おじキャン△   作:Shin-メン

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桜さん、釣り初体験です。


ていぼう部と桜さん。

「こちらにはいつ来たんですか?」

 

陽渚ちゃんの顔がパァっと明るくなる。

 

「ついさっき。彼女を自分の家族に紹介しに…… ね?」

 

ていぼう部の子たちが桜さんに視線を向けた。

 

「ええ、彼と付き合ってる各務原 桜よ。よろしくね。えっと、陽渚ちゃんで良かったかしら?」

 

「はい!鶴木 陽渚です!よろしくお願いします!」

 

「私、帆高 夏海!で、こっちは部長の大野先輩。」

 

「ど、どうも。大野 真…… です……」

 

「元部長の黒岩 悠希。今はピチピチの女子大生をやっととよー」

 

アウトドアチェアーに座る、麦わら帽子にラフな格好で素足にサンダルという田舎の親父スタイルの女の子がコチラにひらひらと手を振っている。

 

「え、そうなの?私も大学生なのよ。女子大生同士、仲良くしましょうね。」

 

「マジっすか。親近感湧くばい。」

 

「あの…… 千代さんと桜さんって、けっこう歳の差ありますよね?」

 

「私、今年20歳で……」

 

「自分が今35だから……」

 

「「15歳差ぁッ!!?」」

 

「そう…… なる、かな?」

 

「おー 千代さんやるたい。棲みにおけんねぇ。」

 

「みんな、恋愛には年齢(とし)は関係ない……」

 

「そう!そうなの!マコちゃんの言うとおりよ!」

 

共感してくれた大野さんの手を取り、興奮している桜さん。

 

「ま、マコ、ちゃん……////」

 

「大学でも他の学生から声をかけらたりするけど、チャラチャラしてて、私ダメなのよね?やっぱり千代さんみたいな人じゃないと……」

 

「って、言われてますけど?」

 

このこのーと夏海ちゃんと陽渚ちゃんが両側から肘で俺を小突く。

 

「照るな……って、夏海ちゃんたち、俺をからかってる?」

 

「へへへ……♪」

 

「それでここに俺の妹がいるはずだけど……?」

 

周囲を見回した。

 

「ここにいますよ。」

 

音もなく、俺の背後に立つ妹。

 

「うぉッ!!? ビックリした……!」

 

俺の後ろを取ったのは、次女のみのり。

海野高校で事務員をしており、なんやかんやあってていぼう部のご意見番をしている。なんか俺と似たような立場だな。

いつもポーカーフェイスで何を考えているか分からない。ちなみに顧問で保健医である小谷さやかちゃんとは同級生である。

 

「アナタが兄さんの………」

 

「各務原桜です。」

 

「ふむ……」

 

妹のみのりは厳しい目付きで、桜さんの頭のてっぺんから足の先までジィーッと見つめた。

 

「みのり、桜さんに失礼だろ。」

 

「千代さん、大丈夫です。」

 

俺と桜さんはゴクリと固唾を飲んで、成り行きを見守るしかない。そして……

 

「桜さん。」

 

「は、はい!」

 

「ホントーにしがない兄ですが、これからよろしくお願いします。」

 

妹はペコっと頭を下げた。

 

「何なんだよ。なんか心配して損したぞ。」

 

みんなに笑われる始末……

 

「で、今日は何釣ってたの?」

 

「タレソだよ。」

 

「タレソ……? 千代さん、タレソって何なんですか?」

 

「あー! 何だっけ?子供の時におばぁと釣りした時に聞いたんだけど……」

 

「カタクチイワシですよ。」

 

「あー! それだ陽渚ちゃん。」

 

「カタクチイワシ、煮干しになるヤツです。うんうん、久しぶりに聞いたなぁー」

 

「桜さん、足元に気をつけて海の中を覗いてみなっせ。」

 

黒岩さんに言われて桜さんは海の中を覗く。

俺もマネして海の中を見た。

太陽の光を跳ね返すように、キラキラと光る魚体が見える。群れでいるようだ。数が凄い。

 

