しばらくみんなで海外ドラマを見ていると、鳥羽先生に電話がかかってきた。
応対を済ませたかと思うと彼女は立ち上がり、 出かける準備を始める。
「鳥羽先生、どうしました?」
「犬山さんたちのヘルプです。近くの温泉によったら、ギブアップしたようで……」
「もう少しだったのに残念だねぇー」
「そうだな。」
「でも二人とも凄い頑張ったじゃない。健闘を称えましょう。」
桜さんの言うとおりだ。確かにここまでまだ数キロの道のりがあるはず…… 初めてのロングツーリング、頑張って60km以上を走りきったのだ、そのガッツは大したものだと思う。
「ならば自分も一緒に迎えに行きますよ。」
俺も腰を上げた。
「そんな…… よろしいんでしょうか?」
「もちろんですよ。それに二台で行けば一度で済む。その方が効率がいい…… そういうことで桜さん、いってきます。」
「はい。気をつけて。」
「ありがとうございます。助かります。」
「いってらっしゃーい!」
俺と鳥羽先生はそれぞれの車に乗って、犬山さんたちの救援へと向かった。
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俺は愛車のGRヤリスを運転し、前を走る鳥羽先生の車に追従する。
そして温泉施設に到着した。
ここはキャンプ場に向かう前に桜さんたちと三人で寄った温泉施設だった。
正面入口近くに設置された駐輪場で犬山さんと中津川さんの二人が立っている。
鳥羽先生の車に続いて敷地内に入ってきた俺の車を見た二人は驚いてた。
「お待たせしました。」
「い、いえ…… お手数おかけしてすみません。」
「良いんですよ。」
「でもどうして千代さんが?」
「それは追々話していくよ。自転車は鳥羽先生の車に…… 他の荷物と二人は自分が乗せて行きましょう。」
「そうですね。千代さんの案にしましょう。」
四人で協力して鳥羽先生の車に自転車を積載し、二人は荷物を俺の車に載せてから乗り込む。
そして、キャンプ場に向けて出発した。
「なでしこちゃんのお姉さんとキャンプデートでしたかー♪」
「まあ、ね。色々調べたけど、キャンプ場もここしか空いてなかったよ。」
「でしょー」
「で、なでしこ先輩もいっしょにいるんッスね。」
「けっきょくは野クルのグルキャンみたいになってもうたなー♪」
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キャンプ場へと戻り、自転車と荷物を下ろしてみんなと合流する。
「アオイちゃーん!メイちゃーん!」
なでしこさんが手を振って出迎えた。
「お疲れさま。アオイちゃん。」
「ありがとうございます。でも最後まで来れなくて、ちょっと悔しいですわぁ……」
「仕方ないですよ。先輩…… 温泉に浸かったら、やる気負けん気色々なモノが疲れと一緒にお湯に溶けていくんッスよ……」
「でも、凄い頑張ったと思いますよ。私、二人が身延からあそこまで走ってこれるとは思ってませんでしたから……」
「思ってなかったんッスね…… んな白状な。」
「でも初のロングツーリングであそこまで来れた二人のガッツは称賛に値すると思うよ。」
俺は拍手を贈る。
それに合わせてみんなも二人に拍手をした。
「なんか照れるなぁー////」
「ですね……////」
照れ屋さん…… 二人は頬を赤くしている。
その後大垣さんも温泉に行こうと思っていたが、運転手の鳥羽先生がビールを飲んでしまい、次の日までお預けになった。
日も傾き、夜の帳が降りる。
ランプなどに明かりを灯し、晩ごはんの準備をした。
そして、みんなで食卓を囲む。
「さてと、中津川さん?」
「はい?なんでしょう?」
「野クルに入ったからには、特別なお肉を食べてもらいます。」
「千代さん…… まさかこの間の…… 花見キャンプのをするんですか?」
「アオイ先輩?何するんですか?」
「この前花見キャンプした時に千代さんが謎肉を振る舞ってくれたんやで。私と妹のあかりはカエルを食べたなぁー」
「アタシとなでしこ、鳥羽先生はヌートリアだ。」
「ヌートリア?」
「水棲型のネズミですよ……」
「ね、ネズミッ!!?」
「ちなみに私の友達はヘビだったよ。」
「ヘビ…… ホントに大丈夫なんッスか?」
「大丈夫!大丈夫!ちゃんとお肉屋さんで買ってきたヤツだから……」
食べた動物の種類を聞いて中津川さんの顔がひきつっている。
「っと言うことで、中津川さんに食べて貰うのは…… コレです!」
俺はちゃっかり作っていた、肉料理を彼女の前に出した。今回は煮込みハンバーグだ。
「ハ、ハンバーグ……」
「見た目はスッゴイ美味しそう……」
「ちなみに桜さんの分もあります。」
「え……」
「さあ!さあ!」
俺は二人に食べるように促す。
彼女たちは恐るおそるハンバーグを食べた。
ゆっくりと咀嚼し、ゴクっと飲み込む。
「おいしい……」
「千代さん!これ美味しいッス!」
二人はあっという間に完食した。
「で?これは何の肉ですか?」
桜さんが答えを聞く。
「今回はシカとイノシシの合挽き肉です。」
他のみんなにも好評で今回は成功だった。
その後に食べた桜さんが腕を振るったキャンプ飯は絶品で、特に自転車組は空腹感がハンパなく、なでしこさんに勝るとも劣らない食欲を見せていた。
食後は野クルキャンプ恒例のホラー映画の鑑賞会が始まる。今回のタイトルは"貞子vs伽椰子"。
