おじキャン△   作:Shin-メン

69 / 118
今回は桜さんとツーリングする回です。


芦方町 ツーリング。

朝になった。アラームが鳴り響き、俺と桜さんは目を覚ます。

 

「「うーーん!」」

 

互いに背伸びをした。そして上体を起こすと見つめ合って…… 「「おはようございます。」」朝の挨拶だ。家族揃って、居間で朝食を取る。

 

「良く眠れたかしら?」

 

「あ、はい。もうぐっすりと。」

 

母の言葉に桜さんが応えた。

 

「それにしても、朝食も豪華ですね。朝からお刺身が食べられるなんて。」

 

「ここでは普通なんだけどな。そっちの方じゃ食べんのか?」

 

「私の実家がある山梨県は海がないので…… そもそも魚介類を食べる機会がないんですよ。」

 

「そうか…… それはそれで、寂しいもんだ。」

 

「なあ?親父。明後日から彼女の妹もコッチに来るけどさ、その妹さんの同級生も来たいって連絡がぁ…………」

 

「ん?良かぞ。」

 

「え?全部話してないのに……」

 

「大丈夫だろ?なあ?」

 

「ええ。部屋は広いし数もまだあるし。お義母さんも良いですよね?」

 

「もちろん、良いですよ。孫が増えるみたいでなぁー ワシは嬉しいんじゃよ。」

 

「良かったですね。千代さん♪」

 

「ああ。」

 

朝食も終わり、俺の家族はそれぞれ仕事に行く。

父は漁協、母はパート。妹のみのりは海野高校だ。

桜さんは別室で着替えている。

 

俺は桜さんを待っている間に志摩さんへ昨日の返事を出した。

 

千代 :『気をつけておいで。』

 

ピコンとLINEがすぐに返ってくる。

 

リン :『 (*´Д`*) 』

 

謎顔文字だが、とにかく嬉しいことは分かった。

その後、俺は先に外に出て、親父のバイクである『レブル1100』を車庫から出す。

試しにエンジンを掛けてみると1082ccの水冷直列2気筒エンジンが始動した。

 

「うーん!テンション上がるなぁ!」

 

軽く空ぶかしなどをしていると、俺に気づいた陽渚ちゃんがコチラに向かって走ってくる。

 

「おはようございます!」

 

「あ、おはよう。今から学校?」

 

「はい! えっと…… このバイク、確かおじさんのですよね?」

 

「そう。今朝借りたんだよ。」

 

「カッコいいなぁー♪」

 

二人で立ち話をしていると、準備が終わった桜さんが合流する。

 

「お待たせしましたぁー!」

 

ツーリングモードとなった桜さんが、俺と陽渚ちゃんの前に立つ。

白のパンツにブラウンのレザージャケット、髪型はルーズサイドテール、メガネからコンタクトにしていた。脇にはヘルメット抱えている。

 

「きれい……」

 

「うむ。」

 

陽渚ちゃんと二人で見惚れてしまった。

 

「二人してなーにしてんの?」

 

末っ子のあかりがジト目をしてツッコミを入れる。

 

「あ、桜さん素敵だなぁーって、ね?千代さん!」

 

「ありがと、陽渚ちゃん。でも学校大丈夫?」

 

「ぬわぁッ!!? 遅刻ちゃう!千代さん、桜さん!行ってきまーーーす!」

 

「いってらっしゃい。」

 

「気を付けてねぇー」

 

学校へ行く陽渚ちゃんを見送った。

 

「さてと…… 桜さん、これが私のバイクだよ。」

 

あかりが使ってるのは『NS-1』。と言っても俺が高校の時に通学で使っていたのを譲ったのだ。

車格は普通二輪と大して変わらないサイズ。

 

「これ…… 本当に原付なんですか?」

 

「原付ですよー」

 

「でも、カウル変えたんだな。」

 

「うん。私好みに変えちゃった。」

 

