おじキャン△   作:Shin-メン

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第四期です。
ゴールデンウィーク編後の話です。行きます。


第四期
志摩リン、普通二輪免許を取る。その1


志摩リンです。ゴールデンウィークから帰って来てしばらく経ちました。

放課後、図書室でいつもの席に陣取り、本の貸し借りの処理をしています…… と言っても、図書室には数えるくらいしかいません。

いつものことだけど……

ちなみ今日はバイトは休みです。

 

「はぁー 暇だ…… 」

 

ゴールデンウィークで過ごした時間が濃すぎて、いまいち刺激が足りない日々を送っています。

千束さんにたきなさん、ていぼう部のみんなは、元気にしてるかなぁー?

 

「何、ため息ついてんの?」

 

「あ、千代さん……」

 

「私もいるよー♪」

 

「知ってる…… ってか、なんで千代さんと腕なんか組んじゃてんの?」

 

「私と千代さんはラブラブなんだよー♪」

 

「自分は周りの目もあるから、ちょっと困るんだけどね……」

 

「じゃあ、ハッキリ言ってやらないと…… 斉藤、ずっとこんな調子ですよ。」

 

「お、分かってるねぇー リン♪」

 

「あのな?斉藤…… 千代さんはなでしこのお姉さんと婚約したんだぞ? 迷惑かけるなよ……」

 

「うーん…… それ言っちゃうかぁー」

 

斉藤さんが俺から離れた。ちょっと一安心。

 

「それで? 志摩さん、どうかしたの?」

 

「ちょっと、刺激が欲しいなぁーって……」

 

「何々ぃ~? 刺激って?」

 

「ゴールデンウィークで過ごした時間が濃すぎて、日常がなんだかね……」

 

「あー 向こうじゃ、最終日にデッカイ魚を釣ってたもんね。」

 

「潮干狩りじゃー ドロドロになった、リンとなでしこちゃん、めっちゃ面白かったよー♪」

 

「アレはタコさんから、スミを掛けられたんだぞ。ちょー 不本意だ。」

 

「それに帰りは車ごとスカイダイビングだもんね。外では千代さん一緒に飛んでるんだもん…… ビックリしたよー」

 

「マジで『映画かよ!』って、言っちゃった。」

 

「ねえねえ、千代さん……」

 

「うん?どうした?」

 

「千代さんって、ホントーに何者なんですか?」

 

「ふっふっふー♪ 大人には秘密の一つや二つあるもんですぞ……?」

 

お?それは、なでしこのモノマネか?斉藤の質問はなんかはぐらかされたぞ?

その時、私のスマホが鳴りました。誰からだ?

 

「あ、アヤちゃんからだ……」

 

「アヤちゃんって、なでしこちゃんの親友の?」

 

「うん。」

 

「それで?なんて来たの?」

 

「えっと…… 」

 

綾乃:『新しいバイク、買っちった。』

 

「「何ぃーー!」」

 

バイク大好きな私と千代さんがハモる。

斉藤はポカンとしてた。

次に送られて来たのは、アヤちゃんが買ったバイクの写真だった。

 

「おおー! HONDA CRF250じゃん!」

 

「千代さん? そのバイク、そんなにいいヤツなんですか?」

 

「街乗りから、ゲロ道も走破できる便利なヤツだよ。」

 

「千代さん? ゲロ道って……?」

 

「オフロードだよ。」

 

「じゃあ、そう言ってくださいよ……」

 

「ゴメン ゴメン…… それに250ccだから高速も乗れるし、行動範囲が格段に広がるよね。」

 

「そうなんだー」

 

「険道に嵌まったアヤちゃんには、ピッタリのバイクじゃん。これは返信しないと……」

 

リン: 『納車、おめでとう♪』

良し!これでOKーっと!

