おじキャン△   作:Shin-メン

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お待たせしました。


はじめての魚釣りと超次元ビーチバレー。

なでしこさんと志摩さんがキス釣りに初挑戦する。

まずは夏海ちゃんのデモンストレーションだ。

 

「これがキス釣り用の仕掛け!」

 

「ほぅ…… はじめて見る仕掛けだね。」

 

志摩さんは食い入るように、仕掛けを観察する。

 

「ねぇ?エサって、何を使うの?」

 

確かにそうだ。餌がないと釣れる魚も釣れない。

なでしこさんが夏海ちゃんに尋ねた。

ちなみに、俺はキス釣りに使う餌が何なのかは知っている。でも二人のリアクションが気になるから、敢えて言わないでおいた。

 

「あー エサはこれだよー!」

 

夏海ちゃんが摘まんで見せてくれたのは、ウニョウニョとうごめく、細長く気持ち悪い生き物。その生き物を見た瞬間に、二人の顔が一気にひきつる。

 

「ね、ねぇ…… 陽渚ちゃん…… あれって……」

 

「おい!なでしこ!陽渚ちゃん、立ったまま気絶してるぞ!」

 

志摩さんの言うとおり、陽渚ちゃんの口から魂みたいなモノが出てきていた。

 

「ふぇ~~」

 

「陽渚ちゃーーん!!?」

 

「なんやー? 陽渚はまだアオムシに慣れとらんとかー?」

 

「陽渚ちゃんは大丈夫なの?悠希ちゃん?」

 

桜さんも心配している。

 

「気にすることなかよ。いつもんことやけん。」

 

そんな彼女に、黒岩さんは飄々と答えていた。

 

「あー いつものことなんだ。」

 

魂が抜けて、器用に立ったまま気を失っている陽渚ちゃんを無視して夏海ちゃんが説明する。

 

「キスはねぇ? 口が小さいから、こうやって千切ってぇ………」

 

何の躊躇いもなく、夏海ちゃんはアオムシことイソメをブチブチと引き千切った。

 

「「ひぇーー!」」

 

ドン引きする二人…… なんか面白い。

そんな二人を気にすることもなく、夏海ちゃんは千切ったアオムシを釣り針につけた。

 

「このアオムシから出る、体液の独特なニオイが良いんだよな! なでしこちゃん、嗅いでみなよ。」

 

「ひ、むりーーッ!!?」

 

「夏海ちゃん、すげぇー」

 

「え?何がぁ?」

 

思考がぶっ飛び、アホの顔になった志摩さんの褒め言葉も意に返さず、夏海ちゃんは回りを確認してから勢い良く竿を振る。

 

「いっけぇーー!」

 

しなった竿は仕掛けを40mほど飛ばした。

 

「すっごーい!」

 

「へぇー けっこう飛ぶもんだね?たきな。」

 

俺の近くで一緒に眺めていた千束ちゃんも、夏海ちゃんの遠投に感心している。

 

「ええ。でもあれでホントに釣れるんでしょうか?」

 

着水した仕掛けは、遠浅の砂の海底に着いた。

夏海ちゃんはゆっくりとリールを巻いて、海中の魚にアピールする。

すると竿先にツンツンと当たりがあった。

 

「来た!」

 

そして竿先がぐぐぅッとしなる。

竿を立て、リール巻くと針には白い魚体のキスが付いていた。

 

「おおー」

 

「釣れたぁー!」

 

釣れたキスは太陽の光にキラキラと白金に輝く。

 

「これがキス……」

 

「きれいだね。」

 

「シロギスは身の美しさから、海の貴婦人や海の女王って、言われてるんだよ。」

 

すかさず、大野さんが豆知識を教えてくれた。

 

「じゃあー 次はなでしこちゃんたちだな!」

 

「なでしこちゃん、私の竿を使って。」

 

いつの間にか復活していた陽渚ちゃんから、なでしこさんは竿を預かる。

一方、志摩さんは夏海ちゃんから受けとった。

 

「う~ でも、あの虫さんを触るのいやだ……なー」

 

