おじキャン△   作:Shin-メン

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千代さんの実家ヘ帰るオリジナル展開が始まります。


ゴールデンウィーク 編
ゴールデンウィーク、実家に帰ろう!前編


週明けの月曜日…… 放課後になる。

『もうすぐゴールデンウィークか。桜さんと……』と俺は内心ニヤニヤしていた。

そこへいきなり現れた志摩さんと斉藤さんに拉致られる形で、図書室へと半ば強制的に連行される。

 

「ちょっと、俺、まだ仕事が……ッ!!?」

 

これはマズイ気がすると二人に抵抗してみた。

 

「まあまあ♪」

 

しかし斉藤さんは笑ってはぐらかすばかり。

分かるぞ…… これは裏がある顔だ。

 

「まあまあって、仕事しないと俺が事務長に怒られちゃうんだよッ!!?」

 

俺は逃げようとしたが、二人は俺の両腕をガッチリとホールドして逃がさない腹積もりらしい。

そして、取調室と化した図書室に入れられる。

志摩さんは自身の定位置であるカウンター内のイスに座った。

 

「そこに座ってください。」

 

彼女に促されるままに俺は志摩さんの向かい側に座らされる。

『隙があったら逃げよう!』と図書室の出入口をチラ見したけど、それを察知したのか、斉藤さんに逃げ道を塞がれた。

 

「逃がしませんよ♪」

 

エスパーかよ!斉藤さん……

 

「うむ、逃がさん。」

 

志摩さんまで…… 二人の尋問は疲れるんだよなぁー

 

「千代さん……」

 

「は、はひッ!!?」

 

うぅー 胃が痛い。

 

「この間、キャンプに行ったそうで……」

 

「ま、まあ…… 桜さんと急にバイトが休みになったなでしこさんの三人で行きました。」

 

「それにアキちゃんたちとも一緒にしたんだよね?」

 

「はい。そうです。」

 

「良いなぁー 私も行きたかったなぁー」

 

「斉藤さんはバイトでしたよね?」

 

「でも、羨ましいんだよー」

 

「楽しかったですか?」

 

「え、まあ…… すごく楽しかったです。」

 

「どうして、私を誘わなかったんですか?私がフリーでソロキャン行ってるって、知ってましたよね?」

 

来たよー!志摩さんのジト目。人ひとり殺しそうなんだもん。おじいちゃん顔負けだな。

 

「だって、志摩さん自身が一人の方が気楽だと仰っていたので……」

 

「千代さんは別なんだよね?リンは……♪」

 

「あ、斉藤!余計なことを言うなッ////」

 

志摩さんは頬をおもちのように膨らませてソッポを向く。相変わらず可愛い反応だ。

 

「照れてる♪リン、かっわいい♪」

 

彼女はツンツンと志摩さんの頬っぺたを突っつく。

 

「や、やめろ!怒るぞおー」

 

『二人が互いにイジリあっている。これは離脱のチャンスだ!』と席を立とうした。

 

「「どこに行くつもりですか?」」

 

離脱に失敗。『次はどうするか……』と辺りを見渡すと、図書室の本を読むスペースに瑞浪さんがいた。

彼女には申し訳ないが、デコイとなって貰おう。

瑞浪さんは今日も趣味のイラストを黙々とタブレットに描いていた。

 

「瑞浪さん。こんにちは。」

 

俺は彼女に声をかけた。

 

「あ、どうも……」

 

コチラに気づき、瑞浪さんがペコっと頭を下げる。

 

「絵真ちゃん、いたんだね。」

 

「今日もイラスト描いてんの?」

 

「はい。」

 

三人で彼女のタブレットを覗き込んだ。

描かれているのは柴犬だろうか。

 

「おおー!スッゴーーい!」

 

「相変わらず、うまいね。」

 

「そ、そんなことないです……////」

 

「そんな謙遜しなくても良いんじゃないかな?躍動感があって今にも画面から飛び出てきそうだ。」

 

「ねぇ、瑞浪さんは他の犬も描けるの?」

 