『バケモンにはバケモンをぶつけりゃ良いんだよ!』など有名な迷言などがある、ホラー映画の皮を被ったおふざけギャグ映画だ。
「なでしこ…… アンタ、お化け嫌いなのに良く見れるわね?」
「だだだだだって、しょ、しょうがないじゃん!恒例行事なんだから!」
相変わらず、なでしこさんは凄い勢いで震えている。
クライマックスになり、出現した最強幽霊……
「アヒィィィィーーーー!」
お約束のごとく、なでしこさんの絶叫で映画鑑賞会は締め括られた。
「今回は全然怖くなかったなー」
「バトル物だと思えば面白いよな。」
「これは次のキャンプが楽しみッス!」
「今回の映画は、みんなに取って刺激が少ないみたいだね?」
「せやなー なんか物足りん感じがするなー」
「そそそそ…… そんなことないよッ!!? ね?メイちゃんもそう思うよねッ!!?」
「千代さん、なんかオススメの映画とかあるんですか?」
「め、メイちゃん!!?」
「ふむ…… じゃあ、自分が経験したゾッとした話を聞くかい?」
「お、自衛隊にいた時の話ッスか?」
「そうだね。自分がレンジャー教育を受けていた時の話なんだけど……」
俺が怪談話をしようとすると、急に肌寒く冷たい風が吹き始める。
「レンジャー教育の後半は実際に与えられた任務をこなす訓練があるんだ。夜寝てると急に起こされて山のど真ん中に連れていかれることもしばしば……」
「ひぇー 休ませてくれないんッスね……」
「それで、その日も夜中から山を歩いてたんだけど、明かりは付けれないし、月明かりもない真っ暗な山…… 聞こえるのは仲間の足音と自身の呼吸だけ。」
「私なら堪えられないよー」
「そやな……」
「それで千代さん?続きを早く話してくださいよ。」
「歩き初めて二時間くらいたった時かな?急に行進が止まるんだよ。」
「回り見えないのに、足が止まったって良く分かりましたね?」
「慣れれば気配で分かるんですよ。どうしたか?と思うと前の奴らから伝言ゲームのように伝言が回ってきて『女の泣き声がする』ってね……」
泥酔する鳥羽先生はさておき、他は青筋をたて固唾を飲み、なでしこさんは残像が見えるほどの怯えよう。
「最後尾の自分は助教に報告し、助教と共に最前列まで行くと前にいた隊員が震えているんだよ。みんなで耳をすませてみると、本当に女性のすすり泣く声が聞こえるんだ。」
「マジかよ……」
「その場にいる隊員…… 自分も聞こえたから現実なんだと直ぐに判断して、駐屯地と連絡を取り合い訓練を中断して捜索したんだよね。そしたら居たんだよ…… 若い女性が本当に一人で山奥で泣いていたんだ。」
「それで?それで?」
「もう止めて…… 怖すぎる……」
「明かりをつけてその女性を見ると少し疲れが見てとれたから、手当てとかして事情を聞くと彼氏と未来に絶望して……その……」
俺はショッキングなことだったので言葉を詰まらせてしまう。
「ってことは……」
「そう…… もう一人いたんだ。自分たちは急いで探したんだ。そうしたら、少し離れたところにいたんだよ。首を吊って少し首が伸びた男性が……」
みんな白目を向いていた。
まあ…… 作り話なんだけどね。
夜も更け、みんな眠りに着こうとしたけど、全く眠れなかったらしく、俺だけ爆睡して朝から文句を言われたのは別の話……
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犬山さんと中津川さんは朝早くに県境のある雁坂峠の料金所まで自転車で向かう。
「二人とも頑張ってねー!」
二人を見送り、戻って来るまで俺たちは朝のひとときをゆっくりすることにした。
「これからどうしようか?コーヒーでも飲みながら、また怪談話でもしようか?」
「「「「それはけっこうです。」」」」
その後、攻略してきた二人ともに朝食を摂ったりしたあと帰宅の途に付いた。車内……
「楽しかったねぇー」
「そうね。色々といい思い出も出来たし…… 千代さん、ありがとうございました。」
「そう言って貰えて良かったです。それに桜さんのキャンプご飯も美味しかったですよ。」
「何か嬉しいような、恥ずかしいような…… さて、次はいよいよ千代さんの実家へ挨拶ですね。」
「緊張してる?お姉ちゃん?」
「当たり前でしょ?初対面なんだから…… アンタのコミュ力を分けて欲しいくらいよ。」
「確かに。なでしこさんのコミュ力はチートですもんね。でもそんなに気負うことはないですよ。肩のチカラを抜いて行きましょう。」
ゴールデンウィークを楽しみに俺たちは帰った。
次回に続く。
次回から千代さん実家に戻ります。
ていぼう部も出てきます。
千代さんの今後について。
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桜さんと旅行中に大事件に巻き込まれる。
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ぼっち・ざ・ろっく とクロスオーバー
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リコリス・リコイル とクロスオーバー
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フィジカルチートでポケモンSVの世界へ
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今までの記憶などを持ってEDF6世界へ