「あれ全部がカタクチイワシ?凄い量!」

 

「200近い量がいるんじゃないかー?」

 

「これどうやって釣るの?」

 

「サビキだよ。」

 

夏海ちゃんが仕掛けを見せた。

糸に小さな針が数個付いており、一番下には餌を入れるカゴがある。

 

「このエサカゴにオキアミを詰めてぇー 海に静かに入れる。」

 

作った仕掛けは、チャポンと餌を撒き散らしながら、海に沈んでいった。

 

「中層くらいで止めて、少し竿をしゃくってちょっと待つとぉ………」

 

次の瞬間、エサカゴから撒かれたオキアミに大量のタレソが群がる。そして竿先がピクピクと動く。

 

「掛かったんじゃない?夏海ちゃん!」

 

リールを巻き、竿を上げると針にはキラキラと光る魚体のタレソが掛かっていた。

 

「凄いじゃん。久しぶりに見た。」

 

手早く針から外し、氷水の張ったクーラーボックスに入れて締める。

 

「かなり釣ってたのね?」

 

「はい!桜さんもやってみます?」

 

「え?良いの?」

 

「やってみなよ。」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて……」

 

陽渚ちゃんから竿を受け取り、餌を詰めてもらってから竿を出した。

すぐに当たりがくる。

 

「わわァッ!!? も、もう来た!」

 

「竿を立てて、ゆっくりリールを巻いてください。」

 

先ほどと同じようにタレソが釣れた。

 

「釣れたわ。あら?1匹違う種類がいるわね?」

 

「それはアジゴやねぇー」

 

「マアジの子供だよ。桜さん。」

 

「へぇー これがアジゴ…… 可愛いわね。」

 

可愛い?そうなのか……

俺たちはサビキ釣りを楽しんだ。その後、大野さんが手料理を振る舞ってくれた。

ちなみに陽渚ちゃんは、魚の内臓取りなどの下ごしらえをまるでロボットように無心でしていた。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

解散して、家に帰ってきた。

 

「陽渚ちゃん、千代さんの実家とご近所さんだったのね?」

 

「はい。」

 

「じゃあね。陽渚!」

 

「うん、またね!」

 

夏海ちゃんとはここでお別れ、彼女は自転車で帰っていく。

 

「あの子の自宅はレストランをしてるんだよ。」

 

「へぇー 明日、行ってみませんか?」

 

「そうだね。お昼、行ってみようか。」

 

陽渚ちゃんとも別れ、家に入ると、長女家族も来ていた。

 

「ただいま。」

 

「戻りました。」

 

「おかえりなさい。って、アナタが桜さん?」

 

「そうだよ。俺の彼女。」

 

「初めまして。各務原桜です。」

 

「私はちひろよ。よろしくね。」

 

「そちらのお子さんは……?」

 

「私の子供。長男のとうり、次男のともき。二人とも桜お姉ちゃんに挨拶しなさい。せーの。」

 

「こんばんは。」「こんばんは。」

 

「こんばんは。偉いわねー 何歳?」

 

「ごさい!」「さんさい……」

 

「これで俺の兄妹勢ぞろいってところだね。」

 

そして、桜さんの歓迎会が盛大に開かれた。

田舎の歓迎会は盛大だ。俺の家族、長女の家族、近場親戚など軽く20人は超えている。

地元の名産品を使った郷土料理にお酒が並ぶ。

 

桜さんが自己紹介して、野咲家の大黒柱である俺の父が乾杯の音頭を取った。

そして盛大に宴会が始まる。それはもう飲めや歌えやのお祭り状態だった。

 

夜中まで続いた宴会も終わり、片付けなども済ませ、親戚たちも帰宅して家は静かになる。

ひとっ風呂浴びた俺は自室に行くと、中では桜さんが待っていた。

 

「疲れた……」

 

俺はベッドに腰かける。

 