「あ、はい…… 描けますよ。任せて下さい。」

 

瑞浪さんはスラスラと筆を滑らせる。

 

「こんなんでどうでしょう?」

 

「うぉぉー うまい。」

 

「ビーグルだねぇ♪」

 

「次、コーギー。」

 

「大丈夫です。」スラスラ…………… 「出来ました。」

 

「「「か、かわええーー 」」」

 

志摩さんのリクエストは限度を知らない。

次々と犬種を言うが、瑞浪さんはそれに答える。

 

「凄いね。瑞浪さん…… 犬が大好きなんだね。」

 

「はい。でも家が賃貸だからペットとかはダメなんでよす。」

 

「千代さんは犬、好きですか?」

 

「好きだよ。犬も好きだけど猫も好きだね。自分の実家じゃ猫を二匹飼ってる。」

 

「へぇー 私も犬好きだけど両親が犬アレルギーなんだ。犬自体は好きなんだけど……」

 

「じゃあさ、二人ともこれからウチのチクワを触りに来ない?」

 

「お、斉藤!ナイス!」

 

「斉藤先輩……」

 

「瑞浪さん、急いで準備しよう!」

 

「はい。」

 

二人は帰る準備を始めた。

 

「千代さん。借り一つですよ。」

 

と小声で斉藤さんが言う。

どうやら、ほど良い時間で解放してくれたようだ。

「ありがとう。」と斉藤に耳打ちして俺は自衛隊仕込みのアビリティー"ステルス"を駆使して消えるように仕事に戻った。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

生徒も先生もいない学校。あんなに賑やかだったのに、今はシーンと静まり返っている。

俺が最後の見回りなどを済ませた頃には、時計の針は19時を回っていた。

 

「今日の仕事も終わりか。」

 

俺は相棒のロクダボに股がると、そのままの足で桜さんの家へと向かう。

30分ほど掛かるから、着くのは20時前か…… 俺は安全運転で相棒を飛ばした。

 

彼女の家に着くとバイト帰りのなでしこちゃんがちょうど家に入るところだった。

バイクの音に気づき、コチラに元気いっぱいに手を振っている。

俺は手を上げて応えた。

 

バイクのスタンドを立て確認し、降りてからヘルメットを取る。

 

「千代さーん!」

 

俺の胸に飛び込んでくる、なでしこちゃんのタックルを見事に真正面から受けきった。

 

「今、バイトあがり?」

 

「うん!」

 

「お疲れさま。」

 

「千代さんも、お仕事お疲れさま♪」

 

各務原家にお邪魔する。

 

「お父さん!お母さん!ただいまー お姉ちゃん、千代さん来たよー」

 

「お邪魔します。」

 

「お、いらっしゃい。」

 

「千代さん、晩ごはん出来てますから。なでしこ、アンタ分も用意してるから早く着替えて来なさい。」

 

「はーい。」

 

彼女は二階の自室にいった。

最近は各務原家にお邪魔して晩ごはんをいただくことが多くなった気がする。

 

なでしこちゃんと晩ごはんを食べ始めた。

 

「今日は遅かったね。」

 

とお義父さんの修一朗さんに聞かれる。

 

「学校の戸締まりとかをしていたんで……」

 

「大変ねぇー」とお義母さん。

 

「いえいえ、仕事ですから……」

 

「それで千代さん。実家にはどうやって帰ります?」

 

「そうですねぇ……」

 

桜さんの問に俺は考える。

一応は二人して中日も休んで10連休はとった。

安全や時間を有意義に使うためにも公共交通機関を使うべきだと思う。そんな時だった。

 

「私、自分の車で行きたい!」

 

「何をいきなり?一体どれだけの距離があると思ってるんですか?1000kmを軽く超えるんですよ?」

 

「私、憧れてるんですよ。超ロングドライブ…… 千代さんも年末年始で行ったじゃないですか。アナタの話を聞いたり、YouTubeやブログとか見てやってみたいなあと思ってたんです。」