「そうだ。なでしこちゃん?その虫エサが嫌なら、この疑似餌があるよ。」

 

「おおー! こんなのがあるんだー!」

 

「そんなのがあるなら、もっと早く教えてくれれば良かったのに……って、意外とリアルだな。」

 

「疑似餌は生き餌とは、違ってコツがいるんだよ。」

 

陽渚ちゃんに疑似餌バージョンのレクチャーを受けたら、いざ!実戦だ。

 

「よおーし!いっくぞー!」

 

「そおぉぉぉーーれーーっ!」

 

二人は竿をおもいっきり振った。

しかし、仕掛けは前に飛んで行かない。

 

「うーーん!」「ふぬーーん!」

 

二人は一生懸命に竿を振ろう頑張った。

その度に千束ちゃんとたきなちゃんのスカートが捲り上がる。

何ということでしょう。

なでしこさんと志摩さんの投げた仕掛けの釣り針が、神機動でリコリス組のスカートに引っ掛かったのだ。どうしてそうなるだ?

 

「二人とも丸見えだね…… 」

 

俺は腕組みしながら実況する。

もちろん見たのは俺だけじゃない。桜さん、黒岩さん、大野さんも同様だ。

 

「千束さんはピンク……」

 

「たきなちゃんは水色よ。」

 

「うーん、女の子やねぇ。」

 

みるみるウチに二人の顔が赤くなる。そして……

 

「ひゃあーーーー!」

 

「くぁwせdrftgyふじこlp!」

 

二人は絶叫した。そらそうか。

 

「どうしよう!たきなー! 私!お嫁さんにいけないよー!」

 

「そうだ!千束!いっそのこと千代さんに責任取って貰いましょう!」

 

パニくって変なことを言い出す始末。

 

「何言っての。二人とも?たかがパンツ見られたくらいでしょ? 俺は18歳以下のお子さまのには興味ないのです!」

 

俺は勝ち誇った顔で語る。

 

「コホン、千代さん? 今のはセクハラですよ。」

 

拳を握る桜さん。

 

「え?」

 

「最低です。」

 

「大野の言うとおりたい。」

 

「千代さんのえっちーーー!」

 

俺は千束ちゃんから超絶撃たれた。

 

「ぎょえーーーっっ!」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

俺はいつの間にか眠っていたようだ。

 

「う、うーーん……」

 

ビーチパラソルの下、広げられたレジャーシート、桜さんの膝枕で横になっていた。

 

「ようやく起きましたね。」

 

俺は上体を起こす。

 

「俺はいったい……」

 

「どうしたんでしょうね?急に倒れたんですよ?」

 

「そうなんだ。」

 

ボーッと見つめる先では、みんなが仲良くビーチバレーを楽しんでいた。

 

「さてと……」

 

桜さんがおもむろに立ちか上がる。

 

「どうしたんですか?桜さん。」

 

「私たちもビーチバレーをやりましょう。」

 

彼女は笑顔で俺に手を差し出し、俺はその手を握り立ち上がると、一緒にみんな元へと向かった。

 

「あ、千代さん、やっと来たー!」

 

「俺たちも一緒に混ざっても良いかな?」

 

「もちろんです。」

 

とその時だった。

たきなちゃんが桜さんをビシっと指を差す。

 

「桜さん!千代さんを賭けて私とビーチバレーと勝負しましょう!」

 

と、たきなちゃんは桜さんに向かって声高らかに宣戦布告をしたのだ。

 

「え?何ィーーーっッ!!?」

 

頭を抱える俺。

一方、桜さんのメガネがキラリと光る。

 

「良いわよ。その勝負、買うわ……!」

 

「「「「グッパーで!」」」」

 

チーム分けをした。

俺とたきなちゃんチーム vs 桜さん&千束ちゃんの構図となった。

 

「勝負するからには、手加減をしないからね。たきなちゃん、勝ちに行くよ!」

 

「もちろんです! そして千代さんを私の手の内に……うひひ。」

 

たきなちゃんがニヤニヤしている。

たきなちゃんって、こんな娘だったんだな。

 