「でも、楽しかったですよ。」

 

敷き布団に座る桜さんが応えた。

 

「田舎の飲み会は勢いがすごいからね。話のネタも尽きないし……」

 

「そうですね。私、圧倒されちゃいました♪」

 

「明日は午前中から観光しますか。ほら、一昨日、ツーリングしようって言ったし……」

 

「そういえば言ってましたね。スクーターがあるんですよね。」

 

「まあ……」

 

そう言って、俺は部屋の戸を開ける。

思った通りそこには妹たちが聞き耳を立てていた。

 

「やっぱりいたな。」

 

「え?いつからいたんですか?」

 

「えっと……」

 

「その……」

 

「はじめから……」

 

「いくら兄妹だからってなぁ、これはプライバシーの侵害だぞ!」

 

俺は妹たちを叱る。

 

「まあまあ…… 別に聞かれて困るものでもなかったし、良いじゃないですか。」

 

「桜さん、甘やかしちゃダメです。」

 

「大丈夫ですよ。千代さんだって、私の妹を甘やかしてますし…… ね?」

 

「キミがそういうなら……」

 

「さすが桜さーん!」

 

「調子に乗るな!」

 

「ごめんなさい。」

 

「それでよ話は変わるけど、あかり、お前の原付を明日貸してくれん?」

 

「うわ、いきなり?」

 

「良いやん。お前ニートでいつも家にいるんだろ?そもそもアレは俺が通学用に買ったヤツだし……」

 

「うーん…… 仕方ないなぁ。別に良いよ。」

 

「じゃあ、バイクとそれに使うツーリング道具一式、用意しといてな。」

 

「りょ。」

 

「じゃあ、解散!散った散った!」

 

俺は妹たちを追い出した。

 

「あんなこと言ってホントに良かったんですか?」

 

「大丈夫、大丈夫。さあて、明日もおもいっきり遊びましょうね。」

 

「はい。お休みなさい。」

 

「お休み………」

 

と共に布団に入り、照明を小さくしようとした時だった。突如として俺のスマホが鳴る。

すでに夜中の23時を回り、時計の数字は30分になる前だった。

 

「だ、誰だ?」

 

相手先を見ると画面には志摩さんの文字が……

 

「も、もしもし?」

 

『夜分遅くにすみません。』

 

「い、いや大丈夫だよ。」

 

「千代さん?誰からですか?」

 

「志摩さん。」と相手が誰なのかを桜さんに聞こえる声で教える。

 

「え?リンちゃん?」桜さんはポカンとしていた。

 

「あ、ううん。それで?どうしたの?」

 

『あの…… 相談があって……』

 

「何々?協力できることがあったら言って。」

 

『私も千代さんの家に行きたいです。』

 

「な、なんですと……」

 

『私、バイトが急に休みなって……』

 

「ああー 暇を持て余してる感じ?ご両親には相談したの?」

 

『それはまだ…… でも明日の朝には話します。』

 

「分かった。コチラも親たちには話してみるよ。」

 

『本当ですかッ? ありがとうございます!よろしくお願いします!』

 

電話が切れる。

それにしても志摩さん、ウッキウキだったな……

 

「あの…… リンちゃんはなんて?」

 

「ウチに来るって……」

 

「あらあら。千代さんが大好きだからって、リンちゃんも大胆ねぇー」

 

「あの娘の行動力は凄いですからね…… 伊豆も原付で走破しちゃうし。まあー ウチは広いし、一人増えたところで問題はないと思うよ。」

 

俺たちの夜は更けていくのだった。

 

次回に続く。




しまりん、参戦けってーです。
ご感想お待ちしております。

千代さんの今後について。

  • 桜さんと旅行中に大事件に巻き込まれる。
  • ぼっち・ざ・ろっく とクロスオーバー
  • リコリス・リコイル とクロスオーバー
  • フィジカルチートでポケモンSVの世界へ
  • 今までの記憶などを持ってEDF6世界へ
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