 

「しかし……」

 

俺は悩む。桜さんの気持ちを酌んでやりたいのは山々なのだが……

 

「車は大丈夫です。この間のお花見ドライブ行ったあとすぐに整備に出して、オイル交換とかもしましたし、両親も許可してくれました。」

 

「ほ、本当ですか?お義父さんッ!!?」

 

「桜の情熱に負けたよ。それに可愛い子には旅をさせよって言うだろ?」

 

「お義父さん…… 申し訳ないですが、そのことわざの解釈は違います。正しくは"子供が可愛いなら、甘やかさないで、世の中のつらさを経験させたほうがよい"……ですね。」

 

「へぇー 勉強になるねぃ。」

 

「まあ、とにかく桜のお願いを聞いてくれないか?」

 

「私からもお願いします。」

 

ご両親からも頭を下げられたら、もう断れない。

 

「分かりました。桜さん、俺もとことん付き合いましょう。」

 

「やった。ありがとう、千代さん♪」

 

桜さんに抱きしめられる。

 

「ただし、条件があります。長時間の運転は危険です。だから二時間ごとに休憩を入れて、交代交代で行きましょう。それに二日に分けて無理せず……」

 

「分かりました。」

 

桜さんは張り切っていた。

 

「千代さん、私も相談したいことがあるんだけど……」

 

次はなでしこちゃんが俺を呼ぶ。

 

「ん?どうしたの?」

 

「えっとね?私も千代さんの実家に遊びに行きたいなぁーって……」

 

「え……?」

 

「アンタ、何言ってんの?ゴールデンウィークはバイト頑張るって言ってたじゃない。」

 

「その予定だったけど、店長がね?『学生は遊べるうちに遊んどいた方がいい』って言われちゃって、後半の五日間が休みなんだよー」

 

「その店長さんの言いたいことは分からんでもないが……」

 

「ダメかな?」

 

うぅ……

 

「千代さん、どうだろうか?」

 

「ちょっと実家に連絡してます。」

 

俺は実家に電話してみた。

 

「うん……うん…… そう。分かった。じゃ……」

 

電話を切り、俺はなでしこちゃんをジィーと見る。

ゴクリと各務原家が唾を飲み込んで、経過と結果を見守った。

 

「オッケー出ました。」

 

「ホント?やったー!千代さん大好き!」

 

テンションMAXのなでしこちゃんは俺に抱きつき、そのままフルパワーで締め上げる。

 

「ぐぇー な、なでしこちゃん…… 俺、しぬー!」

 

「何やってんの!おバカ!」

 

何とか解放してもらえた。

 

「だ、大丈夫?千代さん……」

 

桜さんが心配する。

 

「え、ええ…… (マジで胴体千切れるかと思った。)」

 

「楽しみだなー♪ どんなことしよう♪」

 

「なでしこさん?ここから真面目な話だ。キミにも条件つけよう。」

 

「え?うん……」

 

「まずは出発当日の移動手段などを事細かに書いた日程表を作成して俺と顧問の鳥羽先生に提出すること。期限は明後日の昼休みまで。」

 

「はいッ!」

 

「あと、行きの交通費は自分のお財布から出す。帰りは自分たちと一緒ならガソリン代として5000円を桜さんに渡すこと。」

 

「分かりました!」

 

「お義父さん、お義母さん、桜さんもこれで良いですね?」

 

「ええ。私たちもその条件で良いと思います。」

 

「じゃあ、頑張るんだよ。」

 

「うん!ふぉーー!やる気出てきたぁー!」

 

これは賑やかな旅になりそうだ。

次回に続く。




連休後半からはなでしこちゃんも合流します。
ご感想をお待ちしております。

千代さんの今後について。

  • 桜さんと旅行中に大事件に巻き込まれる。
  • ぼっち・ざ・ろっく とクロスオーバー
  • リコリス・リコイル とクロスオーバー
  • フィジカルチートでポケモンSVの世界へ
  • 今までの記憶などを持ってEDF6世界へ
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