 

「千代さん、私、決めました! 私もアヤちゃんみたいに普通二輪の免許取って、バイクも買う!」

 

「おぉー いきなり来たね。」

 

「千代さんの実家に遊びに行った時、妹さんのバイクに乗らせて貰ったじゃないですか。」

 

「なるほど、NS-1…… 虜になった?」

 

「はい。私の原付とは全然違う、風と一つになる感じの乗り味が忘れられません。」

 

「おおー! リン、頑張って!」

 

「うむ! 任せとけ。まずは家族会議だ。」

 

早速、私は行動に移します。

まずは帰ってから家族に相談です。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

「ただいまー」

 

「おかえりー」

 

家にはお母さんが居ました。

 

「ねえ、お母さん……」

 

「どうしたの? リン……」

 

「これ見て。」

 

私はアヤちゃんが送ってくれた写真を、お母さんに見せます。

 

「この子って、なでしこちゃんのお友達の……」

 

「うん、土岐綾乃ちゃん。今年の春休みに大井川で一緒に走ったじゃん。」

 

「覚えてるわ。 でもその子、随分、良いバイク持ってるのね? 」

 

「うん。 今日納車したんだって…… 」

 

「そうなの? 凄いのね。」

 

「だから、私も普通二輪の免許を取る。」

 

「え……?」

 

「だから、私も新しく免許を取る。」

 

「二回も言わなくても良いわよ。でも、急ね?」

 

「伊豆キャンプで千代さんと一緒に走って、この間ゴールデンウィークでも速いバイクに乗ったりしたのが、忘れられないんだ。」

 

「リンの気持ちは分かるけど……」

 

「おじいちゃんから聞いたよ? お母さんも高校生の時にはバイク乗り回してたんでしょ?」

 

「ちょ! どうしてそれを……ッ!!? 」

 

「それにこんな写真だってあるんだよー」

 

私はお母さんの若かりし頃の写真……

それはバイクに股がり、ドヤ顔でポーズを取る姿。

 

「ねえ? 良いでしょー?」

 

「じゃあ、お父さんが帰って来たら、話し合いをしましょう。おじいちゃんも来るしね?」

 

「分かった。」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

20時30分 野咲宅にて……

 

「リンちゃん、バイクの免許取るんですか?」

 

俺の隣に座る桜さんが、話しかける。

 

「取る気満々だったね。家族会議だー!って、言ってたから、この時間、やってるんじゃないかな?」

 

「アヤちゃんのバイク、カッコ良かったもんね。」

 

なでしこちゃんも自分のことのように喜んでいた。

今日は夕方から、俺の自宅に各務原姉妹が遊びにきている。

二人と志摩さんのことについて話していた。

ちなみに二人は家に泊まる。土日だからね。

 

「リンちゃん、どんなバイクに乗るんだろう?」

 

「アヤちゃんのは、大井川の奥地を攻めたりできるオフロードで志摩さんはのんびり快適性の高いヤツが好みじゃないかな? かなりの距離走ったりするし……」

 

「リンちゃんの走る距離、たまにバグってますからね……」

 

桜さんの言うとおり、あの娘は普通に原付で片道200キロ以上を走り切る、末恐ろしい娘だ。

 

「でも、カッコ良いヤツも似合ってるよね。」

 

「千代さんの実家で乗ってたヤツですね?」

 

「確かに、結構 様になってた。」

 

三人でそんな話しをしていたら、不意に俺のスマホが鳴る。こんな夜に誰だ? 画面に表示された相手の名前は志摩さんからだった。

 

「志摩さんからだ……」

 

「え? リンちゃんッ!!?」

 

志摩さん大好きななでしこちゃんの顔が、パアッと笑顔になる。うん、可愛い…… いただきました。

俺は電話に出てみる。

 

「もしもし? 志摩さん、どうプレゼンはうまくいったかな?」

 

『おー 千代か? 私だ……』

 

「いッ、一佐!」

 

迂闊だった。なんと電話の相手は、志摩さん……… ではなく、彼女のおじいちゃんこと『新城肇(元一佐)』。俺は座っていたソファーから、勢い良く立ち上がる。

 

「お、お久しぶりです!」

 

電話越しだけど、陸自の生きる伝説の相手に敬礼した。いきなりのことに桜さんとなでしこちゃんは、目を丸くしている。

 

『リンから聞いたぞ? ゴールデンウィークの時には世話になったようだな?』

 

「いえ、自分の家族も楽しかったと喜んでいましたし、 特に祖母は新たに孫が出来たと言っていました。」

 

