志摩リンです。 私は普通二輪免許取得のために自動車学校を受講します。
学科が終わり、実技の時間になりました。
「来たか……」
私の目の前には横倒しになった、教習車がある。
千代さんのバイクでやった時は、なんとか持ち上げることも出来たし、それにこのバイクは400cc…… 千代さんのに比べたら、幾分かは軽いはず!
「ふぅ…… 行きます!」
「どうぞ。」
私はこの間のことを思いだして、全身全霊ふるぱわーで持ち上げました。
「ふぬぅーーーー!」
あ、あれ? このバイク…… 千代さんのバイクより重くねッ!!? いや、マジで重い。
千代さんめ!図ったなぁーー!
「でも、私はぁ……!負けなーーーい! 」
お母さんも、これをやったんだ。
お母さんに出来て、私に出来ないわけがなーーい!
バイクが持ち上げる。私はやりきったんだ!
教習所の二階で見守るなでしこたちが、私に拍手を送っている。
私はそれに答え、ドヤ顔でサムズアップをした。
「燃料ヨシ、オイルヨシ、車輪、チェーン、エンジン、ブレーキとクラッチ類もヨシ! 灯火器、バックミラー、締め付けも完了! エンジン始動!」
乗車前点検も、スムーズに出来る。
初めての教習は緊張してエンストを何回かしたけど、回数こなす度に上達するのが分かった。
それ以上になぜか、バイクの声が聞こえるのだ。
決して幻聴とかじゃないぞ。
\リンチャン! サイキン ソウジューガ ウマクナッタネ!/
「スーフォアさんのおかげだよ。 それに千代さんの実家に遊びに行った時に、NS-1だっけ? めっちゃ速い原付に乗せてもらったんだ。」
\ソウナノカァー ドーリデ スジガ イインダネ!/
「それに私の家族は、みんなバイク乗りなんだ。私にもその血が流れてる。」
スーフォアさんと話しながらの、教習はホントに楽しかった。
スーフォアさんが優しく教えてくれるから、一本橋、スラロームも難なくクリア出来るよ。
「志摩さん、なかなか調子が良いね。」
「あ、教官さん…… ありがとうございます。このスーフォアさんの教え方が丁寧で安心して乗れるんですよ。」
「ちょっと何言ってるか分からない。けどハンコはあげとくよ。」
「やったぜ!」
「その調子で頑張ってくださいね。」
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私はバイトがない日は休まずに教習所に通った。
そして、約一ヶ月後……
『『『しまりん、普通二輪免許おめでとー!』』』
運動場の隅っこ、野クルの活動場所でみんなが私をお祝いしてくれた。
気恥ずかしいけど、めっちゃ嬉しい。
「ありがとう……////」
「では、志摩さん? 良いですか? 原付から普通二輪になったということは、高速にも乗れるということです。」
野クル顧問の鳥羽先生が、バイクの運転の注意事項を丁寧教えてくれます。
「はい。」
「きちんと法律を守り、周りの交通状況に気を配って、無理なすり抜け、スピードの出し過ぎ等は絶対にしないこと…… 約束してくださいね。」
「はい。分かりました。」
「交通マナーに関しては、ロードバイクに乗る犬山さん、中津川さんにも当てはまるからね。」
「そうですね。」
「うッス!」
「あと、歩行者でも横断歩道のない場所での道路横断は、乱横断とも言われ、それが原因で事故が起きた時は歩行者側にも責任が問われることもありますからね。 皆さんも気をつけてキャンプを楽しみましょう。」
「「「「はーーい。」」」」
「では、志摩さんは改めて学校に書類を提出してもらうので、ご両親に必要事項を書いて、ここにサインと判子を貰って来てください。」
「はい。」
志摩さんは鳥羽先生から提出書類を受け取った。
「じゃあ、リンちゃん! 記念に一枚。 アヤちゃん送っちゃおうよ。」
「うむ。」
「千代さん! スマホお願いしても良いですか?」
「はいはい。」
俺はなでしこちゃんから、スマホを受けとる。
志摩さんを中心にみんなが集まった。
「じゃ、いくよー 1 + 1 はぁー?」
「「「「「「「にぃーーー!」」」」」」」
俺は写真を撮った。
「はい、なでしこさん。」
「千代さん!ありがとー!」
スマホを彼女に渡すと早速、LINEを綾乃ちゃんへと送る。
なでしこ:『リンちゃんも、ついにバイクの免許取ったよ!』
リン: 『どやー!』
免許証アップ。
すぐに返信が来た。
綾乃: 『やったじゃーん♪ あとはバイク買うだけだね!』
リン: 『うん。 めっちゃ楽しみ……!』
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バイトも終わり、家に帰ってからは、ずっとバイクのカタログを見ています。
「ただいまー」
「お帰りなさい。アナタ。」
「おかえりー」
「リン、またカタログ見てるのかい?」
「うーん……」
「バイトから帰って来て、ずっとこんな感じよ?」