桜さんは妹から、乗り方をレクチャーを受ける。

エンジンのかけ方、シフトチェンジの仕方などなど…… 30分ほどみっちりと教えた。

 

「桜さん、飲み込み早いよ。」

 

「そ、そうかな?」

 

「確かにセンスあるな。」

 

俺たちはツーリングに出発する。

前を桜さんが走り、その後を俺が追従する布陣だ。

 

「どうですか?」

 

『まだ緊張してますけど、楽しいですね!』

 

まずは国道3号線を南下して隣町の湯ノ浦方面へと向かう。この町は今は廃れているが、昔は温泉の町だったらしい。

 

「この町を過ぎたら峠道に入りますから。」

 

『りょーかいでーす!』

 

湯ノ浦を出て俺たちは、三太郎峠のひとつ『津々木太郎』に入る。ここは鹿児島から熊本に抜ける街道の難所になっており、標高273mを一気にかけあがるのだ。

 

「桜さん、カッコいいね。」

 

『なんだか照れますね。』

 

峠道もなんのその…… 桜さんは巧みにNS-1を扱い、高回転域までエンジンをブン回している。

 

「今から下りに入ります。少し下った所にちょっと寄りたい場所があるんで……!」

 

『分かりました。』

 

俺の案内で小さな広場に立ち寄った。

バイクを降りてから、広場の奥へと入っていくと石碑が置かれている。

 

「ここは?」

 

「津々木町指定の文化財、千代塚だよ。」

 

「千代さんと同じ名前ですね。お墓……?」

 

「お墓は別の場所にあるけど…… 」

 

「千代さんはこの塚の人と関係があるんですか?」

 

「俺のご先祖様なんだよ。」

 

「え?ホントなんですか?」

 

「ああ、俺の母方だね。江戸前期頃から続いてるから300年くらい……?」

 

「スゴい。そんなに?」

 

「昔話にもなってるくらいだからね。」

 

俺はその昔話を彼女に話してあげた。

話し終わる頃には、感動したのか、桜さんは泣いていた。

 

「なんて健気な娘なのー!」

 

「ああー ハンカチです。」

 

「ありがとうございます…… 」

 

桜さんは涙を拭き、おもいっきり鼻をかむ。

 

「千代さんが私たちに優しいのも頷けました。」

 

「なんか照れますね。さてと次に行きますか。母方の祖父母にも顔を出さないと……」

 

「そうですね。」

 

「それに津々木町には九州最南端の酒蔵もあるんでそこに寄りましょう。鳥羽先生にお土産を買わないと……」

 

「鳥羽先生、お酒好きですからね。この間のキャンプでは少し驚いたけど……」

 

ということで津々木町に向けて、俺たちはバイクを走らせた。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

酒蔵の直営店で限定品の日本酒を買い、鳥羽先生宛てに送る。

そして、母方の実家に到着した。

 

「おおー おっきいおウチですね。」

 

「まあ それなりに歴史があるから……」

 

こちらの祖父母も彼女のことを心良く受け入れてくれた。色々話したりして祖父母宅を後にする。

リアス式海岸に沿った道を走り、芦方町へと帰ってきた。そろそろお昼の時間だ。

 

「桜さん、お昼にしましょう。」

 

『そうですね。』

 

俺たちは夏海ちゃんの家が経営しているお食事処『洋食・喫茶ほだか』へと向かった。

 

「こんちはー」

 

「あら、野咲さんのところの……」

 

「ご無沙汰してます。」

 

「そちらの人は……あ、もしかして!」

 

「まあ、そういうことだね。」

 

「あらあら。やるじゃなーい。」

 

茶化されつつ、席に案内される。

店内には黒岩さんが一人で昼食を食べていた。

 

「おー 千代さん。桜さんもおったんね。今から昼ご飯たい。」

 

「そうだね。折角実家に帰って来たんだし、ここで食べて行かないと。」

 