『それにお前も婚約したんだってな?』

 

「え、ええ、まあ…… 」

 

志摩さんが話したのか。

 

『おめでとう。彼女は大切にするんだぞ。』

 

「は! もちろんです!」

 

『あと、孫のリンたちとも話し合って、普通二輪の免許を取らせることに決めたよ。』

 

「そうですか。 彼女の希望が通って良かったです。ハハハ……」

 

『私もリンと色んな場所を巡りたいものだ。 孫を頼んだぞ?』

 

電話が切れた。

 

「千代さん?リンちゃんからなんて話しがあったんですか?」

 

「電話の相手は志摩さんのおじいちゃんだった。」

 

「それで?」

 

「婚約おめでとうだって。桜さんを幸せにしてやれと言われました。」

 

「嬉しいですね。」

 

「自分は照れくさいけど……ね。あと、志摩さんも免許取るって。」

 

「おほー!」

 

「何か一佐から、彼女を託されたよ。」

 

「責任重大ですね。」

 

「頑張ってね!お兄ちゃん!」

 

「お、お兄ちゃんッ!!?」

 

なでしこちゃんに急に『お兄ちゃん』呼びされ、動揺してしまう。

 

「あ、お兄ちゃん、照れてるぅ~♪」

 

「うぐ……ッ!!?」

 

「大人をからかわないの。」

 

ポカッ 「あイタ。」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

週明けの月曜日。今日は久しぶりに、顧問の鳥羽先生含めた野クル全員が集まっての活動をする。

 

「千代さん?私と斉藤、それに瑞浪さんは野クルの部員じゃありませんよ?」

 

「まあまあ、リンちゃん、良いじゃないですか。」

 

「うーん…… なんか納得できねー」

 

「さてと。みんな、久しぶりに揃ったなー! 集まって貰ったのは他ではない!なんと、我らがリンが普通二輪免許の取得に挑戦するそうだ!」

 

「なんだよ。我らがリンって……」

 

「リンちゃん、ホンマか?」

 

「うむ。週末におじいちゃんが来たから、みんなで話し合って決めた。」

 

「スゲーッス! 志摩先輩。」

 

「だねー♪」

 

「これが出来る女ってヤツですか……」

 

「瑞浪さん?それはちょっと違う気がします。」

 

「と言うわけで、志摩さんは、免許取得のために教習所で教育を受けないといけない。」

 

「そうですね。学科と実技、車の免許と同じですね。」

 

「鳥羽先生の言うとおり。しかし、バイクには車にはないモノがあります。それは……」

 

「それは……?」

 

志摩さんがゴクリと息を呑む。

 

「引き起こしです! バイクはふとした時に、転倒したり、立ちゴケしたりします。緊急時には自力でバイクを起こさないといけない。なので志摩さんには引き起こしに挑戦してもらいます!」

 

「えぇぇーーーッ!」

 

過去イチの声だ。

 

「じゃあ、しまりんビーノでやるんッスか?」

 

「うーむ…… 私の原付ならワンチャンイケるかも……?」

 

志摩さんがそんな甘いことを言っている。

 

「原付……? 違うな…… 志摩さんがやって貰うのは、コチラです!」

 

マットの上に寝かせてあったのは、俺の相棒であるCBR600RRであった。

 

「わざわざ千代さんの愛車を倒して上げたんだ。」

 

「そうだよ。 相棒も志摩さんために一肌脱ぐと言ってるし……ね?」

 

\オウヨ!/

 

「ガンバやで! リンちゃん!」

 

「お、おぅ……」

 

志摩さんがめっちゃバイブってる。武者震いか?

 

「ねえ?千代さん、このバイク何キロあるの?」

 

斉藤さんが逃げ場を無くす。

 

「多少の装備が付いてるし、だいたい200キロだね。600ccだし、リッターバイクじゃないぶん、楽だよ。」

 

先ずは俺がお手本を見せて、志摩さんにもきちんとレクチャーした上で、彼女が挑戦する。

 

次回に続く。




リンちゃん、二輪教習の最難関と言っても過言でもない、バイクの引き起こしです。

ご感想、お待ちしてます。

しまりんに普通自動二輪の免許を取らせたい。

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