おじキャン△   作:Shin-メン

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なんとなく書いていきます。


走行会、IN 鈴鹿サーキット  〜到着〜

俺と道半ばで出会ったバイク部は、大きな問題もなく三重県までやって来た。

 

「次のインターで降りるよー?」

 

『はーい!』

 

先頭を走っていた俺は、後ろを走るバイク部の娘たちに指示を出す。

インカム越しに佐倉さんの元気な返事が返って来た。

 

『それにしても腹減ったなー!もう何時だー?』

 

天野さんが言っている。

 

『えーっと、もうすぐ12時ですわね。』

 

『じゃあ、どこかでお昼を食べて行かない?』

 

『私、ぎゅーどーん!』

 

『牛丼って……あのな〜羽音……私たちは三重県に来ているんだぞ?』

 

『そうよ羽音……せっかくここまで来たんだから、名物を食べなきゃぁ……』

 

確かに……遠路はるばる三重県まで来たんだ。

牛丼なんてそこら辺のチェーン店で食べれば良い。

 

『では、松阪牛にしましょう。ワタクシの行きつけの店が近くにありますわ。よろしいわね?早川?』

 

『かしこまりました。聖お嬢様……』

 

ドゥカティ750ccイモラレプリカのサイドカーに乗っている三ノ輪さんが提案した。

さすがお嬢様……

昼飯から松阪牛とは贅沢の極み……庶民の俺とは別次元の存在だ。

 

『千代さんも是非……♪』

 

「そんなッ!!?わ、悪いですよッ!!?」

 

彼女からの突然の誘いに驚いてしまい、思わず断ってしまう。

 

『大丈夫。ワタクシ三ノ輪聖が、皆さまに最高級松阪牛をご馳走しますわ〜!』

 

「よ、よろしいのでしょうか……?」

 

『もちろんですよ。野咲様……』

 

執事の早川さんからも一緒にと誘われた。

ここまで言われたんだ。

誘いを断るのは、失礼に当たる。

 

「では、お言葉に甘えて……」

 

『ってことで!バイク部のお昼ごはんは、松阪牛にけってーー!』

 

バイク部の面々は意気揚々と俺を引き連れ、三ノ輪家御用達のステーキハウスへと向かった。

 

到着した俺は、バイクから降りて記念にスマホでカシャリ……野クルのメンバーと志摩さんたちにおくっとくか。

 

千代:『三重県に到着!今からお昼ごはんだよ。』

 

入店した俺たちは鉄板が敷かれたとカウンターテーブルに一列に座り、各々好きなメニューを注文する。

 

俺はサーロインステーキを注文……

俺を始めとしたメンバーにそれぞれに、専門のシェフが付きっきりで焼いてくれた。

 

最高級のサーロインが目の前で焼かれていく。

音と香りが食欲をさらにそそる。

そして、出来上がったステーキに思わず唾を飲んだ。

 

「やっぱり、最初は塩だな……」

 

丁寧に一口サイズに切られたステーキを箸で取り、塩をチョンと付けて口に運ぶ。

 

一噛み一噛みするたびに肉から旨味と甘い脂が溶け出してくる。

 

「美味い…………」

 

感嘆とした一言……幸せだ。

「ありがとうございます。」とシェフがスマートにお礼を言う。

バイク部も美味しそうに食べていた。

彼女たち見ていると、感情を表に出す者、出さない者がハッキリ別れている。

 

「あ、そうだ……みんなにも自慢しとこう。」

 

スマホでステーキを取り、メッセージと一緒に添付して送信っと……

 

千代:『昼飯ナウ……』

 

直ぐに返信が来た。

 

なでしこ:『ふおーーー!ステーキ!良いな〜!』

 

千明:『これが大人のリッチな休日ってわけか………』

 

イヌ子:『あ~あ、アキがまた鼻血を出しとるわ……』

 

なでしこ:『私たちは笛吹公園ってところで休憩中だよ〜♪』

 

各務原さんの送ってくれた写真には、三人仲睦まじくカフェスイーツを食べていた。

ピコン……っと、志摩さんからもメッセージが。

 

