おじキャン△   作:Shin-メン

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リンちゃんがバイクの引き起こしに挑戦します。
だけど、その前に……?


志摩リン、普通二輪免許を取る。その2

私は大垣千明だ。しまりんがバイクの免許を取る。

その為には、最難関とも過言ではないらしい、引き起こしが必要とのだ。

 

「さあ、志摩さん挑戦してみよう。」

 

「は、はい……」

 

しまりんは緊張してガチガチだな。

ここはいっちょ、部長として私が緊張を解してやらんと……!

 

「千代さん! ちょっと良いッスか?」

 

「どうしたの? 大垣さん……」

 

「私もその引き起こし、体験してみたいッス!」

 

「え? 大垣さんは免許取らないし、やる必要がないよね?」

 

「いえ、これも人生経験ですから!」

 

「ま、まあ…… 良いけど、大丈夫?」

 

「千代さんのお手本をしっかり見てたから、大丈夫ッしょ!」

 

「ホンマにエエんか? アキ……」

 

「そうだよ、アキちゃん。」

 

「無理してする必要ないよ。」

 

みんなが私を止めようとするが、私は全然イケると思っていた。この時までは…… 私は位置に付いて、片膝付き、見ていた通りに手入れる。

 

「じゃあ、行きます!」

 

「どうぞ。」

 

「ふんぬーーーー!」

 

私は全身全霊を持って、千代さんのバイクを持ち上げた。フルパワーじゃぁぁぁい!

 

「スゴい! ちょっと浮いたよ! アキちゃん!」

 

なでしこたちの方からはそう見えてるのか。

だけど、今の私はそんなところじゃねぇー!

 

「うぐうぅぅぅーーーーー!死ぬーーー!」

 

「千代さん、大垣さんを助けてやって下さい。」

 

「いえ。彼女がやりたいと言ったので、もう少し頑張って貰いましょう。」

 

「そ、そんなぁぁぁ…………!」

 

「ちなみに千代さん?このバイク、いくらするんッスか?」

 

「中津川さん、良い質問だね。 このバイク、200万近くしたんだよ。自衛隊の昇進したご褒美に一括購入してね。このカウルも特別な素材だし、ここのダウンフォースを生み出すウイングが折れた時点でウン十万吹き飛ぶからね。」

 

「なんだよ。それ…… 聞いてねぇー!」

 

「先輩。大丈夫かな?」

 

「瑞浪後輩…… た、助けてくれ……!」

 

私は近くいた後輩ちゃんに、急いで助けを求める。

 

「ごめんなさい。先輩、私には無理ですよ……」

 

「な、なんだと……ッ!!?」

 

「カウルだけじゃないぞ。内部も高性能な電子制御システムやら、コンピューターが入ってるし、排気部分もチタンとか使ってるから、修理費だけ簡単に死ねるよ。」

 

ヤバいヤバいヤバいヤバい……!

 

「ギブ!ギブアップ! 助けて!千代さーん!」

 

私は音を上げる。

その時、千代さんが助けくれた。

ヒョイっとバイクを起こしてくれたのだ。

 

「大垣さん、良く頑張りました。」

 

千代さん、笑顔なのになんか怖いよ……

 

「ううぅぅ……… ありがとうございます。」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

うわぁ…… 千明のヤツ、めっちゃ涙目じゃん。

笑顔の千代さんが私を見てる。

 

「さあ、志摩さんの番だよ。」

 

ぬぅ…… 千代さんからのプレッシャーがやべぇー !

 

「わ、分かりました。」

 

私は位置に付きます。

 

「じゃあ、いきます!」

 

私は千明みたいに踏ん張ります。「ふぬぅーー!」

 

お、重ッ!!? 千代さんのバイクって、こんなに重たいのかッ!!? 千代さんが言っていたけど、カウルやら中の機械を壊したら修理費に殺されちまう。

 

「ヤバい……!」

 

「リンちゃん!がんばれー!」

 

なでしこたちが、応援してくれてる。

でも、私、なんでこんな重たい物を起こそうとしているんだ?

ただバイクに乗りたかっただけだったのに……

なんでだっけ? 他にも何かあったような…………

 

そうだ!

 

「私は…… あの時、感じた…… 音と…… 風を……もう一度ぉぉぉーーッ! 」

 

その時だった。

 

\ミギアシ ヲ フミダシテ! カラダゼンタイ ヲ ツカッテ オシアゲルンヤ !/

 

「エッ!!? あ、足……! そうか!」

 

私はバイクに乗る! 私はバイク乗りである志摩家の血を引いた一員!

おじいちゃんやお父さん、お母さん、千代さんの様なカッコ良くて素敵なライダーになるんだ!