「私も千代さんを渡す訳にはいきませんよ! 千束ちゃん、頑張りましょう。」

 

「てやんでい!任せときぃー!」

 

コートに入り、ネット越しに互いに対面する。

 

「おおー 両チームバチバチじゃんか。」

 

「お姉ちゃーん!がんばれー!」

 

「千代さんたちも、負けるなー!」

 

外野からの声援に俺や桜さんたちは、サムズアップで答える。

 

先攻は桜さんチームからだ。

サーブするのは桜さん…… 彼女が位置に着く。

 

「行きますよー!」

 

桜さんがバレーボールを上に投げ、彼女もそれに続き高々とジャンプした。

 

「そーーれぇッ!」

 

それは必殺とも言えよう一撃。あまりの勢いにボールが変形している。

俺を目掛けて凄まじい速さでボールが迫って来た。

桜さんめ…… 俺狙いで来たか!

 

「だが!負けん!」

 

俺は超反応を見せ、桜さんの撃ち込んだサーブをレシーブで受け止めて、上へと打ち上げる。

 

「たきなちゃん!」

 

たきなちゃんがトスで俺に返した。

次はこちらの番!俺は砂浜を蹴り高々と飛ぶ!

 

「とゥッ!」

 

俺の放ったアタックはさらに凄かった。

破裂するんじゃないかと思うほどにボールが変形している。

千束ちゃんも負けじとレシーブに入るが、返すことが出来ず、コート外にポトリと落ちた。

 

「千代さん、たきなさんチーム!1ポイント!」

 

「おおー!」と歓声が上がる。

次のサーブ権が俺たちに移った。

 

「千束。見てなさい。たきなスペシャル!」

 

とたきなちゃんが叫ぶ。

これまた凄い破壊力のサーブだ。

 

「しゃおらぁーー!」

 

千束ちゃんが真正面から受け止めた。

 

「フォローに入るわ!」

 

桜さんがトスを上げる。

 

「お願い!千束ちゃん!」

 

「ヨッシャ!お返しだぁー!」

 

来る!千束ちゃんのアタックが!

俺はブロックするために飛んだ。

 

「かかったな?千代さん!」

 

だが、俺は千束ちゃんのフェイントにまんまと乗せられてしまう。

時間差で桜さんが攻勢を仕掛けたのだ。

桜さんのアタックしたボールは俺顔面に直撃する。

 

「ぶへぁ……!」

 

俺は鼻血を吹き出し、そのまま気を失った。

コートに仰向けに倒れる。

 

「ち、千代さんッ!!? 」

 

俺は戦闘不能の判定が出た。

ビーチバレーはそれ以上の続行が出来なくなり、なんか違うけど桜さんチームの勝ちとなった。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

私は桜。千代さんが目覚めるまで…… そばに付いてることにします。

私の隣にはたきなちゃんが座っています。

 

「千代さん、大丈夫でしょうか?」

 

「彼なら大丈夫よ。タフだから…… 心配してくれてありがとね?」

 

「いえ……」

 

「ねぇ?たきなちゃん? もしかして、千代さんのこと好きなの?」

 

「………はい。私、実は孤児で……」

 

「え?ご両親は……」

 

「10年前の地震災害で……」

 

「そう、なの…… 辛いこと思い出させたようで、ごめんなさいね。」

 

「良いんです。その時に私を助けてくれたのが、自衛官の千代さんでした。私に取っては命の恩人です……」

 

「そうだったのね……」

 

「災害派遣の期間が終わって帰ることになるまで、千代さんは私のことを何かと気にかけてくれたんです。」

 

そうか…… あの時の女の子だったのかと俺は記憶が掘り返される。

 

形はどうであれ、あの時の娘が立派に育ってくれたようで、俺は目頭が熱くなった。

 

しかし起きるに起きられず、気絶したフリのまま、しばし二人の話を聞いていた。

 

次回に続く。




たきなちゃんにちょっと設定加えてみました。
ご感想お待ちしております。

しまりんに普通自動二輪の免許を取らせたい。

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