リン:『ステーキ、良いですね。大人だけができるお金の暴力か…………』

 

お金の暴力って………志摩さんも面白いことを言う。

 

リン:『私もお昼ごはん中です。』

 

ボルシチ……温かそうで美味そうだ。 

 

リン:『なでしこたちの写真……見ました?』

 

千代:『見た見た。三人で仲良くカフェスイーツ食べてるヤツでしょ?』

 

リン:『スイーツ……うまそうだけど、スゲー寒そうだった。』

 

千代:『まったく……それで志摩さんのツーリングはどう?順調かな?』

 

リン:『はい。今は霧ヶ峰に差し掛かる手前ですね。』

 

「霧ヶ峰か………」

 

ちょっと調べて見る。

 

「長野、諏訪湖近くの高原……もう、そんな所にいるのか。」

 

ステーキをゆっくりと味わっていると、先に食べ終わったのか、佐倉さんが俺の隣まで来て声をかけてくれた。

 

「どうです?千代さん!美味しいですよねッ!!?」

 

「あ、ああ……佐倉さんはもう食べ終わったのかい?」

 

「うん!もうペロリと!」

 

「ちょっと、羽音〜?お行儀悪いわよ……」

 

「えへへ……♪」

 

お姉さん風をビュービュー吹かせた鈴乃木さんから注意され、彼女は自分の席へと戻る。

食後のコーヒーで一腹しながら、スマホでメッセージのやり取りをしていると………………

 

「さっきから、誰とメッセージしているんですか?」

 

鈴乃木さんが覗き込んで来た。

 

「アイコン見るに私たちと近い年代みたい……」

 

「えっと……自分が働いている高校の子たちで、野外活動サークルっていう同好会を作ってるんだよ。なんの因果か自分はその同好会の相談役になってしまって………」

 

「野外活動サークル……それって、どんな同好会なんですか?」

 

「なになに?凜ちゃん!どうしたの?」

 

「千代さんが働いてる高校の野外活動サークルって同好会に付いて聞いてたの。」

 

「あ、気になるー!」

 

「私も聞きたーい!」

 

「ワタクシも!」

 

来夢先輩はどこから取り出したのか、プラカードに手書きで「早く聞かせて!」っと書いてある。

 

「是非とも聞いてみたいモノですな……」

 

早川さんまで…………

 

「えっと、野外活動サークルの活動は主に外で焚き火を囲んでココア飲んで雑談したり、キャンプ雑誌読んだりとかしているよ。」

 

「え?それだけ………………?」

 

「なんだか肩透かし食らった気分……」

 

「あ、だけど今日から初めてのキャンプに行っているよ。さっきはその報告がてらメッセージのやり取りをしていたわけ……」

 

「へぇーキャンプかぁ……良いな〜」

 

「別の子は一人で長野まで行ってるね。原付きで……」

 

「やっぱり、キャンプですか?」 

 

「そうだね。片道150キロ走りきるんだって。」

 

「凄いバイタリティね……」

 

「ワルですわ〜」

 

原付きで150キロを走るのは、果たしてワルなのか?

その後、俺たちは30分ほど店にいた。

 

「さあ、そろそろ行こうか……」

 

「あら?もうこんな時間……早川、支払い良くって?」

 

「もちろんです。」

 

「あ、領収書もお願いしますね。」

 

「かしこまりました。」

 

執事の早川さんは支払いに向かう。

バイク部の娘たちは一足先に外に出ていった。

俺は早川さんを待って、ともに外に出る。

 

「すいません、早川さん……初対面なのにお昼までご馳走になって……」

 

「いえいえ……お礼は聖お嬢様にお願いします。」

 

「あ、そうでしたね……」

 

店の外に出るとみんなが待っていた。

 

「さあ、三ノ輪さんにお礼を言おうか?せーの!」

 

「「「ありがとーございました!」」」

 

来夢先輩は相変わらず、お礼の言葉を書いたプラカードを出す。

他の娘たちは……うん、小学校低学年かな?