「だって、おじいちゃんみたいに遠い場所だって行けるようになったんだよ? 私もついにさすらいのキャンパーだね。」
「ホント、誰の血を引いたんだか……?」
「それ、お母さんが言う?」
「だね。 絶対に咲とお義父さんでしょ。」
「もう。二人して……!」
夕食を食べて、家族団欒の時間を過ごします。
「リンはどんなバイクに乗りたいの?」
「うーん…… あんまり前傾姿勢になるのは、キツイし、でもなるべくスムーズに加速出来るヤツかな~? 維持費や税金を考えると、250ccクラスにしようと思ってる。」
「リン? バイクはロマンのある乗り物よ? 維持費はもちろん大切だけど、先ずは見た目とフィーリングよ? それに250ccとそれ以上で比べてみても、そう大した差はないのよ。」
「え? そうなの?」
「調べてみなさい。」
お母さんに言われてネットで調べてみたら、確かにべらぼうに大きな差はなかった。
「それに高速だと250ccでは、ちょっとパワー不足なんだよね。」
「おじいちゃんの大型バイクに付いて行こうとすると、手がビリビリにシビれちゃうのよねー」
「そうなんだ。 じゃあ、400ccとかも範囲に入れて考えてみるよ。お父さん、お母さん、色々教えてくれてありがとう。」
「良いのよ。」
「リンも大きなバイクに乗るのか…… 成長したもんだ。うぅ……」
「お父さん、なんで泣いてんの?」
「父親って、そんなモンなのよ♪」
お母さん、クスクス笑っていました。
「よー 分からん。」
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週末、私はとある人を訪ねて、南部町へとやってきた。ピンポーン……
私は勇気を出してインターホンを押した。
『はーい。』女性の声…… 『リンちゃん?』
「こ、こんにちは。 あ、あの…… 千代さん、いますか?」
『ちょっと待っててね。』
ガチャリと玄関の扉が開く。
「珍しいお客様だ。 いらっしゃい。」
私を出迎えてくれたのは、千代さんと桜さん。
うーむ。二人は婚約しているとはいえ、なんかモヤモヤするぞ……
「おー リンちゃん! いらっしゃい!」
「なんだ、なでしこもいたのか?」
「うん! 千代さんのおウチ、なんか居心地が良いんだよねぇー♪」
「なんじゃそりゃ?」
「ウチとご近所ってこともあるけど、桜さんと良く遊びに来るんだよ。」
「かわいい妹としての特権なんだよー」
「いいなぁー」
「アンタはホント、調子が良いんだから……!」
「さあ、座って。」
「あ、はい。」
「リンちゃん、どうぞ。 ホットココアよ。」
「ありがとうございます…… おぉー うまい。」
「相変わらず、かわいいわねぇ~ リンちゃん。」
「それで? 今日、急に会いたいって?」
「えっと…… バイクの免許証取ってからは、どのバイクに乗ろうか?って、カタログばかり見ちゃって……」
「あー 分かる! 志摩さんの気持ち、めっちゃ分かる! どれにしようか迷っちゃうんだよな。 自分が志摩さんくらいの時のこと思い出すよ。」
「維持費とか考えちゃうと、さらに迷っちゃいますよね?」
「チッチッチ…… 桜さん。バイクはロマンなんですぞ。 車と違って予算や維持費は二の次!先ずは見た目とフィーリングなんだ。」
「それ、私の両親も言ってました。」
「リンちゃんの家族って、全員バイクに乗ってるの?」
「お父さんとお母さんは、若い頃に乗ってた。私のお母さんは高校生の頃から乗ってるんだ。」
「彼女のおじいちゃんは今でも現役で乗ってるんだよね。」
「私はバイク乗り…… そして、さすらいのキャンパーなんです!」
「おほー! リンちゃん、カッコいいー!」
私は千代さんたちとバイク談義に華をさかせた。
でも、やっぱりどれにしようか迷ってしまう。
「カタログだけじゃ、うーん…… 選べない。」
「だねー」
「これから長い間乗るんだし、仕方ないわ。」
「どうしよう……」
「じゃあ、実際に乗ってみたら?」
「え?」
「これから、みんなで各バイクメーカーの専門店に行って、バイクの試乗をしよう。」
「なんですとッ!!?」
「おー!」
「思い立ったが吉日って言いますし、 すぐに出かける準備をしましょう!」
なんか凄いことになったぞ?
それに千代さんがどこかに連絡してる。私の変わりに問い合わせしてくれてるのかな?
次回に続く。
しまりん、無事に免許取れて良かったですね。
それに彼女はバイクと会話が出来るという、特殊能力を持っているようです?
ご感想お待ちしております。
しまりんに普通自動二輪の免許を取らせたい。
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賛成。
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反対。