その後、提供された料理を桜さんといただく。

 

「美味しい。」

 

「そうやろー♪ それでデート行って来たっでしょ?どうだった?」

 

「楽しかったわよ。隣町の津々木町に行って、千代塚に寄ったり、海岸線を走ったり…… ツーリングしたの。」

 

「ほう?桜さん、バイクに乗れたんっね。」

 

「原付だけど、千代さんの妹さんから借りて…… 悠希ちゃんもバイクに乗ってるの?」

 

「乗っとるよ。兄貴から貰ったヤツだけど。」

 

桜さんは黒岩さんとのガールズトークにしばし華を咲かせていた。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

お昼も済ませて、俺たちは無事に帰宅する。

 

「あー! 楽しかった♪ 」

 

「お疲れさま。」

 

「良い思い出ができたわ。千代さん、ありがとうございました。」

 

「いえいえ。俺も桜さんとツーリングできて良かったよ。バイク貸してくれた妹にも感謝しないと。」

 

「そうですね。」

 

ガレージにバイクを片付けて家に入る。

居間には末っ子がゴロゴロしていた。

 

「おかえりー」

 

「あかりさん、バイクありがとうございました。」

 

「気にしないで。楽しめたようで何よりだよ。」

 

その日の夜、自室にて……

 

「桜さん、今日さ黒岩さんとツーリングの話していた時、スッゴくニコニコしてたよ?」

 

「えッ!!? そうですか?」

 

「ああ。キミがこの前、俺に言ってた気持ちが少し理解できたよ。」

 

「でしょー 私もバイクの免許取ろうかしら。もっと千代さんと一緒に走りたいわ。」

 

「良いですね。協力しますよ!」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

場所は変わって、時間も少し戻そう。

山梨県の本栖高校、野クルの部室にて……

 

「いよいよやなー なでしこちゃん。」

 

「うん、スッゴく楽しみだよー」

 

「私たちは一緒懸命働いてくるからな!」

 

「先輩、いっぱしの企業戦士みたいッス!」

 

「お土産は任せてね!」

 

「はい!楽しみにまってます!」

 

楽しそうに話していると、部室の戸が開き、志摩さんが一人で訪ねてきた。

 

「おー リンじゃねぇか。」

 

「どうしたの?リンちゃん……」

 

「なでしこ。私も行くぞ!」

 

「どこに?」

 

「千代さん家……!」

 

「「「「な、なんだ(や)ってー!」」」」

 

「ホント?リンちゃん!」

 

「うむ。」

 

志摩さんがコクンと頷いた。

 

「おほー!」

 

なでしこさんは大興奮。

 

「でもよー 良く千代さんがOKサインを出してくれたよな?」

 

「昨日の夜に千代さんに直接相談した。」

 

「でも、どうやって行くん?なでしこちゃんは深夜バスで行くんやろ?」

 

「フッフッフ…… 私もバスの予約取ったぞ。なでしこのバスと同じヤツ。運良く空いてた。」

 

「リンちゃんのご両親は知っとるん?」

 

「今朝話したよ。」

 

「志摩先輩!死ぬ気で遊んできてくださいね!」

 

「うむ!任せろ!」

 

「向こうでは魚釣りとかできるみたいだよ!リンちゃん!」

 

「目指せ!海人……!」

 

野クルの部室は盛大に盛り上がっていた。

しかし、参戦する山梨代表の二人がこの後悲惨な目に会うとはまだ知らない。

 

次回に続く。




次回からなでしこ、しまりん本格参戦します。
ご感想よろしくお願いします

千代さんの今後について。

  • 桜さんと旅行中に大事件に巻き込まれる。
  • ぼっち・ざ・ろっく とクロスオーバー
  • リコリス・リコイル とクロスオーバー
  • フィジカルチートでポケモンSVの世界へ
  • 今までの記憶などを持ってEDF6世界へ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。