止まらないようだ。

しかし、そんな彼女に水を注すように犬山さんが重たい口調で口を挟む。

 

「アキぃ~? 残念やけど野クルは昨日まででおしまいや…… 部活化を気にここは【ゆる自転車部】に変わるんやからなぁ……」

 

野望に満ちた邪悪な笑みを浮かべている、犬山さん……

 

「なん… だと……」

 

犬山さんの野クル乗っ取り計画に大垣さんはたじろぎ、なんとも言えない表情だ。

俺と中津川さんは二人に付いて行けず、蚊帳の外……

 

「おばちゃんにロードバイクをもろてから、ずっと思っとたんや…… たまにしか行けへんキャンプよりも、これからは通勤通学でも楽しめるサイクリングの時代やで。」

 

犬山さんの圧が凄い。

 

「すでになでしこちゃんと恵那ちゃんには、ワイロも渡して根回しが、さらにリンちゃんも引き入れる予定や…… メイちゃんはもちろん、千代さんと鳥羽先生もゆる自転車部の相談役と顧問になるんやで。」

 

「え?俺、自転車乗れないよ?」

 

「練習あるのみですわ。」

 

「ええー」

 

「野クルの残党はアキぃ?もうアンタだけや…… 観念して【ゆる自転車部】に入りーや。」

 

「おのれぇー!謀ったな!イヌ子ぉぉーーーッ!」

 

そこまで言ったかと思うと、大垣さんと犬山さんは、俺と中津川さんをチラッと見る。

 

「さてと…… 茶番はここまでにしておいて……」

 

「え?今のは茶番だったの?」

 

「せやでぇー それで私とメイちゃんは自転車でキャンプに行くことも考えとるんよ。」

 

「はい!私もロードバイクでキャンプに行ってみたいっス!」

 

「自転車でキャンプと言えば、リンが去年まで自転車キャンパーだったから、積み方のコツとか詳しいかもなぁ…… でもよ、その前にメイ隊員のキャンプ道具をどうにかしなきゃないけないぞ。」

 

「せやなぁ……」

 

「あのー もう一人部員の先輩がいるんっスよね?」

 

「今日はキャンプ道具を買いに行ってるんだよ。」

 

「そうなんっスね。」

 

雑談をしていると週末の話になった。

 

「千代さんって、週末はどうするんッスか?」

 

「なでしこちゃんのお姉さんとデートですか?」

 

「ちょっと…… そういうプライベートなことは……」

 

「千代さんって、彼女がいるんっスか?」

 

「いるでぇー めっちゃ美人さんやー」

 

「犬山さんッ!!?」

 

「まあまあ。なでしこの…… もう一人の部員のお姉さんなんだよ。イヌ子の言ったとおりキレイな人で、なでしこと真反対のクール美人なんだよ。」

 

「へぇー 会ってみたいなー」

 

「それで?どないなんですか?」

 

「はぁー 今週末は今日の説明会で使った制服とか道具を返却に行かないといけないからね……」

 

「そうなんですかー 残念やなぁー」

 

「どこに行くんですか?」

 

「陸上総隊司令部と東部方面総監部が入る朝霞駐屯地だよ。そこの幹部に知り合いがいるから……」

 

「どこにあるんっスか?」

 

中津川さんに聞かれた。

 

「東京の練馬区をまたいで、さらに埼玉県の朝霞市と周辺の市を含んでるよ。」

 

大まかな場所を彼女に伝える。

 

「エエなぁー」

 

「行ってみてぇー! なぁ!そうだと思わないか?メイ隊員!」

 

「はい!」

 

「まあ、連れて行きたいのは山々だけど…… 機密情報とかあるから許可を貰っている者…… 今回は自分しかいけないんだよ。ごめんね?」

 

「あー 残念やなー」

 

「でも年一回、駐屯地を一般開放したりするイベントとがあるから……」

 

「なでしこの家族が昔に行ったヤツか。」

 

「そうそう。その時はみんなで行こうよ。古巣だし自分が案内するから。」

 

「約束やでー」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

土曜日になった。

俺は借用した官品を朝霞駐屯地に返却するために朝から出発準備をする。

愛車のGRヤリスの後部座席を倒し荷室を広くし、荷物を載せていった。

 

「こんなモノか……」

 

車が狭いから自ずと中腰になってしまう。

腰をトントンと叩き、背伸びをした。

 

「千代さん。朝ごはんできましたよー」

 

桜さんが呼ぶ。

 

「あ、はーい。」

 

これに答え、俺は家に戻り、食卓についた。

 

「いただきまーす!」

 

なでしこさんが幸せそうに朝ごはんを頬張っている。

 

「なんで、アンタがいるのよ……」

 

「まあまあ…… 食卓は賑やかな方が良いですよ。」

 

「もう。何度も言ってますけど、この子、甘やかしたらすぐに調子乗るから気をつけてくださいね。」

 

「ええ、分かってますよ。」

 

朝食などを済ませた。愛車に乗り込む。

そして、俺の隣の席になでしこさんが座った。

 

「じゃー 桜さん、いってきます。」

 

「気をつけて…… アンタもバイト先まで送ってもらうんだから、ちゃんとお礼を言うのよ。」

 

「うん!分かったー」

 

「なでしこもお願いします。」

 

桜さんに見送られて、俺は自宅を出発する。

 

次回に続く。




作者です。実家の飲食店が忙しくて中々執筆ができませんでした。
新メニューで鰻を扱うことになり、鰻を捌いていくぅー!のに慣れるまで悪戦苦闘でした。ゆるキャン△でもお正月にちょっと鰻を扱ってましたね。

作者は嫌いになりそうです。鰻……

次回から千代さん単独行動なので、クロスオーバー入ります。東京に行く……ってことは?

千代さんの今後について。

  • 桜さんと旅行中に大事件に巻き込まれる。
  • ぼっち・ざ・ろっく とクロスオーバー
  • リコリス・リコイル とクロスオーバー
  • フィジカルチートでポケモンSVの世界へ
  • 今までの記憶などを持ってEDF6世界へ
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