 

各々相棒に跨がった俺たちは、再び目的地の鈴鹿サーキットに向かった。

あと少し、安全に………気を付けて行こう。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

数十分走り、とうとう鈴鹿サーキットが見えて来た。

進行方向左手には観客スタンド、正面には大きな観覧車……入場ゲートをくぐり案内に従い敷地内を進む。

 

予約していたホテルの駐輪スペースまで行くと先客がいた。

 

「隊長!おそーい!」

 

声を掛けてきたのは、オレンジ色のレザージャケットを身に着け、タイトなジーパンにオシャレなバイクブーツを履いた黒髪ロングの長身の女性。

 

彼女は“山波 菜々緒”……

俺に二つ下の後輩で三等陸尉、さらにレンジャー等の資格を持っている。

今は結婚を期に自衛官を離れ、日本最強クラスの二児の母として頑張っているようだ。

 

ちなみに彼女の駆るバイクは“YAMAHA YZF-R7”だ。

 

「隊長はやめてくれ……山波三尉。俺は陸上自衛隊から離れているんだぞ。」

 

バイクから降りた俺は、ヘルメットを取りながら彼女に応えた。

 

「フフ……そんなこと言っておきながら、私の事もちゃんと階級付けて呼んでいるじゃないですかー♪……お久しぶりです。」

 

山波は最初、おちゃらけた表情だったが一気に引き締まった顔になって俺に対して敬礼をする。

 

「ああ、久しぶり……」

 

俺も敬礼で彼女に返す。

やっぱり敬礼をされたら、敬礼で返してしまう。

これも一種の職業病だな。

 

「おおーカッコいい!」

 

自衛官だった頃の余韻も冷めやらぬ内に声が上がる。

佐倉さんと天野さんが目をキラキラさせながら、山波のバイクを見ていた。

 

「この娘たちは?」

 

「ああー ここに来る途中に会ってな……」

 

「へぇ〜 隊長もスミに置けないですね……」

 

「ば、馬鹿いうなッ!!?別に何もないぞ!ただ……ッ!」

 

「ただ〜?なんですか〜?」

 

コイツーーッ!

 

そういえば、山波は昔からこんなヤツだった……

久しぶりに会ったからすっかり失念していた。

自衛官時代は休息期間中にコイツと会えば、何かと色々からかわれていたな。

 

そんなことを考えていると、鈴乃木さんが山波に挨拶をしていた。

 

「はじめまして。鈴乃木凜です。」

 

「はじめまして…… アナタも隊長と一緒にここまで来たの?」

 

「えぇ、千代さんとずっとここまで来ました。」

 

「彼女たちも?」

 

「はい!私たちは丘乃上女子高等学校の生徒です。」

 

「あの…… 千代さんとは、どういったご関係で?」

 

「フフ…… 気になるの?」

 

「別に変な意味ではないですよッ!!?」

 

「私も陸上自衛隊にいたの。彼と同じ分隊で部下だったわ。」

 

「こんな美人な人が……カッコいいです!憧れます!」

 

鈴乃木さんは山波に羨望の眼差しを送る。

確かにコイツは美人で自衛官の時には広報誌の表紙を飾ったこともあった。

 

だがな……!

 

「今こそコイツは結婚して家庭を持って丸くなったが、昔はおっかなかったぞ〜?」

 

「そうなんですか?」

 

「もう!私のことはそれくらいにして、早くチェックインしに行きますよ……!」

 

鈴乃木さんとの会話をぶった切るように、山波が間に入り、自身のバイクから荷物を降りしてホテルへと入って行く。

 

俺たちも後に続いた。

チェックインも済ませて、割り当てられた部屋に案内される。

 

無事に到着したことを野クルと志摩さんにSNSを通して伝えておいた。

鈴鹿サーキットにはホテル以外にも、遊園地などが併設させている。

少し見て回って来よう………

 

さあ、明日はいよいよイベントが開催される。

ホテルのフロントの案内には、有名なモトブロガー兼YouTuberもゲスト出演するみたいだ。

 

次回に続く。




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