 

「そして…… まだ見たことない景色を見るんだァーー!」

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

「どっせーーーーい!」

 

俺は驚いた。 初見でコイツを起こしてしまうとは…… ガソリンもほぼ満タン、200キロは以上あるというのに……

 

「志摩さん、あとはスタンド立てて、完了だ。」

 

志摩さんは俺の指示でスタンドを立てた。

 

「やばぁ~~ はあはあ……」

 

彼女はその場に座り込む。

息も絶え絶え、俺も初めて免許取った時はこんな感じだったけ……

 

「リンちゃん! やったー!」

 

「す、すげぇー」

 

大垣さん、アホっぽい顔になってる。

 

「大したもんやで~!」

 

「リン、頑張ったね。」

 

「お疲れ様です。」

 

「先輩、カッコいいッス!」

 

「うん、うん……!」

 

「「「「「「ばんざーい!」」」」」」

 

鳥羽先生と俺は拍手し、他の娘たちは、万歳三唱して彼女を称賛した。

 

「もう…… みんな、恥ずかしいよ……」

 

ヨイショされた、志摩さん照れくさそう。

でも、満更でもない様子だ。

 

「凄いね! 志摩さん! 初見でコイツを引き起こすなんて…… 驚いたよ。」

 

「いえ…… 千代さんのレクチャーが良かったおかげです。」

 

「そっか……」

 

「それに、千代さんの相棒…… アオイみたいな女の子なんですね。」

 

「なんや? リンちゃん? 私がどないかした?」

 

「うん? な、何でもないよ……」

 

うーん…… まさか、彼女にも相棒の声が聞こえたというのか?

コイツめ。と俺は相棒に目配せすると、相棒の視線がちょっと逸れた……… ような気がした。

 

△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 

あれから数日が経ち、志摩さんが自動車学校に入校する日がやって来た。

 

「おおー ここが南部自動車学校。」

 

彼女は校門に書かれた学校名を言葉にする。

 

「緊張してる?」

 

「もちろんじゃないですか。」

 

付き添いに千代さん……

 

「ファイト! リンちゃん!」

 

「頑張ってね!」

 

それに、なでしこと桜さんも来てくれた。

 

「はい! 行って来ます!」

 

志摩さんは受け付けを済まして、学科を受ける。

その間、俺たちは教習の休憩スペースから外を見ていた。

 

「おー 車が走ってるー お姉ちゃんたちもこういう所で練習したんだよね。」

 

「そうね。 アンタも将来は車の免許取るんだし、少しは雰囲気を味わっときなさい。」

 

「うん。ところで千代さんは車とバイクの他に何か運転できるの?」

 

「自分かい?原付から特大型車、大型特殊、ブルドーザー、ショベルカーまで全部乗れるよ。」

 

俺は自身の運転免許証をなでしこちゃんに見せて上げた。

 

「お姉ちゃん! 凄いよ! 全部乗れる!」

 

「ホントだわ…… 二種以外全部網羅してある。」

 

「自衛隊では運転免許を特例でタダで取れるんだよ。」

 

「おおー! 自衛隊、いいなー」

 

「でも、教習車は大型トラックだ。」

 

「え? お姉ちゃんの車みたいなのじゃないの?」

 

「残念だけど、普通車じゃないんだ。いきなり大型トラック…… しかも教官も自衛官上がりだから、めちゃめちゃ厳しい。それに失敗するとハンドルロックに使う鉄棒でどつき回されたりするんだよね。」

 

俺は思い出を二人に語る。

 

「ひぇ~」

 

「ヤバいですね……」

 

「まあー 税金が使われてるし、仕方ないよ。」

 

「私、やっぱりやめとく……」

 

「えー なでしこちゃん、自衛隊入りなよ。自分が運転 教えてあげるよ? もちろん大型車だけど……」

 

「遠慮しときます。」

 

「そっかぁ…… 運転免許もだけど、なでしこちゃんの体力があればレンジャーにもなれるんじゃない? 野営(キャンプ)も出来るよ? 好きでしょ?野営(キャンプ)!」

 

「自衛隊のはキャンプじゃなくて、サバイバルなんだよー!」

 

「うーん…… 残念。桜さん、フラれちゃった。」

 

「みたいね? 折角、就職先見つかったのに……」

 

三人で談笑していた。そして、志摩さん初めての実技の時間がやって来た。

志摩さんをはじめとした、受講者たちの目の前には『待っていました。』と言わんばかりに教習車仕様のスーフォアが倒されていた。

 

教官が先ずは手本を見せる。

受講者のほとんどが男性ばかり…… 女性は志摩さん含めて二人だけ。

 

力のある男性たちは、多少苦戦するが、引き起こしに成功した。

志摩さんの前に別の女性が挑戦し、無事にバイクを引き起こす。

 

残りは志摩さんだけ…… 受講者の中では一際小柄な彼女だ。これを突破しない限り、バイクには乗るどころか、股がらせてもくれない。

 

「リンちゃん、頑張れ……!」

 

「あの子なら、きっと大丈夫。千代さんのバイクだって起こしたんだから、信じましょう。」

 

「うん!」

 

「でも、俺、志摩さんに伝えてないことが、まだあるんだ……」

 

「え? 伝えてないこと?」

 

「ああ…… ぶっちゃけ、俺のバイクより教習車である、あのスーフォアの方が重たいんだよね……」

 

「なんですと?……」

 

「どのくらい重いんですか?」

 

「12~3キロくらいかな? 自分のバイクも世代を重ねるごとに重くなって、今は193キロ…… 燃料が18 リッター入る。 志摩さんのは本体だけで203キロ、燃料が同じく18リッター入るからね……」

 

「リンちゃん、頑張れ……!」

 

なでしこちゃんは心配そうだが、志摩さんは必ず成功すると願っていた。

 

さあ、志摩さんが約220キロある、倒れた教習車を持ち上げる。

 

「ふんぬーーーーーー!」

 

次回に続く。




リンちゃんには、千代さんの相棒の声が聞こえたみたいですね。

リンちゃん曰く、ロクダボの声はアオイちゃんvoiceらしいです。
ご感想お待ちしております。

しまりんに普通自動二輪の免許を取らせたい。

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