各務原なでしこです。バスに揺られて何時間経ったんだろう?私たちを乗せたバスは、山陽自動車道をひたすら西へと走っています。
空も段々と白み初めてきました。
「朝、来ちゃった……」
スマホのアプリ『グルグルマップ』でバスがどこを走っているのかを調べます。
「山口県に入った所なんだ……ってことは、関門橋渡るところが見られるぞ!」
あと三時間半も走れば、本州としばしのお別れです。渡る前にはリンちゃん達にも教えて上げよう♪
そして朝日が登ってきました。
「まぶしい。」
本州最後の休憩です。
バスから降りて、短いながらもリフレッシュ!
「うーーん!気持ちいい……!」
「そうですなー!」
「うわぁッ!!?」
隣にいたのは千束さん。全然気づかなかったよ……
「もう、オーバーだなぁー!」
「ごめんなさい。」
「良いってことよー!」
「そうだ!千束さん、何か飲みません?私、奢りますよ。」
「え?良いの?」
「はい、私とリンちゃんを見守ってくれるお礼です!」
「やりー♪」
私は自動販売機でジュースを買った。
「ありがとね♪早起きは三文の徳って、良く言ったもんだ!いただきます!」
千束さんは腰に左手を当て、一気に飲み干します。
「ぷはー! うまい!」
「千束さん、おやじくさーい♪」
「お、おやじ……ッ!!?」
千束さんからは、アキちゃんに近く濃いなにかを感じました。私たちはバスに戻ります。
「おはよー リンちゃん。」
半個室となっているパーティションを少し開けると、リンちゃんはスースーとまだ寝息を発てていました。
「起こしちゃ、不味いか……」
ジュースだけ置いて自分の席に戻ろうっと……
「なでしこさん。」
びくぅッ!!?「あ、たきなさん…… お、おはようございます。」
「ジュース、ありがとうございます。千束から受け取りました。」
「い、いえ……」
たきなさん、相変わらず真面目だなぁー
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「うーん…… 朝か……」
志摩リンです。目が覚めたら、私の席にジュースと書き置きが置いてありました。
「なでしこめ……」
私はLINEでなでしこにお礼を送った。
案内標識に関門橋の表示が見える。
ってことはもうすぐ関門橋か。
そして、私たちを乗せたバスは大きな吊り橋の上を
渡ります。
「おおーー!海だーー!」と声に出すのは我慢!でもこうなっちゃうのは海ナシ県の性なんだよなぁー
凄い高さ。遠くまで見える。
関門海峡の間を大小様々な船が通っていた。
「さらば、本州。」
「ようこそ、九州!だね!リンちゃん。」
「うおッ!!? なでしこ。」
「おはよー リンちゃん。」
「ああ、おはよう。」
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東京を出発して実に13時間!
私たちはついに、九州の地に降り立ったのだ!
「着いた!九州ーーッ!」
「長かった。」
「ここが福岡の中心。」
「東京に負けないくらいの賑やかさだね。」
「まずは写真を撮ろう!」
私は記念に一枚撮り、家族や野クルメンバー、そして千代さんへと一斉にLINEで送信しました。
「良し!さあ、熊本行きのバスの出発まで20分しかないからねぇー 焦らず走らず迅速に移動しますよー!」
「なんだよそれ、意味分かんねぇ……」
「ふふ、確かに……」
三人は私のあとに付いてきます。
そして、熊本行きのバスに無事に乗れました。
一番後ろの席に四人並んで座ります。
千代さんと待ち合わせしているバスターミナルはここから1時間40分の道のりです。
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時間を戻そう。俺はなでしこさんから、出発したとメッセージを受け取った時に、思わず頭を抱えてしまった。
「どうしよう……」
その時、俺は居間で親父と久しぶりに二人っきりで晩酌していた。
桜さんは先に布団に入っている。
「なんや?どぎゃんしたっか?」
「いや…… 明日、桜さんの妹とその友人が来っけどよ?もう二人増えるみたい……」
俺の言葉に親父は芋焼酎の入ったグラスをグイッと煽り、俺を見据えた。
「人情モンの肥後もっこすが、そぎゃんこまんかことで悩んでとぎゃんすっか!オッのウチは広かで大丈夫たい!」
「ちょこっと話が聞こえたばってん、なんねー? ウチは気にすることなかよー?」
風呂上がりのお袋が、ビール片手に居間に入って来て、定位置に座った。
「なんね?全部で四人になっとやろ? そんくらい、お母さんに任せなっせ!」
実に心強い二人だ。
「そう言ってくれるとありがたいよ。」
でも、帰りはどうするか……
桜さんの車は五人乗りだし、絶対に無理だ。
「はて…… どうするものか?」
「なんか?まだ悩みがあっとか?」
「帰りばどぎゃんしよっかなっち、思っとる……」
俺は考えた。頭を使いに使った。そして思いついた。空自の輸送機を利用しようと……
「良し!帰る方法思いついたわ!」
「そうか?そりゃあ良かった。」
「俺、ちょっと連絡取ってみるわ。じゃあ、明日から頼むよ。おやすみ。」
「ああ。」「お休みなさい。」
俺は月明かりで照らされた縁側に座り、スマホでとある人物に暗号通信を利用して、とある人物に電話をかけた。
数回コールのしたのち、通話が繋がる。
「あ、もしもし?」
『た、隊長ッ!!? 何ですか? 私!今……』
「ああ、分かってる。今、米軍と離島奪還を想定した合同演習してるんだろう?」
『分かってるなら、今は電話しないで下さいよ!』
電話の向こうからは、絶え間なく銃声などが聞こえていた。
『それで!こんな時間に何の用事ですか!』
「お前たち戦略部はいつも通りに輸送機で帰るんだろう?」
『え?まあ、そうですけど……』
「じゃあ、帰りに熊本県の阿蘇くまもと空港に寄って俺を拾って行ってくれん?」
『いやいや、いくら戦略部の隊長でも……!』
「上には俺から伝えとくから、そっちは頼んだよ。」
俺はその後、色々と段取りを取り合い電話を切った。さてと…… 寝るか。
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朝が来た。俺は朝一で自身の直属の上司に話をする。なんとか帰りの足の目処はたった。
「千代さん、おはようございます。」
「おはよう。桜さん…… 」
「今、誰と話されていたんですか?」
「ああー ちょっと個人的に…… それよりも、妹さんたちが熊本に着くのが12時前になるみたいですよ。」
「そうなんですね。じゃあ余裕を持って10時くらいに出発しましょう。」
「ですね。」
その後、俺と桜さんは朝食を摂ったり、出発の準備を済ませる。
そして、出発する時間になった。
「それじゃあ、迎えにいってくるから。」
「いってきます。」
「気をつけてね。」
お袋に見送られて、俺たちは待ち合わせのバスターミナルへと向かう。
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とうとう着きました!熊本県!
「おおー!着いたー!」
「私のおしり、なんとかもった……」
「千代さん、どこかな~?」
「待ち合わせはここで合ってますか?」
「はい。到着時間もピッタリなんですが……」
ちょっと不安になってきた。
私は千代さんとお姉ちゃんを探します。
「おーい!」
聞き覚えのある声。声のした方を見ると、千代さんとお姉ちゃんがコチラに歩いて来てました。
「千代さーーん!」
私はおもいっきり、千代さんに抱きつきます。
「ぎゅーーーー!」
「ぐぇーーーー!」
千代さんの顔からどんどん血の気が引いていきました。背骨が軋む音も聞こえます。
「アンタって子は何やってんの!千代さんが死んじゃうでしょうが!」
リンちゃんたちにも手伝ってもらい、私は千代さんから引き離されました。
「凄いパワーですね……」
たきなさんは唖然としています。
「いつものことですから、気にしないで下さい。」
「マジ? なでしこちゃん、おもしろーい♪」
「大丈夫ですか?千代さん……」
「ええ、まあ…… さてと、ようこそ熊本県へ。長旅お疲れ様でした。」
「千束さん、たきなさん、紹介するね?私のお姉ちゃんです。」
「各務原桜です。妹のなでしことリンちゃんがお世話になりました。」
「錦木千束でーす!」
「私は井ノ上たきなです。よろしく。」
お昼ということで、なんと!千代さんがお昼ごはんをご馳走してくれるそうです!何かなー?楽しみだな~♪
千代さんがアーケード街を案内してくれます。
「けっこう色んなお店があるんだなー」
「目移りしてしまいそうですね。」
リンちゃんとたきなさんは右に左へと、キョロキョロして忙しそうです。
「おしゃれなブティックまであるよ。たきな、何か見て行く?」
「私たちは任務中ですよ。」
「ちぇー たきな、つまんないぞ。」
「千代さん、何をご馳走してくれるんですか?」
「麺類とだけ言っとこうかな?」
「私、分かったかも!熊本の麺料理と言ったら豚骨ラーメンだぁ!」
「残念! 豚骨ラーメンも美味しくて有名だけど、今回はマイナーだけど美味しい、こちらの『太平燕』を紹介します!」
「「「「「「たいぴーえん?」」」」」」
「そう!豚骨ラーメンの影に隠れたご当地麺なのだよ。あっさり中華スープに野菜や魚介、豚肉の出汁が溶け込んで絶品なんだ。」
千代さんが太平燕を熱く語ってくれます。
その分、期待に胸が膨らみますね。私たちは未知の味、太平燕を味わいたいと思います!
次回に続く。
千代さんが自衛隊を私的に使おうとしています。
あと、太平燕は良いぞ!
しまりんに普通自動二輪の免許を取らせたい。
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賛成。
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反対。